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ページをめくる手が止まらず一気に読了。
坊ちゃん・敬(たかし)が可愛い!!
1話目の"うつつのほとり"の2ページ目からもう心をがっちり掴まれました。
いいとこの坊ちゃんというと、
①性格に難あり。(わがまま)いけ好かない感じで俺様。
②育ちの良さが全面に出ていて素直な子。
のイメージが私にはあるのですが、敬は②です。
母が病に伏してるから余計に優しさがいじらしくて、笑顔がもう無敵ですv
各話タイトルはすべて七文字で揃えてある遊び心。"ころりいがぐり"音の響きが好きだな。
四季の風景が進むごとに物語も静かに動いていきます。其れに連れて敬の声が聞こえてくるくらいに入り込んで、"のけもののやま"で涙腺が堪えきれず…。
親の知らない所で子どもは少しずつ成長するけれど、大人だって成長とは言えなくても一歩踏み出せば変われる。
敬の母のように、優しくてしなやかな強さを持った人になりたい、と高い理想を抱きつつ。
木登りできたら得意になってたこと、学校の帰り道に野いちご摘んで食べたこと、友達を守る為に大人に嘘を吐いたこと。
重なる思い出が一冊にたくさんありました。
天気雨の降る中、敬が弥七の耳の上に曼珠沙華の花を差したのは布石だと私は受け取りました^^恋の一歩手前。
草間さかえさんの世界を堪能できる一冊です。(寺の和尚が短髪眼鏡!)
BLじゃないとのことだったので読もうかどうしようか悩んだのですが、草間作品だしな、と思い手に取ってみました。もう、さすがとしか言いようのない神作品でした。内容はすでに皆さま書いてくださっているので感想を。
BLではないと言いつつも「クロフネ」から出てるのでやはりなんというか匂い系です。あと数年たったら敬と弥七は…なんて妄想してしまいます。
病弱な母親について田舎に越してきた敬と、その村でキツネだ、天狗だ、と村民からハブかれている弥七の、心温まる交流で話が構成されています。
いい意味で良いところのお坊ちゃんである敬が何とも言えず可愛らしいです。人からの愛情や好意を素直に受け取ることができるし、他者を思いやる優しい気持ちも持ち合わせていて。
対して弥七はもう色気がダダ漏れです。異国の血が流れてたんですねえ。彼の語る悲しい過去にも納得。草間さんはああいうちょっと陰のある男性を描くのがお上手だとしみじみ思いました。
まだ子どもである敬と、人を避けて生きている弥七。この二人では回避できないトラブルを解決してくれる優しい大人たちもたくさんいて、設定としてはシリアスよりなのですがほのぼのと読むことができます。
最後の敬のお母さんの対応には尊敬すら感じます。強い、しっかりした女性で、敬のお父さんも見る目無いなあと。ロクデナシのお父さんにもしっかりオチがあってちょっとすっきりしました。
BLじゃないから、と躊躇してる腐姐さま方にはぜひとも手に取っていただきたいと思う神作品でした。
これはやっぱり数年後の二人を描いてほしい!ええ、もちろんBLで。切望してます☆
やばぁぁぁいっ!
こういう連作短編集めっちゃ好き!!!
全体的にほのぼのとして季節を感じさせるお話…ではあるものの迷信や噂に惑わされる大人や子供たち、家庭問題(旦那様不倫)といった部分もあります。
でも最後はハッピーエンドΣd(´∀`*)
弥七が村に馴染みつつあるラストが嬉しい。
東京から病気のお母様と使用人と一緒に田舎に静養に来たお坊ちゃん・敬。
素直で可愛くて癒やしっ!!!
偏見とか噂にとらわれたりしないで自分の目に見えるものを信じようとする姿勢が…周りの大人達よりも大人だなー。
母さまを労わって毎日花を摘んでくる姿も健気ー!
弥七のデタラメをすっかり信じて意気揚々お話するのも可愛いw
聞こえていたお母さんと若い使用人の人の「本当のこと教えたほうが…?」「来年で構わない」ってやりとりが余計にほのぼのとした気持ちにさせられます。
お母さまも本当に…病弱ながら視野の広い考え方をお持ちですーそして凛としてる!
