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偶然の出逢いが二人の心を揺り動かす───「私は性懲りもなく、君を好きだと感じている」
dhikatetsu no inu
草間先生の作品の独特な雰囲気、世界観が好きです。
いい意味でイマドキではない、古めかしいような、奥ゆかしいような、どこか郷愁を感じるような、落ち着きがあります。
離婚したばかりの会社員、篠田が引っ越し先で偶然が重なって煙草屋兼古物屋店主の朝倉と知り合い、交流するようになります。
2人のひとつひとつのエピソードが独特で、どんどんページを読み進めていくのですが、1つ1つの角で立ち止まりながらゆったり進んでいくような、そんな印象がありました。
2人のやりとりが主なのですが、2人とも言葉数が多いわけではなく、特に篠田は表情も含めて口下手な印象。しかし、会社の部下たちに慕われている様子から、仕事もできるし、人柄も良いことがうかがえます。朝倉は何か訳ありげ、ですが、篠田とは、つかず離れずな感じで、いい距離感で交流しています。
使われている言葉、言葉運びがきれい、かつ、キーワードが何度も出てくるのが興味深く情緒があります。
女の子が何気なく、よく使う可愛いという言葉に対しても大事に扱っているところも素敵だと思います。
冒頭に出てくる地下鉄の犬が何だったのかな と思ったけど途中で うつむいて歩いていたからこその出会いがあったということわかるのも非常に暗示的で、情緒があります。
篠田が朝倉に、自分は同性愛者ではない、とずばっと断言しつつ、でも君が好き、と発言するところ、とても感心しました。恋愛感情はありつつ、分析していて、ロマンチックさはなくて、淡々と自身の感情を見つめて言葉でつづっている感じがしました、
等身大な会社員をしている、離婚経験のある男性らしくて、素敵でした。
気持ちと、身体的なことと、すり合わせながら少しづつ先に進んでいく2人、というのも、等身大な感じがしました。
初の2人旅行では、恋人らしさが増していて、感情がたくさん表現されていて、甘くて、素敵でした。
主人公二人の、不器用な、ゆったりとした話の流れが、読んでいて心地よかったです。
受・篠田の、どこか言葉足らずなところ、そのせいで相手を誤解させてしまうところ。
可愛いけれど、やっかいだなぁと思いました。
言葉が多くないのに、その場その場で嘘をついてしまって、それもまぁいいか、と流してしまうのが、篠田の悪いところであり、味なのかもしれないなぁ、と。
攻・朝倉の一生懸命なところ、ふわっとしてそうだけど、実は重めなところもよかったです。
短髪メガネを描かせたら右に出る者はいない いやどんな男も草間さかえ先生ほど魅了的に描く先生はいない もう夢中。
地下鉄の犬と自分を重ね合わせる離婚直後のサラリーマンの恋模様がたまらない。本当にそこらへんにいそうなサラリーマン。ひょんなことから出会ったタバコ&骨董屋(この人も本当にそこら辺にいそう)との彼とが少しずつ近づいて、この二人の11歳という歳の差が醸し出す妙がいい…金継ぎの茶碗がいい もう全てが良すぎてため息しか出ません。
作者さん買いしている草間さかえさんの作品です。
煙草屋兼骨董品屋の店主智紀と離婚したばかりの篠田の出会いからのお話で、一冊まるまる二人のストーリーです。
この二人の大人の男たちがですね、可愛いんです。
「私はこれが好きだ」という意味で可愛い。
例えるなら天然人懐っこ大型犬と、穏やかで優しいクール大型犬。
眼鏡×眼鏡は私の本棚にはまだあまりないので、新鮮で良かったです。
受け攻めが、えっそっち⁉︎となりました。良い意味で裏切られ、かえって萌えました。
同人誌ではリバだとか?…むっちゃ見たい!
とにかく絵がすばらしく好き。
篠田さんがタイプ。
黒髪短髪メガネ天然無口やわらかい堅物おり目正しい実は美形。
実はモテる(無自覚)。
自分のことを「私」相手のことを「君」と呼ぶ。
普段スーツの人の無頓着私服姿がさりげにかっこよす。
不器用で繊細。
つまり、かわいい(ヨネダ先生と草間先生の対談を思い出す)
篠田さんの独白もいい。
ひとつひとつ自分の中の変化を律儀に確認する過程、相手に伝えようと努力する姿もかわいい。
「可愛い」という言葉の使い方がおしゃれ。「可愛い」だけでなく他の言葉もタイトルも小道具の活かし方が秀逸(他作品も)
受け攻めが予想と逆だったw それもまたいいと思われ。
1冊丸々1CPのお話…大人な二人のやりとりが楽しく読み応えありとても好きな作品になった。
智紀が自分の愛が「重い」と言った時の篠田さんのセリフが最高に好き。
本作もあとがき&カバー下漫画が楽しい。先生のあとがきおもしろくて好き。
草間さかえ先生は短編集が多いので、丸っと一冊表題作なのは拝みたくなるほど嬉しいです。
この作品でいっとう好きな表現は、篠田(離婚直後の会社員)がお弁当のおかずを2人分作るときに、朝倉(ゲイ 煙草屋兼骨董屋)へ真ん中をあげるってところですね。それに気づいている篠田課長の部下の女性。言葉ではない愛の表現を、作品のこの位置にこの描写の仕方でもってくる草間さん、最高です。
表紙もとっても好き。"可愛い"ってやつです。
皆さんの感想を見ていてダブル眼鏡に気づきました。ほんとだ…!
