他の男とキスしてほしくない……なんて言えない超ヘタレ男子です

臆病者は恋をする

okubyoumono wa koi wo suru

臆病者は恋をする
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×213
  • 萌20
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
119
評価数
37
平均
3.3 / 5
神率
2.7%
著者
上田にく 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
エンターブレイン
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784047285491

あらすじ

ゲイの明戸は、告白されれば誰とでもつきあうが、恋人になると長続きしない。
好きではない人に触られるのが嫌で、たとえ恋人でも冷たい態度をとってしまい、振られてしまうのだ。
そんな明戸の偽の恋が終わるたび、ヤケ酒につきあう千葉は明戸に恋をしていた。
元彼たちのように冷たくされるのが怖くて、友人のポジションから抜け出せない千葉だったが、またしても明戸に恋人ができてしまい……。

著者:上田にく

(出版社より)

表題作臆病者は恋をする

千葉(大学生),飲食店バイト
明戸(大学生),同じバイトで振られてばかりいる

同時収録作品そんなロマンス

(攻め受け未定)神崎 守(家庭教師・大学生)
(攻め受け未定)瀬名 悠斗(高校生)

同時収録作品ミスターハニーの恋模様 前・後編/ミスターハニーの後日段

塚本 尚吾(会社員)
女装男子 ミキ(大学4年生)

同時収録作品手のひらの庭

(攻め受け未定)吉野
(攻め受け未定)河尾 涼(大学生)

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

短編集

上田にくさん、デビュー作とのこと。
今も昔もほわんとした作風が変わらないなぁって思います。

【臆病者は恋をする】
ヘタレ同士ですねー。
両思いじゃん!あんたら!って感じだけど、あんな風に自分もばっさりやられたら……と思ってビビる気持ちもわかる。

【ミスターハニーの恋模様 前・後編/ミスターハニーの後日段】
合コンでお持ち帰りした可愛い子が、実は男で…。
可愛い嫁がほしい、そして子供は二人欲しいと未来予想図を描いていたノンケリーマンだけど、ミキが一途&健気でかわいいのでほだされちゃうのわかる。
そしていつしかミキを手放せなくなってほしいなぁ。

【手のひらの庭】
あぁ…。
実家に居候していた兄的存在に、長年片思いしていた涼は、せめてもの思いで彼を写真に撮ってきた。
ついに、その人は結婚して遠くに行ってしまう……。
どうやっても手に入れることができない大好きな人の幸せを祈る気持ちに、ウルっとくる。
切ない気持ちに満ちているけれど、明るい未来を示唆する終わりが好き。


【そんなロマンス】
犬に襲われていたのを助けてくれた人に一目惚れ。
おまけにその人が新しい家庭教師としてやってきて……。
受けが「次のテストで結果を出したら俺のことを好きになってくれる」という条件を出して勉強をがんばった結果、見事な点数を叩き出すも……。
受けがアホの子です。


おまけして萌萌で。

1

もどかしさもスパイス

いわゆる一般論として、男性は確信がないと告白しないと言いますが、その根底にあるのは「フラれたらカッコ悪い」というメンツの問題だと思うのです。
ただこれって異性愛の場合であって、同性愛の場合はもっと深刻だよなあ。
友人をなくすかも、軽蔑されるかも、もう二度と笑いかけてすらもらえなくなるかも。
そんな不安が臆病にさせるのだろうな、という短編集。

「臆病者は恋をする」 萌2
バイト先が一緒の千葉と明戸。
ゲイでモテる明戸は告白されたら断らないけれど、誰とも続かなくて…。
別れるたびに飲みに付き合わされるのは、心を許した友人だから?それとも…?という話です。
千葉目線なので読者は千葉の気持ちを全部分かっている状態。さらに千葉目線とはいえ、読者には「は、は〜ん」と思ういろいろもあって、もどかしい!でもこのもどかしさが楽しい!
明戸が黒髪たまにハーフアップの気怠げくんで、千葉はわんこっぽい大きい目で長身イケメン。ビジュアル大事。ハーフアップたまりません。

「ミスターハニーの恋模様」(前後編+後日談) 萌
リーマンと女装子。
女装子がどうも苦手でして…。
しかもこの作品に出てくる女装子は、女性にしか見えません。
リーマンとOLさんの話を読んでいる錯覚を起こすくらいに女性です。
そこを差し引いて見たら、突然やって来て、最初は迷惑だったのに、いつのまにかこころに住み着いて…という流れには萌えるし、女装子が女装してまで会いに行った理由もしっかりしているので、読み応えはあります。

