恋文で 人生が狂う

マッチ売り

matchuri

卖火柴的青年

マッチ売り
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神145
  • 萌×261
  • 萌30
  • 中立9
  • しゅみじゃない10

--

レビュー数
39
得点
1068
評価数
255
平均
4.3 / 5
神率
56.9%
著者
草間さかえ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
シリーズ
マッチ売り
発売日
価格
¥638(税抜)  
ISBN
9784862638564

あらすじ

返って来た本のページにまぎれていた恋文。宛名があるはずの1枚目は無い。文末の署名は本を貸した友人の名。その友人は急に東京を去るという。それは渡せなかった手紙の所為か。手紙を返そうと友人を待つ学生、廣瀬清高。トンネルの向かいにはヤミのマッチ売り、花城青司が立つ。煙草を吸うため花城から燐寸を貰い、待ちぼうけのいきさつを話す。「何一つお前のせいじゃねえよ」と、お人好しの廣瀬に惹かれはじめた花城は――。 恋文で人生を狂わされた男たちが絡み合う人間関係と感情の中で選ぶ運命の相手とは。
草間さかえの長期連載「マッチ売り」~「やぎさん郵便」が描き下ろしを含みファン待望のコミックス化!他では読めないTHE草間さかえワールドをお届けします!
(出版社より)

表題作マッチ売り

高,大学生
出版社社長,燐寸売り

同時収録作品やぎさん郵便

花城の部下
大学生

その他の収録作品

  • あとがき
  • カバー下、社長の椅子

レビュー投稿数39

作画と時代背景がピタリ

味わい深い草間さかえ先生の作画と、終戦後の時代設定がピッタリハマっています。

話はマッチ売りの男と学生の出会いから始まります。
謎めいたマッチ売りと、手紙の2枚のうちの1枚を友人に返すため待ち続ける男。
マッチを売るというのは表向きであり、実は…なお話。

ネコみたいに気まぐれ、気ままな花城と、年下ワンコ廣瀬の組み合わせが最高ですね。
花城の飄々とした顔の下に隠された暗い過去が割とヘビーでした。
廣瀬にハマっているけど、長くは続かないと思っている様子。

また、花城の部下で密かに花城に想いを寄せる澤も、廣瀬に手紙を書いた有原も辛い立場です。
それにしても脅迫はあかんやろですが、こちらの2人も意外と良い…いや、むしろ良い!
有原の薄幸そうな色気が好きですね。

2枚にしたためた恋文の1枚目と2枚目がバラバラになって、差出人の方だけが宛先である廣瀬に渡ってしまったことから始まる関係性が巧妙だな、と。
続きは『やぎさん郵便』シリーズへと続きます。

0

もつれ合う出会い

久々読み返したので、ここにも足跡を。
はらはらする本編と、草間さんの思惑がどんどん外れていくあとがきのギャップも楽しい作品です。

貸していた本に挟まっていた、恋文の最後の一枚。
それ返したくて、友人を待つ廣瀬清高。
彼の向かいに立つ、ヤミのマッチ売り。
この出会いが、4人の人間のその後を大きく変えて…。

廣瀬は、ヤミのマッチ売りが何を売っているのか知らないようなお坊ちゃん学生です。
来ない友人を待ち続け、友人が大学をやめて故郷へ帰ることを自分のせいだと考える。
スレていなくて、不器用だけど誠実そうな男。

花城は最初に引っかかってしまった相手が厄介だったせいで、変な性癖が染み付いてしまっています。
のちに最年少で文学賞を獲るような文才に長けた先輩の書いた恋文に恋をして、相手には恋をしていなかった。
軽くて適当に見える花城が、廣瀬と出会ったことで変わっていくのが見ものです。

花城の部下である澤は、引っ越した先で前の住人が忘れていった本の中に恋文の1枚目を見つけます。
突然現れた廣瀬への苛立ちから、手紙を取りに来た有原を脅迫して抱くような卑劣な人間ですが、彼の変化も見どころのひとつ。

分断された恋文。
その前半部分を知る澤と、手紙の主である有原。
後半部分を持ちながら、誰に宛てたものか知らない廣瀬と、盗み読みしたことで名も知らぬ誰かが廣瀬を想っていることを知った花城。

ふわふわと浮かれる2人と、思いのやり場がない2人のコントラストが絶妙です。

0

ミステリーな恋文に関わる物語 これは名作!

