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smells like green spirit
彷佛清新气息
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
私の知り合いにも、桐野みたいに、かつて女の子になりたかった男の人がいます。
その人が自分の体がどんどん男らしくなっていくことへの違和感や、
どうあがいても女の子になれる容姿ではないことで女装をあきらめたこと、
将来のことを考えて普通の男になることを決心したことなどを話していた時のことを思い出しました。
あまりにもダブっていたので、読んでいて涙が止まらなくなりました。
自分を受け入れてくれる桃源郷を探す選択肢もあったのに、親のことを考えてそれをあきらめたんですね。
桐野が最終的に選んだ道は極端に描かれてはいますが、現実にこういう人はいて、そしてその選択は間違ってもいないし、誰からも非難されるものではないと思います。
母親のためを思って母親の望み通りの道を選んだのかもしれませんが、でもその道を選んだのは桐野自身です。
だから、彼は大人になって結婚し子供もできましたが、ちゃんと幸せを感じているだろうと思います。
どんなふうに生きるか、三島、夢野、桐野はそれぞれゲイとして生きるということがどういうことかを真剣に考えた結果、それぞれの道を歩んだ。
その中には柳田先生のようにねじ曲がって、精神に異常をきたしてしまった人もいる。(ひと夏の大事件、未遂に終わって本当に良かった。そして可哀想な人だったと思います。)
世間ってなんだろう。
自分らしく生きるってなんだろう。
それぞれが選んだ道が、それぞれの答えでした。
この作品はBLらしい萌えとは全然違う次元の重みを与えてきますが、
かと言って、どうしようもない不幸な出来事のように描かれていないところが良かったです。
だって、同性愛者であることそれ自体は不幸なことではないからです。
そしてBLではあまり描かれない、それぞれの家庭の様子や親の考え方もしっかり描かれています。三者三様にお母さん達の子を思う気持が伝わってきました。それぞれに良いお母さんたちだと思います。
一人の人間が、たくさんのしがらみの中で複雑に生きていることをリアルに描いていると思いました。
私は三島の母親のようなタイプの考え方なので、彼女に共感する部分は多かったです。
もちろん親の立場としての意見は意見として言いますが、その上で本人が選んだ道ならどんな辛い目に遭おうとも納得できると思うから、自分の道を選んで欲しいと思うのです。
人から言われて仕方なく選んだ道なら後で後悔するだろうから。
同じ後悔するなら自分の選んだ道で後悔したい。そして願わくば後悔ではなくそれを糧に前に進んでいきたいと思う。
永井先生の作品は、一貫して「私は私で お前はお前だ 人生それぞれだ つらくても お前はお前の道を行け」
三島母の言葉ですが、これをずっと言い続けておられるように思います。
今までの作品は濃厚なギャグが多く、永井先生のメッセージは見落としがちにされてきたように思いますが、確実に画面の中に埋まっています。
この度、こういった作品に仕上げたことによって、そのメッセージの部分が昇華されて伝わってきたように思いました。
この作品はテーマが重いので、誰もが「ジェンダー」や「マイノリティに対する差別」といったものを意識せざるを得ません。
どんな立場にせよ、根本を考えるということは、時に必要なのではないかと思います。
しかしながら、この作品が本当に伝えたいことはそこではないように思います。
もっと言えば、おそらくそういったジェンダー論とかそんな次元を飛び越えて、永井先生には言いたいことがあるんだと思います。
なにものであろうとも、『お前はお前の道を行け』。
何べん読んだかな?ちょっと覚えてないや。
それくらい気に入ってしまいましたよ。
サイドAの時点では、こんな風に心に沁みる作品になるとは思ってもみなかった…(失礼な)
子供には無限の可能性があるっていうのは、まだ何者にもなれていない子供だからこそ、の逆説的な意味もある。
大人になってから実感するのは、何となく生きてきた自分だけどその何となくの間に実は数え切れないほど大小の選択の瞬間があったんだなってこと。
例えば受験校の選択という能動的なもの、あるいは喧嘩した友達との仲直りのための一本の電話とか、好きな人がいても何もしないという消極的なのから、嫌なことから逃げ出したりっていうしょうもないものまで。
上げればキリがないほどの様々な選択の積み重ねが、間違いなく今の自分自身を作り上げている。
たとえ後悔や不満がある人生だとしても、その「自己の選択」という自覚こそが、自分を腐らせないための根っこだと思うわけです。
同じような悩みを抱えていた三島と桐野。
屋上で口紅を塗りっこしてはきゃっきゃと戯れていた二人は、物語の最後には全く違う道を歩いていく。それでも二人は、顔を上げて前を見つめている姿が描かれている。
特に印象深いのが、トンボを映しこんだ桐野の瞳だろう。
終わってしまった夏を時々は懐かしんだりするのだろうか?そしてそこには少しの後悔もあるのだろうか?その後悔は、時折桐野を苦しめたのだろうか?
