蛍火艶夜 下

hotarubi enya

蛍火艶夜 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神57
  • 萌×28
  • 萌3
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
15
得点
327
評価数
70
平均
4.7 / 5
神率
81.4%
著者
amase 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
新潮社
レーベル
BUNCH COMICS
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784107727725

あらすじ

反芻者続出の話題作、完結。本編に描き下ろし70頁を加えた超濃厚コミックス、発売! 情と理が絡み合う夜に、あてどもない永遠の刹那が生まれいづる――……。特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、号哭の下巻。

表題作蛍火艶夜 下

同時収録作品坂ノ上庚二少佐 前編/中編/後編

少佐
一飛曹

同時収録作品鳴子部隊 第一編/第二編/第三編/第四編

鳴子部隊隊員
飛曹長

その他の収録作品

  • 淀野と正雄(描き下ろし)
  • 戦後(描き下ろし)
  • 酒井千代松大佐編(描き下ろし)
  • しろくろ(描き下ろし)

レビュー投稿数15

クレ…………

今回もうす消し特装版を購入しました。

▼坂ノ上庚二少佐編
狂犬そうな見た目なこの子(表紙の子)がどうなってBでLな展開になるのか想像がつかなかったんですが、なるほど...。
伴みたいな子は現代で学生をしていたら浮いてはいるだろうし1匹狼だろうけど、こういう目には合わないタイプなんじゃないかなと思う。
だからこそ時代設定が生きているなと思ったし、こうやって屈服させられても反骨する野性味のある姿にそそられました。
あの言葉がこんな形で現実になるなんて。
妻子はいるけど教科書通りにこなした感じで恋はしてなさそうなので、もしかして初恋だったのかな...。
でも伴の気持ちはどうなんだろうまだよく分からないなと思っていたら、いや両思い?!
えっ、いつ好きになったんだ?!
読み返しながら考えていたんですが、これは坂ノ上と征こうと思ったからそうしたというよりも、もともと特攻するのが願いだったんですかね。
友達もいなくて、揉め事おこしてばかりで、人間向いてないって自覚してて、家族に預ける遺品もない寂しい子。
命を散らしてしまったけど、孤独だった伴が坂ノ上少佐のお陰で最期にさみしくなくなれたお話なのかなって思えました。
面白かったです。
ただ、始まり方が始まり方なので上巻著者コメの趣旨から少し逸れている気もして。
坂ノ上少佐視点で考えるとその通りなんだけど、伴が...。
私は上巻を読んでamase先生は萌えとして消費するだけのために戦争を扱ったんじゃないと思えてすごく胸に刺さったんですが、上手く言葉にできないんですが下巻は萌え要素が強くなってしまっていたように思います。

▼鳴子部隊編
初めて部隊にスポットが当たっています。
任務以外の共同生活を仲良く過ごしてる8人を見ているともう...家族同然に情も生まれるわけで、大事な仲間が1人また1人と減っていく重さを1番感じました。

「あ、この世から人が1人減った。増やさんとと思う」
私は上巻の感想に「死が身近にある病気を罹っていらっしゃる余命幾ばくの人の中には、本能的に子孫を残さないといけないという状態になり、すごく性行為がしたくなるケースがあるらしい」と書いたんですが、ソノのこの状態はまさにそれだって思いました。
獣欲...獣欲かぁ。
みんながみんなこうなる訳じゃないから自分がおかしくなったんだと思うかもしれないけど、ある意味生存本能なんじゃないかと思います。

ヒソーチョは優しすぎるんだろうな。
ソノと寝るのは自分の恐怖心や重圧を散らすためもあったのかもしれないけど、ソノへの情もあったんだと思う。
大事な仲間の気持ちだから受け止めようと思ったんだろう。
ヒソーチョだけ痩せていっているのも痛々しくて。
愛してると言われても、愛してるとは返せなかったヒソーチョだけど、別れの際に気持ちを返せたのはよかった...だけど、私には展開が急に思えてしまって。
突然の別れに溢れる気持ちに気づいたのかもしれないんだけど、盛り上がっているところを一緒に盛り上がれなかったのが残念。
こんなことを言っていいのか悩むけど、こんなに濃い日常も友情も愛情も、現代ではなかなか得がたいだろう...戦争は二度と起こってほしくないけど...戦争を戦ったからこその唯一無二のものだと思う。
最後は、私にはうーん、ここで終わりかぁという終わり方でした。

