ライアテア

ライアテア
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神38
  • 萌×223
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
20
得点
294
評価数
68
平均
4.4 / 5
神率
55.9%
著者
崗田屋愉一(岡田屋鉄蔵) 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
発売日
価格
¥752(税抜)  
ISBN
9784592720515

あらすじ

新進カメラマン・ゾム。少年時代、南の島で出会った現地の男・マニの美しい姿が忘れられない。そして現在は研究者となっているマニの元を訪れるのだが、何故か彼はゾムに心を開こうとしない。

表題作ライアテア

左目を失明したカメラマン ゾム(ノゾム)
元島の男で現生物神経学研究所勤務 マニ

その他の収録作品

  • After Word

レビュー投稿数20

まばゆい煌めき

冒頭だけでなく、作品から眩しさを感じます。表紙で印象付けられた緑が、白黒の本編でも想起されて、まばゆい煌めきが伝わる。ライアテアの意味を知らずともそう感じたということは、岡田屋鉄蔵先生の筆力によるとしか言えない。圧巻

◾︎ゾム(ノゾム・ヘイウチ カメラマン)×マニ(神経生物学 研究員)
マニが美しいです。年齢を重ね、この世の憂きを知り、すれてしまったとしてもゾムがマニを"美しい"というわけは、ゾムを通してマニを見ている読者には伝わります。
海を渡る描写がとても好きです。駆け出すゾム、笑うマニ。ここまでためてためて、声を上げて笑うマニに胸が熱くなります。ゾムへ微笑むマニ。この微笑みを向けられたら、最早この恋から目をそらすわけにはいかない。
涙を流すゾムと同じタイミングで、こちらも感極まりました。素晴らしい作品でした。

0

強い気持ちが届いたら

まるで美術館で見るような絵画的で南国風な表紙にどんなお話なんだろう!と興味がわきました。パラパラめくると現代風でますます読みたくなりました。

なかなか登場シーンと回想シーンの人物が同じだとすぐにはわからず混乱しました。
しかしマニの登場シーンには衝撃を受けました!
堂々と全裸で馬に跨がる姿が!

マニは島を離れて父親に連れ出され辛い目にあってきて島の誇りの刺青を恥じて本当に気の毒でした。
そりゃあゾムにどれだけ説得されても島に戻る気になれませんよね。

ゾムが13歳の時にマニと島で出会い忘れられない美しい姿と青い目に生涯とらわれて結婚もうまくいきませんでしたね。ゾムはマニしか見てなかったし、視力を失うならまずは真っ先にマニを撮りたいんだから。

ゾムの最後の手紙でマニも島へ戻る覚悟ができます。
そして一度捨てた島に受け入れられるか泳いで渡ることに。
無事に島に泳ぎつきますが途中からは自然に島へ渡れたようで、ゾムが待っていることがマニにとってどれだけの強い気持ちを持てたかわかりますね。

島に渡ってからはマニはまるで別人で。こちらが本当のマニなのでしょう。誇り高く堂々として美しく。
そして二人は結ばれて。

二人の人生がまた重なりましたね。そしてこれからも一緒に生きていくようで。

ゾムの強い想いがマニを動かして、運命的な再会と伴侶になれて良かったです。

0

頑固者達の魂の再生

 自分の拘りや生き方を守り抜いたり、長年夢を追求し続けたりする頑固な男2人の物語。最後はもちろんBL展開になるのだけど、それまでの2人の歩み方も格好良くて、男じゃなくてもこんな風に生きたい、こんな風に生きられることを忘れたくないと思わせてくれるような、人間の美しさと可能性の描かれた作品でもあったように感じます。南国の暖かい島ならではの開放感も、多分に作品を盛り上げる要素になっていましたね。同じストーリーでもマニの故郷が雪国だったら、まったく違う空気になっていたと思います。

