枯れない花

枯れない花
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神43
  • 萌×27
  • 萌17
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
18
得点
296
評価数
69
平均
4.3 / 5
神率
62.3%
著者
京山あつき 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

作画
京山あつき 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
ミリオンコミックス HertZ Series
シリーズ
聞こえない声
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784813052418

あらすじ

2月── 今井は卒業式を待たず、大学の寮に入り、野球部の練習に参加し新しい生活をスタートさせた。引田も高校生活最後の1年を迎える。お互いの生活に距離ができ電話を待つ日々を過ごす中、久しぶりに会った今井に男っぽさを感じた引田は──。
『聞こえない声』『見えない星』に続くシリーズ第3弾、完結。
(出版社より)

表題作枯れない花

今井 大学1年
引田 高校3年

その他の収録作品

  • 成人式のあとで…

レビュー投稿数18

男の色気

開けるの勿体ないぐらいのラッピングに対抗して買ってくるのが枯れないガラスの花っていうのが今井さんよ、なかなか夢みがちだなって感じで。ひょうひょうとしている彼の愛らしさを垣間見た気がする。ひょうひょうとって言っても引田には全力だし、全力の美しさにも目覚めてるのよね。目覚めさせたのは引田の全力なんだけど。

引田の「オカマになってしまったのか」って物凄いアプローチです。あーそうか、そうだよね、そういう葛藤の方向性だって全然あり得るわ。BL漫画の読みすぎで肝心なところを見失っていた気分。
そこから全力で野球に取り組んで、腐ったりせず、それでも練習試合1打席無安打の引田…今井はもちろん知ってるし、岡田さんも引田の魅力に気づいてしまったんだろうな。自分と同じ教室にいた一人一人に、実はこういう一面があったのかもしれないと思いを馳せてみたり。

最終ページでガンバレと言われるのが今井くんなのが面白いです。ハイスペック男のはずなんだけど、それでもやっぱりこの2人の関係性で応援されるべきは今井くんなのよ。

「すのーふれーくす」に、母校で先生をする引田くんが出てきます。今井ともまだ仲良くしてるかな。

2

存分に甘えられる日が来るといいな

 大学生になった今井と、高校最後の年を迎えた引田。定期的に今井が引田に会いにきてくれるので、思ったより距離的にすれ違うことはなくて。でも、野球部員として憧れだった同性の先輩と付き合ったことで、引田は様々な感情を抱きます。どんどん逞しくなっていく今井の背中を見て、自分も追いつきたい、男らしくなりたいという気持ち。その一方で、今井に甘えたい、包まれたい、女の子みたいになれればいいのにという気持ちもある。同級生の女子と少しいい雰囲気になるけれど、引田には悲しいほど自信がなくて、彼女に対して男らしく接しようと思っても中途半端になってしまうし、女子の華やかさを持つ彼女に嫉妬もしてしまう。

 ほぼ初めてであろう恋愛関係をいきなり同性と持ったわけですから、引田がいろんな感情の狭間で揺れ動くのも無理はないでしょう。そんな彼の繊細な心情が最後まで丁寧に描き出されていて、共感したり切なくなったり微笑ましかったり。誰よりも野球を練習したけれど、彼は今井のように華々しく有終の美を飾ることはできませんでした。けれど、限界まで練習したことに対して後悔はないはず。それって実は誰でも簡単になしうることじゃないと思います。練習に打ち込む引田はかっこよかった。花の美しさは見た目の綺麗さだけじゃない。太陽に向かって伸びゆく姿勢だったり、日陰でも萎れない逞しさだったり、いろいろある。その今井の言葉に、引田は引田でいてくれるだけで唯一無二の存在なんだよって、引田が少しでも自信を持てるようになれれば嬉しいですね。野球部の青春も色濃く描かれた、良質な青春BLでした。

2

引田らぶがブレない今井がいい

今井がず〜っと引田ラブでブレないのがいいですね。理想の攻めだわ。

花についての今井のセリフがいい。
ヤキモチやら、引田が悩んでいそうなことを考えたり、引田が野球に打ち込むのを邪魔しちゃいけない、でも会いたい…と今井は落ち込んでいたんですかね。それを遠巻きに見守るチームメイトがおもしろかったです。
しつこく合コンに誘う奴に今井が「殺ス」と返信したのもw