それは読者には分からないし、三島にも分からない。
でも例えそうだとしても、桐野はきっとそれすらも受け入れているんだと信じられる。
電車の中で、「強くならなきゃ、私が私のために選んだの」と言った桐野だからこそ。
桐野の選択を犠牲としてもっとウェットに描くことだってできただろう。
でも作者はそうしなかった。
実際、「母親を安心させるために」という理由で同じような人生を歩んでいるように見える柳田と桐野は合わせ鏡でもある。けれど決定的に異なるのは、柳田の「母親のために」という思いはいつしか裏返って、「母親のせい」になってしまったこと。
どうにもならない境遇をあげつらって、そこにままならなさや不平不満の理由を見出すのは簡単だしある意味正しいのだと思う。でもそれは一時凌ぎにしかならない。
柳田のように、巡り巡って結局は自分自身にかえってくるんじゃないだろうか。
当たり前のことだけど、人生は誰も肩代わりしてくれないのだから。
この作品は、青春BLという皮を被った、ちょっとした人生指南書だと思う。
うん、いい作品だ!
老若男女におすすめしたいな!
今回初めてレビューを書かせていただきます。
もともとこの作品は知っていたのですが、基本雑食で表紙買いが当たり前な私がなかなか手を付けなかった数少ない作品の一つでした。
もしかしたら無意識のうちに分かっていたのかもしれません、軽い気持ちで読む作品ではないと。
BLだと思って読む作品ではないと私は思います。それよりも、もっと奥深くにある作品でした。
永井三郎先生の作品はこの作品が初めてなので、最初は単純にギャグのシーンやいきなりホラーテイストになるシーンの場面転換の面白さに興味を持って読んでいました。
しかし、読み進めていくうちにどんどん涙が溢れてきて物語の世界観に飲み込まれていました。
この物語の良さは三者三様の母親ですね。
三島の母親は、ゲイでもゲイでなくてもこんな母親が良かったと思えるような母親です。彼女が三島の母親で良かった。
三島がいじめられていても世界に絶望していないのは、彼の母親の強さを確実に引き継いでいるからだと思います。
「私のために選んだその道が少しでもお前の我慢や諦めの上にあるのなら、それでお前の思った道を行けないのなら、私は凄く悲しいしそれこそ不幸だ」
この言葉に涙が溢れてきました。
夢野の母親はこの親ありでこの子ありって感じでした。
「仕方ないんじゃないかなぁ。」って言葉が本当に良かった。ノンケだった夢野が三島を好きになるって、現実の世界で考えたら結構すごいことだと思うんですよね。男でも女でも本気で好きになれる人がいるってことの素晴らしさに改めて気付きました。夢野の父親、何気に好きでした(笑)
アメリカは日本よりもゲイやレズということをオープンにするぶん、ホモフォビアの方も多いですから…。だから、そういうことにも切り込んでいたので感心しました。
そして、桐野の母親。私はこの母親が一番リアルで当たり前だと思いました。どの母親もリアルなのですが、桐野の母親が一番、ゲイをカミングアウトされた母親の反応で自然だと思います。「子どもなんて産まなきゃ良かった。」なんて、母親として最低の言葉だと思います。でも、自分の子どもがそのようなことをカミングアウトすれば誰でも動揺してしまうと思います。
柳田先生もまた、かわいそうな人でした。三島にしたことは絶対に許せないことだと思います。でも、嫌いになれないんですよね…。「受け入れてくれよ」っていう言葉に色々な意味が含まれていて、すごく苦しい気持ちになりました。
私はこの話を読んでいるとき、なぜ中学生にしたのだろうかと疑問でした。高校生でも良かったんじゃないのか、と。
しかし、最後まで読んで分かりました。
