鬼の涙が花だとしたら

oni no namida ga hana datoshitara

鬼の涙が花だとしたら
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神42
  • 萌×224
  • 萌8
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
13
得点
333
評価数
82
平均
4.2 / 5
神率
51.2%
著者
夏乃穂足 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
嵩梨ナオト 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルール文庫ブルーライン
発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784040671628

あらすじ

鬼が吼えると災厄が起こる――古来より鬼と、それに魅入られる人間の伝説がある地、希望谷でトンネル崩落事故に巻き込まれた古林千鳥。千鳥を助けたのは鋼のような体躯と赤い髪を持つ隻眼の男・森羅だった。だが彼は、幼い頃に千鳥の父親を殺した鬼・シンの面影を色濃く残している。手厚い看病と労りの中、森羅の不器用な優しさに惹かれる気持ちと、彼の正体への疑念が膨らんでいき……人間と鬼、種族を超えて育む一途な愛。

表題作鬼の涙が花だとしたら

森羅(シン),集落に住む隻眼の大男
古林千鳥,トンネル工事の作業員,28歳

その他の収録作品

  • 山桜とたんぽぽ
  • あとがき

レビュー投稿数13

てんこ盛り人外ファンタジー

繰り返しなぞっていたというそのイメージの中に、想像の中でさえ自分の姿を置いてみようとしない男が、歯がゆくて腹立たしくて、愛しい。

鬼・健気・溺愛・すれ違い・媚薬・触手などなど、戦いシーンもありてんこ盛りファンタジーでした。
小さい頃もうすぐ大人になると知って行動を起こすシン。愛する千鳥をそばに居ない間もずっと守ってきた自己犠牲の姿にはグッときました。
「どんな責めを受けても、この体だけのことだと思えばつらくはなかった。」こんな攻め…どんな事があってもハッピーエンドじゃなきゃ許されません。

鬼や森、人間との関係の設定を綿密に考えられていて、解き明かされていくとシンの行動の真相が分かる話の流れがとても良かったです。
ちょっと設定が壮大過ぎて、戦いも読みたい気分では無かったので演出過多に感じましたが…
あと結魂の儀というの、シンはどのタイミングでしたのか明確に書いてないですよね?読解力の問題?ずっとキスのことだと思っていたけど違うし、あの事故の時の台詞はちょっと違うので私には分からなかったです。
でも頑なに愛する千鳥を逃そうとするシンが絶対にブレないとこ、めちゃ良いな。

「黒猫褌付けて子供みたいで可愛いねぇ」と女性に言われるシーンがあり、調べてみたらその通り可愛かった(笑)

0

あぁ……大事なシーンが……

鬼人と人間の異世界ファンタジー。一途な鬼人攻めがとても良かった。

導入はホラーちっくな挿絵と子供時代の残酷エピソードでシリアス寄り。千鳥は恋ができないといい、周囲と群れないタイプに描かれている。が、そこから作品の雰囲気は二転三転し、場面ごとに千鳥の性格も変わっていった。

異世界に来てからは、子育て要素が加わりほのぼの路線に。千鳥はシンを親の仇と思ったままなのに簡単に仲良くしている。冒頭で憎しみが語られていた相手なので、違和感が消えなかった。

中盤、元の世界に戻ろうと逃げ出す千鳥は、食虫植物に襲われる。これがまた唐突な登場で、しかもなぜエロ漫画仕様の触手のごとき働きをするのかよく分からなかった。戸惑いながら読んでいると、こんなところで千鳥はシンへの気持ちを自覚する。大事なシーンがここか……と少々引き気味に。
その後二人は肉体的に結ばれるも、シンが初めてとのことでまた微妙な気持ちに。催淫効果でおかしくなってる相手が初めてか……。

なんだかんだあってから、千鳥はシンの一途な想いと真相を知る。これがめちゃくちゃ良くて感動的なのに、千鳥は今はもう好かれてないかも?と悩み始める。あんな話を聞いた後でのこれは、上がったテンションが盛り下がり、物語から気持ちが離れてしまう。

