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yubinhikouki yori ai wo komete
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
1945シリーズの番外編集。なんと26本ものSS・短編収録で、牧先生のイラストのみならずマンガも読めてしまう、超お得な一冊。
2013年から2018年にかけての同人誌や特典ペーパー等をまとめた大変貴重な作品集です。
本当に本当に発行ありがとうございます。堪能しました!
「碧のかたみ」「天球儀の海」がお好きな方は是非是非是非に読んでいただきたいです。
収録のほとんどが六郎×恒のお話です。資紀×希のお話も。
(残念ながら「蒼穹のローレライ」「プルメリアのころ。」「彩雲の城」CPはお休みです)
すべてにコメントすると大変なことになってしまうので、特に気に入ったお話のみレビューします。
○郵便飛行機より愛を込めて
ロジャーという米兵が主人公。
島から本国に引き揚げる病院船の船底に牢があり、ロジャーはカードで負けて牢の見張りをすることになる。
牢内には敵国の捕虜が二人居るが重傷で、片方は眠っているのか死んでいるのか分からないような有様。
この二人が恒と六郎で、最初こそ警戒していたロジャーですが、食事を運んだり片言の英語で意思の疎通をはかるようになって、徐々に彼らのことを気に掛けるようになっていくというお話。
そうなんです、「碧のかたみ」の補完ともいうべき内容でして、あのとき、二人がどのように過ごしていたのかが明らかになります。
そして、敵同士である恒・六郎とロジャーとの交流も描かれます。
戦後、日本に帰国する前にロジャーが二人と再会した場面が好きでした。もう顔を合わせることは無いでしょうけど、お互いの心の中にはきっとずっと居るんだろうなと思えるよいお話でした。
○桜雨
戦後、行方を眩ませている希が父を介して恒と連絡をとり、対面するお話です。
兄弟がやっと会えました。
資紀のことがあるのでとにかく人目に付かないように、何回も場所を変えて誘導する希を見ながら、私は「碧のかたみ」で恒が寝言で希の名前を呼んだり、「兄ちゃんがんばるからなー」と自分を鼓舞したりしていることを思い出し、悲しくなりました。
恒も痛む身体をおして杖を突き、文句も言わず言われるままに移動します。手紙で資紀の名前を見て、仰向けに寝転がる場面。何もかもが腑に落ちたんだなと分かり、胸が痛かったです。
ようやく希と対面したときに、まっさきに無くした方の手を掴んだのが恒らしくて、その後の心無い罵倒も自己嫌悪もすべてが辛かった。崩れた恒を六郎が掬い上げたのが救いで、一緒に居てくれて本当に良かったと改めて思いました。
戦争で痛めつけられた心と身体と思い出と現実が、この二人の兄弟の再会をこんな風にしたのだと、悔しい気持ちでいっぱいでした。
でも、少しずつ、飲み込んだり踏みだしたりしながら、最後は笑顔になれたことに安心しました。
満開の桜が象徴的でした。
○天の川の話
織姫彦星の年に一度の逢瀬に思いを馳せる六郎と、お前は馬鹿かと一刀両断の恒の会話。
廃品の操縦桿をつかって、「キューン、バリバリバリー」と飛行機ごっこをしている恒がめちゃくちゃおかしいんですが、疳の強い小学生みたいな恒がそういえば天文学者の息子だった、と思い出させられる一作。
その後の牧先生のマンガも可愛い。
○星空地図と六等星
希の同期の石田が主人公。
予科練での希の生活が描かれます。
終始おとなしく控え目で、体力的に訓練の成績もそれほど目立たない。
それがある日、「五連星の琴平」の弟だと知れた際の周囲のざわめきが面白かったのと、「兄がご迷惑を」と頭を下げる様子がいじらしくて、笑いがこみ上げてしまいました。
○嫁に来ないか
「郵便飛行機より愛を込めて」の関連SSです。六郎視点です。
病院船が大陸について病院に運び込まれ、寝たきりの恒につきっきりの六郎が、アメリカの豊かさを思い知って、勝てるわけがない、としみじみ実感する場面と、恒が朦朧としながら「目が覚めるたびに景色が違う」とつぶやく場面が、まるで映画を見ているようでとても好きです。
こんなに短いお話なのに、投降の時のエピソードや、タイトルどおりのプロポーズの場面など、見所満載過ぎて大好きです。
はー…「神」以外ちょっと付けようがないな…と心から思える、
珠玉の短編集でした。。
読み終えた直後の今も、呆けています。
コミコミさんで小冊子&アクリルコースター付きで購入、
分厚い本を(395P)毎日少しずつ少しずつ読み進めました。
まず、本編の前の口絵イラストだけでも価値がある…と思えるぐらい、
牧先生のイラストが素晴らしくて。
六郎に抱き上げられ、今まさに紙飛行機を飛ばそうとしている恒と、
そんな恒を抱き上げながら大きく口を開けて笑う六郎。
(普段優しくて落ち着いている六郎のこの表情、たまらなく胸に迫ってきます)
そしてその二人の後ろには、資紀×希の姿が…
右手に白い手袋をした希の姿には、痛々しさはや悲痛なものは感じられず
ただただ4人が幸せそうで。
口絵イラストだけで、泣いてしまいそうでした( ; ; )
「碧のかたみ」の六郎×恒(大好き。シリーズで一番好きなペアです)、
そして「天球儀の海」の資紀×希。
2ペアの短編集である本作、どのお話も短いながらも強く印象にり、
胸の深いところに優しく触れてくるものばかりでした。
特に恒と希、兄弟の再会シーンは、、もう、、
自分の語彙力のなさが悔しいですが、感動が言葉になりません。
会えて嬉しいはずなのに、深い心の傷を負っている恒は初め、
希をなじり、責めるような言葉しかぶつけることができなくて...
