あなたと恋をするためにやってきました――

海の底 夢見るコイ

海の底 夢見るコイ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×28
  • 萌9
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
10
得点
90
評価数
24
平均
3.8 / 5
神率
25%
著者
梅松町江 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
エンターブレイン
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784047291386

あらすじ

海洋生物の研究をしている海城はある日、海辺を歩いていると砂浜で倒れている美青年を発見する。
心配した海城は仕方なく、家に連れ帰る。気がついた青年は、自分は深海生物で、ここには恋をするためにやってきたと言い出し――。
あま~い描き下ろしも収録☆

表題作海の底 夢見るコイ

海洋生物学者
深海から来た生命体

同時収録作品愛されたがりウラオモテ

先輩の会社員
27歳、後輩の会社員

その他の収録作品

  • おうちの中 夜のデート
  • あとがき

レビュー投稿数10

ピュアなくせに…

梅町先生、好きな作風です。特にファンタジーが面白くて好きで、着想に優しさを感じるんですよね。表題作を含めて二つのお話が収録されていて、どちらもストーリーはシンプルながらキュンとさせてはくれるけれど、いかんせん背景が白くてちょっと寂しい感じがしたかな?

表題作は、海の底からやってきた「コイ」という生き物(見た目、北欧系の男性ヒューマノイドとでもいうべきか)と、彼を拾った生物学者・海城の同居モノ。とにかく人間と恋をしてみたくて浜に上がって来たコイ(←海城が名付けた)は、海城にロックオン。学習能力が高く、海城の部屋にある本やテレビ番組を参考に少しずつ話せるようになっていくんですけど、コイのカタコトが可愛いんですよね〜。恋するためだけにこの世に生み出されたかのような羨ましい限りの人外と、学者ゆえにちょっと堅苦しい人間のお伽噺みたいなラブストーリーでした。後日談では海城がムッツリなことが判明してよかった。。

もう一つは、自身がネコなのにネコばかりと付き合うハメになって振られてばかりの羽生と、失恋する度に彼を慰めてくれる職場の先輩(ノンケ)大江の絆されラブ。フラれた羽生が大江の家を訪ねるのは毎度夜更けなんですよ。。ちょっと計算入ってないか…?羽生は天然と見せかけて、かなりの食わせ物と見ましたゾ。最後はBLだから素直によかったね〜と思えたけど、羽生がもし女性だったら…、一体わたしはどう感じたのだろう(苦)

同時収録作はありがちなお話ですが、好きな絵柄だし、いつもほんわか優しい雰囲気で癒されるので、評価に少しプラスしてます!

3

表紙のキラキラにびっくり・・・

梅松さんワタシすごく推してますが、えっと、なにが惜しいんだろうか。
地味さ?表紙だって今回、どこのハーレクインかと思いましたよ。
こんなキラキラで色もきれい…なのに地味(アレ?)
人魚姫(厳密に言えば違うけど)、片言萌えです。もっとかわいそうな場面を予想してたので、その辺がちょっと物足りなかったかな。
もう一話はネコなのにネコとばかり付き合っては振られるコの話。これ割とテンプレなのにかなりキュンときました。

2

恋をしたくて、コイになる。

自分の研究対象になりうるものに情が移って最後は恋してしまったら…?

海城は海洋生物学者ですから、まだまだ未知なる海からやってきたコイは
さぞ研究したくてしょうがないでしょう。
でも無垢なコイを見ていていつしか恋ごころが。
同僚にバレればサンプルを取る、研究をすると言って
実験体にされてしまうかもしれない。
それは研究者として当たり前の衝動なのかもしれない。
コイは稀有な存在だから公表して論文なり書けば一躍、一流の研究者の仲間入り。

たとえそれを蹴ったとしても、コイを守る、コイが好きだと認めることを取る海城。

名誉より何より、愛する人の存在をとる、という気概というか決意が
とても素敵だと思いました。

2

コイをするためにやってきた

表題作はとてもファンタジックでした。
ヒトと恋をするために海の底からやってきた見目美しい青年、コイ。ウミシロに見つけてもらえたことは幸運だと思います。
もうひとつ、社会人同士のストーリーも収録されており、それら二編で一冊が構成されております。(後者にファンタジー要素はありません)
個人的に今一歩この世界を楽しめきれず、萌えというよりも可愛いなと感じてしまったので中立評価といたしますが、二編とも非常にほんわかするBLでした。