 ライアテアという言葉、最初は色の名前かと思っていたんですが、実在する島の名前なんですね。その素敵な故郷で原始的な生活を送っていたマニは、島を出て研究者になったのだけど、差別と偏見からどんどん心は閉じてしまっていて。一方、昔島で会った彼を忘れられないゾムも、幼い頃両親の死を肌で感じた経験から、ずっと心が満たされないままで。そんな欠けた者同士が再会し、楽園のように記憶されているあの島へ行くことで、もう一度再生する。その頃にはお互い、十分に相手への情も湧いていて。これほどオープンで野生的なセックスが、かつてBL漫画であったでしょうか。でも、儀式的な意味も兼ねているから、獣のそれとはまた一味違う。共に心が満たされ合った2人の、これまでとは見違える表情が眩しく美しいなぁと感じました。

1

やっぱりエロが好き

神に限りなく近い萌x2です。

しかし独創的だなぁ。
この島の元ネタってあるのかな?
似たような島があるのかな?
でもそんな事はいいや、本当に良作でした。

ただ、近年の私は
「BLったってねー、エロ書きゃウケると思うなよ、いくら急所をバンバンと出されたってコチトラ、ピクリともしねーや。最近の若いもんはどうも誤解してやしねーか?」
と常々思ってたんですが、本作は違った。
もっともっと、島に辿り着く物理的な距離、心の距離と同じくらいエロじゃないな、交合シーンをねっとりと長ーいページ数が欲しかったなぁ。

結局はマニのあんな姿やこんな姿、そして感じちゃってる姿がみたいだけだけど。
だってあんなガチムチマニが色っぽく見えて見えて。
そりゃもっと見たいよ。
書き下ろしかなんかでエロくれよ。

うん、やっぱりあれだな、私はやっぱりエロ好きだ。

2

肉体美、ですね

岡田屋さんの絵は大好きで、こちらの作品も本当に男の身体が美しく描かれています。輝く肉体が魅力的です。

南国の情景がエキゾチックで高評価が多いのも納得できるところではあるのですが、ほんの少し「エキゾチックな南の島」の捉え方が「都会の人にとって、こうあって欲しい夢のような場所」として描かれすぎているような気がするところがありました。それは、自分自身がいわゆる「観光地」として捉えらている土地に産まれ、自分の意識だの「観光地」として産業を振興させるために求められるものとギャップなどを意識する機会が多いからではありますが。

そういうちょっとややこしい思いを抜きにすると、男たちの葛藤や気持も美しく描写されている作品でした。だけど、岡田屋作品は、和物の方がより好きかな。

2

ノゾム側から

記憶の中の美しい彼。
自分の根底にある『美』そのもの。
自分の目が見えなくなるかも知れないと分かったとき
もう一度その『美』を見たいと思うノゾム。
その『美』は、幼い頃に体験した絶望の中で見た『空』と同じ美しさ。
それを求める為に美しい彼、マニと接触を図り。

しかし、求めていた同じ光景を見たときの違和感。
本当に欲しかったのは『空』と同じ『美』から放たれる『熱』=ぬくもり。
それを直に感じた時の感動、描写は力強く美しいです。
いま、その場にいるようなとても迫力あるラスト1ページは圧巻です。

ノゾム側からの描写が非常に印象に残っていて
視覚、記憶、触覚、感覚、全てが繋がって初めてノゾムは過去から解放され、ここからやっと始まるのだな、と思いました。
その姿が見られて感慨無量です。
感慨無量という言葉が使えるくらい、話も描写も本当に良かった!!

1

「ライアテア」の意味

タイトルに使われている「ライアテア」という言葉には、“遠い空”という意味の他にもう一つ別の意味があって、それがこのストーリーのキーワードになっているのですが、ラストで意味が明かされた時、作中のあらゆる要素がその単語へと繋がっていき、思わず鳥肌が立ちました。

「熱」を失った男と「自尊心」を失った男の再起を描いた物語です。

主人公は、突発性の難病で片目の視力をなくしてしまった日本人カメラマン〔ゾム(のぞむ)〕。
幼少期のある経験から諦観しているふしのある青年で、カメラマンにとっては大事なはずの視力を失ってしまったこともすんなりと受け入れるのですが、もう片方の視力がどうなるか分からない現実と隣り合わせになったことで、少年時代にある島で出逢った美しい目の青年をもう一度同じ風景の中でカメラにおさめたいと思うようになります。
そして奇しくも自分の患った病気の研究をしている研究所にその青年がいることが分かりゾムは会いに行くのですが、再会した〔マニ〕は島について話すこと、ゾムと一緒に島に行くことを頑なに拒絶します。
村の風習で全身に施していたタトゥーがマニのその後の人生の足枷となり、自分の身体と生まれ育った村をマニは恥じるようになっていました。
煩わしい人付き合いを嫌って厭世的に生きているマニを、ゾムはなんとかして島に連れて行こうと画策するのですが───

