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tōchi

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2作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
 描き方のセンスが半端じゃない
                    描き方のセンスが半端じゃない
                ニャオスキー先生お初です。
読み終わって感じたのは「描き方のセンスがすごい......」でした。
余計だと感じるようなコマが一つもなく、隅から隅まで全ての要素が意味を持った作品でした。
特に、台詞がないコマの使いどころが絶妙です。
台詞やモノローグでは伝わらない、登場人物の内面や場面ごとの空気感が脳内に流れ込んでくるようでした。
去年の新刊はお財布事情が厳しい頃だったのでスルーしており......
今度読んでみたいと思います。
 一人でも多くの方に届いてほしい作品
                    一人でも多くの方に届いてほしい作品
                作家買いで3作とも遠景(好き)の表紙がステキで手に取りました。
絵がかっこよく、余白、行間から受け取るものがすごすぎて。まとめられないので好きなところを上げると長くなりました。
本作のコンセプトからジャームッシュ監督(大好き)のナイト・オン・ザ・プラネットを思いました。1話の冒頭などまさに!でしたし。
COFFEE AND DONUTSのタイトルも同監督のコーヒー&シガレッツをイメージしました。
あとがきにナイト・オン・ザ・プラネットのことが書かれていて、SNSで本作絡みでジャームッシュ監督作の「コミュニケーションがうまくとれないおかしさ」が好きとポストしたら光栄にも先生から「私も(そこが)大好きで」とご返信頂き嬉しかったです。
1話 トーチ
1ページ目がもうかっこいい。背景、カメラワーク?など美しい映像のよう。
高校時代、岩崎の嫌な噂を聞く時、樋口がお弁当のことで話を逸らしたのがやさしさというかそんな話を聞きたくなかったのだろうと感じました。
雨が降ってきて…回想シーンも雨。岩崎との思い出も雨。
回想シーンの樋口の表情、モノローグ「熱くて」がたまらない。
高校野球、震災、誕生日ケーキを買い、雨が雪になる、ここから岩崎の姿は見えない。
岩崎の娘さんがかわいい。お父さん似かな。
トランクいっぱいのお土産とプレゼントに愛を感じます(涙)
娘の誕生日にプレゼントを渡したい岩崎が、その日に誕生日でもある樋口に会いにきたんでしょうか。
樋口が野球部でかっこよく、岩崎がきれいでかわいい。2人とも魅力的でいい話。
死者との邂逅、淡い恋心、誕生日を祝いたい気持ち。
2話 9時にサウスサイドで
舞台はニューヨーク(ニューヨークが舞台の映画もタクシードライバーも好き)
ナットキングコールは嘘つきギズモにも出てきましたね(文字が一部隠れていたけど)
曲はティズオータム(秋が来た)。歌詞を検索したら2話にぴったり。
何度も繰り返し流れてくるラジオがだんだんおもしろくなり。ドライバーのまたかよ〜なリアクションに笑ってしまって。
ドライバーが乗客への対応を変えていきどうなるのー?!と釘付けに。
大真面目な2人がどこかユーモラスで。
暴走する方となだめる方、立場が逆転していく。
で、やっと世界線が変わりループから抜け出す。
2話のテーマ「怪物」の複数の意味もいい。
乗客「俺たちはイカレちまったんだな 人を好きになったせいで」←この後のドライバーの顔アップがすばらしい。図星をつかれた…みたいな。
繰り返しの中で乗客の「いつも間違える」が改善され「人を愛したことがない」ドライバーとの何か(恋?)が始まるのか…なラストがおしゃれ。 
恋愛をあきらめた男と恋に破れた男が何度かのループで気持ちが変わり惹かれ合うお話。
余談ですがベタに「素敵な選Taxi」というドラマを思い出しました。
3話 最後の旅
こちらも好き。のどかな日本のどこかが舞台。
みーくんといっちゃん…かわいいやりとりがおじいちゃん同士。おもしろい。
またまたドライバーがかっこいい。
蓮池もステキ(好き)。
「だから自分を偽って安心できる道を進もうと思った」←このコマのタクシーをとめている道の片方が崖で「安心できる道」とは真逆。人生は崖と隣り合わせとの表現かな
「誰かにとって人生が楽勝だったことがあったか?」←ほんとそう
ドライバー(山田稔)が電話する時、こっそり涙するお姉さんに泣ける。長年陰ながら稔を見守っていた姿を想像できる。助演女優賞をさしあげたい。
カレンダーが昭和40年代。
現在から過去の自分へのメッセージ的なお話。
4話 トーチソング
このお話も大好き。
一之瀬がまたかっこいい。
三弦のことを語る一之瀬にドキドキ「しつこいしアイツ」におやおや?と思ったら
「俺がアイツのこと振ったからだよ」でBL的に悶えました。
回想シーン、三弦が一ノ瀬にバックハグ…冒頭の二葉の一之瀬へのバックハグとの対比。
「俺が寝れるって思ったのはお前とだけだったけど」←そうなの?!と二葉と同じリアクションになった。いいぞー!!
その後の二葉「だって…俺も一ノ瀬のこと好き…だから」にひっくり返り萌えました。BL最高〜。
わかりやすい二葉とは対照的に無表情でクールな一之瀬の気持ちを想像し萌え萌えします。
二葉の言い分もわかるし一ノ瀬のセリフが深い。
三弦が死んだ理由は誰もわからない、残された者はそのことに苦しむ。こんな一言では説明できませんが、一ノ瀬のセリフがすばらしい。
切ないモノローグ(誰のものともとれる)と対照的なとぼけた三弦の歌詞がユーモラス。
ドライバーの顔が見えないと思っていたらここで登場。1話の樋口ですよね。
「今戻ればきっと会えますよ」が教訓的。
戻る二葉と一之瀬はどうなるのか。それだけでBL1冊になりそうです。
この日は同窓会で三弦の命日で、二葉は同窓会、一之瀬はお墓参りに行っていたのでしょうか。
ラジオ全局で三弦の曲が流れるのは、このタクシーだけかも…と思いました。
またベタですがタイトルから「トーチソング・トリロジー」という映画を思い出しました。
1〜4話は冬・秋・夏・春。
春夏秋冬の逆。
時系列では1と4話がつながっている?
COFFE AND DONUTS
こちらも好き。
タイトルバックが超かっこいい。全ページかっこいい。
回想、ウィルを保護した翌朝、コーヒー片手にドーナツをほおばるジョシュから強い思いや覚悟が伝わる。
そのジョシュがかつての自分のように酷い現場に弱いウィルを相棒とし、トミーからの言葉「お前はそれでいい」を微笑みながら言う。
やさしさの連鎖。言葉にできない感動があります。
あとがき、タイトルの意味もステキ。
タクシーは場所だけでなく時をも駆ける。
あちらの世界にいってしまった人も乗せる。
後悔ややり残したこと、伝えられなかったこと…今からでも遅くない、それでも生きていこうね、などやさしいメッセージを感じました。