お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
666DOPES

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
佐藤さと先生のデビュー作とのことで、おめでとうございます!
自傷やトラウマがテーマなので、ちょっと勇気を出して読了させていただきました。
テーマは軽々しいものではないけれど、救済に向けて2人が歩こうとしている様子が丁寧に描かれていると思います。
重苦しいというよりは、仄暗いくらいのトーンかな。
ライブハウスや歌舞伎町、キャラクターの佇まいなど、時折ハッとするようなシーンが印象的で、作者さまのこだわりを感じました。
内容はと言うと、
インディーズバンドのメンバー同士で、既に付き合っている2人。
冒頭からちょっと謎めいて掴み所のなさそうな受けのキャラクターと、致している最中に攻めに自傷で出来た「傷を触れ」というダークな始まり。(しかもガッツリ。痛いよー)
自傷がやめられない受けに対して、攻めが理由を聞いても教えてもらえないし心を開いてもらえない…そのもどかしさに攻めが焦れたときから2人がすれ違い始めます。
攻めは受けのことが大好きだからこそ知りたいと思っていること。
昔は簡単な付き合いしかしてこなかったし、面倒だとすぐ関係を投げ出してきた攻めが、受けに対しては投げ出さず向き合いたいと思っていること。
受けは育ってきた環境がヘビーでトラウマがあり、自傷をやめられないこと。
自分の好きなもので身を固めることで、本来の自分を取り戻そうとしていること。
そうした2人の心理描写がとても丁寧に描かれていると思いました。
攻めが強烈な一目惚れで惚れ込んでるし、受けに対して純粋な気持ちで一緒にいようとしているのが、受けの救済に繋がっていく過程が良かったです。
読む人を選ぶ作品かと思いますが、最後に光が見えてくるラストになっているのを見てホッとしました。