[海の底 夢見るコイ]
タイトルからするに、コイは上から降りてくる情報を受け止めながら、海の奥底で実体を持たぬままぼんやりと、『コイ』とはいったいどのようなものなのだろう…と長らく想いを馳せていたのでしょうか。この無垢なコイがそうしていたのだろうと思うと、なんだかいじらしく感じます。
(ところで降りてくる情報に恋をしているものが混ざっているというのは…つまり叶わぬ恋に嘆き、崖から身を投げて…とかそんなのだろうかなんて考えてしまいます)
夢見て体を作り変えて、陸にあがって恋をする。最後は人魚姫のように海の泡になってしまうんじゃないか思いましたが、無事ふたりが幸せそうにしていたので安心しました。
描き下ろしでは理性がきれた海城ととろとろなコイが見られます。
ウミシロを受け入れやすいよう、後孔が濡れる仕様だなんて献身的な細胞…!

世の中、海城のように優しいひとばかりじゃないですから、これからもコイには理解しかねることやそれなりの危険が付きまとうでしょうが、末永く『恋』ができるふたりであってほしいものです。

[愛されたがりのウラオモテ]
いつでも誰かのそばにいないとダメなのかな、ほんとうに欲しい存在たったひとりでいいんじゃないかな。基本的にまさに『愛されたがり』でなにより寂しいのかな…と羽生には思いました。
また大江に関してですが、すごい順応性!(笑) タチネコの話しかり、恋人云々の話しかり!
がしかし、自分にだけ見せてくれる面、自分しか知らない羽生の一面、そういう特別感が恋を育てているのだろうな。これがごくごく普通の、ただの同僚だったならこうはならなかったわけですもの。
けれど、羽生は惚れッポイ節があると感じますので、ぜひ大江さんには手綱をギュッと握ってもらわないと! そのヒゲと、あと脱いだらすごいんです系の筋肉の維持を! なにより羽生の心掴んで!ぐわしと!

巻末のあとがきにて、ゲル化はNG…という言葉にBLって一応色々ラインがあるのだなぁとしみじみ思いました。梅松先生、以前ダメBLにも寄稿していらしたし、もしかしたら先生の脳内はダメの宝庫かもしれぬ…! と可能性を感じずにはおれません。
ゲル化はダメなのか……でもちょっと見たかったな、溶けるコイちゃん。

2

あたたかいえすえふ

表題作には見事に一本取られた感じです。
ここまで透明で暖かな欲求描写は多分出てきそうで
出てこないでしょうね。
基本的な設定自体が道を踏み外して科学を悪用して
しまいそうになるSFなのでそっち寄りになるのかと
思いきや、見事にさらりとご近所ファンタジーに転じて、
そして嫌な気持ちを微塵も残さない。
併録シリーズも併せれば心が折れそうな時に読むと
程好く効果的な一冊かも知れません。
併録シリーズは攻めが恋に落ちてゆく過程に射抜かれ
ました。純情だけど純真じゃない受けも愛らしくて
好ましいですね。

2

人外モノ(初の?)深海生物が新鮮で面白いです。

新刊チェックで粗筋を読んだ時は、そんなに惹かれなかったので、
特典ペーパーなどがあるけど見送っていたのですが、
発売日前後に試し読みを読んでみて、コイの台詞に惹かれて購入を決めました。
購入を決めた時は発売日後で、買う時に特典が終了していたらどうしようかと
少しヒヤヒヤしましたが、いつもの書店で新本で購入することが出来ました。

『海の底 夢見るコイ』、『おうちの中 夜のデート』
コイが実験に連れて行かれそうになるところを、
コイを守る海城さんがカッコ良かったです。
コイが驚異的な速さで知識など習得していったり、
無垢で天然っぽい感じのコイが可愛らしかったです。
コイが海城さんに求愛する台詞や行動が良かったです。
コイの説明では、魚や人魚、深海魚ではなく、深海生物ということで、
魚でもない深海の未知の生物というのが、不思議に感じました。
コイの感情表現が、無機質な感じというか淡々とした感じで、
知識としては人間の感情を理解して習得しても、深海生物で生き物だけど
人工的で機械的、無機質な感じが、良い意味で伝わってきました。
コイの生活ぶりをドラマCDなどで聴いて雰囲気を感じ取ってみたいなと思いました。
また、コイの日常生活や、海城さんとの生活、コイが人間の世界を知っていく様子や
馴染んでいく様子をもっと見てみたいと、色んなお話や続きが読みたいと思いました。