もうね、あんなおっさん捨てて正解よ!
あんなおっさんにはもったいないわ。
こんな母子だから周りの使用人さんたちが味方するのも頷ける。
ふっ…旦那様ざまぁwww
あのあと修羅場るのねwww
燕が奥様と坊ちゃんのところに巣を作り、旦那様のお屋敷に今年は作らなかったのはこれの伏線だったのかな?
1つ1つの話のタイトルも素敵です。
これ続編出て欲しいなー…。
1冊だけなんてもったいない。
もっと読みたいです。
草間さんのつぶやきによると、
「 BL未満の多分ほんのり初恋話 」とのこと。
病弱な母と東京から田舎の村へとやってきた、敬。
(小学校低学年くらいかな?)
明るく好奇心旺盛で、
そしてとても心優しく真っ直ぐな敬がすごーく可愛らしい。
同い年くらいの友達ができても、
敬は年上の孤独で不思議な少年、お寺の手伝いをする弥七に心惹かれる。
三割人で七割化け物だから弥七じゃなくて化七だとか、
狐だとか天狗だとか言って、周りの皆は弥七に関わろうとしない。
でも敬は、弥七がとても物知りで、
一見そっけないけれど本当は心優しいのを知る。
そんな弥七と一緒にいたくて、
きまって友達との遊びを早く切り上げて、
病弱な母にあげる花を摘みに行かなくちゃ…
そう言って、密かに弥七に会いに行く。
その敬の様子が初恋っぽくもあって、微笑ましくキュンとくる。
森の中の花や木々の実、鳥や動物たち、お料理、その土地の言葉づかいや風習、
そういったものを交えてゆっくりと穏やかに季節が過ぎていく。
でも、決してほのぼのなだけでなく、
自然界の、人間界の美しくない現実も描かれる。
それを目の当たりにした時の、
真っ直ぐで優しい気持ちを隠さずに表す敬が…眩しい。
皆の面前で弥七が罵倒され、突き飛ばされたのを見た時、
それを誰も、大人さえも助けない様子に、愕然としながらも敬が取った行動は…
まだ体の小さい敬の、心の強さに胸が熱くなりました……。
心を浄化したい時に、また開いて読みたいと思います。
※ BLっぽさといえば…
敬と弥七がちょっと初恋っぽい雰囲気を漂わせていることと、
最後に明かされる、男相手に何かあった風な弥七の暗い過去。
BL愛読者としては、将来…このふたり…とちょっと想像してしまうかなw
少年っていいですね。
真っ新な心に新しい知識、新しい感動、新しい勇気。
住む環境に恵まれていたり周囲の人間に恵まれていれば、真っ新な心に書き加えられていくものは、宝石のように少しづつ磨かれていく。
一つ一つ緩やかな階段をのぼり成長するたびに、その心の美しさが周りの人間をも美しく活き活きと輝かせて行きます。
敬(タカシ)があまりにも純粋で、読んでいるこちらまで心が洗われる様な気持ちになりました。
母の病気の養生のため、敬は母と共に汽車に乗って田舎へやってきます。
目的地へ着く寸前に汽車の窓の外に見えた少年へと、大きく手を振ります。
その少年の名は弥七。
周囲の子供たちから「化七」とか「狐」と呼ばれ忌み嫌われている少年は、敬たちとは少し風貌が違います(その訳はお話の後半に出てきます)
弥七は丘の上に立つ寺に住んでいて、夕方の鐘をつきに寺へと帰ってきます。
近所の子供たちと遊んだ後、敬は母への見舞いの花摘みと弥七に会いに寺の方へ向かいます。
弥七と過ごす毎日は、敬を一つ一つ成長させていきます。
木登りを覚えたり、美味しい食べ物と毒のある食べ物の違いを覚えたり、動物たちの「生きる」という事も…
そうして、少しづつ物事を知っていく。
弥七と子供たちの関わりや、母と乳母たちとの関わり。
様々な人々の中で、更には心をも少しづつ成長させていきます。
慈しみとか、思いやりとか、喜び、悲しみも…。
敬の純粋さは、まるで「幸せな王子」という物語の王子様の様でした。
王子とツバメは共に成長し、美しい心を残しますが。
この敬と弥七も、お互いがお互に影響しあい周囲もろとも成長していく。
優しく暖かな、そして何処か不思議な世界でした。
読み終わった後、とってもほっこりとする素敵なお話です♪
時は昭和のはじめ、東京から田舎にやってきたぼっちゃん、敬のお話。
ノスタルジックで、どこか不思議で、そして心温かい印象でした。