沖縄キャンプから帰ってきた今井が引田んちに行って、玄関でちゅうしてしっかり抱き合うとこすごくいい。

更にいいのが、今井が急に引田に会いに来て、引田が今井の「男クサさに興奮を覚えていた」からの「今井さんの体の首や 背中」の大ゴマがめちゃくちゃ色っぽい!
その後の流れも!
京山先生のこういう描写がほんとに好きだと再確認しました。

あとは、引田が岡田さんと付き合うことになったと電話て聞いた時の今井のどデカイ「ハァア?!」ww そりゃそうなりますよね。

引田が電話で本気でレギュラー目指すと言った時の今井の応援するぜとその表情も好き。しっかりずっと岡田さんにヤキモチやくとこも。それをそのまま引田に伝えるとこも。

今井が高校に顔を出した時「そりゃ おまえに会いに来たに決まってるだろ」もいい。よほど会いたかったんだなと思うし、ストレートに言うところがいいんだな。

やっぱりというか、結局のところ、引田のかわいらしさに気づく今井、引田を好きでしょうがない今井がいい。相手を好きすぎる描写が萌えでしかないんですよ(これは京山先生に限らずBL全般においてですが)
それは引田にも言えることで、悩みながらも今井に惚れているからがんばれるし、一緒にいる時の2人の雰囲気がたまらない。

引田がわかりやすくて目がいきますが、今井も引田を好きでいることで成長しているんですよね。引田を尊重してあげるやさしさと包容力がある。

野球部の先輩後輩モノって、めっちゃそそるんだけどどうなるんだろう?しかも京山先生、と思っていたのですが、見事に先生の世界で表現されていてとても好きな作品になりました。
高校生、野球部の男くささなどがBLと融合していました。

2

繊細な高校時代を詰め込んだ珠玉の作品

すごい作品ですね。野球部ピュアラブストーリー3巻のうちのシリーズ最終巻。

受けの引田はブサかわ受けというか本当に見た目はよろしくない。でも性格はひたむきでいつも一生懸命生きていて、エッチの時はなぜかとても色っぽい。攻めとの体格差があって一歳違いの高校生なのにショタっぽさ半端ない。でも決して美少年ではない。
 
攻めの今井はそんな引田にベタ惚れなので、先天的ゲイなんだろうな。しかしこの子が見た目も中身もカッコよすぎて「こんなカッコいい野球選手なんている?!」と久々に攻め萌えしてしまいました。恋愛では最初はモダモダしてたけど野球に対しては迷いがないんだよね。大学に入るとますます男前度がアップしていきました。

しかし最初からゲイというわけでもなかった引田は「オレはかっこよくも可愛くもない」と真剣に悩むんですね。男臭い今井に憧れるし自分もそうなりたいって思うけど今井には可愛いって思われたい。でも自分に花は似合わない。その葛藤がこれでもかというくらい繊細に描かれています。その悩みに対して今井が出した答えが泣ける。ぜひ読んで最後に感動して下さい。

引田が頑張って頑張ってそれでもレギュラーになれなかったのは想像はできたけど泣いた。BLじゃなく青春ものとして泣いてしまった。良くある事だけどどうしようもないもんね。でも努力してる姿はカッコよかったのであの同級生女子は本当に引田を好きだったんだと思うよ。あの子はいい子だったので幸せになってほしいな。

その女子の作品に対する今井の大人げない態度も…好き!攻めとして100点満点よ。あの女子がいい子だっただけに本気でヤバいと思ったんだよね。

2

三部作すべて神です。

読み終えた瞬間に続きが読みたい、その後の2人が知りたいと切に願った作品です。ちょっと成長した二人の姿が最後の方にありますが、全然足りません。10年、20年と追い続けてもらいたいです。どの作品の題名(聞こえない声・見えない星・枯れない花)も素敵だったので4作目があるならどんな素敵な題名になるのか?本当に気になります。何度読み返しても神です。こんな素敵なシリーズはなかなかお目にかかれないと思います。読み返してみて分かるこの作品の素晴らしさ!

