海とヘビースモーカー

umi to heavy smorker

重度烟瘾者与海的约定

海とヘビースモーカー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神41
  • 萌×232
  • 萌12
  • 中立0
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
27
得点
369
評価数
89
平均
4.2 / 5
神率
46.1%
作画
峰島なわこ 

作家さんの新作発表
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原作
榎田尤利 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784799714034

あらすじ

榎田尤利が峰島なわことのコラボのために書き下ろした“海”シリーズが遂にコミックス化。
海がある町を舞台としたドラマティック長編作品、甘く苦く心に染みいる全3編。描き下ろし有り。

重病を告知された男が再会するかつての最愛の恋人とは…「海とヘビースモーカー」
新進気鋭バレエダンサーと冴えないバツイチ男のキセキの出会い「海と王子様」
故郷に戻りたくても戻れない男を救う幼なじみの10年愛「蜜柑の海」

榎田尤利ショート小説「海とヘビースモーカー」と「海と王子様」の後日譚を収録。

表題作海とヘビースモーカー

畠,肺癌を告知された男
和久井,大学時代の恋人

同時収録作品海と王子様

風間アンリ,26歳,自殺志願の王子様
田端,46歳,左遷された信金職員

同時収録作品蜜柑の海 前・中・後編

晃司,腐れ縁の幼なじみで農協職員 
継巳,上京して8年の地方出身者 

その他の収録作品

  • 開幕ベルが鳴る前に
  • 彼を待ちながら
  • 蜜柑の海 そのごのはなし(描き下ろし)

レビュー投稿数27

海に因む泣ける三話

「海」に因んだ三話。短編集。お盆なので、再読。


①海とヘビースモーカー
こういう展開は、読後に悲しくなるので苦手・・タラレバが尽きない。
この中で一番短い短編だけど、胸にグサッと刺さる。
病人にもっと優しくしようと反省。

肺がんを告知される畠。事業に失敗して、友人も恋人も去っていた。
駅のホームでふと癌で死んだ人を思い出す。

実家に帰る和久井の事情を理解せず怒って、そのまま意地を張って連絡を絶った学生時代の恋人。
和久井は、女性と結婚して子が生まれ、数年前に癌で亡くなっている。
「いつか一緒に見よう」と約束した海と、和久井の遺影をみたくなって出かける畠。
駅に着いたら、死んだ恋人の面影を持つ少女が何故か待っていた。

切ない伏線が仕込まれていて、少女の正体がわかる場面で、毎回泣けてしまう。
魂魄を残すほど、畠を心配をしていた和久井。
意地を張らず「ずっと好きだった」と生前に言えていたら、違う人生になっていたかも。
畠のばかぁー。


①「海と王子様」
海辺で助けた自殺未遂の男性は、実は有名なバレエダンサーだった。
年齢差20歳。 御伽噺ような壮年の恋物語。


③「蜜柑と海」
大好きな蜜柑畑がある田舎、でも故郷にいけない訳がある。
その原因を、祖父の葬儀で従弟が解決して、二人の恋が深まる。
海と蜜柑に因む恋物語。

0

夏の幻

探してたのは ずっしりと読みごたえのあるものだったんです
しかも 暑いので できれば見た目に涼しい表紙のもので


失敗した事業でこさえた借金 女には逃げられ友人には避けられ そんなろくでもない人生に告げられたのは 肺の病

感傷に浸るつもりもないのに突如現れたのは彼によく似た少女
すこし図々しくて すこしお節介で すこしおませで

確かにそこにいたものは病の愁いが見せた幻だったのか 未練と罪悪感が作り出した妄想だったのか

表題作で一瞬鳥肌が ぶわッ!ってなりましたよ
ぶわッ!と膝から下総毛立つように


短編詰め合わせだって知らなかったんです 知らなかったんだけど

自分を王子様だと言い張る死にたがりの彼も 世渡り下手なお人よしの彼も
幼馴染にガールフレンド取られまくりの故郷を嫌う彼も すべてを飲み込んで一途に待った彼も

短編のくせにどれも ぎゅッ!っと圧縮された 迷いながら歩く各々の人生と 人を想うキモチがパンパンにはいってて 必ず最後のページに泣かされて鳥肌がたったんですけど

びっくりだよ

今まで短編詰め合わせ読んでもお話毎に好き嫌いが出ちゃってたのに 好きしかない短編集に出逢えるとわ

原作・漫画どちらもはじめましての作家さんだったけど
なんならこのまま『夏だ!ホラーだ!オカルトだ!』まつりを開催してやろうかと思うくらい好きだわ 表題作

0

つらい!