敬は素直な心ですぐに田舎の子供たちと仲良くなります。
ちょっとしたいたずらをされても、敬はそれを目を輝かせて喜んだりできるような心の持ち主。
周りの子供たちもイタズラをしたあとにちゃんとフォローができたり、とても人間らしい暖かな雰囲気の村の子供達です。
けれど、そんな田舎の子供たちはある迷信を信じています。
山のお寺にいる男・弥七は「バケシチ」「天狗」「狐」などと呼ばれて妖怪化何かのように言われ、忌み嫌われているのです。
大人が得体の知れない弥七に子供が近づかないようにそうやって教え込んでいるからです。
けれど、外からやってきた敬はそんな刷り込みがないので、
なんの曇りもない公正な瞳で弥七を見ることができます。
弥七も最初は「近寄るな」と言いますが、無邪気に近づいてくる敬に、心を開いていきます。
二人は山で花を見たり、果物を食べたり、散策して、友情を深めます。
そんな二人の姿がとても微笑ましいです。
ところで、この作品はそんな弥七と敬のほのぼのとした交流や田舎のことばかりではなく、
一方では大人の事情の部分も描かれています。
どうやら敬のお父様が浮気をしたことが原因で、
田舎にお母さんとやってきたという事情があるようでした。
しかもその浮気相手の女性に子供までできてしまっているとか。
お手伝いさんが、田舎にいる奥様(敬の母)に手紙を出して、それを知るところとなるのです。
敬も実は複雑なお家事情があったようです。
敬はまっすぐな心で、いじめられている弥七を助けます。
おかしいと思うことをおかしいと言うのはとても勇気のいることです。
それでも弥七を助けた敬は男らしい!!
あぁ~なんて将来が楽しみな子なんでしょうかっ☆
そして敬のお父様。
最後のあの展開!悪いことはするもんじゃありませんね。
ふふふ、すかっとしましたわ!(屋敷のお手伝いさん気分)
お母様の、最後の言葉が心に染みます。
「みーんな幸せになればいいのよ」
◆あらすじ◆
舞台は昭和初期の山村。
母親の転地療養のため、母子2人で村を訪れた敬(小学校低学年くらい?)。
彼はそこで、背の高い大人びた少年に出会います。
弥七という名のその少年は、村の寺に住む寺男。「天狗」「化け物」と罵られ、何故か村八分にされている弥七が、実は紛れもなく人間で、しかも心の優しい少年であることに気づいた敬は、こっそり弥七の元を訪ねるようになります。
巡りゆく四季、山で弥七と遊ぶうちに、敬は自然との付き合い方を学んでいき、次第に、弥七との友情も深まっていきます。
連絡の途絶えた父、病床でしのび泣く母、東京の女中たちが知らせて来たお屋敷の異変…母と自分の身に忍び寄る暗い影を感じながら、子供心に母親をいたわろうとする敬。
しかし、或る日嫌がる弥七を無理矢理母に引き合わせたことがきっかけで、前に踏み出せないでいた母親の気持ちに変化が――
少年が田舎暮らしで体験した自然の恵み豊かな暮らしと、そこで知り合った孤独な少年との心の交流を描いた非BL作品です。
◆レビュー◆
「時は昭和のはじめ 少年は村に伝わる迷信を解き明かす」
このコピー(裏表紙)からイメージする内容とは少し違っていたような気がします。
読後の印象は、上のあらすじに書いたような少年の友情の物語でした。
しかも、非BLとは言え、腐った眼で見れば思いきりBLに見えてしまうから不思議。
エロどころか恋の告白さえもないのに…
多分、草間さんはこの作品が腐フィルタを通して読まれることも計算の上で描かれているんでしょうね。味付けの仕上げは、読み手の腐り加減に委ねる…なんて、遊び心たっぷりの趣向じゃないですか。 こういうの、大好きです。
弥七は、14、5歳でしょうか。多分年よりもだいぶ大人びている風情。着物の襟元からのぞく素肌がなんとも妖艶です。
彼がすらりとして妖艶な雰囲気を漂わせた少年であることは、彼が差別されている理由とも関係しています。でも、そんな切ない生い立ちを背負いつつも、自分の運命を受け入れて生きていこうとする姿がまた、彼に哀愁を添えていて。
敬が弥七の耳元に彼岸花を挿してやる場面なんか、もうどう見てもBLすぎ!
