右手にメス、左手に花束

migite ni mes hidarite ni hanataba

右手にメス、左手に花束
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×22
  • 萌4
  • 中立6
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
9
得点
96
評価数
28
平均
3.7 / 5
神率
50%
著者
椹野道流 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
加地佳鹿 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
右手にメス、左手に花束
発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784576006598

あらすじ

法医学教室助手の篤臣と、外科医の江南―そんな二人の出会いは9年前に遡る。K医科大学の入学式で、たまたま出席番号が隣り合わせだった二人は、その後の実験や実習もいつでも一緒で、なんとなく気も合って…。誰もが認めるイイ男で頼りがいのある江南に、篤臣は何かとじゃれつくのだったが、江南の心に秘めた思いにはまるで気づかず…それがとんでもない事態を引き起こすことに…。

表題作右手にメス、左手に花束

江南耕介,18歳~,消化器外科医
永福篤臣,18歳~,法医学教室助手

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数9

まさしく名作

ドラマCDが面白かったので小説に手を出しました。
神の名にふさわしい名作でした。

数年間にわたる親友づきあいの末に結ばれるというよくあるといえばよくあるストーリーです。
一冊での時間経過がめちゃくちゃ早いんだけど、切り取ったエピソードがどれも秀逸で、攻めが想いを募らせていく過程がよく見えるんですよ。しかも、攻めの気持ちなど何も気づいてない受けの一人称なのに、読み手には「分かる」のだ。
これがねー、ひたすら上手くてねー、キュンキュンきてたまらんかったです。

受けは無自覚のうちに攻めを精神的に追いつめてしまい、ある日、悪いタイミングが重なってレイプされてしまう。
このレイプ、まさしくレイプです。BLによくある「いやよだめよと言いながらも本気で暴れたりはせず、気持ちよくなって最後はイカされて、屈辱は感じてるようなこと書いてるけどこれ和姦じゃねーの?」みたいなレイプじゃない。
傷だらけになりながら必死で逃れようとし、吐きながら犯される、という。
一夜あけて、受けが攻めをなじる場面、苦しくて仕方がなかったな。
反省してる攻めの懺悔の言葉は、受けの耳には届かない。
互いを徹底的に傷つけあってしまったあと、仲直りに至るまでの過程、引き込まれて切なくてむさぼるように読みました。

とにかくオススメです。
読み応えのあるストーリー性抜群の小説を求めてる方にオススメ。

7

親友でライバルで恋人の二人の出発点

本シリーズは12巻の「離れていても、隣にいても」で初めて知りました。
江南と篤臣の関係にとても惹かれました。恋人でも甘えるだけでなく、相手のために厳しいことも言い、それぞれ外科医と法医学助手として腕を磨く。そんな二人の馴れ初めを知りたくなり、1巻を読んでみました。

医大生時代から八年間も親友だった二人。
気が強くてなんでも器用にこなす江南が本当は寂しがり屋で誰よりも努力家なことを唯一理解してくれたのが篤臣でした。一緒にいて安らげる篤臣をきっと自然に好きになっていったのでしょうね。
篤臣にとっても江南はかけがえのない親友でした。父親に褒められたくて医学部に入った後ろめたさを払しょくしてくれたのも、患者さんが亡くなった悲しみで押しつぶされそうなときに支えてくれたのも江南でした。

同性の親友への片思いは、難しくて切ないなあと思いました。
思い余った江南が篤臣を強姦してしまう場面は心が痛かったです。篤臣も傷つき苦しみましたが、何年も想いを秘めた挙句に篤臣を傷つけた江南も苦しかったと思います。

江南を許すと決めた篤臣の言葉が胸に響きました。「過ちは誰だって犯す。そのスケールに大小があるだけで」。許すことは簡単なことではないけれど、人は許し合って生きているのだろうと思います。自分を振り返ってみても、そう思います。
この「許し合う」ことが、二人の出発点なのだと思いました。許し合えると分かっているから、相手のために厳しいことも言えるし、深く心を通い合わせて関係を深めていくことができるのでしょう。12巻で読んだ、親友でライバルで恋人の二人の関係に深く納得しました。

エイズ感染の恐れに崩れそうな江南を篤臣が支え、体を重ね、晴れて恋人になった二人。とても眩しかったです。

作品が書かれたのが2000年。江南のきざっぷりや篤臣の熱いセリフに時代を感じる部分もありますが、それが気にならないくらい熱い想いが伝わってきます。
自分の学生時代と重なる雰囲気も懐かしく、胸がいっぱいになりました。