ラストの戦いは蛇足に思えた。最後の方は継ぎ足し継ぎ足し書いたような不自然さ。全体を通して見ると一貫性がなくごちゃごちゃしていて、変な構成だと思った。

シンのキャラはとても好き。子供時代の二人のエピソードがもっと読みたかったな。

1

人外+もふ+ちみっこ+不憫+にゅるにゅる=神

人外BL大好物なのでタイトル買いです。
子供の頃に親しくしていた友だちが実は人ではなく鬼で、自分の父親を殺害した場面を見てしまった人間受と、そんな受にずっと心を寄せていた鬼攻の話です。

何だかもう読んでいてもどかしかったです。
誤解とすれ違いのある意味王道ものなんですが、結構拗らせている受がかなり不憫で切なかった。鬼である攻も色々と拗らせてる不憫攻。不憫と不憫が大変美味しく絡まり合い、どうしてそうなった! みたいなすれ違いっぷりが涙を誘います。
この作品、非常に脇役が魅力的であり、人外+子育てまで楽しめるというお得仕様でした。ちみっこもふもふが大好物な私としては、もうこれ以上ないほどのご褒美でしたので、最後まで楽しく切なく甘く美味しく頂くことができました。
プレイに触手まで投入して下さり、サービス精神旺盛すぎて倒れそう。

そして人間サイドでは、受の妹との絆や家族愛もしっかりと書かれていて、この辺りを読んでいる間中、涙腺が緩んで仕方がなかったです。
自分のことよりも妹を優先し、貧乏くじばかり引いてきた受と、自分の身分や命すらも受のためには投げ出してしまえる攻。
ある意味似たもの同士なCPなんですが、ふたりを取り巻く世界には優しさが満ちていて、悪意すらも跳ね返してしまえる強さが愛しかったです。

後日談の禾烈視点のお話は、これまた涙なしに読めませんでした。
こみ上げてくるものが堪えられない。何かが違っていたら……と考えても詮無いことではありますが、考えずにはいられません。
個人的に、いつか禾烈の封印が解かれる日が来て、しかもその封印を解くのが成長した黒羽だったりして、黒羽×禾烈のスピンオフとか読めたら最高に滾るなと思いました。禾烈受とか悶えそうです。安定の当て馬萌えでした。

4

鬼人の一途な愛

鬼人と人間ーー種族を超えた、切なくて一途な愛が描かれる和風異世界ファンタジーです。

千鳥の親族が残したノートにまつわる仕掛けもあり、少々ホラーちっくな序盤からかなり惹き込まれて読みました。また、鬼人と人間の間にある確執や鬼人たちの生活に関する設定がしっかりしていて、最後まで世界観に浸ることができました。森羅のストイックさや千鳥を溺愛する様子に萌え、とっても可愛い子供達に萌え、後半の緊迫感のある展開も面白かったと思います。

「神」評価にはあと一歩かなと感じたのは、異世界に来てからの千鳥のキャラ変がイマイチ腑に落ちなかったのと、話題の(?)触手のシーンが唐突に感じられた点です。千鳥は、序盤では触るもの皆傷つけるナイフのように尖った青年だったのに終盤では素直で可愛いお嫁さんと化していて、これと言ったキャラ変の切欠もあったようななかったような感じで少々モヤモヤしました。うーん…まあ素直で可愛いお嫁さんは大好きですけど。

それと、イラストがなんか惜しいな~と感じました。序盤の殺伐とした雰囲気には合っていたと思うのですが、後半以降の甘々なシーンにあまりマッチしておらず、しかも…どのイラストも千鳥が可愛くないんです(泣) 文中で森羅が「可愛い」を連呼しているのでどうしても違和感が拭えませんでした。

書き下ろしはひたすら切なかったです。続編があれば読みたいです。

4

導入部は神、中盤以降はやや失速

28歳の工事現場作業員(受け)が、トンネル崩落事故をきっかけに異世界へトリップ。
そこで、父を殺した鬼によく似た謎の男(攻め)に助けられ…という仄暗い雰囲気が魅力のファンタジー。

