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hibana
BLとして成立してるし、ちゃんと見せ場もしっかりありはするんですけど、読んでるうちにBLとかどーでもよくなっちゃってて、戸森さんのカッコよさにズブズブとハマる……そんな物語でした( ´∀`)
BL界ではカッコいい女子キャラを度々お見かけしますが、戸森さんは圧倒的だと思います。
耀司(よーじ)の彼女というポジションにいながら、2人が惹かれ合うのをいやでも目の当たりにする複雑な立ち位置。彼らの間に散る花火の存在をしっかり捉えることができたのも、耀司のことを好きな彼女だからこそです。
何だかんだと高校卒業後、大学生になってからも、就職をしてからも振り回される戸森さん……めちゃくちゃいいコだし、単純に面倒見が良い。姉御肌的なサッパリハッキリとしたら性格だから、2人も戸森さんとずっと繋がってるんだろうなと思います。
人騒がせなカップル2人よ……しっかりしろやい。
いつまでも痴話喧嘩みたいなことして、高校のときからホント成長してないのね。
殴るのとかホントムリなんで、耀司のキャラにあまり共感できず。三郷も三郷で好きならちゃんと向き合えよって感じで、こちらにもそこまで共感できずでした。
戸森さんを中心に2人の関係が構築されていくストーリー展開が新鮮で、まるで新ジャンルの扉を開いた感覚です。視点が戸森さんということもあり、2人の関係の細かいところまで描写が及んでいないのは少しもどかしくも思えましたが、それがかえって色々と妄想を膨らませます。
耀司と三郷の2人がどんな交際をしてるのか結局分からずじまい…。そもそもそんなシーンすらないし、会話の端々で汲み取っていくしかないのです。
それが良いかどうかは置いといて。2人の恋愛に積極的に関与させられていく戸森さんの立ち回りは、好感度しかなくて素敵でした!
耀司にも三郷にも、ついでに言うとアプリ男にもガツンと言えるところがカッコいい。男子キャラより間違いなくオトコマエです。
星5つは、戸森さんに捧げる神評価です^ ^
実写映画でも映えそうなストーリーのエモさが胸に響く物語でした。
女性視点の「私」を通して、自分の「彼氏」である耀司と、「転校生」の宏との、DKから社会人までを描いた新感覚のBLです。
というか、読了してまず出た感想が、
この作品、明日美子先生じゃないと成立しなくない?!!(超絶褒め言葉です)
でした。
やはり、BLに女子が絡んでくるとなると敬遠されがちだったりするじゃないですか。(まあ、まりあげはは拗らせ大好きなので、女子絡んでくるほうが断然萌えるのですが、、心の声)
で、わりと暴力描写もあるし、人を選びそうですが、、、
鬼才、明日美子先生の描くBLは繊細な3人の機微を嫌味なく、痛々しく、生々しくヒューマンドラマとして描くので、スッ…と心に入ってくるのではないかと思いました。
タイトルの火花をね、、、
感情あるいは激情みたいに喩え(解釈違いだったらすみません!)、お話の途中と途中に見られた火花らしきもののデザインから、よりいっそう登場人物たちの感情をアレコレ察してしまったという、自然と導かれた凄さよ。
それから巻末の「英雄と少年」。
これもまた短いのですが、すっっごい続きが気になる余韻で終わっていた作品でした。
すごく好きです!!
ナニあの、現在のアーノルド卿(おそらく今は別人として生きているのでしょうね!!)のさりげなき登場!!
存在感の圧がすごい。
ちらりのすれ違いが、夢と希望とほんの少しの切なさを滲ませてて、とにかく、余!韻!! って地団駄踏みました。
最高すぎて。
そんな明日美子先生ワールドが素晴らしい1冊でした。
好き!!
「女子BL」ってなんだろう?という疑問から購入しました。
明日美子先生曰く「壁にも当て馬にもならない素敵な女子が出てくるBL」とのことでしたが、この物語の主役はまさに女子である戸森さんで、作中一番カッコいいのも戸森さんでした。
物語は戸森さんとその彼で治安の悪い犬飼と転入生の三郷とのいびつな三角関係を高校・大学・社会人に渡ってオムニバスのように描かれています。
オープニングから衝撃的で、あっという間に引き込まれてしまいました。
タイトルの「火花」のように犬飼と三郷は最初に一瞬の輝きを見せた後に、あっという間に消え去る出会いと別れを繰り返します。
一目見ただけで惹かれ合っているのに、自分のことも相手のこともどうしたらいいのかわからないふたりは、傷つき傷つけたのちに離れてしまってもずっと互いを忘れられずにいます。
ふたりが一緒にいる時、ふたりの間にはいつも痛みと暴力があります。
愛し合っているのに表向きは暴力でしか繋がることができなかった高校時代、大学生でやっと再会できたのにそこではハピエンにならず、社会人になってからもレイプのトラウマによってセックスできないふたり。
火花を散らしながら互いの愛によって傷ついているふたりを優しく取り持つのは、戸森さん。戸森さんがいたからふたりはいつだって一緒になれるんです。そんな彼女だって犬飼のことをずっと好きだったのにと思うと少し切なくなります。そしてすごくかっこいいなと思います。
この作品では攻めが女子とセックスしているし、受けはモブに無理やり犯されるし、暴力の表現も多くあるので万人受けはしないかもしれませんが、やっぱり美しく繊細な線で描かれたドラマチックなBL作品になっています。
食わず嫌いせずに手に取ってみてほしいです。
同時収録されている「英雄と少年」は20ページ弱の短い読み切りですが、まるで詩を詠んでいるかのような後味を残すものでした。わかりやすい描写ではないかもしれませんが、こちらもとても美しい表現をされています。
中村明日美子先生ならではの世界観ですね。素敵でした。
久々に拝読させていただく先生の作品!
