目眩はまどいのつがい

memai ha madoi no tsugai

目眩はまどいのつがい
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神174
  • 萌×241
  • 萌15
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

113

レビュー数
29
得点
1080
評価数
232
平均
4.7 / 5
神率
75%
著者
早寝電灯 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403669804

あらすじ

地震によって帰宅できなくなったオメガの波止は、アルファの店主・和巳が営む古書店に一晩泊めてもらうことになる。「常連客と店主」だったはずの関係は、非日常の中で不意に近づき……?

表題作目眩はまどいのつがい

書店屋、訳ありのα、34歳
サラリーマン、鈍感なΩ、24歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし

レビュー投稿数29

普通を重ねて紡いだ幸せの物語

Ωが苦手なα 岸 和巳とちょっと抜けているΩ 藤ノ木 波止

「同じ船に乗る」
最初の方に出てきた和巳の一言が、波止の中に大きく残った事から始まった

出会った時からお互い第2性が反応しているのだけど、抜けている波止は気がついてないし、Ωが苦手な和巳はそんな自分に少し嫌悪感まではいかなくても違和感を持っている
ただ、お互いに惹かれているのは事実だけどしっかり性別じゃない部分で個人として中を深めていく様子に、ページがどんどん進んでいく

親しくなってお互いの気持ちがはっきりわかった頃に第2性の部分が大きく出るのだけど、負けそうになっても重ねた時間があったからこその互いの行動で互いの気持ちの部分を守ったから付き合う結末だと思うと個の部分で関係構築してきた2人の関係ははなまるって思うのです

しかし、つがいになりたいってことに対して付き合うってことですねって、、、、波止は本当に鈍くて可愛い
あと、波止のちょっと角度の違う発言が真っ直ぐだからことの言葉なのだけど、可愛い
こんな可愛い波止だと和巳は心配だろな
和巳がお互いの気持ちを伝える時に「つがいになりたい」って言葉を使用したのが、ものじゃないけど取られたくないと言うことがより感じるものとなりました
しかし、和巳は典型的なαだろうに付き合うまで本当に我慢した部分多いのだろうな
なので、付き合ってから構いたがりαのリミッター解除が早かったのだろう

付き合いだしてからの1回目はえっちは波止のちょっと角度の違う発言にびっくりしつつおめでとうの気持ちになり、初めての発情期のえっちでは波止の真っ直ぐな気持ちからの発言にαの和巳は救われたのだと思う
そして、発情期のぐずぐずな波止可愛かったぞ

実は年齢差10歳でそれなりにある2人
だけど、波止の真っ直ぐさはこの2人の関係に良い効果をもたらすし、Ωが苦手だった過去があるからこそ和巳はしっかり向き合いながら関係を構築していくだろうかこの2人は大丈夫なのだろうと思える

書き下ろしの波止が自分と友達と仲良くなって、友達にやきもちやいた和巳にちょっとふふっとなる、これからも波止にいっぱいカッコつければいい

0

早寝さんの空気感

早寝さん独特の空気感ですね。
読者の力量を問われるといいますか、静かな落ち着いた表現といいますか。

正直読んでてはじめはよく理解できませんでした。オメガバースものだと知って読んでるのにピンとこなくて。

和巳さんが波止を構うのや過保護なのや特別扱いなのはどうして?とか。

最後の方まで読むとやっと、和巳さんにとって波止が特別なのや惹かれてるのやらが納得できました。
また、波止が鈍いということもなんとなくわかると、これまでのことがわかってくるというか。
波止にとっては初めてのことばかりですからね。
過保護な波止の兄の影響もあるのかな?大丈夫って言う言葉の使い方とか。

運命に流されない二人、いいですね。
ちゃんと交流を深めて。
でも和巳さんの構いたがりや独占欲や嫉妬やらも萌えました。プロポーズみたいな台詞も。

早寝ワールドをちゃんと理解できるようになりたい!何回か読み直すとわかるのかな?

