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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
上質な映画を見終えたような、この充足感。
クライマックスでは音楽が流れてましたよワタシ。
この表紙なんてもう!装丁も素晴らしいですが、BL漫画という枠を超え、一枚の絵画として壁にドーンと飾りたい。
要所要所のシーンを思い出すと、すべてに色が見えるという効果が発動されておりますが、それはきっと表紙のカラー絵のインパクトが大きいからでしょう。
白黒なのに、マニのアップで眼の色がスカイブルーに見えるもの。
写真家のゾムは少年の頃に行ったライアテア島で、現地の青年マニに出会う。
馬上のマニは神々しいほどの美しさで、全身の刺青と装飾品だけを身につけた裸体の迫力のあることったら。
私もゾム少年と一緒に目を奪われました。輝く太陽、艶やかな長い髪、生命力に溢れたマニの眼差し…
荘厳なマニの姿が忘れられず、もう一度島へ渡り、マニの写真を撮りたいと思い続けていたゾム。
そして20年の時を経て、偶然マニに出会うことになるのですが…
その間にマニに起こった環境の変化、頑なに島へ戻ることを拒むマニ、穏やかな雰囲気のゾムにはそんな暗さは感じられないけど、幼い頃に辛い経験をしていたゾム、病気で片目を失ったこと、そのすべてが二人を引き合わせるための必然だったように思えて、鳥肌が立ちました。
ライアテアとは光という意味もあるとのこと。
子供の頃にゾムが絶望と恐怖の中、岩の窪みの中から見た太陽の光は、ライアテアで出会ったマニと重なったんじゃないかなあ。
ゾムにとってのマニは希望の光だったんだと思います。
すべての喜びを捨てているかのようなマニを見ても、美しさは変わらないと言い切るゾムには、マニの本質が見えていたのでしょう。
ってね、あーここでぐにゃぐにゃいくら語っても無駄無駄無駄ーッ!
表紙でびびって未読の方は是非お読みください。考えるな、感じろ。
正味、もう少し二人の関係が急激に縮まる瞬間というか、
距離が一気にくっつく瞬間にもうひとつくらいきっかけがわかりやすいのあってもよかったかなぁとは思ってしまいました。
最終的にわからなくはないのだけれど・・と思うのです(`-д-;)ゞ
と・は・い・え
でございます。
とはいえ、流石というか、岡田屋さんの描く美麗な肉体美
美しい若かりしマニ。年齢を重ねてもその美しさは何も変わらないと
なんねんも、マニだけを見続けてきたゾム。
二人の関係と、その背景にあるものと
世界観含め、読み応えな1作でした。
贔屓目にみても、個人的な好みの問題もあるとは思うのですが
加えて。
この民族的なタトゥーが美しい!
男のきれいについた筋肉美に栄えるタトゥが素晴らしいw
ついでに言えば、革靴を海に濡らして脅しをかけた
あの人も嫌いじゃなかったりしますww
表紙からして目を奪われた。
表紙からして【神】作品の香りがして、ゾム・13歳の夏の出来事に出てきた楽園の空を見てこの作品の虜になった。
まず岡田屋さんの絵が素晴らしい。
マニのこの体つき、筋肉、刺青、長い髪、そしてあの印象的な目!
そしてストーリーもいい!
ゾムの過去も壮絶なのだが、マニの過去がこれまた辛く苦しく読んでいて悲しかった。
島の男の誇りでもある刺青。
たくさんの差別と偏見、悪意と暴力によって自分を、島を恥じたマニ。
今まで誇りと思ってきたものを恥ずかしいと思わざるを得ない環境、笑顔を失ってしまった現在、今でも長袖が真夏でも脱げないと訴えるその心。
そんなことがあったから、後半の島に受け入れてもらったとしたあの笑顔はとても光輝いていた。
島でのマニはとても美しくゾムでなくても目を奪われる。
岡田屋さんの魅せ方がすごくうまい。
がっしり筋肉を描ききる体形はあまり好きではないのだが、岡田屋さんは別だと思ってしまった。
マニはこうでなければ魅力が半減してしまう。
この筋肉に覆われた身体、その上に彫られた刺青、長い髪、悲しい過去を覗かせる空の色をした眼、すべてに魅力が詰まっている。
最高である。
私もあの島のあの場所へ行き、あの空を見ることが出来れば何か変わることができるかもしれない。
そんなことを思わせてくれた。
南国の持つ特有のすべてを体現したかのようなマニが、私の心にも焼付きました。
その後のおじさんになってくたびれたマニを見ても、その中にはゾムの見たあのマニがいるようにしか見えなかった。
ってこれ、どんな表現力ですか!読みながら完全に作者さんの手のひらの上で踊らされてました。読者にそこまで感じさせられるとは、すごい作家さんもいたものです。
表紙などからがっしり・しっかり・どっしりとした作風に思えたので、腰を据えて読まねばなるまいと態勢が整うまで先延ばしにしていた作家さんでした。そろそろ、こちらの我慢も限界になってきたので読んだのです。
やはり、がっしり・しっかり・どっしりでした。それは、キャラの体格、とかそんなことではなくて、絵柄もストーリーも構成もテーマも、どこにも手抜きが感じられなかった。軽く流すということなしに、緻密に作り上げられた「作品」でした。これ、もう少し掘り下げて、BL特有の部分を切り捨ててドラマ部分に焦点を移したら立派にハリウッド映画にできると思うと言ったら言い過ぎでしょうか。
でも、想像できてしまう。「ライアテア」というDVDが洋画コーナーに並んでいるのを。
それだけのものを持った作品だと思いました。
だから、お勧めなのはもちろんのことですが、読むときにはぜひこの世界にどっぷりつかるつもりでじっくり鑑賞していただきたいです。その価値が十分にあります。
素晴らしかった!
