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number 9 no Selffish
やさしくてさっぱりとした絵柄が魅力的な作品でした。
ホテルを舞台に繰り広げられる恋愛もの…といっていいのか、お仕事BLといっていいのか少々悩むところです。
憧れのホテルのフロントスタッフとして勤務し、なだらかな日々を送る小野辺の世界に突然入り込んできたのは、有名別企業の取締役を務める権堂という男。
彼がまあなんと、客として宿泊をしては小野辺に無理難題を何度もふっかけるわけです。
うーん…受けの心情やホテルマンとしての丁寧な仕事ぶりが見られたのは良かったのですが、攻めの魅力がいまいち伝わらずにこちらの評価となりました。
お仕事ものならば、もう少しお仕事描写がほしかったですし、そこから恋愛に持っていくのならば、どこでどう惹かれて恋に落ちたのかについて説得力がある大きなきっかけがほしかったです。
というのも、小野辺がなぜ権堂に惹かれたのかがわからなかったのです。
強引に無理難題ばかりを要求し、小野辺を引き抜こうとぐいぐい…と、私には顔が良いモンスター客にしか見えないまま萌えられずに終わってしまいました。
小野辺が気持ちを新たに仕事へ向き合おうとする心情はとても丁寧で良かっただけに、恋愛面の希薄さと結びの駆け足さが惜しいです。
幼い頃、家族で利用した時に感銘を受け、憧れとなったホテルでフロントスタッフとして働いている小野辺。
そこへある日、権堂というわがままな客がやって来る。
無理難題を押付ける権堂に、疲労困憊の小野辺だつたが、ある日部屋へ呼ばれて行ってみると、なんと自社のホテルへの引き抜きのために試していたという種明かしをされて、、、
というお話。
まず、えちはありません。
キス止まりです。
そして、ホテルを舞台にしたお仕事BLです。
お仕事ありきで芽生えていく二人の恋心。
仕事での繋がりがなくなってしまえば――小野辺が、権堂からの誘いを断ってしまえばそこで終わってしまう関係。
そう分かっているのに、小野辺は権堂の言葉に必要以上の感情をそこへ見出そうとしてしまいます。
身分差大好きマンとしては、その格差を見せつけられて、攻めの態度を特別だと思わないようにしよう…その心情にとても切なキュンとしました。
あと、強引すぎる攻めも大好きなので、権堂の「手に入れると決めたことは、必ず手に入れる主義なんだ」のセリフに違わない行動力にもキュンとしました。
えちがなくとも、強引な攻めが好きだ!! と、叫び出したくなる方にオススメの1冊でした♡
タイトルのセンスもオシャレで、お話にぴったりでとても良きでした!