7

最終巻ということが寂しいくらい

今回は今井さんは大学生、引田くんは高校生なので物理的に距離ができます。
そんな中、引田くんに美術のモデルをお願いした同級生の岡田さんの存在が当然のことながら今井さんにとっては非常に気になる存在にw
引田くんは全然そんなつもりないんですけどね。
もー気になって気になって高校まで見に行っちゃったりしてwww

対する引田くんは今井さんのように男らしく格好良くなりたいという憧れと、今井さんに「可愛い」って言われたい女の子のような心境もあってぐるぐる悩んでます。
二つの相反する気持ちの葛藤が何かリアル。
しかもその悩みが夢にまで出てくる始末。
めちゃくちゃ悩んでいます、引田くん。
悩んで悩んで、今井さんのくれたガラスの花にも劣等感抱いて「オレは花は似合わない(似合えばいいのに…とも思って)」って涙して。
その泣いている姿が痛々しくてたまらなかったです。

でもそこで引田くんは頑張るのです。
野球を一生懸命にやって…自分が憧れる姿に少しでも近づこうと頑張るのです。

華麗に大活躍!なんて夢の様な展開はないけれど…頑張っているのを監督に認められてよかったな…って思います。

野球部を引田くんが引退した後に会った時「たくましく咲いてるいじらしいのがオレぁ好きだよ」って今井さんが伝えた場面にグッときました。
直ぐにこの言葉が出たわけじゃなく、今井さん自身も引田くんのこと色々考えて…その上で出た言葉だからこそ今井さんの考えがしみたし…その上、引田くんがすっごい頑張っているのを見てきたので何かもう涙腺刺激されまくりで大変でした…。

少しずつ少しずつ進んできた2人の関係。
これからも悩みながら歩んでいくんだろうな。

これで最後なのが寂しいくらいです。

2

三冊あわせての神。

聞こえない声
見えない星
枯れない花

タイトルだけをとって見ても
素敵です。

今井が卒業する。
ちょこっと女性もからむ。
外見的にはかわらない引田も
確実に心は成長している。

気持ちを受け止めさらに
意識するようになり
その意識の理由を自覚する。

今井はずっとかわらなく見える。
きっとこの作品は今井ではなく
引田のための作品なのかと思ってしまった。
いや、そうじゃないかな。
引田を見守りたい作品かな。

ラストに成人後の2人が描かれているのですが
ゆるやかで優しい時間経過が
心地よい。

今井先輩はやっぱりかっこいいね。

2

3冊連作の3作目

こちらも丸ごと一冊が一つのストーリーでした。

今回は、ちょっぴりブサイク引田くんに女子が絡んできたり、
引田くん自身が、自分の気持ちに戸惑って葛藤したり。
悩んでいるところが、ま・さ・に!青春ですw

3作全編通して、2人とも純粋ですねー。
心が真っ新な感じです。
とにかく相手を尊重する。
相手が好きだから、思いやることができるんですねぇ。
こんな恋愛、現在の世にあるのでしょうか?(笑)

最後には、引田くんが成人式を迎えた、その時の
2人の様子が見られました^^

1

イケメンはツラだけではなかった。

「聞こえない声」「見えない星」に続く3作目にして完結作。
シリーズ通して読みました。

物語は多くが
ブサカワ引田くんの行動や悩みなどにより進んでいき
イケメン今井くんは惚れた弱みなのか 振り回される格好になっています。
黙って振り回される今井くん、男前です。
ピュアです。 フツーの10代の恋愛模様です。
部活や恋や人間関係や進路について 悩むのです。
でも
「恋人が男」だと言う事については悩みません。
しかし
「抱かれたいと思う自分」については悩みます。

結局、引田くんの悩みに きちんと向き合ってくれた今井くんが言った一言
「花は・・・キレイでカワイイだけじゃないぜ?」(続きは本を読んでね)
で 二人はより一層 絆を深める感じになり、物語は終わります。