話が変わるんですが、「んほ」じゃなくて「んお」なんだけど、ヒソーチョがんお゛♡んお゛♡喘ぐようになってしまうんですよ...。
私はそれが合わなくて。
お好きな人すみません。
でも、んほ喘ぎが苦手な人はもしかしたらダメかもしれないなと思った。
ソノもソノでヒソーチョのおしりの穴をおま○こって言いだすし、精○のこと僕の種って言うので、こういう表現がダメな人もダメかも。
好きだったんだけどな鳴子部隊編...どうしてもこういう濡れ場が駄目なんだ。。。

▼描き下ろし 淀野と正雄
淀野は正雄のことを断るだろうと思っていたのになんだかんだ面倒見てるのが意外でした。
正雄はどういう立ち位置なんだろう。
志津摩の姪(柚子?)と正雄が世代を超えて結ばれてめでたしめでたしな感じかな。

▼描き下ろし 戦後
鳴子部隊編が私の中では途中で終わってしまったような後味だったんですが、こちらをもって完結しました。
今までに登場したキャラクターたちのその後も見れます。
私の推しは八木×志津摩なんですが、読み返すごとに塚本×橋内のよさに気付かされます。

▼特別描き下ろし 酒井千代松大佐編
申し訳ないのだけど、私はお国のために死ぬことも生き残ってしまった申し訳なさも分からなくて。
戦争について考える度に、戦時下に生きていたらそういう思考になったんだろうかと考えるんだけど、きっと死にたくない怖いと震えながらなるようにしかなれなかっただろうなと思う...。
だからフユと酒井大佐の行動は理解しきれないのだけど、この狂気と虚しさは戦争の闇だと思う。

▼特別描き下ろし しろくろ
エッ.........エッッッ?!?!?!
全然気づかなかった........(頭抱え)
待ってくれ…清い身でいることの重みも変わってくるじゃないか...(頭抱え)
絶対に読まないといけないお話でした。

▼下描き
今回も下描きが収録されているのだけど、ラフはなくなっていました。
その代わり未写植原稿が収録されています。
個人的には未写植よりラフが見れる方が嬉しいな。

0

人生短くても長くても

 戦時中、そして戦後の空気を描いた作品としては上下巻合わせてとても満足度が高かったのですが、個人的に下巻で登場する2カップルには上巻のカップルほど引き込まれず、この評価に落ち着きました。濡れ場とそれ以外の場面の温度差も上巻よりさらに激しく、若干風邪を引きそうに。伴の誰に対しても変わらずへりくだるところのない態度、園の燃え上がった恋心を惜しみなく相手にぶつけるところには好感が持てました。一方で園のように振り切れない鳴子の気持ちもよく分かります。いろんなものが足りなくて、ひもじくて、常に死と隣合わせだったあの頃の方が生き生きしていて楽しかったという感情は、けっして逃避などではなくそれもまた1つの悲しい真実なのでしょう。戦争というのは人々に本当に多種多様な影響を与えるのだなとしみじみ思いました。

1

英雄じゃない、恥だ

ストーリはさておき、侵略戦争を引き起こした国が自らを戦争の被害者と称する資格はない。戦犯を英霊として祀るなんて、歴史を歪める行為であり、あまりにも滑稽で恥知らずだ。彼らは決して称賛に値する存在ではなく、ファシズムや軍国主義と共に歴史の汚名として永久に刻まれるべきだ。どれほど悲惨な結末を迎えようとも、それは全て自業自得だ。
歴史を忘れる者は、過ちを繰り返す運命にある。現実を直視できない人は更に愚かな間違いを重ねるだけでなく、そのことを誰かに指摘されることを、まるで恐怖のように受け取るものだ。
また、私の言った事実に何も反論できないから、陰でひっそり内容削除して満足するなんて、さすが精神勝利法の極みだよね。事実を述べた罪を裁くなんて、おつかれ~^o^

