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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
相変わらず絵が美しいです。
女性キャラが可愛いのもいい!
可愛い顔して・・・残酷だったりもしますが。それもまた魅力。
折り込みのカラーピンナップもとても綺麗で折目が付いているのがとても残念。
物語は相変わらず読み切り形式ですが、頭から重ねて読み続けると大きな波がうねって来ているのを感じます。
小出しにされる組織が気になり過ぎます。
『箱入り娘』
体の弱い娘・楠子を溺愛する父親が、実は若い娘達をさらって人身売買していた…と言う話。
代々化粧箱を作る家。窓のない四角い箱のような屋敷の中には無数の美しい箱で葉やが構築され。その美しい箱の中に忘れ去られたもの、ないない様という妖魔を避けるために『箱渡り』という案内役までいる。迷信だというけれど本当は?
因果応報とはまさにこのことと思わざるおえない結末がとても後味が悪い。
『赤紗』
詩郎の兄貴分である安里が光路郎に近付き、懐に入り込んでくる話です。
光路郎の真面目さ人の良さがよくわかる話で、無害そうなドMを装う安里にすっかり油断した光路郎と本当の安里を知る、目的も分ってしまった詩郎の表情が対照的です。
前々からたびたび出てきていた『半成り』というものがどうしてできるのか、というのも少し判明しました。
赤紗とは赤い花で麻薬のようなものらしい?それを摂取しなければ禁断症状が出て命を落としてしまう。
適合しなければ見難く体が変形し、適合すれば・・・?
ここで、謎なのが組織を抜けた詩郎がそれを摂取しなくても、何故大丈夫なのか?というところ。
その体質ゆえに、組織は詩郎を探して連れ戻しを画策している模様です。
『人魚の望むもの』
人魚のような(作り物の)尾ひれをつけ、美しく飾り立てた水劇の女優の話。これが本当の現実世界で可能なのであれば、誠に幻想的でさぞ美しいことだろうと思わずにはいられません。
しかし美しい表とは裏腹に水面下で繰り広げられるのは、才能への妬み、情が絡む激しい嫉妬、そして恨み、女優としてのトップである、あり続けたいというプライド、憧れと渦巻くものが多い。
親友同士だったはずが、いつの間にか互いの境遇に嫉妬し、殺したいほど憎むという感情までにいく。
一人は結婚して幸せに暮らしている。もう一人は今も女優を続け落ち目に差し掛かっているとはいえトップには変わりない。
あんなに仲が良かったのに、どうしてこう思うようになってしまったのか?と考える気持ちが切ない。
『恩人』
こちらも組織絡みの話です。
かなりダークな部分に踏み込んでおり、どちらかというと胸糞悪い部類の話にはいるのではないかと。
胸糞悪いというのは作品的にというのではなく、組織の内部的なものです。とんでもないアンダーグラウンドで・・・
全容がまだ明らかになっていないのも不気味に感じる。
幼い日の詩郎と安里も描かれています。包帯だらけの詩郎がいつ美しい姿へと変わったのか?などがずーーと気になっているところ。
第3巻。9話から12話までが収録されています。妖しい傘をかぶった暗器を使う詩郎の表紙絵。綺麗でカッコよくて大好きです~!中の3つ折りイラストも、ため息が出るほど綺麗で、憎い折り目にアイロンをかけたいぐらいです。何度も開いては眺めてしまいました。
・『箱入り娘』前後編
巷で流行している「婦女子連続誘拐事件」を調べる光路郎が詩郎と歩いていると、偶然通りかかった大きな家の中からおしろいの匂いがすると詩郎が言いだして・・・。ものすごく怖かったです!様々な飾り箱がそれぞれの部屋になっている摩訶不思議な御屋敷と、箱の通り道を案内する箱渡り。幽閉される浮世離れした美少女。「ないない様」という妖魔。美しい箱に隠された恐ろしい真実。死に犬と半成りと呼ばれた安里と詩郎の過去。組と呼ばれた場所で一番弱くて汚かった兄弟分が一番綺麗で強い兄弟分になった訳とは?じれったく芯のお話が進んでいきます。
・『赤紗』
貴族のように着飾った女たちの部隊が登場します。赤いお茶のような飲み物を使って妖しい実験をしている女たち。安里によると「組の北の隊の女兵」。組の秘密の一つが明らかになりました。赤紗というのは花の名前で、その汁が安里たち組の人間が生きるために必要。組の人間は短命。赤紗は中毒になる。組の外で生きながらえている詩郎は彼らの命運を握る存在。
・『人魚の望むもの』
水劇の看板女優と、結婚して引退した女のお話。尚先生の絵柄と水劇、人魚の絵柄がぴったりで美しいです!看板女優になりながらも若い芽に追い抜かれる恐怖と、平凡な幸せを手に入れた友への嫉妬から、いつしか殺意が芽生えて・・・。女の嫉妬の根深さや、他人には差しはかることのできないそれぞれの思い。恐ろしいです。
・『恩人』
組の始末屋に追われる喜八郎とその女の砂絵。詩郎のところに逃げ込んだ砂絵は小さかった詩郎の恩人です。組での生活ですっかり別人のようになってしまった砂絵ですが、詩郎を助けて死を前にした時に、本来の自分を取り戻し「ありがとう」と言って息を引き取ります。詩郎が好きになりかけた人と言うだけあって、とても心根の綺麗な女性です。だからこそ残酷な運命が悲しいです。
組が自分に近づいていることを思い知った詩郎は、大切な人は絶対に守る。もう容赦しないと覚悟しますが、光路郎のキラキラした存在に夢を見てしまいます。出来れば兄やを殺したくない(死にたくない。ずっとこのままでいたい)この人を守りたい!
組の構造も明かされてきました!安里の部隊と対立する北の部隊。強さと美しさと知性とエロさで、死に犬から成りあがってきた安里。ますます目が離せません!
3つ折りのイラストもそうですが、カバー下の描き下ろしにあとがきと、サービス満点です。あとがきの光路郎のイラスト、カッコいいですー!