終始穏やかな雰囲気の漂った作品でした。受けの篠田は妻と離婚したばかりで、若干自暴自棄にもなっているくたびれたサラリーマン。そんな彼が偶然攻めの朝倉がやっている古物店に引き込まれていくわけですが、その店の空間や朝倉という存在が、篠田の中で徐々に心の拠り所になっていく過程が丁寧に描かれていたと思います。何か劇的な展開があるわけではないけれども、互いに酸いも甘いも経験して少し臆病になりがちな大人の男達の、面倒でロマンチックな恋愛でした。側から見ればやきもきしてしまいそうな、でも本人達にとっては1つひとつの言葉や行動が至って真剣な恋愛。いい歳した男性同士の恋愛を楽しみたいという方にはオススメです。ただ、正直そこまで深い余韻の残る作品ではなかったかなと思います。
久々の再読です。
草間さかえ先生の紡ぐ物語は、その「感想」を言葉で書き表すのが妙に難しい。
この「地下鉄の犬」は、途中で出てくるその地下鉄で見かけた迷い犬の荒んだ目や、その犬は自分だ、と感じる妻に去られた課長…というイメージがありますが…
読んでいくとそんなイメージは変わっていきます。
篠田課長は、眼鏡を外した夜道で自動販売機にぶつかったり、人の家を喫茶店と間違えてコーヒーもらったり、のどこかお茶目な男性で。
出会うは隠れゲイ?の物腰柔らかな煙草屋兼古物屋の若い店主・朝倉。
朝倉はすぐ篠田が好きになって、というのが読者にダダ漏れの可愛らしさ。
離婚前の篠田って、多分奥様とずれまくってたんだろうなぁ、優しいんだろうけど女性の求めるツボと合わないというか。
そんな2人がかなーり甘々な恋愛関係に進んでいくお話です。
『私は君の手にしっくりくるか?』
そして受けでいいことに安堵する。
そんな篠田にとてつもなく萌えますね〜。
朝倉と恋人になった篠田は、お弁当を作ってくれたり迎えに来てくれたり、何より言葉で気持ちを伝えてくれて、あ〜甘い甘い。
2人での温泉旅行もほのぼのしく。
朝倉の周りから愛される人柄、圧倒されつつどこか誇らしげでもある篠田、思いがけず朝倉の元カレ出現で嫉妬の篠田、ヘタレなのにちゃんとがっつく朝倉…
日常と愛情と欲情が全て一つに絡まってる2人の毎日がとても自然で、そこが「草間さかえ作品」の凄いところだと思います。
自分の年齢が上がってきたことで良さが分かるようになってきた草間さかえさんの作品。
大人ならではの可愛さにぎゅんとくるというか。
大人ならではのダメさとか不器用さが逆にいいなと。
本作の2人は特に、ですね。
実はこの作品自体「可愛い」がキーワードになっていたりします。
草間さんはこの「可愛い」を「愛おしいとか しっくりくるとか 説明しづらい良さの総称」って作中で説明しているんですが、私が読みながら頭に浮かべていた単語は「愛着」でした。
大人になるにつれて、自分にとって収まりのいい物とか、逆に自分自身が収まりのいい場所とか、そういうもの(=しっくりくるもの)が何かを選ぶときの基準になってきているのを実感していて、そんな今の私の感覚にピタリとくる心地良さみたいなものに出会える1冊でした。
奥さんに離婚されて引っ越した片付かないままの新居で、篠田がずっと探しているのですよね。趣味で書き溜めていた小説の原稿と、それがうまく収まる箱を。
この感覚がなんだか自分の身にも覚えがあるなぁと思い始めたら本作の読み頃なのかもしれません。
「私は君の手にしっくりくるか?」
篠田のこのセリフが良いなぁとじんわりしました。
手に取ったらまずは2回、連続で読むのオススメです。
篠田の同僚(部下)達の篠田を見守る目線も良かったなぁ。
【電子】ひかりTVブック版:修正白抜き、カバー下なし、裏表紙なし
草間さんの作品には、ダメ男さんが出てくることが多いのですが、
今回の篠田さんもちょっとダメっぽい。
ダメというよりも、まさしくくたびれてる。
それでも仕事はきっちりこなすし、上司としてもしっかりやってる。
対する朝倉くんも、どこか抜けててスマートさに欠けるんだけれど、
一生懸命で、根は素直。
大人の分別が二人の関係にブレーキかけているのだけれど、
そのカセが外れたら、まるでワンコ。
いつも思うのは、草間さんのお話は会話劇的な雰囲気があるんじゃないかと。
言葉のひっかけとか。
それが物語のスパイスになっていて、心地いい。
二人の心の機微をたどる、草間さんらしい一作。
胸の片隅に残る、『かわいい』作品……なので、「神」評価で!