究極の愛を描いた話題作、ついに完結!!

櫻狩り 下

櫻狩り 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神58
  • 萌×24
  • 萌9
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
19
得点
336
評価数
76
平均
4.5 / 5
神率
76.3%
著者
渡瀬悠宇 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
小学館
レーベル
Flower comics special
シリーズ
櫻狩り
発売日
価格
¥952(税抜)  
ISBN
9784091790729

あらすじ

渡瀬悠宇の新境地にして、連載当初より大きな反響を巻き起こした作品。時は大正、ある侯爵家を舞台に繰り広げられる愛憎絵巻。誰を信じ誰を愛せば良いのか?真実はどこにあるのか?息苦しいまでの愛が横溢した傑作。

表題作櫻狩り 下

斎木貿易商会代表取締役 斎木蒼磨 
書生 田神正崇 17歳

レビュー投稿数19

みんなの秘密、過去が痛々しかった

上巻では、なんか既視感と思ってたけど、下巻でいろんな秘密が明かされて驚いた。
みんな、秘密を抱えて辛いながらも生きてくんだなと。

正崇の養子に出される日の話、コロッケとの思い出が辛すぎる。コロッケにそんな苦い思い出があったとは。

櫻子の事は、何かとビックリだった。蒼磨の事を好きだから執着していたって事はわかってたけど、出生の秘密がまさかまさかだった。
アルビノだから蔵に幽閉されていたのではなくてそれが原因だったんじゃ?どっちなんだ?

蒼磨の美しさに誰もが狂ってしまったって言うのがちょっと伝わりにくかった。比較的みんな顔がいいので、蒼磨が飛び抜けて美少年、美青年に感じられなかった。もう少し落差が欲しかった。ハーフっぽさと。

それにしても、加藤!お前全部の罪を背負ってくれるのかと思いきや言葉と裏腹なその行動。許すまじ。蒼磨さん桜の木下でポエムしてる場合じゃないよ。病院行ってくれないかな?死んでない事を願います。女中のお初さんが倒れている蒼磨さんに気づいてくれないかな?私、お初さんまぁまぁ好きでした、正崇に気をかけてくれてた。

あとがきの作者さんの熱い想いにうるうるしてしまいました。

面白かったので、私も友達にオススメしたいなと思いました。

1

赦します

正直疲れました。
すごいボリューム。本編もあとがきも。
内容が内容ですしね。

ドロドロがずっとドロドロしていて。
レイプ、暴力、殺人、自殺…身内とその周辺でこれでもかと。
時代背景、地位や立場上、閉鎖的な空間で繰り返される。

重いテーマは決して苦手ではないのですが、本作は誰にも共感も感情移入もできず客観的に読んでいたので、陰惨な場面ばかりの印象で正直疲れてしまいました。

蒼磨と正崇が、自分は生まれてきてはいけなかった存在、愛されるはずがない、孤独と罪悪感に苛まれる、救われない魂だと思い込んでいることを描くためのドロドロオンパレード。

でも君たちは被害者だし、赦されるんだよ、とカタルシスを描く物語なので、そこまでが長かった〜。
「赦します」のくだりはよかったです。パワーワードですね。
それを言って違和感ない正崇、さすが主人公。

その後のかたときも離れない場面もよかった。
自分は享受できないと信じていた瞬間、体験、お互い唯一無二の存在に出会えた喜びが伝わってきました。
正崇が快楽堕ちになるのかと思いきや、そうならなかったのが好みです、

安易にハピエンにならなかったのもよかったかな。あれはあれで納得のいく終わり方だと思いました。

周囲の人間が事情を把握していたにもかかわらず見て見ぬふりをするのは罪がある、というのも描かれたかったことなんでしょうね。

1

生きることを諦めない苦しさと強さ

 伏線も綺麗にすべて回収された上に、予想もしていなかった事実を唐突に知ったりもして、ハラハラが止まらない最終巻でした。蒼磨と正崇の関係に集中したいけれど、2人の周りはそれを許してくれず。何より蒼磨が今まで生き抜いてきた世界、築いてきた人脈がそれを許さない。こんな家にさえ生まれてなければとつい考えてしまう一方で、この家に生まれたからこそ正崇に出会ったのだと思うと、何が不幸とは一概には言えないなとも思います。