つらい、、、
3つのお話し、それぞれツラい。
ままならない。
ハッピーなとこで区切ればハッピーエンド
だけど、ホントはその前も、その先もあるんだって感じさせてくれるお話しばかり。
それぞれツライけど、自己完結してなくて
後ろ向きじゃないので読み終わったあとドヨンとした気持ちにはなりません。
神で!

0

珠玉の短編集とはこのことか

珠玉の短編集とはこのことかと✨
絵がきれい。
どのお話もステキ。


表題作…肺ガンになった畠が昔の恋人の故郷を訪れる。切ないお話。
その恋人が言った「海があるってことはすべてがあるってことなんだ」は本作のテーマだと思った。

海と王子様…さえない中年リーマン田端が海で出会った男は王子様と名乗る。
死のうとする王子様に「いいかげんにしなさい!」と叱る田端さんいい。
今まで不遜だったのに「ごめんなさい」と素直になる王子様も。
田端を好きになった王子様が迫り、ビックリして
「ぼ 僕は46歳のオジサンだぞ!」
「俺26 20歳差だね」
と返すのおもしろい。
「絶対に嫌だ」
「流されるの得意なんだろ」
「今だけは流されないっ」
の流れも笑ったw
後日談の小説もよかった。

蜜柑の海…昔の同級生が再会、継巳が失くした故郷や海を晃司の支えがあり取り戻す。
晃司がしゅっとしていい男。
黒髪短髪長身筋肉質切れ長目
ちゅうからのいちゃいちゃもいい。

どのお話も海の場面が美しかった。
海辺でいい男たちが恋するの絵にならないわけないね✨

0

人を切なくさせる一方で、元気付けてもくれる海

◆海とヘビースモーカー(表題作)
 表題作でありがなら他の2作品よりも短かったのですが、冒頭で素晴らしい余韻を残してくれた作品でした。悲恋ものかと淡々と読み進めていたのですが、終盤でそう来たか!と唸らされましたね。畠が子供に素っ気なく接していた分、思わぬ展開が切なさを煽ります。人はいつ死ぬか分からないから後悔しないように毎日を生きたいけれど、本当に難しいんだよなぁと改めて胸に突き刺さります。最初から分かっていれば畠は子供にもっと違う接し方をしていたはず。そして、きっと和久井には昔も今も畠を責める気持ちは微塵もないんだろう、ということも分かるからより一層後悔が募る。呆気ない終わり方、でもこういう作品が私は好きです。

◆蜜柑の海
 受けの継巳が学生だった頃結構酷い目に遭っているんですが、狭い田舎で女性も多くない地域であれば、そう珍しい話でもないのかなぁと思いました。それで同性に目覚める子もいれば、重いトラウマになってしまう子もいる。どちらにしろあってはならないこと、大人は許してはならないこと。途中まで継巳がトラウマを抱えているようには見えなかったので驚きましたが、過去が明らかになってから、攻めの晃司がしっかりと継巳を支えてくれて、最後は継巳自身にトラウマの元凶を懲らしめさせたのはとても良かったですね。意外とこういう展開って少ないんじゃないかな。田舎に帰るのを嫌がっていた継巳が、何もかもを包んでくれる海に再び目を向けられるようになったのが嬉しかったです。

0

海が全てを包み込んでくれる

重い話なのかな?と敬遠していましたが、
やっぱり読んでみようと思い立って手に取りました。
海のある街を舞台に繰り広げられる3つの物語。
それぞれの登場人物たちのそれぞれの物語と結末があります。