伝奇ホラーを思わせる導入部は大変魅力的。
トンネルの崩落シーンに被せて引用される祖父の手記も不気味で、何が始まるのかいやでもワクワクさせられます。

受けの千鳥は、幼い頃に父を亡くし、中卒で就職し妹を養ってきた苦労人。
攻めに着物の裾から下半身(もろ出し)が見えていることを指摘されても、
「だよな、目がド腐れるよな!」
なんて返すさっぱりした性格が魅力的です。

攻めのシン(森羅)は、寡黙で温厚で、千鳥をひたすら愛し命をかけて彼を守り抜く姿勢が一貫した健気な鬼。
人間による鬼虐殺の歴史、鬼の階級社会といったシビアで残酷な設定の中で、彼の千鳥に対する一貫した無償の愛は引き立っており、本書の泣きどころの一つです。

切なくドラマティックな舞台設定は悪くないですが、触手や張型などの読者サービス的なエロシーンが、物語全体を安っぽくしているのは残念。
女が男に張型を使うシーンなど、シリアスな展開の中でいささか上滑りしていた気がします。

千鳥のキャラクターにしても、最初の男前キャラどこ行った?ってほど最後には森羅にメロメロになってしまうのがものすごいコレジャナイ感。
嫁扱いされるのは設定上仕方ないにしても、キャラクターの個性が後半に行くにつれ失われ、よくある花嫁BLのようなラストに落ち着いてしまうのは勿体無い気がしました。

上記を考慮し、導入部は神、総合では萌評価とさせて頂きます。

6

与え過ぎる男

 惜しみなく愛は奪う、と申します。BL作品においても、とりわけオスの獣性を強く要求されるポジションである攻めが、受けのすべてを貪欲に奪い尽くす、という構図はさほど珍しくありません。その場合、受けはいちずで健気な自己犠牲型、つまり義月粧子さんの作品にしばしばみられるような、人魚姫タイプが多かったりします。でも本作は、それが思いっきり逆、つまり、攻めが人魚姫、というかなり珍しい設定なのです。それも自分の持てる全てをひとかけらも残さず受けに差し出して、相手にはなんの見返りも求めない、という人魚姫を軽く超えて、既に神仏の域に達しているかのようなすさまじい捨て身っぷり。それが神でも仏でも、ましてや人でもなく、鬼だというから何ともひねりが利きすぎてます。

 受けの千鳥は28歳の土木作業員。トンネル工事中崩落事故に巻き込まれ、異世界へトリップしたところを攻めに助けられる。ゆうに2メートルを超す隻眼の大男で燃えるように赤い髪の森羅。その面ざしは、少年の頃ともにすごした秘密の親友シンを思い出させる。母をなくし、田舎に転校して孤独だった千鳥の、唯一の心の支えで、淡い初恋の相手でもあった。なのにあの日、千鳥は見てしまった。無残なむくろとなった父と、シンの頭に光る角。それきり彼は消えた。「そなたは永久にわたしのもの。命尽きるまで放しはしない」呪いのような言葉と右目の痛みをのこして・・・

 鬼や獣やその混血の、ヒトならぬ者ばかりが暮らす異世界で、森羅に手厚く庇護されて過ごすうち、彼に惹かれてゆく千鳥。森羅が親の敵のシンだと知ってなお憎みきれずに苦しむ。人間界に残してきたたった一人の妹に会うため、そして恋心を断ち切るため、森羅が止めるのも聞かず二つの世界を繋ぐ結界に飛び込んでしまう。

 千鳥は、父母亡き後中卒で働いて妹を育ててきた苦労人で、細身ながらしっかり筋肉もついてるし、腕っ節にも自信がある。ついでに物言いもずけずけと遠慮なく、色恋沙汰ともこれまで無縁の、とっても受け受けしくない受け。でもさすがに、人を敵視する鬼たちや、危険な動植物ばかりの異世界では、自分の力だけではどうにもならない。千鳥がピンチに陥るたび、森羅はわが身の危険を顧みず助けてくれる。千鳥の望みなら、何でもかなえようとする。たとえそれが自分の命と引き換えでも・・・
 