4

実存モデルの要望で生まれた作品 萌え萌え 面白かった  

挿画担当:加地佳鹿
法医学の医師でもあるフシノ先生、「才女が書くBL」って知的で堅苦しそう・・と勝手に敬遠して今頃読んだけど・・面白かった
・・なぜなら【この小説は「実存モデル」が居て、「御当人の強い要望」で誕生】したものと知ると、俄然興味が湧いて猛読。

最初のこの巻と最新刊。「ときにはひとりで、やっぱりふたりで~メス花歳時記~」の二冊を、面白かったら全部揃えようとテスト読みのつもりで購入。
2010年発刊だけど小物以外は古臭くない。文章や構成が巧くて世界観に引き込まれる。最初にあとがきを読んで、衝撃。

「 最後の晩ごはん」のシリーズは、供養飯がテーマ。
メスハナシリーズは、生きている二人の恋愛もの、知的な美男二人の軽妙なやりとりと思い合う気持ちのすれ違いが凄く面白い。

姐さんがたが云う強姦?は・・今様BLを読んでいると、さほどではない、惚れた者の寄り切り勝ち。

・・と どこが面白いのか書いただけで、300文字。
ツボに嵌ったので、二人の今後を順を追って読みます。


●私立医大:国立の滑り止め・あまり学生の事を考えていない学校:
入学後の9年間のドラマ。学生時代・研修医・温泉で強姦?、絶縁・HIV疑惑・復縁まで。
季節の美味しいものが沢山出てくるので、空き腹時に読むと空腹感が増す。

江南耕介:19才 主席入学。海外旅行の資金稼ぎの為に医者志望。
初期ホンダシティが愛車 高校で水泳部。
身長180cm、細身筋肉質の美男 ニヒルな斜め視点の世界観を持つモテ男 
消化器系、外科専攻するが、法医学へ研究に出向。

永福篤臣:18才 父は内科医。獣医志望だったけど、本命の農学部不合格、医大に合格。中性的な無自覚美男。料理上手。
中学でバトミントン、高校で放送部。大学でバトミントン部。
法医学を専攻。



1

難しい判断

萌か?というのは随分悩みました。
シリーズが続いていることもあり、神にしましたが、この巻は正直読み手を選ぶというか、やはり無理矢理やっちゃうというのは受け入れがたいシーンでもあるかなと思います。

ファンタジー、BLだと、無理やりとはいえ、実は…とかプレイとして、とかそういう匂わせでの上でっていうルールみたいなものがあると思うんですが、これは全くフォローがありません。
マジに。

それだけに、その後の江南にHIV感染の恐れがあるにも関わらず、篤臣から関係を迫るところに意味が出てくるのかも知れないなと思いました。
そしてその後の物語にも、このきっかけは影を落とすんですが、、、

ただ、このために篤臣の覚悟が出来上がっていくのです。こういうのが受け入れられた時代というのか、今だと多分出版社NGなのではないかと。

今でも続いている二人、これから先を読み進めるのが楽しみです。幸せになって欲しい。

0

モデルがいるとは!

初版が2000年ということで13年前の作品と読んだ後に確認しましたが
読んでいて違和感は感じませんので、古い作品だからと躊躇されることはないと
思います。ただ、イラストは古い感じがありますが私は嫌いじゃない系統でした。

内容としては、皆さんもかかれていますが強姦・・・。
ここまでの強姦は初めて読んだかもしれません。
受の篤臣は嘔吐してしまいますし・・・。
行為自体は許されることではないのは重々承知なのですが、
結局のところ良いように収まることを予想しているので
これをどう収める?という方に頭がいって私は嫌悪感は引きずらずに
読むことができ、更に最後に来ての江南のHIV感染疑いの衝撃!
そこは受け視点で書かれているため重すぎずに済んでいるのかなと思いました。

評価に悩みましたが、あとがきで作者様の友人の外科医カプがいる!!とのことで
一気に萌が増えました。(注:真実とはかなり違うとのことです)

5

メス花シリーズ第一巻

とある医大の入学式で、たまたま出席番号が隣同士になった篤臣と江南。
それが縁でなんとなくつるむようになった二人。
誰よりも頼れる親友だと思っていた。
江南の秘めた想いに気づくことのなかった篤臣だが、ある日それが爆発して……