なかでも印象深かったのが、
表題作【海とヘビースモーカー】なので、
こちらの作品を紹介させていただきます。

「海があるっていうことは、全てがあるってことなんだ。」

そう言ったのは畠のかつての恋人・和久井でした。
20年前に傷つけあって別れた恋人は、
故郷で結婚して子どもを作り、亡くなったそうです。
そして、今、畠も和久井と同じ癌を宣告されているのです。

20年間ずっと忘れられなかった和久井を思い、
ついに和久井の故郷の海へと降り立つ畠。
和久井を思いながらも会いに来られなかったことから、
畠が意地っ張りで、
和久井に対して罪悪感を持っていることが分かります。

そして、駅には和久井そっくりの女の子が!
その子に導かれ和久井家を訪れる畠は、
和久井の家で一枚の写真を見つけ、
泣き崩れるのです…

運命のいたずらか、和久井と同じ病になる畠に、
女の子は病気は治るというのです。
本当?と思いながら読んでいましたが、
最後にはきっと本当なんだろうと思いました。

現実とファンタジーが入り混じる本作、
短編ながらも深く心に残る作品です。
ハッピーエンド?バッドエンド?
それは読み手が決めることだと思います。
ただ、畠には幸せになってほしい…
それだけは切に願わずにはいられません。



0

海の気配に満ちた三つの作品

中身をすっかり忘れた状態での再読だったけど、こんなに沁みるお話ばかりだったっけ…と新鮮な気持ちで読めました。
三つのお話が収録されていて、どれも海がテーマになっています。
作品全体を通して海という大きなもので包まれているような不思議な穏やかさを感じます。

【海とヘビースモーカー】
癌宣告をされた男が、大学四年間付き合った亡き恋人の故郷を20年ぶりに訪ねる話。
「いつか一緒に故郷の海を見よう」という約束をしつつも、喧嘩別れをし、その後、元恋人は病でこの世を去ってしまいます。
永遠に叶わぬ願いだったはずが、このような形で叶えられるとは……と思わず涙腺を刺激されてしまうのだけど、死ネタが絡んでいるにも関わらずじめっとした湿っぽさがないのは、心地よい潮風が軽やかに舞う気配が作品に満ちているからかもしれません。

【海と王子様】
「海と王子様」というタイトルですが、「海とおじさん」というタイトルだと途中まで勘違いしていました……。
というのも、26歳の王子様然としたバレエダンサーと、46歳のしがないおっさんという組み合わせだから。
通常では交差することもないような二人がある奇特な出会いをするのですが、おじさんには是非幸せになっていただきたい。
「王子様にもキスが必要なときがあるの!」とキスをねだるダンサーがかわいい。

そして海を背にダンサーが大きな跳躍を決めるシーンの美しいことといったら!
このコミックスはコミカライズではなく、榎田尤利さんが峰島なわこさんとのコラボのために書き下ろした作品なのですが、この跳躍シーンは神々しいほどの美しさで漫画ならではの魅力・絵の力というものを感じました。

【蜜柑の海】前編&中編&後編
東京で暮らす受けの元へ、10年ぶりに田舎から幼馴染がやってきて……。
故郷へ帰るつもりはないと言っているけど、故郷を捨てたというよりも酷い出来事のせいで逃げるしかなかった受けの過去が何とも辛い。

「俺たちの海を取り返す」という言葉が印象的です。
太陽の輝きが詰まったような蜜柑、そして蜜柑畑から見下ろす瀬戸内海のきらめき、とろりと黄金色に染まった海のイメージが脳内に自然と広がります。
いつでも海はここにあるんだよ、ここで君が帰ってくるのを待っていたよ、そんな海のとっぷりとした懐の深さを感じました。

0

なわこ先生の絵で榎田先生節

榎田先生のお話がコミックだとどうなるんだろうと気になっていたのですが、ようやく手に取れました。最初読んだ時、ある部分がイタくて読めなくなったのですが、気を落ち着けて再読。榎田先生のお話に、なわこ先生の絵がプラスされて破壊力満点。パンチあるのに、都昆布のようなじわーと味もあるという奇跡の一冊でした。三作目に地雷と思われる箇所(無理やり系)があるのでご注意ください。

