極東追憶博物館

kyokutou tsuikoku monogatari

極東追憶博物館
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神34
  • 萌×212
  • 萌15
  • 中立3
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
20
得点
266
評価数
67
平均
4.1 / 5
神率
50.7%
著者
ARUKU  

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
ルチルコレクション
シリーズ
極東追憶博物館
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784344818026

あらすじ

祖国を離れ小さな博物館の雑用係として働く青年と、彼の美しい手に恋した留学生。実らないかに見えたその恋は!?珠玉の短編集。
(出版社より)

表題作極東追憶博物館

ヤスオの手に恋をする
戦争により極東の地で博物館の入場気券係をする日本人

同時収録作品ギャンブラー大竹

定職についていないギャンブラー
会社員で大竹の同級生

同時収録作品シュミジエ

百貨店の経営者,37才
オーダーメイドのシャツを作る職人

同時収録作品役に立たない人

車のエンジン開発が本職
広場の管理人

同時収録作品恋蜘蛛

受様の借金を肩代わりした帝国軍人
攻様に囲われて過ごす

同時収録作品ウルトラマリンブルーシティ/アクアマリンブルーウォーター

人魚

同時収録作品楽しい俳句教室一 春麗ら/楽しい俳句教室二 夏来る

広告代理店に勤める会社員
加賀美に俳句を教える若手俳人で大学院生

レビュー投稿数20

シリアス、ファンタジー、ラブコメ!!どれも秀逸の短編集

アルクさんは短編もいい!!良すぎて長編で読みたい、続きが気になる~、もっと膨らませて是非とも長編で読みたいよぅ、、そんな作品ばかりでした。
中でも表題作がツボに入りまくりで、短い話なのにウルっと。この話が好き過ぎるので神評価。

『極東追憶博物館』
博物館で働く天涯孤独な康夫の手に恋をしたグレゴリー。
グレゴリーに断りの手紙を書く康夫の気持ちが切ない。
一言自分が男だと言えばいいのに、手紙を書くのは、愛されたままで居たかったからなんでしょうね。
グレゴリーが愛を説けば説くほど、、康夫は苦しくて、、。
グレゴリーを愛してしまう康夫の孤独さに胸が切なくなりました。
そしてラスト、康夫はグレゴリーに、、。
ハラハラしたけどラストはハッピー。ああ、ホッとした、、。
寂れた博物館の設定が効いています。童謡を歌うシーンとか、、ハッとさせるシーンを描くよね~、アルクさんは。

『ギャンブラー大竹』
イケメンで頭もいいのに自堕落な生活を送る大竹。
大竹の世話を焼く友人。バレバレなのに好きだと言えない恋に純な大竹が可愛い~。

『シュミジエ』
恋がわからないテーラーのクロード。
初めての恋にテンパリまくり!頬染めて泣き崩れるクロードに鬼萌え~。

『役に立たない人』
役に立つって、、そんなあんた!って思ったけど、嫁にするなら良し!

『恋蜘蛛』
かつての旧友に妾にされた雪也。だが、男は2年も何もしなかったのに、突然雪也を抱き、、。二人の思いは通じたのかも知れないが、悲劇的な未来が待ち受けてそう。
しっとりと切ない雰囲気が素敵。

『ウルトラマリン~』、『アクアマリン~』
仕事人間の深海の前に人魚と名乗る青年が現れた!ファンタジーです。
いろいろびっくりです。謎が多いので長編でじっくり読みたいよ~!!
金魚と話す人魚がツボりました。
この二人はどうなっちゃうのでしょう?一つになって海へ還るのかな?

『楽しい俳句教室』
カワユイ俳句の先生とちょっとチャラいサラリーマンの話。ラブコメ。
先生のカワイコちゃんぶりにドキューン!

どの話も面白かった!やっぱりアルクさんが好きです!もう、好き過ぎな位好きだ~!!
まだまだ、書籍化されてない短編があるので、本にしてほしいよ~!!