「手のひらの庭」萌2
家庭の事情でずっと河尾の家に居候していた禄ちゃんが結婚する。
禄ちゃんのことがずっと好きだった河尾は、ちゃんと祝福できるのか!?
なんてテンションの話ではありませんが、この話、すごくいいです。
欲しいと思っても手に入らないものを写真に収めるというエピソードが好き。
秘めた恋は秘めたまま、次の恋は…というラストに、清々しい気持ちになれました。

「そんなロマンス」萌
犬に襲われがちなDKと助けてくれた大学生。
大学生の方の気持ちが無表情ではっきりしないので、何とも言えませんが…。
これ、しあわせということでいいのでしょうか?

上田さんの作品はかなり購入してきたのに、こちらの初コミックは未読でした。
作画とそこから醸し出される雰囲気がなんだか心地良い。
そんな短編集でした。

0

健気で臆病な人たち

作者さんの初コミックのようです。
あっさりとした絵柄は宮城とおこさんとか宝井理人さんな雰囲気に似ています。
どの作品も”健気”と”臆病”がどこかしらに見えて、でもそれぞれに違った味を見せる作品集でした。
切なさと優しさがつまっているような雰囲気なので、これからもっと他誌などでも活躍して色々なカラーの作品を見せて欲しい作家さんだな、と期待したくなります。

表題、同じバイト先の明戸が本当は好きな千葉は、いつも彼が恋人に振られると愚痴聞きに付き合わされる。
明戸は、この人なら好きになれるかも?と思い告白してきた相手と付き合うのだが、触れられると嫌悪感が出て、それで振られてしまうのだ。
自分で自分を卑下して笑ってすまそうとする明戸に千葉は見守るしかできない。
こんな二人、実は両思いで、それぞれに怖くて思いを打ち明けられないでいた。
と、そんな展開なのですが、
気持ちの見せ方が、恋をしても尚怖いという、慎重さを見せて、ヘタレ同士の恋愛の醍醐味を見せます。
幾分か千葉が優勢なので、きっと明戸はこれから両思いの素晴らしさを知っていくんだろうな~と♪

【ミスターハニーの恋模様】
これは粘り勝ち、ほだされ恋愛かな?
合コンでいいな、と思った女子にこの子なら未来予想図が描けると思い、いざ事に及ぼうとしたら何と!女装した男だった!?
しかも毎日家に通ってきて片付けたり、料理をしたりとかいがいしく働く彼(彼女)に怪しいかもと思いながら流されて、少しほだされ気味の主人公。
しかしあるある日パタリと来なくなって。。。
この女装男子の勝ち?でも彼もヘタレだったのね。好きになってもらうために女のこでないとと女装して。
何かその気持ちを思うととても複雑なものがあって、そこまでしてという執着も見えながらかわいそうな感覚さえ。
とりあえずハッピーエンド。まだエッチまでいってないから、これからちゃんと男の子として同性同士として向き合っていくんだよね。

【手のひらの庭】
幼馴染のお兄さんに片思いしている主人公。彼はもうすぐ結婚する。
手に入れられないものだから写真に撮って手元に残したいという彼の健気な姿が切ないです。これもまたどうしようもできない現実に臆病にならざるを。

【そんなロマンス】
犬に襲われているところを助けてくれたのは新しい家庭教師。
そして一目惚れ。
積極的に出るが、主人公の成績は赤点まみれのどん底状態。
彼は点数をあげたら僕の事を好きになってくれる?と条件を出して頑張って成績を出すのです。
しかし、家庭教師は逃げてしまい。。。
大人の臆病さを見せた作品。

4

健気男子ばかり♪

帯「キスもエッチも俺とだけしてほしい
…なんて言えない超ヘタレ男子です」

『臆病者のワルツ』
同じ職場でゲイの明戸さんは、男に言い寄られると断れないタイプ。
でもいざ触れられるとなると気持ち悪いと思ってしまい、
結局短期間で別れる事の繰り返し…。
そんな明戸さんを好きでいながら、
自分も「気持ち悪い」と言われたらと恐れる千葉は
好きな気持ちを打ち明けられずにいます。
明戸さんが別れた時、いつも酒に付きあう事で
このままの関係が一番良いのかもと折り合いをつける日々。