榎田先生のSSも加わって一番泣いたのは1作目。人生思う通りにはいかない。後悔先に立たず、人生やり直しはきかない。といった感じのお話で、ええ歳したおばはんなため、めちゃ心に沁みました。若い方には是非是非読んで、悔いのないようにしてほしいなと思います。人間関係もだけど、大事な身体面、がん検診も受けようね。

一番好きなのは、2作目。傷ついたバレエ王子と新橋にいそうなおっさん(笑)のお話。榎田先生のバレエ愛をなわこ先生の絵で見事に見せていただいて、感激です。絵ではグラン・ジュテ、最後にある榎田先生のSSの方ではジュテ・アントルラセ。王子がいつまでも輝いて心のままに踊れることを願います♡嬉しい気持ちをバレエで表せるなんて、やっぱバレエの神様に取りつかれてるのだ。

一番キツカッタのが3作目。キツすぎて書けない。頑張ればいつか無くしたと思っていたものでも取り戻せるというお話なのかな。でもキツかった・・・・その分、黒わんこのような晃司の想いに救われましたが。これから少しずつ人生取り戻していけるとよいです。頑張ろう、継巳。わんこが一緒にいるさ。

1

海辺の情景 3編

榎田先生がストーリー、峰島先生がコミックのコラボ作品です。240ページ超えで分厚く、読み応えがありました☆
表題作の「海とヘビースモーカー」は、肺癌を宣告された男、畠が過去の恋人である和久井の、故郷の海辺の町を訪ねる話。
ケンカ別れした和久井は故郷で結婚し、子供もできましたがもう亡くなっています。
後悔と未練を引き摺る畠が出会うのは、子供時代の和久井という、少し不思議で切ない読後感でした。
次の「海の王子様」は、榎田先生のバレエ好きが滲み出てますね。
左遷されて海辺の支店に飛ばされた中年の田端と、踊れなくなった王子様の年の差ラブ。二十歳差です。
王子様のバレエダンサー、風間アンリが浜辺で踊っている場面がとても綺麗でした。
「蜜柑の海」が、前・中・後と続いて一番長く、読み応えがあったお話です。
幼馴染みの晃司と継巳。二人は海を見下ろす蜜柑畑に囲まれて育ちましたが、継巳は東京に出ていて、晃司は蜜柑を作ってます。
逞しい晃司がカッコイイ!
帰らない決心をしている継巳にも、親戚に暴行された故の事情があって、切ない感じです。
じいちゃんの葬儀でそいつをぶん殴るところが、スッキリするクライマックスでした。
以上、3編は皆どちらかが彼女がいたり、結婚していたり(離婚)するわけですが、そこがリアルな感じで色気があったかな。とはいっても男女のドロドロはないので、ご安心を。
ストーリーと絵が合っている、心に残る一冊でした。

2

海とは・・・

表紙に惹かれて購入しました。
3作品収録されています。その全てがアタリでした!
「海とヘビースモーカー」は嘗ての恋人(故人)を20年ぶりに訪ねる話。
「海と王子様」は入水に失敗したイケメンを拾う中年男の話。
「蜜柑の海」はトラウマ持ちの幼馴染同士の話でした。
漫画の順番で読むと「蜜柑の海」が最後になるので記憶に残るのですが、巻末にある榎田さんの後日譚小説を読むと、また「海と王子様」や「海とヘビースモーカー」の印象が強くなって、最初からもう一度読み返したくなるんです。
海を絡めて描かれた作品たち、何度読み返しても深いなぁと唸ってしまいます。
海って人によって持っているイメージが異なると思うんです。私なんかは波荒れる日本海のイメージなのですが、この作品は全てを包み込む大海原、母なる海、っていう感じですかね。
畠にとっての和久井、アンリにとっての田端、継巳にとっての晃司が海、なのかも。
すごく素敵な一冊です。オススメです。

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