タイトルに使われている「ライアテア」という言葉には、“遠い空”という意味の他にもう一つ別の意味があって、それがこのストーリーのキーワードになっているのですが、ラストで意味が明かされた時、作中のあらゆる要素がその単語へと繋がっていき、思わず鳥肌が立ちました。
「熱」を失った男と「自尊心」を失った男の再起を描いた物語です。
主人公は、突発性の難病で片目の視力をなくしてしまった日本人カメラマン〔ゾム(のぞむ)〕。
幼少期のある経験から諦観しているふしのある青年で、カメラマンにとっては大事なはずの視力を失ってしまったこともすんなりと受け入れるのですが、もう片方の視力がどうなるか分からない現実と隣り合わせになったことで、少年時代にある島で出逢った美しい目の青年をもう一度同じ風景の中でカメラにおさめたいと思うようになります。
そして奇しくも自分の患った病気の研究をしている研究所にその青年がいることが分かりゾムは会いに行くのですが、再会した〔マニ〕は島について話すこと、ゾムと一緒に島に行くことを頑なに拒絶します。
村の風習で全身に施していたタトゥーがマニのその後の人生の足枷となり、自分の身体と生まれ育った村をマニは恥じるようになっていました。
煩わしい人付き合いを嫌って厭世的に生きているマニを、ゾムはなんとかして島に連れて行こうと画策するのですが───
最初と終盤の見せ場に1回ずつ、他とハッキリ差をつけて描かれている美しいマニの姿に目を奪われます。
「自尊心」というのは分かっていてもなかなか持ち続けるのが難しいものです。
同様にゾムがなくしていた「熱」も。
だからこそ、それらを持っている人は魅力的に映るのだと。
言葉ではなく、絵で一層の説得力を持たせている岡田屋さんの画力が何より素晴らしいです。
2人の上に輝く大きな太陽の光と熱が白黒の紙面からハッキリと伝わってくる気がします。
ラストで2人が自分たちの再会について語るシーンがあるのですが、ここで交わされるセリフがまた良くて。
“物は考えよう”とは言うけど、こんな風に考えられれば素敵だなぁと思います。
こういうのが読みたかった!と、読み終わって思わず心の中で叫びました。
大満足の1冊です。
そして、この作品のおかげですっかり筋肉美に目覚めてしまい、ひと月ほど前から新しく買う漫画の筋肉率がやたら高くなっています(笑)
ボーイ達のラブを期待して読むには、がっつりガチな肉体美と、急展開な結末で、ふわふわうふんな気分が味わえる訳じゃないのですが、そんなのは些末なこと。
島でのマニの、刺青に彩られた肉体の圧倒的な存在感と美しさ。
もう、それだけでも十分。
頑なだったマニの心に、ゾムの言葉が届き、マニは島行きを決心する。
そしてマニは、身一つで海を渡りきり、
島に受け入れられた時!