3

年末に滑り込んだまごうことなきマイベストBL

年末に読了しましたが年明け以降数日引きずりました。笑

ぜひ上巻再読をなさってから読むのをお勧めします。
昨年アワードをざわつかせた上巻も
とってもすごかったですが、
それをさらに上回る話の構成で震えました。

何度読んでもどんなふうに読んでも
幸せな人は誰もいなくて語彙力失います。笑
癒やしコマ、うさぎだけでした。
うさぎはめっちゃ可愛かったです。

多種多様なメリバ・バッドエンドしかなくて
黄昏や闇が好きな方は
きっとお好みストラックアウトど真ん中を
光速でぶち抜かれて数日引きずるかと思います。

上巻から変わらずオムニバス形式でしたが
しょっぱな「伴」というとんでもねぇ男が出てきて
とんでもねぇ結末で「無理最高このあと読むの無理」
とか思ってたんですが、杞憂でした。

私は鳴子飛曹長回が本当に好きで...
ソノ鳴子編ラストのモノローグが、

戦争が、男女で愛を営むのが当然な時代に
国の為に命を懸けて生きていたあの特攻隊員たちに
幸せはあり得ないという
【現実】を顔にパァン(っ'-')╮=͟͟͞͞ と投げつけられて
数日引きずってます...

つらいのに何度も何度も読み返してしまう
そんな作品です。

3

他では得られない唯一感!

平成の半ば近くのある年、撃墜王と呼ばれた1人の元パイロットのかたが亡くなり著作を読み終えたばかりのわたしは厚かましくも東京のご自宅に弔問させて頂きました。
上品な奥様が当時を知らない若輩者にも丁寧にご対応くださったことが昨日のように思い出されます。
戦後この方のように著名人となり零戦と過去から切り離せない生涯を送った人は寧ろ少ないのではないでしょうか。
「鳴子部隊」の鳴子飛曹長のように戦後はなるべく思い出さないようにでもある意味大切で楽しくもあった日々を胸内の奥深くに温めながら諦めながら生きている人の方が多かったのでしょうね。
「鳴子部隊」シリーズが1番好きです。

あと、生き残った八木の息子正雄、この子が近いうちに志津摩の姪と出会うだろう事、結ばれて八木と志津摩の血が合わさった子どもが出来るであろう事が暗示されていました。
わたしは上巻の感想にも書きましたがこういうのは好みではないです、暗示、ほのめかしで終わってはいたのでまあ怒ってはいませんが。
本人同士が死別しているのにその子孫がくっ付いて血が受け継がれていくとかロマンティックに思いたくても思えません。

死んだら終わりです。

追記で濡れ場シーンはエロくありません。
結構あるのですがわたしには全くエロくはなかったです。
しかし他の意味でぜひ読んで頂きたい1冊です。

5

戦争が、特攻隊が、あったからこそ共に居られた奇跡。

上巻とはまた違う人達がでてきます
話は大きく2つ
初めの坂ノ上少佐の話は2人とも死んでしまい、もうひとつの鳴子飛曹長の話は2人とも生きている
しかし生きている2人の方がとても苦しそう

古き時代の価値観、女と結婚し子供に恵まれることを良しとしていた時代
戦争があったから、特攻隊として部隊が一緒で色々制限されていたからこそ共にあれた2人
戦争が終わってしまったら離れるしかないわけで…
世間の目もあり生きているのに、2人とも生きているのに…共に生きることが出来なかった
ラストの鳴子飛曹長の「また戦争でも起きない限りあの夜は二度と訪れない」がとても刺さりました

戦争は二度と起きて欲しくない、起こしてはいけないけども、戦時中だったからこそ保たれていた幸せがあったわけで…
難しい感情で表現の仕方がわかりませんね
語彙力なくてすみません

前巻の淀野や塚本などの戦後の様子も少し見れます
淀野さんの志津摩への執着
また「恋は辛い…でもこれがなかったら生きていけなかった」がささりました
正雄の真っ直ぐさも良いですよね

エロは多め 過激なプレイ内容ではない
前回と同様に死んでしまう人達がいるので、注意してください
光〜夜明けの腐女子は辛いと思います
黄昏〜闇の腐女子さんにはおすすめ