色々あって続きを手に入れたので、一度売ってしまった本を再購入しました。
初読み時は椹野さんだって気にせず読んだなあ。

医者×医者。
しかし改めて読み返すとゴーカンにエイズの疑いに、結構にヘビィな話だ。
さすがの椹野さんクオリティ。
このジャンルでよくあるなんちゃってドクターじゃないし、状況、感情、葛藤がリアルに描き込まれているので安心して読めます。

そうだよね、初めての時は痛いし、ゴーカンされたら普通そんな簡単には許せないよね。。。

日夜BLばっかり読んでるとつい忘れがちなことを思い出させてくれる一冊でした。

4

ビックリの強姦場面!

医者ものです。
と言っても、医療場面はそれほど出て来ないし、同級生ものという感じかなー。

K医大の入学式の日、永福篤臣は出席番号が隣の江南と印象的な出会いをする。
関西で男らしい恵まれた容姿の江南と、
親友として学生生活を過ごした二人は、それぞれ法医学教室と消化器外科に進み
一時期は互いの忙しさに疎遠になるが、
2年後江南は研究の為に法医学教室に出入りするようになる。

再び共に過ごす時間が増えた二人。
主催するカンファレンスで箱根に行った際、終了後の宴会で酔った篤臣は江南に襲われ…

はい。強姦です。
強姦ものは世に結構あると思うのですが、
うわー、篤臣吐いちゃったよ~って感じで、なかなかビックリなシーンでした。
いや、それほど想いを殺してきたんだろうというのは重々分かるんですが、
そんな親友でもあり愛する相手が嘔吐までしているのに、犯し続けられるものかいな?
医者だから、吐瀉物とか血とかには慣れっこってことなんだろうか~?

当然絶縁状態になった二人だが、長い間かけがえのない親友だっただけに葛藤も深い。
その後ある事件があり、篤臣は江南を受け入れることになるのだが、
個人的には、その経緯の中で先輩医師の美卯さん(♀)が励ますところで、ぐっときた。
(はい、私はBLに女が出て来るのに賛成派ですのでw)
美卯さんの言動がすごく良かったというよりも、
なんだかそこで、一瞬篤臣の気持ちにシンクロしたみたいな感じで。

江南の関西弁は良かったし、キャラも全体像としては嫌いじゃない。
テンポがよく読み易く、細かいエピソードなども悪くない。
シリーズになっていくのが分かる面白さだとは思いましたが、
うーん、あの強姦はやはり頂けないんじゃないでしょうか。
嫌悪感とかいうより、はあぁ?大丈夫か?と呆れて
どうしちゃったの?江南っ!と正気に返らせてやりたい感じでした。

評価は迷いましたが、差し引きで「萌」にしときます。

4

『メス花』シリーズ第1作目にして、個人的に最低。

純粋に感情だけなら『しゅみじゃない』しかないと思うくらいダメでした。ただ、実際の評価ではさすがに迷ったので(『迷ったら基本的にワンランクアップ』という自分の基準で)『中立』にしましたが、『(個人的には)絶対中立じゃない!』とスッキリしない私がいます。

椹野さんは他に大好きなシリーズがあるので、こちらもずっと読みたかったんですが、私の個人的苦手要素のために長く躊躇していました。

まず第一に、『強姦』です。作品の中でどれだけ上手く扱っていても、ストーリーの重要なポイントになっていても、『無理矢理から始まる』関係はそれだけでどうにも受け入れ難いんです(私の好みで)。これならまだ『第三者からの強姦』の方が遥かにマシです。
作家さんの持って行き方は上手いと思うし、簡単に乗り越えるのではなかったのはよかったんですが・・・

なんだよ、結局そうなるのか、とやっぱりついて行けませんでした。この作品、ラブラブの現在から過去を回想する、という形で始まるので、余計にちぐはぐな感じで辛かったです。
BLだし、ハッピーエンドなんだから、他にどうなりようもないのはわかってますが、だからこそ『無理矢理から』だけはどうしても許容できないんです。
私にとっては、どうせ『許す』のなら、経過がどうあれ(あっさり受け入れようが、ぐちゃぐちゃに引っ張ろうが)たいして変わらんとしか言えませんね。
ですから、終盤の『感染が~』に絡んだHは、ここ盛り上がるところなんだろうけど・・・と読みながら冷静に考えてしまうくらい醒めきってました。