10

恋にならないギリギリの距離とむずがゆさで

唯一無二のストーリーテラーARUKU(遥々アルク)先生の短編作品集。

「ギャンブラー大竹」
大竹と斉木って(シテイーボーイズ?)高校の同級生?の関係で、自堕落な大竹の身の回りのお世話をしに斉木がたまに来るという間柄。大竹は斉木が好きらしいよ。短編のせいか何の説明もなく、ニュアンス系で。でもこういうの好きです!

「シュミジエ」
フランス?のオーダーシャツ専門店の若き職人クロード。人間の中身に興味がなく、ただ体のサイズ・数値のみで認識している。そこに現れた完璧ボディサイズの新進実業家。採寸時に突然キスされ、生身の人間の血潮を知る。
「知らなくて…生きてる人間ってあんなに…」アタフタして泣いちゃうクロードがかわゆい。

「極東追憶博物館」
ロシアの街に一人ぼっちで暮らす日本人ヤスオ。彼は街の小さな博物館の入場券係。ある日、券の差出口で男に手を握られ「手に一目惚れしてしまった」とラブレターをもらう。どうやら女性と勘違いしているらしいと思い、断りの手紙を出すヤスオ。だがロシア男グレゴリーは諦めない。
日本に出す手紙が送り返されて自分には失うものはない、と自覚するヤスオ。モスクワに帰るというグレゴリーに自分の手首を捧げようと考える!
「あなたごともらっていけばいいんだ」ヤスオをさらってゆくグレゴリー。帰る場所のないヤスオの居場所になってくれるといいな。、

「役に立たない人」
切ない…何が切ないって、自分の存在が世の中の何物にも全く意味のない存在と思い知る事。営業マンの男が、広場の管理係優しい心のNさんと出逢う。ある朝鳴っていたことに気付く音楽のように。惹かれ合う心…
(しかしここで唐突にHシーン。Hはなくても素敵な話だと思うのに)

「恋蜘蛛」
親しくもない身分違いの同級生が親の借金を肩代わり。代わりに男妾になる雪也(肉体関係はない)。ある雪の夜、遂に躰を重ねてくる君嶋。「好きだ」とは言ってくれない。「本日満州に赴任するように命令が下った」「連れてってくれなきゃやだよ…」すがる雪也。本当は甘かった二人。軍服の君嶋と赤い振袖の雪也の対比が美しいです。

「ウルトラマリンブルーシテイー」
広告代理店のリーマン深海が地下鉄車内で人魚の男に会う。シュール!人魚は「お宝を返して」と深海に付きまとう。誰のことも好きになったことのない深海。それでも…「元がひとつの命であったなら もう離れては生きていけない気がするだけだ」

「アクアマリンブルーウォーター」
人魚続編。そして人魚脱皮!シュール!「ぬけがら」が粉々になるシーンの衝撃。愛なんて認めないけど、この気持ちはやっぱり愛。なんかこの二人、このまま日常生活送りそう。

「楽しい俳句教室一 春麗ら」
(また)広告代理店のリーマン加賀美。上司に情緒を学べと俳句教室に送り込まれる。講師は若き俳人忍田。女好きの加賀美だが、何故かかわゆい忍田が気になっちゃう。

「楽しい俳句教室二 夏来る」
はじめは反応が面白くてからかっていたのに、梅雨が明ける頃「俺はあれからずっと考えている 感情には何か名前をつけないと ダメなのかい」
加賀美さん、多分それを恋というんです。

8

短編なのがもったいない!

短編集なんですが、短編で終わらせてしまうのがもったいない作品ばかりでした。
不思議なお話だったり、切ないお話だったり、本当に今まで読んだことないようなお話を描いてくれる作家さんです!