『愛されたがりウラオモテ』
失恋する度、「大江さーん」と泣きながら大江さんの所に通う羽生さんが
可愛らしいです。
羽生さんがゲイだと知って、驚いたとしても気持ち悪がったり非難したりしない
大江さんに好感を持ちました。
131ページで悶々としてしまった大江さんが、今のは脳が間違った、
と言っているのが面白かったです。
また、二人がお互いに意識し始めて、ぎこちなくなる二人が初々しくて、
恋多き羽生さんも、まるで初恋みたいな感じの仕草が何だか微笑ましかったです。
今度こそ、羽生さんのコイが長続きすると良いなと思いました。

BL作品で人外モノといえば、犬や猫などの哺乳類、妖精、神様などが非常に多いですが、
魚や深海魚(今回の場合は深海生物)というのは初めてです。
今まで魚の人外モノに、お目にかかったことがないので、
BL作品の世界でも初めてではないかと思ったりしました。
非常に珍しい設定なので、とても新鮮でした。
今後も魚の擬人化が増えると、もっと楽しいだろうなと思い、
魚のBLが増えると良いなと思いました。

今回の評価は、あまり迷うことなく「萌×2」です。
二作品とも、物語の内容や展開、人物設定など、十分に萌えて、とても良かったです。
特に深海生物の擬人化というのが新鮮で、楽しく読みました。

3

海の底の神秘

海洋生物研究員・海城×深海生物・コイという設定に惹かれて手に取りました。
作者さまはダイオウイカの特集を見てこのお話を思いついたそうです。
えぇ、分かりますよ、深海生物はロマンです!ダイオウイカとマッコウクジラの戦いは胸熱です。
見たこともない生物がたくさん存在する海の底。海の底にはときめきが詰まっています。

さて、表題作の『海の底 夢見る コイ』ですが、
こちらの受けさんは深海生物の何かが人間になったものだそうです。
相当にファンタジーなお話でした。

海城はコイを浜で拾い、家に連れて帰ります。
コイは人間の形はしているけれど、人間ではない生き物。
コイは知らないことがたくさんあって、純粋無垢でまるで小さい子供のような所が魅力的でした。
しかし学習能力は相当に高く、本やTVを見ただけで色んなことを記憶し、喋ったり行動できるようになります。

そんな彼が望んでいることはただ一つ。「恋がしたい」。
何故恋がしたいのかは分からないけれど、本人が言うには誰かの「恋をしたい」という情報が海底まで流れ着いたことが影響しているようでした。
思わず、誰かの「恋をしたい」という思念が水道から下水道を通り川に流れやがて海に辿りつき、そしてマリンスノーとなって海底に降り積もるところを映像で思い浮かべてしまいました。

コイの純粋ゆえの何事にも興味関心が高い(Hにまで)ところや、無自覚誘い受けなところや、そして体を男性を受け入れやすい体に作り変えることもできるとか、
色々想像以上にエロい子だったのにビックリでしたw


『愛されたがりウラオモテ』
いつも振られると泣きついてくる会社の後輩・羽生と、なぐさめ役の先輩・大江のお話です。
大江は面倒見よく、振られては家にやってくる羽生をなぐさめていたのですが、
ある時、羽生の相手は男で、彼がゲイであると知ります。
実は羽生はネコなのですがいつもネコに恋してしまって、あちらの相性が悪くて別れることが多かったのでした。

やがて、羽生の可愛いところにドキドキしはじめる大江。
そして優しく慰めてくれる大江に恋心を抱く羽生。

二人はすれ違いつつも、最後にはお互いの気持が実は一緒だったことを知ります。
後輩ちゃんが健気でヘタレなネコで可愛いかったです。

3

ピュアな不思議生命体

海底の奥深くに地上から注がれる情報を得ながら海底をさすらっていた未知なる生命体
そんな生命体が様々な情報で人間の姿を形造りながら「恋」をするために陸に上がる。
まるで恋する人魚姫みたいなファンタジーテイストなのですが、
その生命体、後にコイと名付けられたモノが偶然コイを保護した人間と恋をする。
その人間は海洋生物学者で初めは研究材料にという下心があるのですが、
コイのピュアな心と笑顔に愛しさを感じるようになり、初めは拒絶していたのが、
コイの危機的状況に己がすっかりコイに恋していると気が付くお話です。

純真無垢なコイと思いを通わせ恋人同士になっていくのですが、
あまりの無垢さに手を出せない海城なのですが、無垢さゆえにコイにねだられ
致す様子はすっかりコイのペースかもしれないほのぼのした甘さを後半は感じます。

