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suiheisen ha yagate matataku
文乃ゆき先生の、なんと11年ぶりの新作...!
それだけずっと、「ひだまり」シリーズに向き合ってこられたのだな、と思うと
感慨深いです。
空のスカイブルーから、帯の深い青へのグラデーションに
惹きつけられる表紙。美しいです・:*+
お人好しで誰にも優しいのに、
どこか人に対して一線を引き夢中になることのない快晴(かいせい)。
そんな彼が暮らす寮に運び込まれ、ひと夏を共に過ごすこととなった
名前も素性も分からぬ家出少年・ノラ(名字は作中に出てきます)。
夏休みの間の彼ら二人の交流を描く一冊、
爽やかな表紙からは想像できなかった
意外なトラウマや後悔、痛みが描かれていました。
「上」と巻数が振ってあるように、続きもののこちら。
互いに何か惹かれ合うものを感じ始めているものの、
この上巻では恋人関係にはなりません。
キスもなし。もちろん、その先の展開もなし。
だけど二人の心が、まだ「名前のないもの」として
少しずつ動き出していて、何かが始まる予感に心をぎゅっと鷲掴みされる、
そんな一冊でした。
特に犬飼いの自分には、攻め・快晴の幼い頃の経験が
辛くてキツかった...
自分がヘタレのせいでポン太を救ってやれなかった、
ポン太もきっと自分のことを恨んでいるだろうー
そんな後悔の念を打ち明けた時、ノラが怒ったように
一蹴してくれたセリフ、響きました。刺さりました。
寄る辺なく途方に暮れるノラを抱えて連れ帰り、
「ここにいてええよ」と言った快晴のその行動の原点にある記憶。
「快晴」という名の表すとおりニコッと人のよい笑顔で
懐深いところを見せるも、どこか一線を引いたように淡々としたところが
ある矛盾も、この経験から来たものなのか...と納得でした。
一方のノラの方も、家族の死とそれにまつわる母への疑惑ー
と重いものを抱えていて、真相は上巻では明らかにされず。
これが下巻でそれがどう展開してゆくのか、
気になるところです。
母を疑い、思わず飛び出してきてしまった先で出会った快晴。
快晴の妹の信じる”占い”で
「あなたにとって大事な人が身近にいる」と予言(?)されていたとおり、
二人の出会いは運命的なもので、ここから大きく交わり
良い方へと変わってゆく、と信じたい...!
何気ない会話をして別れたきりー
という、上巻のエンディング。
いや、ノラは家に帰ったの?母親への疑惑はどうなった!?
と、気になりすぎて「下巻をください...!」となってます。
少年らしく、花火ついでのバーベキューでやんややんやと騒いだり
スイカ割りをしたり...と楽しむ二人の様子に
心がふっと温かくなる場面が多々あり、そんな夏休みの描写と
シリアスなパートとの対比、緩急の付け方が見事だなあ...とその構成にも
感嘆のため息でした。
アニメイトでは、「ひだまり〜」の最新刊(春夏秋冬4)と本作の同時購入で
連動リーフレットがいただけます。
ノラが日雇いされたバイト先に快晴もいて、
そこに迷子になった太一(ひだまりの受け)が助けを求めて
飛び込んでくるー
というお話(航平も登場します!)。
太一、立派な社会人なのに快晴&ノラの二人に
”同年代”だと思われてる...!(なんか分かる)ꉂ(๑˃▽˂๑)
思わぬクロスオーバーが楽しい特典リーフレットでした◎
★修正:なし(そういった描写は一切なし)(紙本)