この物語は中学生で進めていくからこそ、桐野が自分の成長について苦しんでいたり、三島が女の子みたいな容姿であることに説明がつくと。
夢野と三島の現在はほっと胸をなで下ろしたのですが、桐野の決断には何とも言えない気持ちになりました。
でも、桐野がそれで幸せならばそれで良いのです。
色々な行動に意味があって、言葉に思いが込められていて、本当に読んで良かったです。
たぶん、近年発売されているどのBL本よりもリアルでした。
リアルな恋愛で、リアルな決断で、リアルな物語でした。
三島と夢野と桐野と、そして柳田先生、みんながそれぞれの幸せを感じて過ごしていることを信じています。
そして、このような物語を書いてくださった永井三郎先生とこの漫画を出版してくださったふゅーじょんぷろだくと様に感謝の気持ちを伝えます。
ありがとうございました。
きょうと様
はじめまして、こんにちは!
初めてのレビューとは思えない、すご~く深く掘り下げた内容のレビューに感激しています!
私もそれぞれ家族をしっかり描いた事、中学生で描いた事で「永井三郎先生はすごいなぁ」と思いました。
100%BLファンタジーも好きだけど、こういうリアリティーのあるお話は心に共鳴する何かがありますね。
きょうと様のレビューがあまりにも素晴らしくて、これからのレビューが楽しみです♪
思わずコメントしてしまいました。
ローズリリィでした。
きょうと様、はじめましてsnowblackと申します。
初レビューとのこと、おめでとうございます。
この作品は私も非常に衝撃と感銘を受け、
狭くBLの枠で語らずに、老若男女多くの人に読んで欲しいと思った作品です。
お書きになっていらっしゃるように、この3人3様の母親の存在というのが
この物語にリアリティと深みを与えていると、私も感じました。
まだ親の影響が大きく、自分というものが確立しない未完の中学生という年齢が
非常に意味を持っているとも思えました。
お互いに、こんな本に出会えたことは幸せ……ですね!
三者三様の家庭と人生+柳田が、そこにいた。
柳田以外の三島も桐野も夢野の、どの家庭も母は子を思い、子は母を思ういい家だった。
桐野の母親は、予想だにしないその衝撃に自身が耐えられず、我が子を傷つけることを言ってしまったがその後、失いそうになり、やっと向き合うことができた。そして必死に理解しようと努力する。
母も子供と同じで、母として成長段階なのだ。
どういう風に成長するかは、それまでの自分が過ごしてきた道のりが指し示す。
あの幼き桐野に見せた、くしゃっとした笑顔にすべてが詰まっている気がした。
三島と桐野のキラキラとした宝物のような屋上のひと時が、眩しかった。
桃源郷へ行こうと踏み出した一歩。
桐野の横に三島の笑顔があって良かった。
三島に、どんな時もぶれない我が子を全力で信じて愛する母親がいてくれて良かった。
いつか柳田のことをどんな形であれ、受け入れてくれる存在が、見つかってほしい。
終盤の「桃源郷を諦める」と決めた桐野の、大人という階段を一歩上る様に胸が詰まる。
桐野の幸せは母親にあった。
母の幸せが自分の幸せであったことに気づいた桐野。
幼い頃から母の笑顔も苦労する姿や悲しい姿を、傍にいて誰よりも見てきた。
桐野の中で、母の笑顔をずっと見ていたい、母に母の望む幸せを与えてあげたい、それは自分にしかできないこと。
桐野の桃源郷はここにあり、また、遥か先にある。
母親の笑顔という幸せを手に入れた桐野は、アキアカネをその瞳に映し、何を思うのか。
いくつものアキアカネをその瞳に映して、いつしか訪れる母親の最後を見送った後に、もう一つの桃源郷へ行ければいい。
その時に奥様と子供が、桐野のよき理解者になってくれれば、それでいい。
完結しました!!