2

すっきりはしないけど、面白いには違いない

とっても綺麗な透明感のある
お話でした。

ダイオウイカドキュメント番組を見て思いついたアイデアだそうです。

私もその番組は見ていたのですが
神秘的でありながら
未知だけに恐怖を感じたりもしました。

深海から恋をするために人間の体を獲得し陸にうちあげられた
美青年。

設定上色々説明が必要だったり
矛盾が多かったり、ちょっと
色々考えてしまいますが
それらをまるっとくるんで
読む事ができれば
楽しめる作品だと感じました。

コイと呼ばれるとひかる。
なんとも魅惑的。
恋をしたくて努力した。
とてもピュアで綺麗なコイ。
でもこれが、恋なのかな。
ちょっとひっかかりました。

コイは研究対象には違いないだろうし、コイは恋をしたことで
目的は達成されたわけで
その後は何がしたいのだろう。

恋ができれば誰でも良かったのだろうか。

1

純粋

梅松さんも作家買いしているのですが、本当にいい話を描かれる~♪
今回は2編が掲載なのですが、そのどちらともちょっとクスっとさせるものがありながら、全編にキャラクターの優しさがにじみ出ていて読後感に幸せを感じます。

【海の底 夢見るコイ】
海洋生物学者の海城が海岸で拾った男は深海にすむ実体を持たない意識体が海から落ちてくる情報を拾ううちに「恋」にあこがれ、人間となって陸に上がってきたというのです。
珍しい希少な観察研究体である為に、そんな動機で家に住まわせる海城ですが、
”コイ”と名付けたその男の海城と「恋」をしたいというその一途な気持ちにほだされて・・・というお話。

とてもシンプルです。
コイが「恋」にあこがれ最初から海城を対象として真っ直ぐな気持ちをぶつけてくる。
もうこれに、野暮な突っ込みは必要ありません。
高知能らしく学習能力が高く、最初はカタコトの言葉も辞書を見ただけであっという間に流ちょうに。テレビを見れば知識をぐんぐん吸収していく。
まるで赤ん坊のように、純粋無垢な子供のようなコイだから海城も情がわき、コイの存在を知った同僚を止めるくらいになっていました。
海城が多分おっさんだとおもうのですが、男の一人暮らしというのもポイントですね。
コイがとてもかわいいです。
ご飯を駈けこむ擬音が”ぐわし ぐわし”って(笑)
人間でいうところの赤面すると発光するっていうのが、海洋生物っぽいです。
これは海城にだけ見せる症状v
「たくさん嬉しいです」
つたない言葉だからこそこんなにダイレクトに心に届くのでしょう。
本編はキス止まりの清い関係、描き下ろしの【おうちの中、夜のデート】にて初エッチです。
テレビで”夜のデートプラン”というのを見ていた二人。
コイはデートについて海城にあれこれ聞きます。
どうして最後はホテルなの?セックスは愛情のコミュニケーション手段と説明する海城にコイは「私もウミシロと夜のデートがしたいです」w
男同志の生殖行為(?)はバイト先の店の客から聞いていたようで(驚!)ウミシロとセックスしたいと言いだすのです。
こうして無事、身体も恋人となった二人。
今まで辛抱していた海城が割と野獣でした(笑)
それにしても海洋生物で性別も自分で変えられるそうで、夢のやおい穴を持つコイのようでありますw


【愛されたがりウラオモテ】
大江は会社の後輩・丹羽が失恋するといつもその泣き言の聞き役になって彼をなぐさめてやっている。
歳ははなれているけれど、仲の良い二人だったのだが、愚痴を聞いていると何と相手は男で丹羽はゲイだった!?
びっくりしたものの、いつもと何も変わることなくいつものように恋しては失恋する丹羽。
だけどある晩、丹羽が自慰をしているのに気が付いてしまい、しかもその気配で自分が勃起してしまった事に戸惑う大江。

そんなこんなで二人がくっつくお話であります。
丹羽ってば、ほんとうはネコの人なのに、好きになってくれて恋人になる相手がネコの人ばかり。
タチも一応できるが為にセックスに違和感があって振られてしまうというちょいかわいそうな子。
でもね、彼の好みのタイプを言うシーンがあるんですが・・・あれ?それって大江じゃないの(爆)
しかも自慰しているところは、バイブの音がしているっていうから、隣に大江が寝てるのにオイオイ~!!(汗)
ちょっと抜けてるようなかわいい後輩と、名前の如くおおらかな先輩という組み合わせが、いい歳なのにかわいいカプになっていました。
大江、アゴヒゲ設定なのに時々ヒゲがないよーーー(爆)

4

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