イラストで名前をよく見かける草間さかえさんにオリジナル作品が有ったと知り、驚きました。
バレンタインの聖日にふさわしい愛の告白物語だと思います。
沢山の人に読んで欲しいなー。是非よんでみてください。

帯文は「恋文で人生が狂う」
時代は、街娼取締りが厳しくなってきた戦後。
ミステリーな恋文は、露西亜語の本に宛て名と本文が別々に挟まれてた。

▶「マッチ売り 前/後」マッチ;燐寸
廣瀬清高が友人に貸した「露西亜語の本」に挟まっていたのは、宛名が有るはずの一枚目がない恋文で、文末の差出人の名は本を貸した友人の名だった。
突然東京を去るといっていた友人をトンネル通路で待つ。

トンネル内で、一箱300圓の燐寸を売る男がいた。(ここからしっかりBL)
復員服の燐寸売りの男は、「鳩の街」の人。
取り締まりが現れ、廣瀬清高は燐寸売りの男に引っ張られてビルの一室に逃げ込み、一夜過ごす。

▶「やぎさん郵便」(燐寸売りのその後)
復員服の燐寸売りの男娼は、澤。桃幻舎の社長・花城青司だった。

「第二話」
手紙の主・有原峯生が、手紙を挟んだ本をアパートに探しに戻ってきた。

「第三話」
アパートの次の借主は、澤。澤と一夜共にする有原。

「第四話」
花城と一夜過ごす広瀬。
今は澤が借主の部屋で、目を覚ます有澤。

「第五話」
澤にそのまま部屋にいて、ロシア語の翻訳を言いつかる有澤。
広瀬の祖父は、花城のお得意さんだったご隠居。
広瀬だけが気づかない、恋のアラベスク・・
花城は、広瀬との恋を諦めている。澤は、花城への想いを諦めている。有澤は、広瀬への想いを仕舞おうとしている。

「第六話」
花城の過去を教授が語る。

「第七話」
「第八話」

ラストのネタバレは、無粋で面白味を削ぐので割愛。

この後は「やぎさん郵便」連載へ続きます。…花城、廣瀬、有原、澤.
登場するキャラ、みんな優しい。特に澤。
こぼれていく人が居ない粗筋に、作者のやさしさを感じます。

1

やぎさん3巻までまとめての感想です

恋文が鍵となる物語…なんて文学的!と思う文学に縁のない私ですがw
廣瀬×花城、澤×有原の対照的なCPが出会い並行して話が進む。
二つの恋文が出てくるのが、ステキだけどそれぞれ人生を変えるとこにむむっとなる。
手紙にはそんな力があるねと。

「マッチ売り」はまんま花城(と出会った廣瀬)「やぎさん郵便」は恋文を捨てちゃった澤(と相手へ届けられなかった有原)のことかなぁと思ったり。

やぎさん本編ラストがマッチ売りの回収で鮮やか。
後日談「続 東京行進曲」も4人が仲睦まじくその後を過ごしていて良い。
花城と廣瀬の再会場面最高。

0

シリーズ増す毎にハマってくやつ

1話目読んだ時の感想…なんでこれの評価高いの
最終話読んだ時の感想…次!次!!

↑こんな感じで読めば読むほどハマっていくやつです。草間さん、恐ろしい人に会ってしまった。

2組のカプ(まだ両方とも違うか)が出てきますが、どちらもいいですね。
メインカプは受けの闇がどこまで深いのか、そして攻めがどう受け入れるかがこれからの鍵ですね!
サブカプは(私はこっちのが好きかも)まだお互いに違う人が好きっぽいので、どっちが先に気持ちに気づくのかが楽しみです!