0

様式美的ファンタジーの魅力を味わいました

早寝電灯先生のオメガバース作品です。

こちらの『目眩はまどいのつがい』で個人的にテンション上がったのが、攻めである和己さんの盛り盛り設定です。
ガタイの良い髭アリ美丈夫で、どこぞでSPなどやっていてもおかしくないようなその抜群のスタイルを備えつつも職業は個人書店の店主、というそのギャップ。
穏やかそうな瞳をメガネの奥に隠しつつ、アルファとしての秘めた本能がたまに見えるさまがとても良いです。
その自分の本能に対して葛藤を抱え悩む姿が素晴らしいですね。
彼を見ていると、鋼の自制心と臆病さは紙一重なのかもしれないなと感じます。

そしてここまでで既にギャップの塊みたいな属性をあわせもった和己さん、極めつけには近くのバーでたまにバーテンダーをしているという。
もう、ギャップにギャップが二乗しています。

しかもこの副業ですが、同級生のお店を忙しいときにたまに手伝っている、という事情とのこと。
てっきり、自営業だし書店というとても収入が不安定な職業だから必要に駆られて夜のアルバイトをしている、とかそういうのかと思いきや。
そうじゃないんですよ。彼に限ってそうはならないんですよ。
あくまでもバーテンダーは友達のお店のヘルプなんですよ。

完璧です。設定が完璧すぎて隙がない。ちょっとした弱さを見せてくれる姿までパーフェクト。
もう和己さんに降参です。

バーテンダースタイルのときにはメガネを外すのも良いですね。彼自身の気持ちの切り替えになっているのかもしれません。

そんなパーフェクトギャップ攻めである和己さんを救うのが可愛くて意志の強い波止くんです。
この素晴らしいファンタジーの様式美よ。古典の名作御伽話を思い出させてくれます。すべての設定が現実ではあり得ないからこそ生み出される理想のきらめき。魅了されずにはいられません。

幸せな気分になる作品でした。

1

過程の大切さ

とても良かった。
オメガだから人より注意しなきゃいけないことが多い現実と、だからって危険を全て避けて日常生活を諦めたくない受けの気持ちが胸に刺さった。初めはこれは流石に怖くないか…?ちょっと警戒心ないよとハラハラしてたんだけど、それを理解した上での受けのポリシーというか頑固さみたいなものを知ってハッとした。

一方アルファ側の困難と身体的症状についてもフューチャーされていて、その描写も良かった。庇護欲や独占欲を堪えながら、我慢しきれるのかと恐れる攻め。受けの気持ちが追いつくのを待って、何度もあった運命的な瞬間をやり過ごして普通に親しくなろうと努力してくれた攻めの忍耐が素敵。鬼連絡したいのを我慢したり家とか職場を知らなくて良かった(押しかけてしまうので)と安堵する攻めが好き。

相性のいいオメガとアルファとして出会って番になる近道はいっぱいあったけど、遠まわりした二人のその過程があったからこその結果がある。

3

おだやかなオメガバ

ソフトオメガバでした!

個人的には兄CPが気になって仕方がないので、スピンオフが出て欲しい…!

0

感情寄りのオメガバかな

過去作「52ヘルツの共振」と同じ早寝電灯先生オリジナルの身体共鳴するオメガバ設定。
会社帰りに古書店で地震が起こり帰宅できなくなった波止が店主の和巳に助けられることから物語ははじまります。

この時から和巳は身体共鳴で波止に対して運命を感じていますが、波止は鈍感で次にバーで和巳と会っても和巳のことすら気づきません。
和巳の波止への接し方や波止を見つめる瞳、パチパチと感じる共鳴が普段の様子と違いとてもαらしくなります。無自覚にも波止を囲い込もうとするフェロモンに波止は慄きますが、自分をΩと知りながらも優しく手を差し伸べてくれたことに感謝を述べます。
ふたりともαとΩとして暮らしにくいこともあったのでしょうね、ただあたりまえに生きていきたいという思いが切なくさせられました。

それでもふたりは古書店でお茶を飲みながら話をしたり、同じアプリゲームをしたりして仲良くなっていくのかと思いきや、和巳から線を引かれてしまいます。それは相手に嫌な思いをさせないためであり、自分を守る為でもあったのだと思います。和巳は過去にΩと何かがあったんだろうと早い段階で推測できるので、それゆえに波止を好きになればなるほど抑えきれない感情で苦しみます。
そんな中、波止が和巳の前でヒートになってしまいます。互いに求め合うもののなんとか和巳が緊急抑制剤を打ってふたりは事なきを得ます。このヒートによって波止は和巳を好きだという気持ちがハッキリしますが、和巳は身体のみが気持ちよりも先に反応してしまうことに苦しみます。
ふたりともなかなか拗らせていて、素直になってくれません。これってオメガバならではの悩みですよね。心よりも身体が求めてしまうのか、好きになったのはΩとαだからなのか人間性なのか、匂いなのか運命なのか。