 蒼磨は悲しい殺人鬼でもありますが、結局彼が自ら1人で積極的に殺害した人はいませんでしたね。葛城の殺害も、あくまで主導権は彼の妻に委ねられていた。妻が怖気付いたり、夫に情けをかけたりしていれば、あの時死んでいたのは蒼磨だった。それも覚悟の上だったんでしょう。彼の選択はいつも、己の身を顧みない自棄とも言えるものばかり。本当にここまで生きてくれたことは奇跡でした。

 そして、櫻子の秘密が暴かれ、彼の真の思惑を知った後、2人は最大の窮地に追い込まれる。そこで、蒼磨は正崇と心中できることに歓喜さえ覚え、正崇も一度は諦めるのだけど、本当に蒼磨が最初から死を望んでいたのだろうか?と思い直して、生きよう!と決断するんですね。誰も自ら死など望むはずなどない。彼が望んだのは、周りが彼にそうさせたからなのです。死んだら楽になるかもしれない、けれど、それは2人で生きられるかもしれない未来を捨ててまでするべきことなのか? 最後の最後に生きることへの強い執念を燃やしてくれた正崇に、感激しました。

 いろんな柵から解放された2人の、心が通じ合った初めてのセックスは、とても清らかで何かの儀式のようにすら感じ、幸せそうな2人が見つめ合って名前を呼び合うシーンには心がこれ以上ないほど満たされました。正崇が蒼磨を救っただけでなく、蒼磨も自分に価値を見出せなかった正崇を救ってくれた。どちらが偉いわけでもなく、どちらも相手に不可欠な存在なんですよね。欠けた部分を埋め、明るい光で導いてくれる存在。結末は呆気なく悲しいものでしたが、彼がここで「やっと死ねる」ではなく、「僕は生きる」と言ったことがすべてだと思います。私はこの言葉を信じ、また2人が再会できたんだと思っています。

2

心がもっていかれました

遅ればせながら読みました
本当に名作ですね
この作品に出会えてよかったです

BL的なかたちではないですが

作者様の描きたいという
情熱を感じ取り
緻密な完成度にも
感動しました

美しく、悲しく、切ない物語

物語は大正時代の
華族、斉木家の蒼磨と
書生、正嵩
から始まり
そのまわりの人物も巻き込こんだ
愛憎劇

最後まで息をつきせぬ
展開でした

次々に明らかになる事実が
完成されたキャラクターと齟齬にならずに
深く納得できました

この作品を読めてよかったです
お勧めしてくれてありがとうございました

4

パンドラの箱の一番下にあるもの

作者である渡瀬悠宇さんのことは、ふしぎ遊戯 玄武開伝で知り、同じ作者さんの作品ということで、興味を持ち読んだのが、この作品との出会いです。

他の方も仰っているように、BLと位置付けて良いのか、言い兼ねる作品です。(作者の渡瀬悠宇さんは巻末でそうではないと断定しております)
ボーイズラブというよりは、衆道というような。衆道というよりは、主従関係の延長線上というような。
信頼しあっているわけでも、愛し合っているわけでもない2人が行為を重ねることによって、周囲の人々は深淵に堕ちていくことになります。(命を落としたり、精神を壊したりという形をとって)
他ならぬ主人公の2人も、堕ちていくことになります。

読後感が近い作品を上げると、三浦綾子作 氷点 と太宰治作 パンドラの匣 が近いです。
クライマックスで明かされる田神の出生の秘密など、原罪論についても良く考えさせられました。
攻め斎木、受け田神になっていますが、読み終わって、本質的には、逆だったんじゃないか?とも思いました。

これはBLではない少女漫画だ!と仰っている方もいらっしゃるようですね。確かに、2人が出会い、恋(行為?)をして、別れる。という少女漫画の王道的ストーリー展開ではあるのですが、その根底にあるものは、名作と言われる小説の類と引けを取らないでしょう。
また、少女漫画的と形容されるように、BL色が薄い方の作品なので、普段BLを読まない方にオススメです。フェムドム・男性のサブミッシブを扱う作品が好きな方には、特にオススメです。

漫画・ボーイズラブ本の垣根を超えて、私の歴代に読んだ本の中でも上位に入るような、素晴らしい作品です。

7

中立よりのしゅみじゃない。私はハマらなかったなぁ。精神的にきつかった。

評価を下げてすいません。上中下読後の感想です。

ふしぎ遊戯でハマった過去もあり、渡瀬さんの本がBLの棚にあったので期待してしまいました。ジャンルBLじゃ無いんですよね?間違えた私が悪いんですけど、感想はコレ少女漫画だな。。。でした。
同性同士のエッチシーンもちゃんとありますけどね。
作者さんもBLじゃないとおっしゃってるみたいだし。


この本のお陰で、私はただ男性同士が好意をもったり恋愛したり、性的な事をすればBLになると思ってましたけど、そうではないという事に初めて気づかされました。萌えもキュンもしなかった(BLでも萌えないのもありますがそれとは少しちがうかな)精神的にしんどくて雰囲気はでてますが。なんていったらいいだろう?ああ、これは少女漫画だなと私は感じたんですが。
そう感じた方いませんかΣ(-᷅_-᷄๑)??

