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kanreizensen conductor
20年以上も前に物語の幕が上がった超ロングセラー、富士見二丁目交響楽団シリーズ。
その第一作目をついに読んでしまいました。
前々から気にはなっていたのですが、巻数が巻数ですからね…。尻込みしていました。
貯まったポイントを消費するため電子書籍を漁っていた際ふと、せっかくの機会だし読んでみよう、と思い立ち『寒冷前線コンダクター』を購入。
超ロングセラーになるのも納得な面白さです。
20年以上前に書かれていても、不思議なくらい古さを全く感じません。音楽という普遍的な存在が、物語の中心に据えられているからですかね。いつまでも色褪せない作品だと思います。
文章も読みやすく、登場人物たちの感情や人柄がするする頭に入ってきました。BLとして楽しめるのはもちろん、あ~こんな人いるな~とか、悩み方が自分と似てるな~とか、そういった楽しみ方もできました。恋愛の前にまず人間が存在してる、って感じです(なんか変な言い回しですけど…要するに人間味を感じるということです!)。
まだ一作目しか読んでいませんが、主人公の悠季をはじめとする登場人物たちは、皆キャラが立っていて魅力的です(それにしてもあの強烈な八坂くん…生々しいし恐ろしい…。二話目にしてこんな強烈なキャラが出てくるとは)。悠季を襲ってしまった桐ノ院圭も一見不遜な態度の裏に、悠季に対する一途さや不器用さが透けて見えてきゅんとしました。
今はまだちぐはぐで不器用な二人の行く末を、ゆっくり見守っていきたいと思います。恋愛面でも音楽面でも二人の今後が楽しみです。
11/9 追記
評価を萌×2から神に変更。
寒冷前線コンダクター~リサイタル狂騒曲までの第一部を読み終えたうえで評価を変更しました。
この巻単体では個人的には萌え萌えなんです。
ですが、この巻以降の主人公二人が繰り広げる、苦悩や困難に立ち向かいそれを乗り越える様にとても感動したため神にしました。後々、萌え萌え止まりの評価をしたことに後悔しそうな気配がするので(笑)
まだ一部までしか読んでないんですが、本当に素敵な作品です。
凄く真摯に音楽家という存在が描かれています。
あぁ、音楽を演奏することはこんなに大変で、そして楽しいことなんだ!と、ろくに音楽経験無いくせに悠季たちと一緒になって一喜一憂。読んでる間とても楽しい時間を過ごせました。
登場人物たちにこんなに感情移入出来て喜びや成功を分かち合えるって、幸せだな~としみじみと読後の幸福感に浸っています。四巻なんて特に…。また改めて巻ごとに個別にレビュー書きます!
桐ノ院さんも、一巻あたりで抱いていた印象とは違って、すごくすごく器の大きい人でした!指揮者としても恋人としても!これは惚れます。
バイオリニストとしても人としても繊細な悠季とは誰がなんと言おうとベストカップルです。
出会うべくし出会い、惹かれあうべくして惹かれあった感じの、お互いがお互いのために在った感じの…。今後も二人を応援していきます!
まだ何十巻も続きがあるなんて幸せだ~♪ゆっくり味わいながら読んでいきます。
私の語彙力では伝えきれない萌えと燃えと感動がこの作品にはあります。
未読の方は、第一部まるまるで1つの話だと思ってぜひ四巻までいっきに読んでみてください!
おすすめです!
《出版社あらすじ》
悠季は富士見交響楽団(通称フジミ)のコンサートマスター。楽団(オーケストラ)はまだ素人レベルだけれど、彼はリーダー的存在だ。そこにある日、芸大出で留学帰りの二枚目指揮者・圭が就任してきた。ところが初対面時から人を見下ろすようなデカい態度。そんな圭にムラムラと敵意を覚える悠季であったが…。楽団を舞台に悠季&圭コンビが織り成す激しく切ない恋愛模様2編。
収録作
・寒冷前線コンダクター(←タンホイザー事件)
・D線上のアリア(←八坂事件/別名:ズッキーニ事件)
再読です。初読時にも思いましたが、これこそがBLらしいBL作品であり、本物のBL作品であるような気がします。現実的に考えて、ゲイがノンケに惚れたなら、その想いが成就する可能性は限りなくゼロに近いでしょう。ノンケだけれど相手の気持ちにほだされて・・・なんて流れは、こと男同士においては、まずあり得ないと思います。実際問題として。だからこそ内に秘めた想いが「強姦」という行動で表出し、犯られた相手は逃げまくる、という流れしかあり得ないように思うのです。強姦して追いかけ回した先に待っているのが、恋愛か拒絶かは分からないけれど、それでも、行動せずにいられなくなるのが恋愛というものではないでしょうか・・・。
時を経ても色あせることがない作品というものには、読者を納得させられるだけの真実や現実が織り込まれているように思います。私にとってこの作品は、人間の愚かさ醜さ身勝手さ、そして愛することの素晴らしさが詰まった考えさせられるものです。マイナス思考だけれどプライド高き悠季も、傲岸不遜で唯我独尊な天才指揮者の圭も人間味があって愛おしいです。
最後に。この作品をより深く理解したい方にオススメしたいフジミ本があります。圭視点で「寒冷前線コンダクター」事件を書いた「天国の門」(初出:単行本『クラシカル・ロンド』・再録:外伝『天国の門』)と、川島奈津子さんが圭に告白して玉砕し、友人の立場を得る話「奈津子 玉砕」(初出:角川mini文庫・再録:『フジミ・ソルフェージュ』)です。これらをお読みになると「寒冷前線コンダクター」事件の面白さ・理解度が倍増しになること間違いなしです。
そろそろ本編もかなり盛り上がってきたので、久しぶりに再読。
私がBLにはまった大きな要因は、本作との出会いと言っても
過言ではありません。
天才指揮者の桐ノ院圭とバイオリニストの守村悠季の
長~~~~い音楽人生の1冊目。
圭が勇み足というか、伝説的強姦をしてしまうのですが、
それが、2人の大いなるエポックと思うと、
感慨にふけることひとしおです。
悠季の繊細すぎる内面と、そんな悠季の尊大な圭への嫉妬心など
細かく描かれており、
貴女も、読めばすぐフジミスト!!!