すごく考えさせられるお話でした。
主人公達は中学生、世間のせまい田舎です。
そこで自分の性癖に目覚めた少年達、彼等は母子家庭。
学校での苛めと、歪んだショタコンの教師と、村の口さがない噂。
中学生だし、恋愛とかそういう流れとはちょっと違うよね、と思いながら
「同性を好きになるという性癖」そうしたセクシャルマイノリティと思春期の在り方を通して幼い恋も、それぞれの登場人物達によって描かれたのだと思います。
1巻のクライマックス、教師の柳田にとうとう捕まって襲われかけた三島を助けたのは、夢野と桐野。
それから夢野と三島は近しくなるのですが、キスをしたその後、急激に三島が男であることを認識してしまい避けるようになる夢野。
そして夏休み、三島と夢野と桐野についてホモの噂が流れて、親の理解を得られなかった桐野は、三島と一緒に桃源郷を目指そう!と家出をするのですが・・
このひと夏の経験を経て、彼等が学んだモノとは?
三島と桐野は母子家庭ですが、それぞれの親子関係が対照的です。
桐野の性癖を認められない彼の母親。
腹を割って自分からの言葉を待ち、彼の性癖を真正面から受け止めてくれた三島の母。
三島が男なのを意識して、男が好きなのではなく三島が好きだったと悩む夢野に、性別は関係ない、恋をするのは素敵な事じゃないかと言う夢野の母親。
【番外編】ではショタコン教師・柳田の歪んでしまった性癖のきっかけとなる少年時代のエピソードがあります。
ここで、彼は周囲からその性癖を否定されるのです。
マンガですから、これがすべてではないでしょう。
しかし、「同性愛」という形についてその形成に重要な位置を占める思春期の彼等を描いて、その後の道が別れたというとても象徴的なお話だったのです。
一番衝撃的だったのは、オネェ言葉を使い、三島よりも女性への憧れが強かった桐野の変身です。
母親を悲しませたくない為の決断を、あの時彼はしたのです。
本当にそれでよかったのかどうか、桐野に聞いてみないとわかりませんが、彼は幸せそうでした。
そして三島と夢野は・・・
絵柄的にホラーもあったり、真面目もあったり、ギャグもあったり。
しかし総じてそのテーマは揺るぎなく、とても真面目なものだったと思います。
とても素敵な作品でした!!
さようなら、桃源郷。
三島と桐野が誰に気兼ねすることなく素顔のまま過ごせた屋上こそがふたりの桃源郷でした。
同性を好きになるとはどういうことなのか、それはいけないことなのか、三島、桐野、夢野はそれぞれ自分の答えを探します。
自分はいったい何なのか?