きっとBLを描いてる作者さん達はBLを愛しててツボをよくわかってる、中には不本意だけど仕方なくBL描いてらっしゃる方もいるかもしれませんが、一生懸命研究、努力されてるんだなぁとしみじみ思いました。話は勿論だけど絵からもしぐさ、表情からさまざまな萌えやキュンが表現されてるから。萌えやキュンがあるのが当たり前のように普通に今までBL読んでましたが改めてBL作家さんを尊敬。

先ほどもいいましたが渡瀬さんご本人も、これは同性愛ではなく愛の話だとおっしゃっていたそうです。(どこかのレビューでみました)。確かに、愛の話だと思う。しかしなぁ、あえて、わけて言う必要あるのかなぁ?わざわざBLじゃないっていわなくてもよくないかな?一緒にされたくないみたいに聞こえてしまうなぁ。この方BL嫌いなのかな?と不信感をもってしまった。BLも様々だし、立派な愛だし深いんだけどなぁ。と少しショックでした。


お話は大正ロマンな雰囲気。ハピエンを望む方にはオススメしません。絵は美しい。重くて、救いがないため、消化しようのない想いを数日引きずりました。きつかった。
けど、冷静になった後からは劇的に描かれていてやたら重いし一見内容ありそうだけど、うーん、、結構中身なかったなぁと思いました。刺された最後はかなりショックだった。今まで辛すぎたし人殺しやけど、殺さないでほしかった。いつかどこかで2人が再会っていう救い、希望を残して欲しかった。弟もかわいそすぎ。皆不幸。救いがない。救いが欲しかったー

純粋に渡瀬さんが好きなファンの方は楽しめるんじゃないかな。読後しんどいのは覚悟ですが。
BLを愛してる方々の集まりのサイトちるちるさんなので申しますが、もしBLにはまったばかりの方やBL大正ロマンものを楽しみたいであれば玉響や、憂鬱な朝、蟷螂の檻をオススメしたいな。

同性同士でエロもあるけど何故かBLと思えなかったし、雰囲気なわりに内容があまり無く感じたのと余りにも救いなさすぎたのでこの評価にさせてもらいました。本当、救いが欲しかったー

6

ネタバレ BLと、呼ぶにはあまりに惜しい

久しぶりにちゃんとした漫画を読んだので、かなりこの漫画そのものに感動した。
流石、ふしぎ遊戯の作者だと思った。
美しいからとだけの理由で、幼い頃から好色の目でしか見られず、深い闇を抱え溺れる蒼磨と、対照的に強く清く生きることができ、至極まっとうな感覚と人格を持つ正崇。
正反対のようで、根は同じ孤独を抱えて誰かに愛されることを、求める2人だった。ということが最後の最後で分かる。

正崇を愛したいのに、情色的な愛され方しか知らないから、愛を追うほど壊われていく関係性が切ない。2人の愛の倫理観の違いがこの話のキーになる所が凄い!
執着でしか愛情表現が、できなかった蒼磨が百人一首のページを折って心を残していくシーンが胸にしみた。

まあ、多分蒼磨は生きてるんだろうけど心はラストで死んだもしくは置いていったと、解釈している。

全体の構成も素晴らしく、すべての登場人物の行動真理がフィクションで俗世離れしているはずなのにリアルに描かれている。
過去とかリアルタイムから、正崇と蒼磨の関係性が変化していく描写も素晴らしい。
だからこの作品はBLとは言えないですね。
まあ、ジャンルは問いBLですし、男と男の話だからこそ意味とリアリティーがある訳ですし。BLだから中々人に勧めづらいのがとても惜しいです。誰かに紹介したいそんな漫画でした。