絵は サラリとしていて 好みが分かれるかも知れませんが
それでも今井くんは男前だし(べらんめぇ口調だけど)
きめ細やかな心理描写が とても良かったです。



6

会いたい

出ました完結編!!
まぁ、出たから1~読み始めたんだけど(。-∀-)ニヒッ
お話は、大学生になった先輩・今井と後輩・引田くんのお話。
これまでは、部活もろもろ距離が近かった二人ですが、先輩が大学生になりちょっと離れてしまう。あ!もちろん気持ちが離れてというわけではなく。
この絶妙な距離感。面白かった。
毎日電話する引田の表情とかしぐさが可愛い。
男らしくなりたいと思う反面、可愛いといってもらえることがうれしくて、女の子みたいに愛されたいと思ってしまう。そんな自分がもどかしいと言う引田。どうしてそんな表現がwwと思うほどちょっと感動した。
なんてイジラシイ。:゚(。ノω\。)゚・。(感激)
野球。これもどこまでやってくれるんだろうと思っていましたが、やり過ぎない程度がちょうどいい。これだけやってるんだから、一花咲かせてくれるのかと思えば、そうでもないw
でもがんばることが大事なんだよね。努力したからの今後だよ。うん。
先輩。逆に先輩が今回またツボでした。なんていうかなぁ、引田からの電話を待つその寂しげな後姿にかるいトキメキを覚えました。
年上なんだけど、先輩なんだけど、あんまりそれを感じさせないというか。
えらぶって見せないのが逆にいいというか。
“たくましくて いじらしいのが おれは好きだよ”
ここのシーンが一番好きです。ずっと可愛い。可愛いといい続けてきた今井のすべてが詰まってる気がする。もぉ、可愛くて仕方ないって気持ちがあふれて見えてしまいました。あんたたち二人ともイジラシイよ。
もう少し先、もう少し大人になった二人の姿が今後見ることができたらすごくうれしいなと思う。
ちゃんと挿入まで行けたのかも気になるところでもありますしwww
(↑結局そこかよ)

7

今井の殺し文句にヤ・ラ・レ・タ

野球部の先輩・今井と後輩・引田のせつない恋のお話、完結編です。
神評価でもいいかと思ったんですが、もどかしすぎたのでちょっとマイナス。

高校の卒業間近、既に大学の寮に入り練習に合流している今井とは会えない日々が続いていて・・・
バレンタインに女子からワイロチョコをもらってしまった引田は、色々考え出してしまいます。

自分は今井をどう思っているのか?今井にどうして欲しいのか?自分はどんな存在なのか?どうなりたいのか?・・・

煮詰まりそうになると今井がやってきて、なし崩し的に抱き合ってしまうものの、納得のいかない引田は、野球に集中しようとがむしゃらになるのです。

今井のようにカッコよくもなれず、女の子のようにもなれず、ついに野球部引退になり消沈している引田にかけた今井の殺し文句『花はキレイでカワイイだけじゃないぜ?・・・』のシーンで私、突然号泣してしまいました。
この後に続くセリフが泣かせてくれました。読んで泣いてくださいませ。

しかし、こんな殺し文句が言える今井ですが、どっちかと言えば今井のほうが引田なしでは生きていけない人なんだと思います。

引田はクソ真面目にグルグル悩みますが、今井は開けっ広げに愛情表現するので、今井には悩みがなさそうな感じですが、時々見せる憂い顔で彼の苦悩も垣間見えます。

しかし、今井の背中はセクシーだな。
引田はいまだにいたいけな幼児のようですが。

3

え!?終わり?

今井は大学生になり二人の会う時間は極端に減ります。
引田は今井のようにかっこよく男らしくなりたい反面、今井に見合う女の子みたいなかわいい自分になりたいという思いに揺れます。

今回引田くんに女の子の影が!
デッサンのモデルになる御礼にチョコをもらった引田。
周りや引田自身でさえ恋愛対象にされてるわけないと思うのですが引田がかわいい今井はおもしろくないわけです。