終盤、いきなりマニとゾムが結ばれるけど、
ストーリーの要の、
「島の神は何も求めず与えるだけ」
この言葉があるから、すごく、納得できる。
後日談的なオマケストーリー、どこかでちゃんと読ませて欲しいな。
もしくは何かを得るために人は何かを失うのかも知れない。しかしその喪失を「犠牲」とは呼びたくない。これから得ようとするものは、失ったものよりはるかに大きいものに違いないと思いたいから。そんな希望を抱かせてくれるお話でした。
ノゾムは幼い頃、乗っていた車が土砂崩れに遭い、両親を亡くしてしまう。彼は神父である叔父に育てられ、13歳の時に連れられて行った南の島で一人の美しい青年に遭遇し、思わず手にしていたカメラに収める。ノゾムにとってこの青年との出逢いは長いこと忘れ難いものだった。二十年後、写真家となったノゾムは、ずっと再会を願っていたその青年・マニに会う機会を得たのだが…。
マニの美しいこと!島の風習で全身に刺青が施されているのですが、それが彼の人生に暗い影を落とします。他方、ノゾムは自己免疫疾患のせいで写真家の命でもある片目の視力を失います。この二人が不思議な巡り合わせで再会を果たした時、お互いの中に何を見出したのでしょうか。
個人的にセックスシーンは漢!っていうのが好きなので、岡田屋鉄蔵先生の絵でもっとやってくれ〜っ!といったところ。男らしく官能的で惚れ惚れしちゃう。表紙も素敵で思わず目を奪われます。こういったお話、もっと読みたいなぁ。
やっぱり、岡田屋鉄蔵さん、すごいー!!
予想がつかない。
登場人物たちの言葉にいろいろ思って時にクスッてなって(´;ω;`)ブワッてなって。
ほかの方たちのような素敵なレビュー書けないけど、読んでよかった。
冒頭だけでなく、作品から眩しさを感じます。表紙で印象付けられた緑が、白黒の本編でも想起されて、まばゆい煌めきが伝わる。ライアテアの意味を知らずともそう感じたということは、岡田屋鉄蔵先生の筆力によるとしか言えない。圧巻
◾︎ゾム(ノゾム・ヘイウチ カメラマン)×マニ(神経生物学 研究員)
マニが美しいです。年齢を重ね、この世の憂きを知り、すれてしまったとしてもゾムがマニを"美しい"というわけは、ゾムを通してマニを見ている読者には伝わります。
海を渡る描写がとても好きです。駆け出すゾム、笑うマニ。ここまでためてためて、声を上げて笑うマニに胸が熱くなります。ゾムへ微笑むマニ。この微笑みを向けられたら、最早この恋から目をそらすわけにはいかない。
涙を流すゾムと同じタイミングで、こちらも感極まりました。素晴らしい作品でした。
やっと、やっとこの本が単行本になってお目見えしました。
初掲載はCannaの創刊号。
草食な雑誌に岡田屋作品、なんて斬新な!とその行方を見守っていましたが、どうにも作品の経過と共に作者さんと編集の隔たりがあったようで、そのラストは線だけの完成していない原稿用紙でした。
作者さんの魂の分身ともいえる作品がこうして他社に移ったとはいえ加筆修正されて、本になる。こんな嬉しいことはありません。
そして、作品が伝えたかったことも描きたかったことも十分に伝わってくるのではないでしょうか?
幼い頃土砂崩れに巻き込まれ両親を亡くしながら生き延びた少年・ノゾムは教会の神父に引き取られます。
旅の中で13歳の時行った島で出会った男・マニ。
島の風景と共に、彼に魅入られたノゾムはカメラマンになりますが、難病に冒され左目を失明してしまいます。
高名な写真家としてなを馳せている彼が復帰作に望んだのは、ずっとずっと撮りたい、もう一度会いたい、と熱望していたその南の島とマニでした。
思いがけない伝手からマニの現在の居場所を知ったノゾムは彼の元を訪れて熱心に口説くのですが、彼は頑なに拒み・・・
偶然生き残ったノゾムがこだわった南の島と男。
それは彼の生命そのもの。
そして、マニにとってもそのふるさとは彼の原点であり、本来の彼そのもの。
この二人が本当の自分を取り戻す話であるとは思います。
ですから、恋愛とか恋とか愛とかそういうものではなくて、もうすでに運命的な。
互いが互いの全てである、そんな存在を表す関係であると思われます。
なので、交合においてもそれは命のやりとりであり、互いの熱と己の存在を確かめる儀式のようなとても自然な流れなのです。
マニのふるさとを捨てた理由、それは自分自信をも捨てることであったのですが、それは容易に想像もできるものでした。
南の島の原住民の母親とフランス人の父親の間に生まれた子供。
しかし、島で育った彼は島の人そのもの。
全身に刺青を入れ、大人の儀式を終えた時、そこで出会ったのが13歳のノゾムだったわけですが、その時の彼は神々しいばかりに島の男でした。
しかし、フランスに渡るとそこに待っていたのは、その証である刺青を珍しがりおもちゃにする大人たち。
彼は自分のアイデンティティが崩壊してしまったのです。
それから逃げるように研究に没頭し、変人のような他との交わりを密にしない人生を歩んできた、、、そこに現れたのが、自分が捨ててしまった過去にこだわるノゾムだったのです。
簡単に執着愛、とかほだされ、では表現できない、男としての生き様。
二人は格好良すぎます!!