この手の作品は話にのめり込まなければ楽しめないと思うので、軽く読みたい時には向いてないかな。
でも長編がっつり読みたいって時は、特にシリアス目な気分の時はいいね。
気分ドンピシャで読める。

リアルタイムで読んでなかったのは残念だけど、続編がすぐ読めるという利点もある!
今から読んできます!

今はまだ萌2だけど、きっとシリーズ終わる頃には神3くらいになってる予感(そんな評価はないけれど)。。。

0

3時に「黒猫」で

この順です。
・マッチ売り(マッチ売り前後篇 やぎさん郵便1話〜)
・やぎさん郵便
・やぎさん郵便2
・やぎさん郵便3

マッチ売り前編がMARBLEに掲載されたのが2005年…にせんごねん!?で、単行本が出たのが2010年なので、本誌で読んだ方は飢餓感に苦しんだ事でしょう。
完結に時間がかかったからか、いつまでも最近の作品の気がしています。

戦後日本を舞台にトンネル下で色を売る男から始まるBL漫画を描けるBL漫画家が一体何人いるのだろう。草間さかえさんの作品はいつだって草間さかえさんしか描けない。

◾︎廣瀬(学生)×花城(出版社社長)
◾︎澤(花城の部下)×有原(学生)
澤が喉から手が出るほど欲しかったものは、素人童貞の学祭風情に掠め取られる訳で。そして有原の切望したものも、淫乱社長(笑)が攫っていくし、この世はなんと難しいものでしょうか。
自分の推しはエッチな年上のお兄さんですから、俄然花城な訳ですが、澤が語る有原の肌の描写には惹かれるものがありますね。

ところでこの時代に付箋ってあったのか?

0

れん202

付箋そのものは、紙の文書の歴史とともにずっとありましたが、昔は糊か、時代が降ったらセロテープで貼ってたんですよ。和綴本に貼られた付箋とか、大昔からあります。
今風の糊付き付箋は1980年発売だそうです。

そういうのが注釈なく楽しめる世代にも響く草間作品は本当に素晴らしいです……

この相関図と属性はたまらない

 草間先生独特のノスタルジックな雰囲気に、ワンコ攻め×誘い受け、執着攻め×不憫受けという組み合わせ、さらには複雑に入り乱れるベクトルという盛り沢山な内容で、続きが気にならざるを得ない作品でした。一体どんな結末へと繋がるのか、現時点ではまったく想像がつきません。有原が恋文を書いてしまうほど好いている廣瀬。まずはこの2人の関係性を紐解いてみないといけませんね。でも、廣瀬は有原が思っているほど清い生活は送っていないし、有原はその恋文を盾にとられて別の男に犯されてしまう。今は悲恋の匂いがしますが、きっと何か思いもよらない関係へとなっていくんじゃないかとワクワクしています。

 体の関係だけでいうと廣瀬×花城、澤×有原なわけですが、気持ちの面では澤→花城、有原→廣瀬という泥沼の相関図。廣瀬×花城だけが、好きな者同士で交わっていて爽やかな空気を醸し出しています。でも、この2人は他を犠牲にした上で成り立っている関係ですし、そこはかとなくそう長くない内に終わってしまいそうな予感もするんですよね。澤も花城に執着していますが、有原への情が一切ないかと言われれば、そういうわけでもなさそうです。少なくとも有原には何らかの形で報われて欲しいのですが。ハピエンでもバドエンでもどういう結末が待っているのか楽しみです。

