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machiawase wa gakusouten de
しっとりとした読み味の、シリアス寄りのお話にとても、引き込まれました。
ミナヅキ先生の単行本は、ここ数冊、軽やかな明るい作品が続いていましたが、私が先生に惚れたのは、命懸けの恋を描いた『この夜のすべて』でしたから、それらの楽しい漫画に先生の様様な魅力を教えられる一方で、物足りなさも感じていたところでした。
かつて信じた人に裏切られ、他人との係わりを避けるようになった者と、自分が傷付くのが怖くて遠ざけた、恋人の死を引きずる者とが出会う表題作は、「命懸けの恋」にはもう一歩及ばないものの、間違いなく私の大好きなミナヅキアキラ先生の漫画でした。
もう一編の収録作『待ってなんかいない』も、切なさがいっぱいで、表題作と通して読んでも、気持ちが途切れることのない、さすがの構成です。
Char@ VOL.15 に掲載されている、コミカルな表題作番外編も、とても気に入りました。
どうにかして、紙の本で手元に置いておきたいくらいです。
しばらく漫画のお仕事を休まれるという先生の、お休み前の単行本がこんなに私好みの素晴らしい作品で、嬉しい反面、ますます寂しく残念になってしまいました。
たくさんの人に、出会っていただきたい漫画です。
以前から作者さんの絵は好きだったけど、ほんとに読みやすくなりましたね。
多彩なアングル、ポーズ、トリミング、人物の絵にどこにも破綻がないのがほんとに素晴らしい。
コマとコマを仕切る枠線の間隔にまでちゃんと意味とリズムがあって、膨大な情報量をストレスなく読ませてくれる。
コミックでこの情報量はただ事じゃないです。
それが、紙に印刷されたとき、それもこのサイズのコミックスになったときにこれだけ読みやすいのは、絵の何を省略するかが非常に的確だからだと思う。
見やすくするために、顔の影などは全廃して、そのかわり鼻先などの輪郭線を切ってハイライト効果で立体感を感じさせる!
後ろや上から見たアングルの多いのも、読みやすさに寄与している(そしてまた、背中がいいの、肩から肩胛骨の具合が)
ストーリーに関しては、他の方もレビューされているし、何も言うことはないです。
色数を抑えたカバーイラストも素敵です。
、
誰とも深い関わりを持ちたくない額縁屋の菱田が
飛び込みで来た客のチカにその後もペースを乱されながらも
チカのカミングアウトと共に徐々に距離が近くなり…。
これまた萌えまくりなミナヅキさん作品ですよね……!!
チカへ手紙を残した真人!お前は!!と思いましたが
ああいう伝え方もあるのですね…。
芸術家ってちょっとどこか変わってますもんね(すみません)
とっちらかってる性格(賑やかと言ったらいいのかな)のチカが
抱えていた悲しい過去へ同情する気持ちもありますが
菱田視点なので、ついつい菱田に共感してしまいました。
自分の知らない真人と比べられてると思ったら
おもしろくないですもんね…。
ちゃんと俺を見ろって言いたくなっちゃいます。
ただ、真人への想いをちゃんと消化させられたのは間違いなく菱田で
冷静だったはずが劣情にかられてしまうところはこちらの体温も上がりました!
終盤、菱田の渾身の告白に「ふぇ、えええ」ってなってしまう受けは
あまり得意じゃないほうなんですが
描き下ろしと共に菱田の愛が素晴らしかったので大丈夫です。
自分では大人のはずが年下に心を掻き乱されるって可愛らしいですよね。
『待ってなんかいない』
学生時代に触りっこした相手との再会で
また触れ合ってその後誤解が生じてこじれて…なんて
今まで沢山読んできたはずなんですが
なんでこんなにドキドキするんだろう!?
ちょっとチャラいタイプ×真面目タイプとか
それこそド王道なのに……。
千歳しか知らない公高、いちいち表情も言動も可愛いし
いやもうホント可愛いんだよくっそぉおお!!!
突然口が悪くなってしまう程に可愛いんです。お察し下さい。
描き下ろしで過去を償うように優しくしまくる千歳もいいです。
待ちきれない気持ちもずっと大事にね…!!
なんだか心の充実感がありまくりなので神で!!