前作に引き続き引田の葛藤が綿密に描かれています。
努力しても必ず報われるとは限らないという現実の悲しさになんだか切ない気分にもなっちゃいましたね。

正直な話、これが最後だと思うと物足りないと感じてしまいました。

今井と引田の一緒に過ごす場面が少なくて(大学生と高校生だから当たり前なのだけど)萌えの山場が前作より低かったです。
これがまだ続くならいいのですが最終巻ならもっとラブ要素が欲しかったところ。今井の出番がとにかく少なめだったのが残念かな。

もしかしたらこれからじっくり読めばまた感想ががらりと変わるかもしれませんね。

さっぱりした絵なのにエロが妙に生々しいのはなぜでしょう。
素敵な二人でした。私の萌えの視野を広げてくれた作品の一つとなりました。

4

会えない時間が愛育てるのさ

読んだ最初の感想はタイトルの一節でしたね。
シリーズ最終巻みたいですね。これからの二人に必要なステップだったと思える、ちょびっと困難アリ?なお話でした。
大学の寮に入り、野球部の下っ端としてまた新たに活動を始めた今井。
毎日会えないという状況の二人の間に微妙に入り込む他人の影に、引田だけじゃなく今井が悶々とするのに萌えでしたね!
引田の自己評価の低さゆえに色々見えてない様子にやきもきする今井。
引田の周りに見える女の影に、何でもないふりして実は全然穏やかじゃない今井。
部活を頑張ると決めて、中々会えなくなるのを我慢する今井。
今まで今井に振り回されて、オロオロしてばかりだった引田が、逆に今井を振り回してる様がちょっと面白かった。
これらの事を通して男の子として少し成長する姿が見れたのはとても嬉しかったです(オカン視点ですが)
そうやって成長した事により、今井の言う所の色気が出てきてるんでしょうね。前から確かに妙な色気がありましたけど、今ははっきりと出てる!って感じです。
今回はかなりエロかった印象。やってる事は多分標準くらいなんでしょうけど、この二人だと思うと妙にエロい。
多分引田がかなり積極的に今井の事を、「男として」好きだと思い始めた事と関係あるんでしょうね。
この二人の力関係がずっと今井寄りだったのがいい感じに是正されて、これからに更に期待が出来るようになって、ほっとして送り出したような気持がしました。(どこまでもオカン視点…)

ところで、思うにボンちゃんは絶対あの子の事好きだったよね?
ボンちゃんが上手くいく事をちょっと願ってしまいました。

3

ゆっくり、じんわり心にしみわたるお話でした。

この巻で完結なのですよね?
このお話、BL再デビューの頃アマゾンの高評価に惹かれて購入したのですが、当時プラトニックや学園ものを素直に受け入れられない部分があり、さほどトキメキを得られなかったのですが、色々な作品を読むうちに、こうしたじわりじわりとしたモノの良さがわかってきて、、、
この「枯れない花」も読んで切ないというよりは、ものすごくあったかい気持ちにさせてくれる作品でありました。

今井先輩は大学へ行ってしまって、自由に会うことができなった引田。
離れても電話のやり取りで繋がりあう二人が、それで力をもらっているんだなって信頼を感じさせます。
引田が、バレンタインのチョコをもらったり、今井からお土産でガラスの花をもらったり、自分には似合わないって思っているけどそれは、引田のコンプレックス以外のなにものでもなかったと思うのです。
今井は引田がかわいいと思っているし、チョコで絵のモデルを頼んだ女生徒の岡田も、引田の体にドキっとして思わず「付き合おうか?」って言うくらいだし、ちゃんと見ている人は見ているのにね。

今井みたいに格好いい男になりたい、っていう部分と女みたいに今井を求めてしまう部分と、そんな矛盾する二つの心に悩む引田の、野球へ打ち込むっていう気持ちを、今井は何もいわず我慢して見守る姿が優しさに溢れていました。
今井目線の描写がないのですが、かなり彼には会えない期間はこたえたはずでしょう。

でも野球部も終わり、やることをやったって引田が引退した時、ちゃんと待っていてくれた今井。
「花は たくましく咲いてるいじらしいのが、おれは好きだ」って言ってくれたことで、引田の迷いは解消したのでしょうか。

とにかく今井の影で引田を支え続ける、そして見守る姿があたたかい。
ちょっとブサの引田がエチの時、とても色っぽくてかわいい。
その顔は今井しか知らないんだよね~と、そんな部分に何故か魅かれていました。