6

いい男は死ななきゃダメ

最終章…本当に、ただひたすら怒涛のごときため息の結末だった。
BLというには、あまりにも重く、
愛憎劇というには、やや俗気に欠け、
サスペンスにしては、その犯罪ぶりがかなり生々しく、
恋愛モノとしては、幾分…恋愛未満部分が多すぎる。
何ともケレン味に満ちたこのお話の結末は、
やはりハッピーエンドには、なり得なかった。
最初から様々な不幸の匂いのするこの館では、
傷ついた人達が、更に傷ついてゆくの連続で…
誰が被害者で、加害者で、傍観者なのかすら判別不可能。
それくらいに、異常な空気が入り乱れてるから、
大団円の予感すら感じなかったけれどね…。
それでもね…この最終章では、それなりのパッピーエンド要素も無しではなかった。
正崇の「貴方を赦します」のセリフには、思わず目頭が熱くなるものがあったし…
蒼磨様の「有り難う、生まれて来て呉れるて」は、やはり愛だと思った。
それでも…恋愛としては、かなりの消化不良を感じるのは否めない。
この二人、上巻から既に肉体関係にあるんだけど…
本気で愛あるSEXに及んだのは、ラスト間近の1度のみ。
そのシーンですら「貴方は僕の御主人…」がせいいっぱい。
決して「愛してます」とか「一緒に住もう」という風にはならない。
褥を共にした後の、ごくあっさりとした(でも重い)永の別れ。
時代のせいなのだなぁと、改めて思った。
そういう時代でありましたよ…としか、言いようが無い。
そして最後の最後でのどんでん返し(驚!)
今まで(読者的には)気にも止めなかった、とある人物の衝撃の告白と意趣返し。
あぁなるほどねと…(パズル的な意味で)不思議と納得できたのだが、
読み手の希望的には、到底納得したくない…。
いい男は死ななきゃいけない…とは、耽美モノでは割によくある原則です。
それでもね…「僕は生きる」と清々しく櫻を見上げる、美貌の瀕死の若様に、
読者としては、もしかしたら…と、不可思議な希望を見てしまうのでありました。
願わくば…数年後の正崇と蒼磨の、その後の人生をこっそり垣間見てみたいものです。
壮年の二人が別々の人生を歩み、あの頃をこっそり懐かしむようなお話を…。
(余談ですが…某ゲーム「薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク」とか、
 某漫画「摩利と新吾」を、思わず手に取ってしまいました。)

5

完結でございます。

中巻の最後、蒼磨様のカッ!!と見開いた眼がゾクゾクいたしましたね。
下巻(最終巻)ではこの人絶対やっちゃうなーと思ってたら、
やっぱりやっちゃいましたね。

この巻の最後はちょっと終わりがはっきりしない部分もあるのですが、
私はこの物語にはそれがふさわしいようにも思えました。

まだまだ命は続いていくと。桜が何度も咲き誇るよう・・・。
おそらくそんな風に捉えて欲しいのだと。

でもあれですよね、もしそこで蒼磨様が死んだとしても私は納得します。
だってなんだかんだ言っても人を殺しまくってますから。
もちろん同情の余地は十分ありますが、やはり人を殺めた人間の末路は死を持って償うというのがいかにも日本的で、それも展開としては十分納得できるのです。

でももしかしたら女中さんが気づいて助けて、命拾いする・・・という展開もあったり。
漫画的にはこれが一番展開としてありそうですけどねぇ。
さて、そんな妄想をするのも一興ではございませんでしょうか。

5

号泣でした

何回も読み返してしまいました。
思い入れの強い作品ほどなかなかレビューが書けないのですが、寝かせても大して素晴らしい文章が書けるような私でもないので、ちゃっちゃと書きますw

長く待たされたので物語を予測する時間がたっぷりありまして、それが良かったのか悪かったのか分かりません。
怒涛のように明らかになっていく真相はパズルのピースがハマっていくような感覚があったんだけど、まったく予測せずに読みたかったなとも思いました。一気読みしたかったなと。その後にまた読み返して、色んな発見をしたかった。
そういう贅沢な不満を持ってしまった作品でした。

途中からダラダラと涙が止まらなくなって、読み終えたときには目がもうショボショボでした。
なんかすごいパワーがあるんですよ。実力ある作家さんが「書きたいものを全力で書いた」ら、ものすごいパワーのある作品を生むことになるんだなと。
紙からオーラが漂ってきてました。
単純に、面白くて仕方がなかったです。

作品の中身にはあえて触れないことにします。そのほうがいいのかなと思って。読む人がそれぞれに好きなように解釈すればいい作品だろうと思います。
ただ、私は、これを「BLではない」とは思わなかったです。
もちろんセオリーからはかけ離れてる作品ではあるんだけど。
むしろ、これこそがBLの原点じゃないかな、なんてことを思いました。

4

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