久しぶりに読み返し、はまりなおしました。
富士見二丁目交響楽団シリーズ第1部第1巻です。
ここがはじまりですね。プロになれなかった臨採教師の悠季がプライドにひっかかる才能ある圭にひっかかりつっかかり苦しんだ末、フジミを辞める決意をしたら逆上した圭に強姦されてしまう、と。
なんとも悠季って心は非常にプライドのある男なんだよね。
女々しかったりぐじぐじしたりもするんだけど。
かるーく恋愛にならないあたりがやはり現実に近くていいですよね。
ずっと後~の巻で出てくる圭側の気持ちとか読むと本当感慨深いです。
せっかくなのでアニバーサリー男の圭のために日付も少し書きとめてみます。
『寒冷前線コンダクター』
6月7日圭フジミ初参加(圭22歳・悠季23歳)
6月25日タンホイザー事件(会って18日目で強姦ですよ・・・)
これはいわゆる悠季バージョンの圭との出会い。
・圭目線は「天国の門」(第7シリーズ8巻「天国の門」収録)
・川島さん目線は「奈津子玉砕」(プレミアムブック「フジミ・ソルフェージュ」収録)
・飯田さん目線は「電柱殿下」(第1シリーズ4巻「リサイタル狂奏曲」収録)
・トランペット3人娘目線は「ペット・ペット・トランペット」(第3シリーズ外伝「桐院小夜子さまのキモチ」収録)
と楽しめます。
<主な曲>アイネクライネナハトムジーク(フジミ練習曲)
『D線上のアリア』(八坂ズッキーニ事件)7月20日
7月25日悠季が自分から圭の部屋に練習に来た日
・飯田さん目線「百十二分の十一」(「マンハッタンソナタ」収録)
<主な曲>G線上のアリア(事件後部屋でかけられていた曲)
BLにハマったのが最近で、若輩者の私です。
色々読むうち、過去の名作と呼ばれているものを読んでみたくなった。
この富士見シリーズも多くファンを抱え、いまだ続いている。
というわけで恐る恐る読んでみました。
さすが面白かった!
なんかもう、今に繋がる王道パターンの元祖って感じで、萌えるキャラ、萌えるシチュエーション、萌えるシーンのオンパレードにニヤニヤしながらあっという間に読みました。
ああ、できるなら、青春時代に読みたかった。あの頃、まったく興味なかったのが残念でなりません。
伝説の強姦シーンを生み出した名作。
主人公がものすごく平凡でさわやか好青年なんだけれど、実の内心は女のようなうじうじした部分を引きづり歩くくせになかなか実践に踏み込めないという、なんともいう人間じみたというか、人間の「恥」の部分を惜しげも無く(心の中で)語ってくれます。読んでいてかなり恥ずかしいです。読了後は、純粋な人間ってこういう人のことを言うんだろうなぁ、としみじみ思ってしまいます。
しかし、音楽でシンクロだなんて・・読んでいた当時はまだBLとかは少なくて度肝を抜かれましたが、今読み返しても、『すごいな、この手法!!」(やらないけれど)とか思ってしまいます。
むかーし読んで今回再読したらおもしろかった!さすが名作。桐ノ院は私が攻め厨になった原点ともいえるキャラで、長身黒髪不遜スパダリは今でも大好き(笑)この作品からBL小説の世界に入った人も多いんじゃないかな。今読み返しても二人の初回××の衝撃は健在で、音楽を織り交ぜた表現はエキサイティング!悠季に振り向いてもらうために全身全霊で頑張る桐ノ院がとにかく可愛い!超長編のシリーズだけど秋月先生の優美な心地よい文体を楽しみながら、ゆっくり読み進めたい。