最近電子配信がなかったのでとても嬉しい
先生作品の中で言うとほんの少しだけ「ダブルミンツ」のようなダークさに近い感じかな?と思いました
ダブルミンツは大人になり切れない足掻きみたいなものがありましたが、こちらは逆に月日の経過と、2人だけで進む訳ではないからこその成長を見られる前向きさを感じられる苦いアオハルストーリーにも感じます
作中の耀司の葛藤が暴力として発憤される描写は賛否が分かれる所かも知れません
実際私も暴力に関してはどんな理由であっても相手が望まない限りは許される行為だとは思っていません
だけど、この物語の世界のお話しとして読み、耀司の恐怖や戸惑いに涙する姿を見てしまうとこの作品の中で暴力にのみ焦点を当てて是非を問うのは不要であり無粋なような気がしております
そして描き下ろしで戸森さんが諭す「イラっとしたらハグしてみたら?」の素敵なアドバイスを受けての終わり方・・・
暴力が昇華される流れに救いを感じました
王道のBLでは全くありません
そして、先生が描くからこそ価値のある作品だとも思います
唯一無二の作品をお迎え出来る歓びは神評価を以て感謝を伝えたくなるのは至極当然かなと思い、今回は痛さも伴う作品ではありましたが神評価をさせていただきました!!
先生のあとがきにある「結果、付き合うなら○○がいい」というお言葉にはBLを読んでるのに「分かります!!!」って大きく頷いてしまいましたw
さすが紛れもなくこの作品は素敵な「女子BL」ですね♡
好きな作家様。
本作は女子視点のBLとのことで、気になって試し読みしたらとてもよかったので購入しました。表題作と短編の2編収録されています。電子で全171ページ。
地雷要素あります。下の方に書いておきます。
(以下少々ネタバレあります)
【火花】
あとがきによると『女子BL』という付録小冊子から始まった作品とのこと。「素敵な女子が出てくるBLかな」と解釈されての作品だそう。なるほど、確かに本作に出てくる女子の戸森は素敵女子です。
女子高生の戸森の彼氏の犬飼(攻)が、転校生の三郷(受)と出会い、初めは暴力を振るっていたが、そこには隠された感情があり…というお話。
1話は高校時代、すったもんだあったけど、犬飼と三郷の気持ちが通じ合えたのかな、と思ったら、2話はその3年後、犬飼は三郷疎遠になっている…。
ここで高校時代の二人の、多分初めての濡れ場(玄関)が。このシーンが目線がエロチックだし、押さえ込んでいた気持ちが爆発するような激しく求め合う濡れ場で、大変官能的でゾクゾクさせられます。
「どうしよう」と、自分の性嗜好に混乱して涙する犬飼、そして共に泣く三郷が、痛々しくも美しい…。
女子の戸森が二人の関係性にかなり深く関わってきます。読む前は女子に対して嫌悪感持ったりするかなと思っていたのですが、戸森が予想以上に男前な性格のいい子で、二人が戸森に何度か救われます。戸森の言動にキュンとさせられました。かっこいい!
二人の再会シーンには、戸森の切ない気持ちも合わさって、胸がギュッと締めつけられました。
二人がくっついた後も一悶着あるけど、これまた戸森に助けられる。「優しくしてあげてよ」のシーンは、戸森がいい子でうるっときちゃった。
最後まで戸森がかっこよく終わりました。もう主人公戸森なんじゃw
というか犬飼の暴力性で、今後の二人の仲も大丈夫なのか、ちょっと心配になります。描き下ろしでもまた戸森に素敵アドバイスもらう犬飼。戸森に救われっぱなしの二人なのでした。
高校時代の三郷の消え方が急すぎるな、とか、なんで犬飼は戸森の家のカギ持ってたんだ?とか、少々気になるところはありましたが、とりあえず横に置いておきますw
【英雄と少年】短編(18ページ)
こちらは女子BLではなく『変BL』という付録に収録されていた短編。
舞台は中世欧州のような雰囲気。反乱軍に下った英雄アーノルドと、少年兵の邂逅が描かれる。
一瞬出てきたアーノルドの麗しい素顔にズキューーン!でした。美しすぎる〜♡ 一瞬のキスあり、エロ無し。
これだけ女子の存在感が強いと、BLとしては評価を迷うところです。大変面白く拝読しましたし、戸森のかっこよさと、キューンとするシーンがいくつかあったので、星4.5の評価とさせていただきます。
⚠︎地雷要素です。
・攻めと女子との濡れ場が複数回あります。
・受けが攻め以外に暴力を振るわれて無理やり犯されるシーンがあります。
電子 白抜き修正(真っ白で残念)
先ず絶対に読む人選びます!