理想の愛は「小鳥のような純愛」だそうです。猟で鳥をしとめるなら雌を先に撃つと、雌の傍を離れない雄も同時にしとめることが出来ると言われていて、オシドリ夫婦もそんな意味の言葉。
このお話のチカさんは、小鳥のような純愛をしていた人みたい。恋人を失ったあと、ずっと蹲って動けなかった人。物語の真の主人公は死んだチカの恋人、真人。取り巻く人達が回想する形で展開する綺麗な恋物語でした。
▼人物
真人:絵の勉強で留学して間もなく渡航先で死亡。チカに渡した絵は企画外size。額は真人の手作り。裏に手紙を隠して、絵をチカに渡していた。
修理職人、菱田:人と関わりたくない人。昔仕事で騙されたことがある。
修理依頼人チカ:恋人の真人が相談なしに留学して、忘れようと真人と連絡を絶つ。珈琲店勤務の美人。
▼あらすじ:
規格外サイズの絵に画家が手作りした額を付けた真人の形見の絵。
ヤヤコシイ作業の額装修理を近は菱田に依頼する。
額を外すと裏に手紙があった。手紙は絵の作者・真人から「チカ」宛て。
「死んだ知人の額を修理をして知人の両親に返したい」と依頼者「近」が言っていたことを菱田が思いだす。
「アハハ、裏にいれたってわかる訳ないじゃんねー」と賑やかな言葉と裏腹に、菱田から手紙を震て受け取り、店を出たあとチカは泣いて蹲る。
絵の裏から出てきたチカ宛の手紙には「待っていて」と書かれていた。チカの元に帰ってくるつもりだった真人は、留学先で病死している。
真人がチカの恋人だった事は、手紙を見つけた菱田しか知らない。
チカは、真人とのことを整理したい。話を聴いて貰いたくて菱田の店に通いだす。
「なんであんな手紙遺すの」「なんでみつけちゃったの」と泣く、チカはずっと寂しかった。
菱田を「真人と似ている」というチカが不快になる、自分だけを視てほしくなる菱田。
真人の個展を遺族が希望して、額装店の一角を貸すことに。菱田が真人の生前を知ると共に、チカの気持ちも理解する。
二人それぞれ額縁の中に閉じ込めていた想いを解放することが出来た。
額裏の真人の手紙が切っ掛けの新しい恋。
▼感想:真人の心の動きがきになる。
真人が、どうして絵の裏に大事な想いを書いた手紙を封じていたのか、気になります。
何もそれには触れてない。ひょっとしたら、見つけてもらえないかもしれない場所。
真人の両親が菱田に語った部分
「真人が自分の病気に気づいたときは、もう日本に帰れない状態で・・」
「心配させまいと病気を知らせてもらえなかった」
「突然のことで中々死を受入れられなかった」
という会話から、真人は自分が他人の負担になることを嫌う優しい人柄だったらしい。
真人が遺した絵と手紙で、チカは新しいパートナーと縁を作れました。真人のチカを想う心が成就したということなのかな。チカの笑顔を守りたかったのだと推測。
菱田のチカへの気持ち「いとおしい」で〆。
★「まってなんかいない」
思いやりがすれ違っていたという恋愛のお話。こちらもハッピーエンドで良かった。
読後に心が温まるお話二つでした、素敵です。
神評価。
こちらのコミックスには、
・気難しい額職人×人懐っこい青年
・インテリヤンキー×一途クール
の二編が収録されています。
表題作の職人×青年は、正直、最初読んだ時にはそこまで心に響くものはありませんでした。
淡々と進んでいき、最後はハッピーエンドだけど読者の想像に任せている部分もあり、何だか消化不良な印象が強かったです。
しかし、レビューを書くにあたり再読してみると、最初の印象とはまた違った印象に……!
攻めと受け、両方の成長が描かれ、止まっていた2人の時間が動きだし、温かな未来へと繋がっていく。
そんな、じんわりと心温まる、素敵なお話なんだと気付くことができました。
一方で、同時収録作品のインテリヤンキー×一途クールは、表題作とは違って、初見時から既に私のお気に入り作品となっています!
インテリヤンキーなチャラい攻めと、一見素っ気ないけど一途に攻めを想っていた受け。
(攻めを「想っていた」と言うよりは、「囚われていた」という方が近いかもしれません)
何事もそつなくこなしていそうな攻めが、受けのことで悩み、必死になっている姿が良かったです!
また、遠回りしつつも想いを通わせた後、攻めの方が受けにべったりで、「受け可愛い!大好き!」と思っているところが私の好みドストライク。受け溺愛攻め、大好きです。
ミナヅキアキラさん、何やら活動休止されるみたいなことを伺ったのですが、またいつか作品を通してお会いできることを楽しみにしています!