2年後の姿が描き下ろしにありましたが、変わらずにゆっくりとゆったりと、ずっとこのままの二人なのかな?と安心感がありました。

1

BLでしか描けない

ホントに、これこそBLでしか描けない世界。
最初は、絵にあまり魅力を感じられなくて、随分長いこと1作目に手を出さずにいたのですが、このシリーズ、本当に読んでよかった。

野球部のスター選手の先輩・今井に、なぜか愛されてしまったぱっとしない後輩・引田。
この、引田の不細工さ、「いくら何でもBLでコレはない」レベルなんですが、その不細工であるところこそが、この作品のキモな訳で。

1巻、2巻と進んできて、この3巻目は、今井が卒業して、二人はなかなか会えない遠距離恋愛状態のお話です。
引田は、今井とちょっと物理的な距離があくことで、
男として、男らしい今井に憧れ、追いつきたい自分と
女のように、男らしい今井に、可愛がられ、愛されたい自分の、
両方の気持ちに気付いて揺れ動きます。
この揺れる気持ちを象徴するのが、クラスメイトの女子からもらった、綺麗にラッピングされたヴァレンタインのチョコであり、今井の沖縄土産の、むき出しのままのガラスの花。
このどちらの花も、絵的には、あまり花らしく、綺麗に、華やかに描かれません。
それでも、引田の心の中では、かわいくて、きれいな花なのです。

この、引田の心の動き、
これこそBLでしか描けない世界。

この、究極のBLマンガ
読まずにいたら、もったいないです。

12

これぞBL!

遂に完結ですね。
Hertz本誌で読んでいましたが、こうして一冊になるとまたいいものですね~

私がこのシリーズに出合ったのはまだBL読み始めて日が浅い時でした。
初めて読んだ感想は、なんだこのブサイク受は!!…でしたw
BLとは美しい男同市が絡み合ってこそ素晴らしいものなんだと信じていたあの頃。
このシリーズのよさが理解できなくて残念でしたね…
たしかにビジュアル的には残念な(笑)引田ですが、見れば見るほど可愛いんですよ!
妙な色気がある、という今井の言葉も理解できます。
恋も部活も一生懸命頑張る健気なブサは可愛いのです!

今回はもうラブラブ?にデキあがってる二人。
口絵ピンナップからして、口から心臓が飛び出る勢いでした・・・
こ、こんなエロかったっけ?この二人…
しばらく見ないうちにこんな関係に…前回はスマタ止まりじゃなかったでしたっけ…?
妙な期待が沸きました(笑)
すっかり恋人同士な二人ですが、今回の問題は引田にあるようです。
今井のことが好き。
今井は憧れでもあり恋人でもある、自分にとっては特別な存在。
今井のような男になりたいと願いつつも、今井に抱かれて喜ぶ。
抱かれて、可愛いと言われて嬉しい。
そんな自分に戸惑う引田。
…うん、これでこそBLですよね!
ガムシャラに野球を頑張ってみたり、女の子に告白されて浮かれてみたり、
でもやっぱり中心は今井のことで。
この引田のグルグル思考がまさに青春でした!
引田の迷いも結局は今井の言葉で簡単に収まってしまうんですよね。
引田が今回迷いに迷って考えぬいたことは、決して無駄なことじゃないと思います。
今後、今井との関係を続けていく上で重要なステップだったんだろうと思います。
このことを乗り越えてこそ、二人の絆はより深まったんじゃないでしょうか。

今までエロ描写はすっごくライトだったんですが、今回は作品全体からフェロモンが噴き出ています。
エロ描写が多いわけではないんですが、二人の作り上げる雰囲気がエロス!
今井の「先っちょだけ」発言に激しく動揺…というか萌えてしまったんですが
その後の二人が気になります(笑)
引田の「足を絡ませたい」発言もよかった。萌えた、萌えたよ!!