 物語が進むにつれ、17年前のあの日から幾重にも張り巡らされた森羅の無私の愛情の糸に千鳥も気づかざるを得なくなる。そして知る父の死の真相、森羅の出生の秘密。千鳥は森羅とともに生きる覚悟を決め、彼と鬼たちの世界を護ろうと魔物との戦いに身を投じる。

 与えられるばかりの愛は、くるしい。ひょっとすると、奪われる一方の方が、気分的にはまだ楽かもしれない。特に千鳥のように、心身ともにたくましいタイプの受けの場合、攻めの犠牲のもと、ただぬくぬくと護られているのはどう考えたって性に合わない。自分だって与えたい。差し出したものは、相手にちゃんと受けとってもらいたい。自分のために相手ひとりが傷つくのは耐えられない。そのあたり、最後の戦いで、逝くならともにと伸ばされた千鳥の手を拒まなかったから、ようやく森羅にも少しは伝わったのでしょうか。

 本編のあとのSSは、森羅のライバルだった鬼族のトップエリート、禾烈視点で紡がれる、ひそやかな恋の物語。少年のころから千鳥一筋だった森羅と、その横顔をいつしか目で追うようになってしまった禾烈。長くいびつな片恋が魔を引き寄せ、鬼の世界は存亡の危機に。ともに魔の盾となろうと手を取り合う千鳥と森羅を目の当たりにして、禾烈の取るべき道はひとつしかなかった。永遠に、森羅の瞳に、自分だけを刻みつけておくために・・・なんともせつない幕切れでしたが、また次へと紡がれる物語の糸口でもありそうで、ほのかな期待もともりました。

 

 

4

一途な鬼の物語

子供の頃に鬼・森羅と深い友情を結んだ千鳥。
突然の災害と父の死によって今までの生活を奪われ
父を殺した鬼を憎み、幼い妹を守るようにして
生きてきた千鳥は、久方ぶりに昔過ごした希望谷を訪れる。
そこで崩落事故にあい、鬼の世界に連れて来られ
森羅と再会するが……

丁寧に描かれた鬼の世界も良かったし、
多くを語らず見返りを求めずひたすらに愛する鬼もツボ。
大きな物語が展開される。
「結魂」という結びつき(裏切ると性器が腐って落ちるそうですw)も
好みだし、時々挟まる千鳥の叔父が書き残した古いノートも面白い。
森羅が引き取って育てる、小さな半鬼の子達も可愛い。
特に猫耳が回らぬ舌で「ちろり!」と呼ぶ可愛さときたら!


ただ作品全体としては、いささか詰め込みすぎか、
一気に作品に引き込まれてとはいかなかった。

触手や、牢番とのやりとり、など、時々「ん?」と
テイストが違うというか、読んでいてリズムが狂うような描写があり
そのそれぞれは嫌いではないのだが、
統一感というかテンションが損なわれるように感じてしまう。

集落の監視役で森羅の友人・朱剛や
森羅を意識し続け、ついには憎まずにはいられない禾烈、
鬼の脇役達も魅力的だったが、
とりわけ最後は封印された禾烈の思いが切ない。
未来を匂わすような終わりだったので、スピンオフありかな?


挿絵は、鬼の世界には合っていたとは思うのだが
好みではなかったし、どれを見ても千鳥がイマイチな気がする。
一方どれを見てもチビどもは可愛いが……。

評価は、すごく好きなところもたくさんあったのだが
ちょっと辛めに「萌」。


8

瞼が腫れる~っ。

全てが千鳥・千鳥・千鳥・千鳥と自己犠牲が強すぎる森羅に千鳥じゃないけどイラつきつつも、その想いの深さに涙が止まらない!! 何故共に幸せになることを望まないのか!! 最後の戦いで本当の意味での伴侶になった2人に余計に涙した。 禾烈が実際に起こした行動は浅はかだったかもしれない。 でも鬼としてその行動をしてしまった事は間違いではないと思う。 ただ読みが甘かったけどね。 何気に最後は黒羽とのスピンオフも期待できそうな終わり方なので楽しみにしてます。 森羅と千鳥の幸せなその後ももちろん込みで!!

