江名
akuji sairoku
九號さんの商業誌はまだ読んだことがないのですが、
しかも、銀魂も知らないのですが、
それでもこんなにも??というくらい、鷲掴みにされて、心をもっていかれてしまいました。
この同人誌、ホント凄いです・・・。
奥さんに出て行かれ別居中の、うだつのあがらないオヤジ(マダオ)に、
若者(というか、銀さんw)が恋をする、
何度も身体を繋げて快楽を共にして、互いに相手を想っている。
でも、ふたりは十分過ぎるくらい分かってもいる・・・、いつかは終わらせなければいけないと。
原作を読んでいないので、そんな捉え方しか出来ていないのですが、
(積み本を少し減らしたら、レンタルででも原作を読む予定、もっとハマりそう~!)
原作を知らなくても、九號さんの圧倒的な画力とストーリーで、凄い勢いで引き込まれました。
鉛筆画の柔らかな線が、
より裸体を生々しく、より表情を繊細にリアルに描き出しているようにも思います。
マダオが全然格好よくないのに、もの凄く魅力的なのはどうしてなんだろう・・・
こちらは再録本、
元の同人誌よりもサイズが小さくなって、描き下ろしが34ページ分追加されて、ケース入り。
収録されている「悪人ゲーム」「消えぬ悪事を百万遍・前後編」それぞれの後に、
九號さんのコメントが少し載っています。
では、描き下ろしについて。
「消えぬ悪事を百万遍・後編」の最後で、帰り際に銀さんが言った言葉、
「この先どっかで終わるときは・・・」
を思い出しているマダオ、あれ以来1週間会っていない・・・
そう思っているマダオの元に、銀さんが女装姿でやってくる。
その日は話しをするだけで帰って行くのが、いい。
そして、帰り際の玄関で、ちょっと伏し目がちに銀さんが言う、
「・・・明日、明日ヒマだから、また来ていい? てゆうか、来るから」
それを聞くマダオが、間抜けな表情で顔を真っ赤にしているのが、とてもいい。
約束の明日は、
のっけからヤっているふたり、そして事後、布団の上で裸のまま今度は言葉を交わす。
「銀さん、俺なんかのどこがいいの」
その答えを言いながら、聞きながら、現実がチラつきつつも再び身体を繋げるふたり。
自分の下で身体を開く銀さんを見て、
終わらせる自信なんて無えよ・・・・・・切ない顔でそんなことを思うマダオ。
そんなマダオの顔を両手で挟んで引き寄せて、
銀さんは遂に言ってしまう・・・
“ あんたに言えない言葉がたくさんあるよ ”
ずっとそう思っていたのに、
言えないはずのその短い一言を、マダオの耳元で囁く・・・それはまるで終わりの合図・・・・・・
切なすぎるくらいもの凄く切ないのに、
爽やかで自然な銀さんの笑顔で締めくくられる、この本。
本当に本当に・・・、素晴らしすぎます。
この作品は、18歳未満の方には不適切な表現内容が含まれています。
18歳未満の方のアクセスは固くお断りします。
あなたは18歳以上ですか?