たいしたヤマもない穏やかな作品なのですが、沸々と胸に沸くものがありますね。
この静けさの中、揺れ動く引田の葛藤が絶妙でした。
引田、男前になったよね・・・
そして今井は相変わらず男前です。変態男前王子。大好きです!
描き下ろしの「2年後」も、まだまだ初々しくて嬉しかったです♪
この調子でずっと仲良く過ごしてほしいですねー^^

6

この先もこうやって、この二人は一緒に大人になっていく

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
ブサイク受け(でもそこが可愛い)代表のこのシリーズも、とうとう完結のようで寂しい限りです。
今井の大学入学を迎え、少し離ればなれになった二人。
物理的に距離ができたことで、改めて自分の恋心を自覚した引田が、見事にぐるぐるぐるぐるしだします。

同じ男に男らしさを感じてどきどきしてしまう。
女の子になりたいわけじゃないのに。
自分も格好良い男になりたいのに。
…そんな男だからこその引田の気持ちの揺れが丁寧に描かれていて、実に焦れ焦れ展開なんですが、そこがとても良かった。
悩みは綺麗に解決するわけではありませんが、野球に精一杯打ち込む事で自分の中で昇華させようとする引田が、心から素敵だと思いました。
頑張ったからこそ、素直に弱音を吐いて甘えられるんですね。

引田も素敵でしたが、今井先輩も更に素敵度が増してます。
ぐるぐる引田を強引に引っ張り上げるのではなく、決して急かすことなく、じっと我慢の姿勢で待っている姿がすごく格好良い。
真面目にコツコツ、努力を絶対に惜しまない引田の良さを、ちゃんと認めているからこその対応に、ちょっと感動しました。
『聞こえない声』の頃、つい暴走しがちで押せ押せだった今井先輩も、(多分やせ我慢もあるだろうけど)待てるようになったんだなあ…。
引田より1年分だけ先に、少しだけ大人になった今井先輩の横顔が、凛々しく映りました。

毎日毎日変化する心を抱えながら、ゆっくりゆっくり進み、でも着実に一歩ずつ成長していく二人の恋は、ジェットコースターのようなドラマ性は皆無です。
でも、ゆるやかに転がってゆくような速度だからこそ、じんわりと沁みるような良さがあり、まさに青春の危うさと眩しさが詰まったシリーズだと思います。
これから先も、二人一緒に大人になっていくんでしょうね。
それが想像できる、素敵な二人でした。


そして扉絵に激萌えしました。青春エロス降臨!
2年後の描き下ろしの引田のスーツ姿も、超絶かわええ…。
だめ押しの一枚、カバー裏の肩車の二人が止めとばかりにラブリーすぎて、わたし萌え死にいたしました。バタリ(突っ伏し)

4

ついに、完結!

前作「見えない星」の続きです。

今井は、高校卒業前ながら大学の野球部の練習に参加しています。
引田は、今井が引退した後も頑張っています。
そんな引田が、クラスメイトの女子からヴァレンタインにチョコを貰います。彼女いわく”チョコは賄賂”だそうですが、果たしてその真意は…

今までのように逢えない2人。久しぶりに今井に逢うと、男っぽさを感じてドキ2してしまいます。
カッコイイ男になりたいのに、今井に“カワイイ”と言われると嬉しくて、まるで女の子のような喜びにいっぱいになってしまう―  そんな自分が判らない…… お花のような女の子に嫉妬してしまう…

そんなグルグル状態の引田が愛しく、それをじっと我慢の子で見守る今井。

今の自分は何をしたいのか、何をやっていきたいのか――
将来のことも含めて、今の自分が出来ることを精一杯やって、それでダメでも精一杯やったことには変わりない。そんな自分を認めてくれる人がいる限り、大丈夫……


淡々とした話の運びが心地好く(Hも効果音が少なく淡々とした印象ですが)、それでも2人の熱い心が伝わってくるいいお話でした。
3冊のお話とはいえ、1冊1冊のインターバルが長くて、その間に何度も読み返しては2人の行く末を見守っていました。それだけに、ついにエンドマークがついたことに最後まで読めた達成感と、もう読めないという残念な気持ちで一杯ですTT

引田くん、りっぱなグローブ職人さんになれるように応援してるよ!!


番外のスーツ姿の引田くん、ちょっと大人になっていてgoodです^^v

4

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