3

最後に愛は勝つ♪

鬼が出てくるようなファンタジーが好きです。皆さんのレビューを読んで興味を持ちました。ペーパーも読みたかったので、ペーパー付きで購入しました。

千鳥が11歳の時に鬼の森羅(シン)と知り合ったけど一度仲違いして、28歳で再会してからお話は動き出します。

もう、鬼の森羅が一途すぎて切なかったです。どうしてそんなに自分を犠牲にできるのか。誤解されて千鳥に冷たくされてる時は可哀想で可哀想で…。
でも、千鳥が自分の気持ちを覚悟してからは、男らしく森羅を守ろうとしてかっこよくて良かったです。
一途な攻めと男らしい受けが好きなので、大好きなカップリングでした。
また、養子のちびっこ3人が可愛くて癒されました。

千鳥の叔父さんのノートの一部抜粋が出てきたり、世界観がしっかりしていて物語に引き込まれました。続編が読みたいな~と読み足りない気持ちで終わりました。読後、キュンキュンと萌えがあふれて、しばらく放心状態でした。

8

シンの一途な思いに萌え

ちるちるさんの作家インタビューで拝見して面白そうだなと思っていた今作品。初読みの作家さまだったので様子を見ていましたがレビューを拝見して速攻で購入しました。内容は皆さま書いてくださっているので感想を。

もともと体格差があるCPが好きなので「鬼」が出てくる作品は好きなのですがこれも良かった。すごく良かった。

攻めのシンと受けの千鳥。どちらも自分ではどうすることもできない不運のせいで恵まれない幼少期を過ごします。そんな孤独な子ども時代を過ごしていた二人にとって、お互いが唯一の存在で。
まだ恋愛の「好き」と自覚のなかった千鳥ですが、その時にはもうシンのことが好きだったんでしょうね。だからこそ心の拠り所だったシンに父親を殺されたと思った千鳥の絶望感や怒りはより一層深かったのでしょう。
シンに裏切られたと思い込んでいたために人を信じることのできなかった千鳥ですが、シンと再会し素直で優しかった素の部分を取り戻していくさまは本当にうれしかった。

対して攻めのシン。彼は健気で一途で、見返りを求めない性格です。千鳥に対してだけでなく、すべての事に対してもそういう真摯な心を持った青年で惚れてしまいそうでした。
彼の欲求は千鳥への想いと周りの鬼たちへの配慮にだけ注がれていて、自分への見返りや愛情は期待していない。けれど、そういうシンの優しさに千鳥や他の鬼たちが応えてくれて本当に良かったです。

千鳥に対して惜しみなく愛情を注ぎながらもあからさまな態度は取らず控えめな対応をするシン。
自分の気持ちに素直になり、言葉を惜しまない千鳥。
まさに割れ鍋に綴じ蓋でお似合いのカップルです。

周りを固めるキャラたちも良かった。
シンの親友である朱剛、養父の里長、シンのライバルである禾烈、そして三人の子どもたち。どのキャラも魅力的でした。

夏乃さんの文章の運びがとてもお上手で、シンの想いや千鳥の気持ちの変遷が手に取るように分かりました。

この二人のその後、三人の子ども達が大きくなった姿、そして最後に封印されてしまった禾烈。この後のストーリーもぜひ読んでみたいのでスピンオフが出ると良いなと思います。

ところで挿絵がすごくこわかった…。特に千鳥の目がつぶれてしまったところ。鬼気迫る挿し絵でした。

とにかく一途な攻めが好きな私には非常に萌えの詰まった作品でした。文句なく神評価です。

7

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