「極東追憶博物館」表題作です。
言うなれば"手"フェチなお話。博物館のチケット売り場の男と、その手に惹かれる男。
"手"は確かに綺麗だと見惚れちゃいますよね。
遠くへ行ってしまう男に手を切り取ってあげようとするのは切なくもありました。

「恋蜘蛛」とても短いお話でした。軍人に囲われているだけで、そこに愛とか恋とかないようなのに、一度も口にしていないのに、確かにそこには何かがありました。こんな短いお話なのに沢山のものが詰め込まれていたような気がしました。

「ウルトラマリンブルーシティー」人魚のお話。
一番不思議なお話ですけど、(言い方が悪いですが…)一番軽く読めました(笑)

次の作品も本当に楽しみな作家さんです!

6

何度でも読み返せる味わい深さ

萌か神かで迷ったんですが、この得がたい味わい深さゆえに神に。
正直皆さんが仰ってらっしゃるように絵自体は万人受けしにくい絵だと思われるのですが、読んでいるとものすごくかわいく魅力的に見えてくるこのミラクル具合。
特に表題作の『極東追憶博物館』は何度読んでもじんわり涙腺にくる名短編だと思います。
こんなに充実した短編集は少ないような気さえしてきます。
どのお話も大好きで、本当にアルクさんの魅力にすっかりはまりこんでしまいました。

6

短いけど映画のような物語

短いお話しが沢山入っていたけれど、どれも本当に美しかったです。
アルクさんの絵が癖になってしまって魅力的に感じますし、
切ない雰囲気と少し変わっているけど可愛いキャラクター達に胸がキュンとしました。

中でも表題作が一番好きでした。
『手』から始まる恋。
ほんの一言言葉を交わせば、すぐに終わる恋。
でも、終わらせることができなくて、最後に取った行動には驚かされましたが
とても綺麗にハッピーエンドにしてしまうアルクさんに脱帽でした。

『恋蜘蛛』も好きでした。
何でしょうかあの色気は。
昔は友人同士だったという関係もそそられました。
どれも終わらせてしまうのが勿体ないと思うお話ばかりで、とても満足です。
ぜひお勧めしたい作品です。

6

ARUKUさんの漫画には露西亜似合うかもと思っていました。

よくよく考えたら、この一冊は皆ハッピーエンドじゃないですか?
状況や雰囲気の悲壮感はいつも通りですが、これは素晴らしい。

表題作、いいですねえ。
毎回読みながら、ARUKUさんの漫画には露西亜似合うかもと思っていたので、嬉しいです。

どの話も大人の童話という感じで、漫画というよりも小説の短編集を読んだ気分にさせられます。

最初絵が苦手だったのですが、この話にはこの絵じゃないと駄目でしょう。雑誌のインタビューで、漫画の原作もやってみたいと仰っていらしたと聞きますが、ARUKUさんの話はご本人の絵じゃないと味が出ない気がします。
本当、麻薬のよう。

6

表題作がすばらしい

他の短編はどれも個人的にピンとこなかったのですが、表題作がとても良くて何度も読み返しました。
表題作のみに単行本一冊のお金を払っていいくらいです。

欲を言えば、この二人がこの後どうなるのか、とか、もっと長い物語で読みたかったのですが、この長さだからこそ、物語が引き締まっていて心惹かれるのかもしれません。

0

人魚の話の世界観がすごい・・・!

全部で7作品が収録された短編集です。

いつか読む気ではいましたが、絵柄のせいでなかなか食指が動かなかった本作、なんと『明日屋商い繁盛』に収録されている「俳句の先生x生徒のリーマン」が描かれた短編の前作が収録されていると知り、俄然読む気になりました。
確かに本作を読まないと、あの『楽しい俳句教室』を正しく理解することはできませんでした。
どの作品も素晴らしかったです。

2009年発売なので 顔が果てしなく長く、普段なら絶対読まない絵柄ですが、ARUKUさんはほんっとに例外(現在は綺麗です)。
しかも人魚の一コマがびっくりするぐらいめっちゃくちゃイケメンでした(拝む)。