0

花城も有原も、美しい。

本作「マッチ売り」から「やぎさん郵便」3巻の全4巻、ずーっと前から積んでて、さあ読もう、今読もう、読むべきなのだ、読まねばならぬ…と悶々としつつ全然ページをめくれなかった鬼門の書物。
なぜこれほど敷居が高かったか?
4冊全て読んだ今でも、はっきりした答えはわかりません。
そして。
4冊全て読んだ今でも、「読んだ」ような気がしないのです。
うーん良かった〜!と晴れ晴れもせず、読んだそばから心から逃げてしまうような、心にとどまってくれないような。
この作品から、お前にわたしがわかるのか?と詰め寄られているような。
お前にわかるような簡単な話じゃないんだぞ、とダメだしされているような。
読んで感じた感情を、これでいいのか、私は正しく読み取っているのか、そんな怯えすら感じています。
この世界観、はじめてなのです。
トンネルに立つ男娼が、実は会社の社長で。
親切でお人好しの学生さんは、男と寝た事をスルーしてすぐ懐いてるし。
「社長」のトンネルの客が大学の先生だったり。
社長の部下は人の弱みに付け込んで犯す鬼畜だったり。
全く一筋縄じゃいかない。
どこか不安定で、どこか歪んでて、でも何故か澄んでいるのです。
それは花城の佇まいだったり、廣瀬のワンコな笑顔だったり、有原の不憫さだったり。
こんな物語はじめてだよ…

1

一通の恋文で複雑な人間模様

ずっと積んでましたがやっと読めました。
最初は謎のマッチ売りと、友人を探す廣瀬のお話だと思ったのですが…。

複雑に絡まりあってますね。

恋文で狂ってしまいました。
廣瀬と花城が、澤と有原が、澤も花城が、有原が廣瀬が。
そして花城の辛い過去と現在のマッチ売りと。

一番可哀想なのは有原だと思いました。どうも散々男達の慰み者にされてきたようでしかも酷い扱いを受けて。
そして恋文の一枚目を無くしたばっかりに澤の八つ当たり?にまたしてもやられちゃって。

そして花城も酷い目にあってます。トラウマになってますね。それに自分のものにはならない男の3条件も。

まだまだやぎさん郵便の三巻まで続きますよね。
どうやって展開していくのでしょうか。

0

恋文に翻弄される四人のお話

自分がたてた「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#ans_71862
でおすすめ頂いたこちらの作品。

一言で言えば、もっと早くに読めば良かった!!!です。

読み始めて最初に私のテンションを上げてくれたのが攻めの廣瀬。
途中から私の大好物である年下ワンコ・しかも言葉使いが丁寧で人柄も好ましい良質ワンコであることが判明して、ワンコきたぁ〜♪と思わず顔がニヤついてしまう程でした。
年下ワンコ攻めの話だとは知らなかったので、ほんとお得感150%増し。

しかしですね、予想もしていなかったまさかの事態が!
いつもだったらワンコに照準定めて読み進めていくのに、ワンコよりも周りの登場人物のキャラが濃くて、ついつい視線をそっちに注いでしまう。

まずは受けの花城。
トンネル下に佇んで、マッチと称して春を売っている。
ただの男娼かと思いきや、出版社の社長をやっている。
クールビューティーだと思ったら頰を染めてみたり、廣瀬と一晩を過ごした以降は、廣瀬に対して言う言葉がいちいち可愛いし必死だし、どうあがいても廣瀬のことが好きなんだなぁって良く伝わってくる。

二人で一晩過ごした後の別れ際のシーンがとても綺麗でした。
雪のちらつく中、振り返って佇んでいる花城。
こういうことをする人物だとは思っていなかっただけに印象深く残りました。

この二人は紆余曲折はそれなりにあるとしても、このままラストまで安定していそう。片方はワンコだしね。

この先全く読めないのが花城の右腕として働いている澤と廣瀬の同級生である有原の二人。
澤はちょっと鬼畜入っていて、現時点では好感度ゼロ。
花城に接してくる廣瀬を敵対視しているくせに、有原とは強引にやっちゃうし・・。

また有原も訳ありで実に幸薄そうな男・・・。
現時点では思い人である廣瀬に渡すはずだった恋文の片割れをネタに澤の相手をさせられたりとただひたすら可哀想。
ほんとこれから先どうなることやら・・・。

以前から気になってはいたものの「マッチ売り」に続いて「やぎさん郵便」も含めると、計四冊読まなくてはいけないというのがためらう原因でしたが、四人の登場人物をきちんと描こうとするとこの冊数は当然であると納得できました。

そして全体を貫く暗めのざらざらとした雰囲気がたまりません。

6

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