下記地雷ある方はご注意下さいませ
・女性との濡れ場
・暴力/流血、DV的描写
・無理矢理
・攻め受け以外の絡み
なかなかドドドド修羅場ラバンバなドラマティックBLに仕上がっております
だけど、、、
その中で見え隠れする、どこまでも不安定で戸惑う制御不能な…刹那の恋と劣情の狭間を行き交う衝動と慟哭、、、この激情が迫る描写から1秒たりとも目が離せないのです…っ‼
、、、何言ってるか……分からないですよね…泣
自分でも分からないです(´;ω;`)w
でも、言葉を尽くしてどうにかこの高揚を伝えたくなる世界と感情がこの「火花」の中にはあり、私を激しく刺激して仕方ないのです
明日美子先生の描かれる「女子BL」は感情がスパークしまくる火傷必至な世界が広がっておりました
登場主要人物は3人
始まりは高校時代
耀司と戸森さんは人知れずお付き合い中の彼氏と彼女
そこに転校生として三郷が現れてからのお話しです
作品を読む前に先生のインタビュー記事を一読して相関図を見ておくのも良いかも知れません
戸森さん視点で描かれていますがこのお話しは耀司のお話しでもあり、三郷のお話しでもあり、戸森さんのお話しでも、、、
そして耀司と三郷、耀司と戸森さん、戸森さんと三郷、、、読み方感じ方は読者に委ねられており、そのどの視点からでも味わい感じる事が出来る時間がありました
多感な10代のあの日に化学反応を起こした3人の火花が衝突してスパークするその瞬間瞬間を切り取って紡ぐお話しです
火花/スパークは閃光
その「瞬間」にだけ高まって昂って凝縮し切ったものが弾けるから放つ眩い衝撃
一瞬の強い輝き、、、でもその刹那のハズの一瞬がずっと胸に燻り続けたら、、、?
気の迷いなのか、気紛れだったのか、、、それとも芽生えなのか、、、
その衝撃が与えた大きさに、消えない「あの瞬間の慟哭」に我を忘れてその蠱物に物理的に抵抗する耀司、、、
※蠱物(まじもの:人を惑わすもの、魔性のもの)
嫌なのにダメなのに抗えず痛みと共に刻んでしまう劣情
どうにか断ち切って蓋をしたハズの想いも、ほんの少しの嫉妬と動揺で「一瞬にして我を忘れてしまう」程に自分を狂わしてしまった三郷、、、
猛獣を飼い慣らせるだけの度量もありながら、その猛獣が自分ではない相手に牙を向く瞬間を知り、そしてなぜ牙を向けたのか?を「瞬間的に悟ってしまった」聡い戸森さん、、、
3人の中で弾けた「瞬間のハズの火花」は、消え去ることなくずっと持続してパチパチプスプスと火を燻り続けているのが分かるのが伝わります
こういう一言では表せないような繊細な心の機微を明日美子先生が描くとこんなにもセンセーショナルになるのですね、、、
先生にしか描けない彼らの単純でそして相反するように複雑な感情を描き切る作画がべらぼうに美しい、、、
作画で語る感情が痛々しい程に流れ込みます
明日美子先生作品を初めて読む方には正直向かないかも知れません
(かと言って私がベテランって訳でもないのですが、、、)
瞬間を切り取って行くように展開するストーリーなので細かい説明がなかったりします
行間やストーリーの推移と共に咀嚼していくような、作品を俯瞰して読みながらも一体化していくように切り替えて読んでいけるといいんではないかな~~~?と思う1冊だと思います
何度も読みたくなるし、ふとした「瞬間」にまた読み返したくなる作品でした
火花との出会いは私の中にも火種を確実に落としてくれたのを感じています(*˘︶˘*).。.:*
読み手は選ぶけれど、私は明日美子先生的文学としてとても先生らしさを享受出来る1冊として、読めて良かったなと思っています
特に描き下ろしの耀司の表情に胸がアツくなりページを閉じる事が出来たのが僥倖でゴザイマシタ(´ ˘ `*)
火花以外にももう1作品短編「英雄と少年」が収録されています
こちらは哀愁を感じる古い日記を読み返すようなお話しでした
フェティッシュ的な観点で言うと中世の鎧姿の戦士萌えがあるような美しい作画も見所です
修正と濡れ場に関して|不要な描き方で基本描き込みなしで「無」と少し発光修正
尚、レビュー冒頭にも書きましたが女性との絡みもあります
なんなら攻め受け2人より回数で言えばある気がします(攻め受けは未挿入)
濡れ場はそんなに多い訳ではないですが、糖度の高い場面では余りありませんので足腰と体幹が強めな夜明けタイプさんでないと苦しく感じるかも知れません