職場設定が面白いな、といつも思います。
収録された2つのストーリー、表題作の方が長いですが
同じぐらいのボリュームに感じました。
作者の描く、涙が溜まってきてあふれてしまう絵がとても好きです。
涙が大粒というか、大きいのが。
これは後半の話だけど
相手を思いやって決心したつもりが間違えていた、
でもそこに温かな人柄をみました、切ないけれども。
だから私は後半のメガネの彼が、愛おしくってたまらなかった。
これから笑顔いっぱい見られるといいね。
さびしさから抜け出すためには
呆れるほどいやな自分でも、やっぱり誰かに会わなくちゃ、
と思わせてくれた表題作。
そしてあとがきのセンス!あーもう。
素敵な一冊です。
何度も読みたい。
そしてぜったいコーヒーが飲みたくなるな。
表紙は、まるで額縁から出てきたような近くんを
菱田さんが抱きとめようとしている構図で、
まさに物語を象徴しているように見えます。
色気ある繊細な絵柄が魅力的なミナヅキさんの今作は
ふたつの素敵なお話が収録されています。
○待ち合わせは額装店で
他人との関わりに距離を置く額装店の職人・菱田さん(攻め)と、
人との距離感が近い珈琲店勤務・近くん(受け)の話。
過去の苦い経験から、人との関わりに慎重な菱田さんが
額縁の修繕依頼で来店した訳アリの近くんと関わっていくうちに
相手を知りたい、手放したくないという感情を抱きはじめます。
ふたりがそれぞれ自分の弱さと向き合い、
成長していく過程が丁寧に描かれていて、とても良かったです。
○待ってなんかいない
高校の元同級生・千歳くん(攻め)と公高くん(受け)が再会することで
昔共有していた時間と想いが、再び動き出す話。
今も昔も千歳くんは公高くんが可愛くて仕方ないし、
公高くんも千歳くんをずっと忘れられずにいる、という...
でも、時が経ったことで向き合える気持ちが、
踏み出せる気持ちがあるという事を、このお話を読んで感じました。
そしてそれは、『おかえり』といえる気持ちなんだなあって。
私的萌えポイントは額装店の『描き下ろし』から
菱田さんによる、近くん愛されハグにきゅんきゅん!
『ぎゅっぎゅっ』で、『ちゅっ』って、んもー可愛い可愛い!
毎作品ながら、ミナヅキさん名物(?)
攻めくんによる受けくんへの溺愛っぷりが今回も素晴らしい。
これを楽しみにいつも作品を拝読しているので、
また、ミナヅキさんの作品を手に取れたら良いなあと
復帰を心待ちに願っております!
独特な雰囲気を持つ作家さんですよね。
内容はちょっと切ないけれど重くなりすぎない良作でした。
すごくドラマチックなストーリーでしたよ。
なんか偶然という名の運命の出会いだったような・・・そんな内容です。
ストーリーの展開もいいですし間の取り方とかも好きですね。
あとがき漫画みたいのがあったんですけど
この気持ち「 」って言うのかな?
いやいや恥ずかしい・・・でもやっぱりこの感情は間違いない
という内容に、あーそうだ、うん、としっくり、ほっこりしました。
本作を読んで皆様にもほっこりしてもらいたいですね。
なんか読んでもらいたいのでほとんど内容触れずのレビューですみません。
引き込まれる世界観の作品でした
菱田さんがとても魅力的
人と関わらないようにしようとしてるのに
巻き込まれていく
その上、自分が惚れちゃってる
文字にすると陳腐で、面白みの無いものに
なりますが、この漫画の中では
非常に情景豊かに気持ちが流れていく様が
ありありと感じられます
近くんも可愛いらしい、いじらしい子で
とても良かったです
真人の魅せ方がとてもキレイだなと思いました
同時収録のお話も好き
千歳がキミくんって呼ぶの可愛い
王道なカップリングなのになぜか新鮮
絵もキレイで、お話も素敵で読み応えのある一冊でした
ミナヅキ先生は意外なお仕事を持ったキャラを描かれますよね。
額装店の職人さんてなんて素敵。
意外と仕事があるんだなぁ……なんて失礼なこと思ったりして、ラブ以外の部分でも楽しめました。
額装店の職人・菱田に、額の修理依頼をしに来た・近。
修理は受けない菱田でしたが、近の勢いに押されて請け負ってしまい……と、いうところから始まる切ないお話。
何が切ないって、近と元カレのすれ違い…ここが堪らなかった。
そして元カレに重ねられる菱田は、いつしかそんな近に苛立ちを覚えていき…と、こちらも切ない。
ミナヅキ作品は、醸し出す雰囲気が唯一無二!
どこか薄暗さを感じさせるんですよね。
同時収録作もそう。
王道なのに、ここまで切なくさせるとは……
欲を言えばは、表題作をもう少したっぷり読みたかったかなあ。
後半の菱田の気持ちの変化を、もう少しゆっくり感じたかった。
とはいえ、両作品ともグッとくるものがありました。
新作も旧作もどちらもいい!
もっと他の作品も読んでみようと思います。