最初と終盤の見せ場に1回ずつ、他とハッキリ差をつけて描かれている美しいマニの姿に目を奪われます。
「自尊心」というのは分かっていてもなかなか持ち続けるのが難しいものです。
同様にゾムがなくしていた「熱」も。
だからこそ、それらを持っている人は魅力的に映るのだと。
言葉ではなく、絵で一層の説得力を持たせている岡田屋さんの画力が何より素晴らしいです。
2人の上に輝く大きな太陽の光と熱が白黒の紙面からハッキリと伝わってくる気がします。

ラストで2人が自分たちの再会について語るシーンがあるのですが、ここで交わされるセリフがまた良くて。
“物は考えよう”とは言うけど、こんな風に考えられれば素敵だなぁと思います。

こういうのが読みたかった!と、読み終わって思わず心の中で叫びました。
大満足の1冊です。
そして、この作品のおかげですっかり筋肉美に目覚めてしまい、ひと月ほど前から新しく買う漫画の筋肉率がやたら高くなっています(笑)

5

何かを失って、何かを得る。

もしくは何かを得るために人は何かを失うのかも知れない。しかしその喪失を「犠牲」とは呼びたくない。これから得ようとするものは、失ったものよりはるかに大きいものに違いないと思いたいから。そんな希望を抱かせてくれるお話でした。

ノゾムは幼い頃、乗っていた車が土砂崩れに遭い、両親を亡くしてしまう。彼は神父である叔父に育てられ、13歳の時に連れられて行った南の島で一人の美しい青年に遭遇し、思わず手にしていたカメラに収める。ノゾムにとってこの青年との出逢いは長いこと忘れ難いものだった。二十年後、写真家となったノゾムは、ずっと再会を願っていたその青年・マニに会う機会を得たのだが…。

マニの美しいこと!島の風習で全身に刺青が施されているのですが、それが彼の人生に暗い影を落とします。他方、ノゾムは自己免疫疾患のせいで写真家の命でもある片目の視力を失います。この二人が不思議な巡り合わせで再会を果たした時、お互いの中に何を見出したのでしょうか。

個人的にセックスシーンは漢!っていうのが好きなので、岡田屋鉄蔵先生の絵でもっとやってくれ〜っ!といったところ。男らしく官能的で惚れ惚れしちゃう。表紙も素敵で思わず目を奪われます。こういったお話、もっと読みたいなぁ。

4

真っ青な遠い空と光

やっぱり、岡田屋鉄蔵さん、すごいー!!
予想がつかない。
登場人物たちの言葉にいろいろ思って時にクスッてなって(´;ω;`)ブワッてなって。
ほかの方たちのような素敵なレビュー書けないけど、読んでよかった。

1

想像してたのとは違いました。

読むまではジャングルでとっても濃くて犯りまくりのエロエロな展開なんだと思ってました(笑)
ですが、違いました。
長年の思いがやっと実るとゆう、とても美しいお話でした。
でも、もうちょっとエロくても良かったと思います。
帯には官能エキゾチックロマンとありますからね。
ちょっと、期待しちゃいますよね。
ゾムとハビだって、なんかありそうだし。ハビだって、いつも裸エプなんだし、誘ってるんじゃないのかな~ってね。
思っちゃいますよね。
その後のお話があれば、ぜひ読みたいですね。
些細な事でケンカもしちゃうけど、仲良く夫婦生活送ってるんだろうな~って想像しちゃいます。
やっぱ、マニが奥さんかな~似合うよね。きっと、ツンツンデレデレですよ(笑)

2

この作品が収納されている本棚

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