2

下巻

上巻をよんでいたので、下巻をこころまちにしていました。
いつもは、1000円をこえると高くて購入するのを躊躇してしまいますが、即決して購入。後悔はしていません。

時代は太平洋戦争の日本。
「特攻」をテーマにしているので、重く、暗いお話ですが、その中でも、人と人とのつながりが感じられる作品で、深いストーリーだと思います。

「特攻」なので、読む前から、なんとなく結末が決まっていて、もの悲しい感じですが、そこがまた、この作品の魅力でもあると思います。

ただ、セリフにハートマークがついているのことに、違和感がありました。それさえなければ、最高でした。

2

No Title

待っておりました、下巻・・!
上巻は登場人物も多く、〇〇編が幾つもあり纏めるの上手い、、と読んでいました。
下巻は2つのお話しがメインで坂ノ上少佐のお話しは戦闘機に乗ってからのページが割れるような表現が印象的でした。
鳴子部隊も切ない・・時代が違えばきっと結ばれていた二人だった。
描き下ろしがまたすごかった・・・本編で気になっていたところが「しろくろ」読んで確信に変わったり、淀野さんと八木息子が関わるのも感慨深くて。上巻読み返してまた下巻読んで永遠ループしてます・・・

2

人間を描いたBL作品の代表作

下巻、楽しみにしていました。
読み終えて、やはり何も思わずにはいられませんでした。

心理カウンセラーの有資格者であるamase先生だからこそ描くことができる作品だと改めて感じました。
酷いことも起こりますし、わかっていても読んでいて気持ちのいいものではない描写もあります。
それも全部ひっくるめた上で最後に美しいと感じてしまうのは、人の生命の輝きをしっかりと容赦なく描いてくださっているからだと思います。

下巻では、最初は伴に酷いことをしていた坂ノ上少佐が、最後はやらなければならない特攻ではなく伴を撃った機体に飛び込む様がとても印象的でした。
鳴子部隊では優しすぎる鳴子飛曹長を中心に終戦までの部隊の様子が描かれています。
鳴子飛曹長とソノをメインに、隊員たちに起こる様々な物語は時に凄絶で過酷です。
ですが、やはり私には、彼らはみな生に満ち、輝いているように見えました。

素晴らしい作品に出会えました。
amase先生には感謝しかありません。

河原版が楽しみです。

3

生涯絶対に忘れない作品

ありがたい事に様々な作品を読ませて頂ける日々
私も色んなジャンルや傾向の作品を手に取らせて頂いております

手あたり次第読む弊害でしょうか・・・たまに自分の本棚を振り返ってみた時に、表紙や作品タイトルだけではスッと中身が蘇るのが難しい事もあるのですが(私の衰え問題でしょうかねw?)、この「蛍火艶夜」は絶対に生涯忘れる事は無い作品だと言い切れる御作です

恐らく頻繁に読み返す作品ではないと思います
でもこの作品が自分の本棚にある事は必然であると思えますし、もし興味を持った人が居たら、是非”読んで良かった”と心底思った自分の想いを伝え切りたいな、と思う上下巻です

下巻は上巻よりも読む為の下地が自分自身にも出来上がっていたからなのか、だいぶ落ち着いて読めたかな?とは思います

お話しとしては2つのお話し
最初は坂ノ上少佐と伴一飛曹のお話し
少し暴力的な2人の始まりから特攻がきっかけで分かる坂ノ上少佐の不器用過ぎる情愛
ここには贖罪の気持ちもあったのかも知れないけれど、やっぱり伴の事が可愛くて仕方なかったんだろうな、と思うととてもあの特攻隊員を聞いた後の坂ノ上少佐の精一杯の行動の想いの深さに呼吸が浅くなります
そしてその想いに呼応するかのような伴の行動
正に”命を懸けて”海に向かった2人

もう一つは終戦まであと5か月を切った1945年4月の鹿児島にある鳴子部隊を軸にしたお話しです
今までの各お話しの上官に比べてすごく穏やかな鳴子飛曹長率いる部隊でのお話し
4話で綴られる終戦までと描き下ろしの1965年が綴られた「戦後」で構成されるお話しです
ソノと鳴子飛曹長のお話しもとても切ないお話しですが、私は特別描き下ろし「しろくろ」で明かされたひっそり想い続けた恋が何よりも心に残りました

BLとしてのその時代だからあり得た恋
一世一代の唯一の恋だったのだろうと思うと本当に胸が締め付けられ、戦争と言う不条理への憤怒を禁じ得ないです
でも、その時代が「良かった」と振り返る人の気持ちや戦争に自身の命以上に国の威信を懸けた人が居た事にもまた感情が揺さぶられました
BLでありそしてBLだけではない、様々な想いに包まれる1冊でした

苦しさもありますが決して読後が虚無に襲われるような事はないので、是非唯一無二の作品を読みたいと思った方のお手元に然るべきタイミングで迎えられたらいいな、と願う作品です

5

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