また男と別れて頬を殴られた傷まである明戸さんに
「実はずっと好きだったやつがいる」と告白され
内心めちゃめちゃ傷つきつつも平静を装い
そのノンケの彼に嫌われたくないと泣く明戸さんを諦められない。

自分の部屋の鍵を無くしてしまった明戸さんを
千葉は部屋に泊めます。
眠れない千葉は明戸さんの起きている気配にどきどきして…。

お互い好きな気持ちを告げられずにいただけだったのですが
どっちもヘタレで可愛らしい♪
ヘタレ言うても眠ったと思っている千葉にキスするんだから
意外とそうでもないのかなー…。
シャイなあんちくしょうカプとでも言いましょうか。

『臆病者は恋をする』
想いが通じ合った後の二人、ラブ編です。
恥ずかしくてつい酒に逃げたくなる明戸さん、気持ちはわかる!w
「…だからさ 千葉くんは俺の中で恐ろしい存在なんだ。
俺に向けられる一挙一動で俺は殺されそうになる」というセリフ、
これは本当に好きな人から好きだと想われているが故ですよね!
あてられましたw
そうか、明戸さんが受けなのか。
結構リバでも良い気がするんですが
お二人さん、どうですかそのへんw

『ミスターハニーの恋模様 前・後・後日談』
合コンで知り合った好みの女子が
実は女装した男で、甲斐甲斐しく家事をこなし
胃袋を掴まれていくうちに少しずつ情がわきながら
このままじゃいかんと我に返り振ってしまう平凡な会社員・塚本。

実は女装男子はそれが趣味というわけではなく、
大学入学時、サークル勧誘で塚本に助けてもらい、
それ以来ずっと好きで忘れられなくて
塚本好みの女子に無理になりすまして近づいたというミキ。

一世一代の告白をし玉砕してしまった男と
そこまでして好かれて、その想いの強さにほだされた男のお話。
塚本がノンケで幸せな普通の家庭を夢みていたけれど
ミキくらい可愛い後輩とならそんなのどうでもいいわい!と思えそう(マジで!?)

『手のひらの庭』
手に入れられないものをカメラにおさめる癖のある涼は
居候していた兄同然の禄太にずっと片想いしていましたが
禄太は結婚を機に家を出る事となります。
悲しい時、大学の友人が側にいてくれ、
好きなものを写真に残したいという涼の気持ちを汲んでくれます。
禄太の幸せを願う涼が切なかったけれど、
これからはこの友人と新しい恋が始まりそうです♪

『そんなロマンス』
野良犬に襲われて助けられるという出会いの家庭教師×高校生w
保健体育以外赤点中の赤点をとって
ピンチどころの話じゃない瀬名悠斗は
カテキョの神崎に惚れてしまい、
次のテストで頑張れたら悠斗をすきになる事を考えてもいいなんて言われ
そりゃもう勉強で赤点なし!
よく頑張ったけれど、神崎にせまろうとしたら拒否られ
次の週は休むと連絡が入るほど避けられ落ち込む悠斗。
先生がいないと頑張れないしつまらなくてコンビニに行くと
夜でかけますが、そこでまた野良犬に襲われます;
お約束で先生がまた助け、悠斗は改めて告白し軽くキス。
今度は突き飛ばされずに済み、手を繋いで歩く二人ですが
先生がかっこよすぎて勃起して歩きづらいって悠斗ぉ!!
可愛い顔してど直球だぜ!
それに対して悪寒が走る先生…まさに前途多難な恋の行方でした。

表題作が一番好きですが、『ミスターハニー~』のほだされヘタレっぷりも好き。
(ただ単に見た目が一番好みだった…)
宝井理人さんがお好きな方にはおススメかもです。
絵が綺麗可愛い感じでとても読みやすかったです☆

上田さん、同じ誕生日だったので一気に親近感わきました!w(一人で勝手に)