拉致された三島を救いに行ったことをきっかけに夢野は三島に対する気持ちを自覚します。
でも『男』と意識した途端、混乱して引いてしまう姿がいかにも中坊でリアルだったなぁ。
閉鎖的な田舎での無遠慮な視線と口さがない噂に急かされるように突きつけられる選択の時。
桐野が自分と向き合い真剣に出した答えは三島と桃源郷との決別を意味します。
何が真実か、という答えは人それぞれですから本人が選んだ着地点だと納得するしかないんですが…「楽しかったねぇ」と解放の封印を選んだ桐野を思うと涙がこぼれました。
三島を拉致した柳田先生も、やらかしたことは許せるものではないんですが…どうにも不憫で。
脱け殻な瞳に唯一、感情が灯ったのは三島を救いに来た夢野たちを罵倒したときだけ。
「受け入れてくれ」と哀願する姿は、否定され自らを偽りながら生きることを選択しなければならなかった少年に見えました。
この作品は母親との関係性が印象に残ります。
番外編で読む柳田の母親は三島たちの母親のように息子と向き合う素振りはなく、異物として扱われた孤独はゆっくりと時間をかけて一人の人間を壊してしまった。
家族だからといって分かり合えるわけでも修復できるわけでもない。
でも、だからこそ母親に向き合う覚悟が在ると知っただけで彼らは少しだけ楽に自己肯定ができる。
夢野もきっとそうだったから、あの結果になったんですよね。
ご都合な展開かもしれないけれど、幸せであってほしい。
秘密は口にした途端に現実となり、現実はマイノリティを傷つけることが多い。
【みんながお互いの秘密を知ったら、どんなに安らげるだろう】なんてイギリスの評論家の名言はそれこそ桃源郷の話です。
萌えではなかったけれど抑圧と解放の紙一重に揺らぐ少年たちと、口を噤むことの意味が心に残る作品でした。
この先、ずっと本棚に並んでいるであろう大切な本です。
永井さんの絵柄の使い分けは今巻も冴えてましたね。
超ド級のシリアス展開なのに村のオバチャンたちの顔のデザインがナイス(笑)
side:Aの冒頭の部分を立ち読みして、痛そうな話だと思い手に取ることがなかったのですが、あまりの高評価で、思わず購入してみました。
買ってよかった!素晴らしいです。内容はほかの方が書いてくださっているので感想を。
話としてはかなりシリアスです。いじめ、レイプ未遂、噂話。などなど。なのにカラッと読めてしまう。三島の屈託のない性格のおかげかなと思うのですが、永井先生の所々で出てくるギャグのセンスによるところも大きいのでしょう。個人的に柳田先生が三島に対して黒い妄想をしている表現が非常にツボでした。
お互いに、口の出すことのできなかった秘密を共有する事で急速に近づく三島と桐野。たったひと夏の出来事だけれども、素の自分をさらけ出し、その思いを認めてもらえ、共有できた彼らは幸せだったろうなと思うのです。
それに引き替えぺドの性癖を持つ柳田先生。彼のしたことは明らかに間違えている。人としても大人としても。けれど、番外編で書かれている彼の過去の話の時に、彼を受け入れてくれた人がいたなら、と思わずにいられません。
三島と桐野のお母さんたちは息子の性癖を知った時に全く異なる対応でした。「自分の気持ちのままに生きてほしい」と願う三島のお母さんに対し、拒否反応を示す桐野のお母さん。けれど桐野のお母さんも「息子を理解したい」という気持ちはきちんと持っていて、息子と正面からぶつかる。
それが柳田先生のお母さんにはなかった。納得できなくても、受け入れてあげてほしかった。三島を襲ったときに「俺を受け入れてくれよ」と言った先生があまりに哀れでした。
多分、先生にとって、三島が「パンドラの箱」だったんじゃないかと思うのです。自分の想いを唯一受け入れてくれた初恋の彼を彷彿とさせる三島。ダメだと思う自分もいるはずなのに日増しに募る三島へのよこしまな想い。
先生を素のまま受け入れてくれる人に出会ってほしいと願ってやみません。永井先生、柳田先生の話をスピンオフで描いていただけませんか。熱烈切望中です!
他の方も書いていらっしゃいましたが、桐野の選択はそうきたか!と思いました。
でも自分を受け入れようと努力してくれた母親。今まで家庭を顧みることがなかった父親が、母が倒れたのをきっかけに帰ってきた。そうした家族を守るための選択だったのだろうと、彼の強さを感じました。そしてなにより、三島と過ごしたあの夏の日々が彼を支えてくれているのだろうと。
BLというジャンルを超えて、悩み多い年頃の子どもたちに、そして多くの親に読んでほしい作品です。
永井先生の作品は初読みでしたが、非常におもしろかった。違う作品も読んでみたいと思います。
SIDE:Aを惹きつけられるように読み、そしてB面。
続けて読んだにも関わらず、感想を言葉にするのにえらく時間がかかってしまった。
一言で言えば「読んで良かった!」につきるのだが、
もう少しその思いを語ろうとすると、言葉が見つからない。
:
三島と桐野が、初めて手に入れた心を解放できる相手と場所。
しかし、幸せな日々は長くは続かない。
それぞれが、それぞれに、現実を突きつけられ、
道を選ばなければならなくなる時。
正しい道はどれなのか?己の幸せはどこにあるのか?