私は徹底した『ハッピーエンド至上主義』ですが、この『無理矢理から~』のパターンだけはダメですね。いっそ、『どうしても許せない!』で終わる作品の方がまだマシかも。それならハッピーエンドじゃなくても例外的に読めるかもしれません(もちろん、そんなの読みたいハズがなくて、『無理矢理から始まる』ラブなんてものに比べたら、ということです)。

椹野さんは、どちらかというまでもなくほのぼのとした持ち味の作家さんだと思っていますし、何もわざわざこんなバイオレンス方向に走らなくても、とがっかりしました。
例えば、医療関係(特に手術)描写で、グロかったりスプラッタだったりは、いくらやってもらっても(好みとは言いませんが)別に構わないんですけどね。

もうひとつは、私はとにかく『受一人称』が大の苦手です。シチュエーションや何かで『これはダメ!』というのは数えきれないほどあるんですが、文章表現的には『受一人称』に(マイナスの意味で)勝るものはないんじゃないかと思うくらいです。

『受一人称』というだけで、他がよくてもまず再読はないというくらいです。というよりも、『受一人称』の時点で作品としての評価も上がりようがないんです(まず入り込めないから)。
私が『受一人称』で(毎回必ず、文句タラタラ言いながらですが)読み返したのは、ホントにお気に入りの限られた何作かくらいじゃないでしょうか。

そうは言っても、このシリーズは『受一人称』がそれほど気になりませんでした。まあ、三人称の方がよかったとは感じましたが。
ただ実際に、『受一人称』の最初の2作と『三人称』のそれ以降では、私の中での位置付けが明確に別物なので、やっぱりそれも影響してるかもしれないとは思います(違うのは文章表現だけじゃないですけどね)。

あとは付け加えるなら、篤臣の口が悪い(荒い)ことでしょうか。これもかなりの苦手要素です。

それに私は、法医学教室で篤臣の上司に当たる美卯の言動に我慢なりませんでした。仕事に関しては何を言っても(どれだけ厳しくても)一向に構いませんが、プライベートに口を出すのは越権行為だし、それが受け入れられないからとあの態度は非常に不愉快でした。
もしこれを『イイ女』『いい脇キャラクター』のつもりで書いてるんなら、勘違いも甚だしいと感じましたね。だから、シリーズのあとの方で、『あの時美卯のサポートで~』と出てくるたびにすっごい盛り下がります。余談ですが。

まあ、なんだかんだ言っても、シリーズとしてはキライじゃないんですよね。篤臣のキャラクターがよかったんです。
逆に、私は(少なくともこの巻では)江南にはまったく魅力を感じませんでした。強姦したうえに逆切れしたサイテーなヤツとしか。篤臣視点のため、必然的に江南の内面描写が足りないので、仕方ない部分はあるとしても、やっぱり無理です。

ですから正直なところ、私はこの巻は個人的になかったことにしたいと思っています。評価は1作目が高いようですが。
実際、シリーズを読み返しても、1作目は無視しています(ついでに、2作目もあまり好きではないので、ほとんど読み返すことはないですが)。これがシリーズじゃなくて単発ものだったら、確実に読了即忘れてますね。読後感は最悪でした。

あ、ただこの巻の前半部分のトーンは好きなんです。あくまでもストーリーに関係なくですが、前半だけならまたいつか読んでもいいとは思っています。

ちなみに評価は、『シリーズの1巻目』としての付加は考えずに、この1冊だけで判断したものです。

それにしても、これが『椹野さん初読み』だったら、と思うと背筋が寒くなります。そうじゃなかった幸運を、『BLの何か』に感謝した方がいいんだろうな、とさえ思ってます。

7

強姦かよ!!

「楢崎先生とまんじ君」を読んでからの この本です。
う~~~ん。
医大の中での出来事と 医者の仕事話が大半を占めている。
攻めができる男として書かれているが
受けをむりやり強姦ですよ。
なんか違うんだよね。(まんじ君読んだ後だからかなあ。)
いくら受けに対して腹が立ったからといって犯すって・・・。
愛があるとは思えなかったです。
その後 攻めにエイズの疑いがかかります。
納得いかないのです。
受けがあっさり攻めを許しちゃうから。
まだまだこのシリーズ続きます。私は 中立で。

2

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