”戦争”というものが、人の心にどれだけの負債を残していくものなのか。
フィクションではありながら、それをまざまざと見せつけられたような
気がしました。
その後の資紀と恒のやりとり、希の写真を差し出す代わりに
ささやかな(?)報酬を受け取ろうとするー
というシーンには思わずふふっと笑いが漏れました(*´艸`)
六郎の恒甘やかしっぷり、大好きっぷりが目立つけれど
(自分がこのペア贔屓なのもあり)、
資紀の希溺愛っぷりも相当なものですよね。
足を引きずる後遺症を負った恒のゆっくりとした歩みに、
常にごく自然に合わせて歩いていく六郎。
愛の深さが眩しくて、温かくて、そしてちょっと切なくて
胸がいっぱいになります。
いよいよアメリカから日本に帰国するーとなった際の、
飛行場での恒からの思わぬプロポーズ。
そして互いの傷をいたわり合い、
「すまないな」
「なんの」
と声を掛け合う、二人の日常。
ああこの二人は本当に”ニコイチ”であり、唯一無二の”ペア”なんだなあ...と
すっと腑に落ち、心が満たされるシーンが散りばめられていました。
二人がアメリカで捕虜となり、
輸送される際に出会ったアメリカ兵・ロジャー視点のお話も刺さりました。
何年もの後に再会を果たすことができた時にロジャーが漏らした、
「ここに残る気はないか」という言葉。
確かに芽生えた友情、寂しさ、二人のために涙を流してくれる
元・敵国の兵士ー
シリーズの本は全て拝読していますが(新装版)、
またあらためて一冊一冊、じっくりと読み返したいな…という気持ちの
湧き上がってくる、珠玉の短編集でした。
旧版もよんでいますが、新装版がでたということで、よんでみました。
以前から、大好きな作家さんの作品です。
今回、新装版がでることで、また多くのひとたちによんでもらいたいと思いました。
1945シリーズに登場する人々の後日談や、番外編などが収録されていて、本編ではわからなかったこともくわしく書かれていて、たのしめる一冊になっているとおもいます。
とくに、終戦直前、撃墜され米軍の捕虜となった主人公たちに、なにがおきていたのか、というお話が、心にのこりました。
新装版 発売おめでとうございます。
まずは、今回の新装版の表紙をSNSで拝見した途端に旧版を読んだ日の想いや1945シリーズ作品への想いが一気に胸に込み上げてきました。
桜咲く中4人が揃い、恒と希が並ぶ絵はこの本の中に収められている数々のエピソードを思い起こさせました。
旧版からの作品や特典ペーパー、同人誌などの作品をぎゅぎゅっと収めた今回の本は、シリーズのファンの方々が絶対読みべき作品です!
どうかこの本を読んでいただき、また本編を再読して、またこの本を読むという「いつもの私」と同じように楽しんでくださる方々が増えますように!
そして。
こんなに愛おしい1945シリーズという作品を書いてくださる尾上先生
愛おしい彼らを描いてくださる牧先生
そして何よりも、シリーズ作品を再び新装版として発行してくださった編集部の方々にただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
琴平兄弟でいっぱいの本をありがとうございました。
『碧のかたみ』の六郎と恒、『天球儀の海』の資紀と希。
それぞれの作品の後日談であったり、本編のストーリーを補完するような内容になっていたりと、この番外編集において琴平兄弟を取り巻く世界観がより一層強化されたように思います。
この作品の旨味は何といっても、二つの作品の橋渡し的な役割を果たしていることでしょう。
個々別の作品であったときは、恒は六郎と、希は資紀と。各々の出会いを起点とし、惹かれ合うようになり、そして恋人同士へと関係を深めていく経過を追うのがメインでした。それがこの番外編によって、恋人への愛情だけではなく、父子愛や兄弟愛を含めた家族愛、同じ環境下に身を置きながら切磋琢する友人愛、人種の壁を越えて育まれた親愛の情といったことにも触れ、ストーリーに広がりと奥行きが増しました。
番外編ならではのエピソード集だと思いますし、本編にはないフランクさやとりとめのない日常感をこのフィールドでしか味わえないことを思えば、ちょっとしたお得感を感じる一冊でした^ ^
厳しい訓練や過酷な生活の合間にも、こんな風に穏やかに過ごす時間があったんだと。国のために戦う彼らも、愛する人のため、自分のために生きる1人の人間なんだと。
なんて事のないささやかな場面1つ1つから登場人物たちのその人らしさや素の姿が見えた気がして、過酷な一時代を共に過ごした多くの人たちの生命力や息吹をも感じるストーリーになっていると思いました。
歴史の重みも同時に感じながら味わっていくストーリーは、時に戦争の恐ろしさを目の当たりにするシーンも登場します。捕虜にされたばかりの六郎と恒の姿は目を背けたくなるほどの生々しさがありました。
これが彼らの生きる世界であり、時代なんですよね。
こういうリアルに近い情景描写の中で、この作品の重みや深さを理解することが、六郎と恒を……または資紀と希を知ることの礎だと言えるでしょう。
取り扱う時代と内容が重たいせいか、"BL"とジャンル分けするには少々心許ないような気がしました。BLの枠に止まらずとも、一般小説としても遜色のないストーリーだと思います。
BLのような、ブロマンスのような、ヒューマンドラマのような、ドキュメンタリードラマのような、回顧録のような。色んな表情を覗かせる彼らの物語にぜひ浸って下さい。