これはマイノリティとして生きる彼らだけの課題ではなく
総ての思春期が通る試練なのではないだろうか。
桃源郷を目指して旅立つ三島と桐野。
短い旅の中で、彼らは自分の道を見つけていく。
どこか遠くに夢見た理想の幸せではなく、
ありのままの自分とありのままの現実の中から
幸せを作っていく彼ら。
そして彼らの決断と人生に大きな影響を与える、それぞれの母達。
三島の母、夢野の母、桐野の母、そうだ柳田先生にもまた母がいた。
桐野の母の苦悩と、息子の選択の重さ。
そして描かれる、彼らの成長した姿。
その後二度と交わらない道を歩む彼らが、
別れ際、夕日を背にお互いにエールを送る姿に、
胸を締め付けられながら、私もエールを送らずにはいられない。
みんな、みんな、生きて行こう!幸せになろう!
SIDE:Aを買い、ずっと続きが気になり悶々としていたので即・購入しました。
この作品はとても現実的です。
BL世界にありがちな、すんなりとゲイカップルが受け入れられている世界ではありません。
ゲイが否定され、嫌悪され、隠し通さなければいけない世界。
三島が好きだと思っていた夢野も三島の性別を再認識し、一度は引いてしまう場面など、人々の現実的な心の動きを細やかに描いています。
(他作品を否定しているわけではないのであしからず)
噂が蔓延る閉鎖的な田舎、セクシャリティに疑問を抱き、葛藤する少年。性癖を否定され歪んでしまった大人。
自分の本当の姿を隠し続け「桃源郷」を夢見る姿がとても切ないです。
主要な登場人物同士の掛け合いだけでなく、それぞれの少年が性癖を告白した際の母親たちの反応もとても考えさせられます。
上京し、女装をしながらメイクアップアーティストとして生活する三島。一度は三島を拒否したものの少しづつ歩み寄り、受け入れることができた夢野。それに対して、女性になりたい願望を隠し『普通』として生きることを選んだ桐野。三人の選択や未来は違っても、自分で生き方を決めたことで、3人は歪まずに生きて行くことができたのではないでしょうか。
結果的にはハッピーエンドなのですが、読後にちょっと切なくなる不思議な話でした。
この作者様はギャグを書くのがとてもお上手ですが、シリアスな場面との切り替えがスムーズです。真剣なシーンにいきなりギャグコマが入ってきてどうしていいかわからなくなる時がありますが(笑)
まさかBL漫画で本気で泣くとは思ってもいませんでした。
繊細な心理描写がとても胸に響き、本当に永井三郎先生の作品が大好きです。
これからもこのような作品を描かれることを期待しています。
いや~、ググッときました(´;ω;`)
まだ中学生なのにえらいね。
悩んで悩んで傷ついて、自分の道を自分で決めていく三人ですが・・・。
夢野と三島は親の理解もあってなんとか二人で切り開いていくのですが、桐野は・・・
一番女の子になりたかった桐野は、とても辛い選択をしました。
でも、後に桐野のその後が出てきますが、幸せそうでした。
本当に強くて優しいのは、他人の心や痛みがわかる人なんですね。
卒業式で、桐野が好きだった体育教師に第二ボタンを求めるシーンがあるんですが、
そこで、父親みたいに思ってたから・・・、としか言えなかった桐野が、いじらしくて泣けます。
三島と桐野が分かれるシーンでは、桐野が三島に「がんばれ」と、声をかけるのですが、
桐野の表情が見えません。
笑っていたのか泣いていたのか・・・読者に委ねられていて・・・
きっと、自分自身にも言ったんだと思います、がんばれ!って。
や~、永井さんホントにうまいですね~、デフォルメな表情もバッチグーです。
感動させていただきました、ありがとう!
夢野のお父さん、好きです。
サノバビッチ!笑