しっかし、魂の伴侶とその相方はもともと一つの魂だった、という説(ツインソウル)までご存じだったとは、いやはや脱帽、毎回ARUKUさんには驚かされます。

特に琴線に触れたのはやはり表題作:日本人男性の手だけ見て恋に落ちるロシア人の話。
手だけなのに!そこまで好きになるー?!という冷静なツッコミを入れる自分とは裏腹に、心臓の方はぎゅんぎゅん来ました。
公園の話もすごくイイ・・・!
感謝されたら、感謝してくれたことに対してありがとうって言いたくなりますよね・・・すごいわかる。

短編なので、「ヲイヲイ展開早くね?!」と思わないでもない作品も中にはありますが、やっぱり大好きな作家さんです。
えrは話によりますがゼロ~標準的。
出血シーンが少しと(両想いですが)無理やり描写1か所だけあるので苦手な人は注意。

0

大人の女性に捧げられる「メルヘン」

ARUKUさんの作品をこの週末に10冊ほど一気買いして、ずっと読み耽っていました。
どれもこれも読み応えがすごすぎて、2日間ARUKUワールドに取り込まれっぱなし!
1冊ずつゆっくり読むつもりだったのに止まんなかったです。
買うきっかけをくれた幻冬舎セールありがとう!

このコミックに限らず、ARUKUさんの作品のレビューには「おとぎ話」とか「童話」といった形容が頻繁に使われていますが、読むと納得します。
ARUKUさんの創るお話は「創作メルヘン(創作童話)」なんだと思う。
アンデルセン童話のような手法で描かれる作品は、空想的でありながらもリアリスティックに大人の心を揺さぶってきます。
良い意味で、BLという括りを取っ払っても成り立つようなお話を描かれる作家様だと思いました。

一気に読んじゃったのでさてどれからレビューしようかと迷いましたが、まずは個人的に「入口」として一番良いんじゃないかと感じたこちらの短編集から。
7つのお話が入っています。
どれもハッピーエンドなので安心して読めますし、ARUKUさんがどんな作風の作家さんなのか分かりやすい1冊だと思います。

中でも私の一番お気に入りは、
「ウルトラマリンブルーシティ」「アクアマリンブルーウォーター」
仕事で日々を忙殺されるサラリーマン〔深海〕と、彼の30歳の誕生日に突然現れた人魚のお話です。
童話的でありながらもシュールさの付き纏うトーンが面白くって、なのにラストはどちらのお話もすごくロマンティックでグッとくる。
海の青と空の青。海と空の境目で一つを二つに分けられた魂。羽根の生えた人魚。
境界線は無理に引かなくていいのだと教えてくれているような、とても素敵なARUKU童話です。

他の6作品も読み終わった後しっかりと残るお話揃いで、とても満足度の高い短編集でした。
最後に入っている「楽しい俳句教室」は、秋編・冬編が『明日屋商い繁盛』1巻で読めますよ。

6

この、隔靴掻痒感が後を引く

ARUKUさんの初期短編集。
日常的なようで、唐突にファンタジーだったり、繊細でリリカルなようで、突然愛欲が沸騰してみたり。
もうちょっと先が知りたいような、このラストシーンのために全てがあったと思えるような、微妙なもどかしさが後を引く。

ARUKUさんの作品を読むといつも思うのが、情景が絵になって展開するような小説を読んだかのような読後感のあるマンガ。
なんだかややこしい言い方だけど、普段から小説を読んでいても内容を情景でイメージしている私としては、ARUKUさん作品は、物語そのものが持つ力が充分すぎるほど強いので、物語自身が勝手に脳内でイメージを展開し出して、絵は後から付いてくる感じ。
賛否あるこの絵も、この絵だからこそいいとも言えるし、もういっそ絵なしでもいいとも言える。
本音を言えばARUKUさんの作品は小説でよみたい。
絵はキーになるカットを扉に1点、最後に1点で充分なのにな。

3

この作品が収納されている本棚

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