3

お互い好きだからこそ…

本屋で見て私好みの内容っぽくて購入。この作者さんの初コミック。私が直感で買うといつも初コミックなんですよね笑

絵も可愛くまとまっている作品だと思いました。
切ないけど最後は甘く、心がなんだかほっこりします。

●臆病者のワルツ/臆病者は恋をする
表題作です。千葉の片想いしている明戸はゲイで、告白されれば誰とでも付き合うが、いつも長続きせずに別れていた。
好きではない人から触れられるのが嫌で、自分からフッてしまうのだ。
そんな明戸がフラれるたびにやけ酒に付き合う千葉。
ほんとは自分だけをみてほしい。
キスもエッチも俺だけとしてほしい。(帯より)
と思いながらも明戸に拒まれることを恐れてしまい、なかなか友達のポジションから抜け出せない…
好きだからこそ言えない思いがある、そんなお話。

面白かったです。こういう切なめな感じで最後は甘くしめてくれるお話が私は大好きなんで。
そういう系のBLが好きな人には読んで欲しいです。

●ミスターハニーの恋模様
女装男子もののお話。
女だと思ってお持ち帰りをし、いざベッドで……あれ、男だった…!?そんなシーンから始まるお話。
男なら出てけと追い出すが、可愛い顔で惑わされ泊めてしまうことがきっかけに家に居座る女装男子くん笑

でも実はいろいろ訳があっているんですよね。
女装男子が苦手な方も読める話だと思います。一途な想いから女装してますので笑

ほかに2作品短編が収録されてます。
こちらも切甘です。
にく先生の作品は切なくても絵が可愛らしいのであまり暗くならずに読めます!
切甘好きな方はぜひ読んでみてください♪

3

『かわいそうで、かわいい』こんな風に想われる恋って…。

上田にく先生の初めてのコミックスだったそう。絵の雰囲気とか、キャラデザインは今とあまり変わらない気がします。そのフワンとした雰囲気も。

表題作は、臆病過ぎて、片想いの明戸さんが恋をして、失恋するのを告白も出来ずにただただ見ているというだけの恋。明戸さんは綺麗でモテて、直ぐに付き合うが、いつも何だかんだと自分から振る。そして愚痴に付き合わされるだけの俺。俺もあんな風に振られたらと思うと、とてもじゃ無いけど本当のことを言えない…。という、モダモダ・ラブです。
ビックリするくらい唐突に終わるので、後日談とか欲しかったなぁ、と思いました。…だって表題作なのに。

逆に同時収録、中編の「ミスターハニーの恋模様」の方に後日談が付いていて。合コンで出会った可愛い女の子をお持ち帰りしたら、実は女装男子で⁈ 彼はそのまま家に居ついてしまう。というトンデモストーリー。会社員の塚本は平凡なサラリーマンで、ただ普通に結婚して普通の家庭を作りたかっただけなのに‼︎ 甲斐甲斐しく世話を焼く、ミキと名乗るその男の目的とは? という、ちょっぴり謎解きの様にもなっていて。そもそも上田にく先生の描く男子は可愛いので。男とか女とか判らない。
二人の間には普通では無い何かが始まるところで、物語は終わるのだが。この後も、あんなに子供を欲しがっていた塚本との折合いとか? 問題が山積みで。ちょっと良かったね!とは言い切れない寂しさもあって。

「手のひらの庭」も、そういう意味ではとても寂しい物語り。居候していたお兄さんに淡い恋心を持つ涼。そのお兄さんが今度結婚をするので、家を出て行ってしまう。「おまえのこと、本当の弟みたいに思ってるよ。」と、言われて寂しく思っている。でも、大好きだったお兄さんの幸せを願っている。お兄さんの笑顔が大好きだったから…。一緒に撮った写真をお兄さんに届けに新居を訪れる涼。傍らには、そんな涼を心配してついて来た同級生の吉野。帰りの電車の中で、きっと吉野は涼に告白するんだろう、という予感を残して物語は終わる。淡い憧れからの卒業。という、とてもキレイなラスト。

「そんなロマンス」は、これまでの寂しさをフッと軽くする様な、可愛いくてクスリと笑わせてくれるショートストーリー。家庭教師の先生と「運命」の出逢いをした‼︎ と、思い込みの激しい悠斗は、押せ押せで、次のテスト頑張ったら付き合って‼︎ と、留年が危ぶまれる程のおバカなのに、本当に頑張ってしまう! こんなに頑張ってる子が可愛くないわけがなくて…、という。ショートなので、成就とまでは行かないけど。上手くいく予感で終わる。

エチは表題作は少なめで、後は全く無し。そこは上田にく先生だもの。可愛ければ全て良し。ってなもんです。可愛いのに、どこか寂しくて切ない、そういうのは今もずっと上田にく先生らしい、と思います。

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