不謹慎ながら、萌えました(≧▽≦)
きれいなのに毒があって、人に嫌われる彼岸花…彼岸花が似合う少年というだけで、妖しい色気を感じてしまいます。
色っぽいと言えば、弥七が寺男を務める寺の和尚さんがまた、短髪眼鏡なんですよね。
『ヌレル』の中で草間さんは「短髪眼鏡は人類の叡智」(意味不明なところに深い意味があると見ましたw)と書いていらっしゃいますが…その、短髪眼鏡。
弥七と敬もさることながら、数年後の和尚と弥七にも期待が!
またまた不謹慎でスミマセン。。。
最終章「さくはなまつり」は、長い間病気と夫との不仲に苦しんでいた敬の母親も、そして弥七も、幸せになろうと前に踏み出す…そんな、花まつりの場面で終わります。
腐った眼で読んでたことがかなり恥ずかしくなるような、素敵なラストです。
草間さんの描く村の四季折々の風景も、とても美しくて見どころ。
誰にでも勧められる、やさしく温かい作品です。
ただ・・・ノーマルな話を腐った視点でBLに変える醍醐味を味わえるという意味で、やっぱり腐った御仁にこそ断然オススメしたいですね、これは。
むぼちさま
おお、ついに読まれたんですね♪
ええ、もうこれはれっきとしたBLですよね?
私もひさびさに読み返したくなってきました。
>yoshiakiさんは、和尚攻で妄想されたのでしょうか。
図星です!
草間さんなので年下攻めデフォかとは思いますが、個人的には和尚×弥七という左右でお願いしたいです~(*ノωノ)
立派なBLでした!(読んで良かったよう)
私は10年後の敬×弥七の物語を是非読んでみたくなりましたが、和尚と弥七には思い至りませんでした。
yoshiakiさんは、和尚攻で妄想されたのでしょうか。
むぼちさま
コメントありがとうございます(^^)
非BLということであまり期待はしてなかったのですが、予想外にBL味でした。
草間さんの絵や作品の雰囲気がお好きなら、きっと買って後悔はないと思いますよ♪
yoshiakiさん、こんなレビューを読んだら買わないわけには行きませんよ。
草間先生が描かれる子どももいいんですよね。
この敬坊ちゃんがまたかわいい。
まっすぐで純粋で。目がキラキラしている。
母さまにお花を持っていってあげたり。
弥七と友だちになって手紙を書いたり。
村の大人や子どもからのけものにされる弥七をかばう敬はいい男になりそうです。
病弱で心配だったけど、母さまが聡明な人で、この親にしてこの子あり、だと納得(父親は別w),
弥七を理解してやさしく語りかける母さまに思わずありがとう!と言いたくなりました。
「私もしっかりしないとね」
と夫に手紙を書いた母さまはこの後、元気になるのではなかろうかと思えるラストもよかった。
敬の父親のオチもニマッとさせられて、こういうピリッと毒の効いたところも草間先生の好きなところです。
弥七の過去のことや、それを知っている大人たちのことも。
大人たちは弥七の過去を知っていて、子どもたちを近づけないために天狗だ化七だと言っていたんですね。
ただのいい話では終わらないのが好き。
そして毎作背景の絵がたまらなく好きなんですが、本作ではなどかな里山の風景が美しく惚れ惚れしました。
途中まではほのぼのテイストでよかったんですが、ラスト家○板みたいなノリでびっくりしました
作家さんはBLを書いておられるので、節々にそういうテイストやBL特有のブレーキの利かないダイレクトな生々しさを感じます
しかしBL色の薄い作品では余計ではないでしょうか。安っぽくみえます。