10歳上の和巳ですが、ぐちゃぐちゃに悩んで苦しんでいるんですが、波止が笑顔ですべてを受け止めます。「大丈夫ですよ」って。鈍感で強情だったかもしれないけれど、勇気のあるとても前向きな波止がすごくかわいくて素敵に描かれていました。
ふたりの性格が正反対だからこその拗らせすれ違いだったかもしれませんが、正反対だったからこそ付き合えるようになったのかもしれません。

オメガバってわりとがーーっとやちゃって好きーーーってなって番になっちゃって……みたいなのが多い気がしますが、この作品のように付き合うまでじっくりとふたりの感情に寄り添っている物語もいいなと感じました。
もちろん付き合ってからは和巳のα力が発揮されるので、かっこいいαの様子もオメガバのラブラブさも楽しめます。


最後にカバーをめくって表紙裏を見てください。よかったなとホッとできます。

5

オメガバースの名作、神作品といっていいでしょう!

オメガバースもいろいろ進化してきたなぁと感じた作品です。

圧倒的な力関係がついてしまうもの、という認識があったオメガバース。
そこにしっかりと焦点をあてて丁寧に描いたもの、というと伝わるでしょうか。

ほのぼのとしたパートと切ないパート、現実をつきつけられるしんどいパートがしっかりと描かれているので、
架空の設定のはずのオメガバースがすごく現実味がありました。

メインとなる二人のキャラクターもしっかりしている、というのが大きいかもしれませんが、
わりとシリアスな話の中でも、シリアスにかたよりすぎない部分もあって
多くの人に読んでほしい!!!と心の底から言いたい作品でした。

5

尊いってこういう事を言うんだな

出会った時から身体共鳴により波止がΩだという事をに気づいていた和巳さんに対して、フェロモンに鈍感で全く気づいていない波止くん

αの衝動ではなく、Ωだからではなく、波止くんの相手を思いやれる性格に惹かれて、αとしての焦燥感に駆られながらも地に足をつけて波止くんに選ばれたいと想い続ける和巳さんの優しさと大人の色気が最高にかっこよかった

フェロモンに鈍感で和巳さんと身体共鳴しちゃってることに気づかなかったけど、和巳さんの言葉に救われて惹かれて、和巳さんをまっすぐ見つめる波止くんのキラキラした目
守りたい君の笑顔!!!守ってあげてね和巳さん!!!って母性丸出しで心の中で叫んだww

身体共鳴はあったのに、それに抗い親しくなろうと歩み寄って、配慮と努力を積み重ねてたどる道をゆっくり一生懸命選んで、辿り着いた2人の居場所
尊すぎる…優しいが渋滞しすぎて心溶けたよな

オセッセシーンは少ないけど、最後番うシーンで「一人で怖いことをさせたくないよ」って波止くんが和巳さんを思いやってした行動が、波止くんの優しさをこれでもかというくらい表現しててグッときた
あとバックで突きながら波止くんの耳元で「ここに子宮があるんだよ」って囁く和巳さん
ねえそのセリフだけで妊娠してまうぞ?!色気爆発好きww

久々にオメガバ読んだけど、今までとは違う着眼点に読み応え満点でした

4

普通

普通って、難しいですよね。それがオメガバであればなおさら。運命の番とか、フェロモンとか、自分じゃどうしようもないところに左右されてしまう。Ωだけど少し鈍感で、普通の人間関係をひとつずつ作っていきたい受けが、とても誠実で応援したくなりました。一方の攻めも、過去の出来事で、αの本能に抗おうとしてもがいてる。強引でなく包み込むような優しさが好感度大。少しずつ距離を縮めて、自分の気持ちに問いかけながら、恋を育んでいく二人にキュンキュンしてしまいました。
先生の作品はΩが凛として生きているところが好きです。

4

至高のオメガバース

アルファとオメガ両サイドが抱いている想いを、ここまで丁寧に、それでいてあたたかく紡いでくれたオメガバース作品は初めて出逢いました。私はこれまでたくさんのオメガバース作品を好んで読んできたし、それなりにオメガバースについて考えてきたつもりでした。でも私はアルファがアルファであること、オメガがオメガであることについての想いや悩みや葛藤をまだ全然理解できてなかった。この作品を読むことで、自分の中のオメガバース観により深みが増したような気がします。尊い時間をありがとう。この作品に出逢えて本当に良かったです。

5

この作品が収納されている本棚

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