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【おれと人生を一緒に歩いてほしいです(新見)】
エロス度★★★★★
第2巻、完結。
おやおや・・・おやおやおやおや。
なんと・・・素晴らしいのでしょう。
澤根と新見が共に歩んでいく幸せな姿に目頭が熱くなり、胸も脳も感動で震えてしまいますね。
目に見える形となった愛の証、パートナーシップ制度の申請、両親へのカミングアウトなど・・・幸せ溢れることもありますが、なかなか理解してもらえない・受け入れてもらえない現実的な壁が立ちはだかる難しさに胸が苦しくなります。
でも、新見を傍で支える澤根の愛や澤根の支えに心が強く満たされる新見の幸せに大丈夫だと思わせてくれますね。
高校時代から、それぞれの進学や就職を経て成長していく
2人がまさに理想のカップル。
その真っ直ぐで揺るぎない気持ちが素晴らしい。
社会的な問題や家族との向き合いが繊細に描かれて、
同性愛や同性婚について考えさせられる中で、
恋愛感情と世間の目の間で選択を迫られる現実が深刻に刺さる。
そんな中で、
共同で生きていくことことが、
間違いなく幸せだと確信する2人の愛の力強さが心に響き渡る。
2人の一つひとつの恥ずかしいほど真剣なセリフや、
エロ目的ではないエッチシーンから、
伝わってくる愛の熱さがリアル。
新見のお父さんが言った、同性カップルが、
「子供が授かれない」「将来性が見えない」という言葉、
異性カップルでも子供を産まない(産めない)場合もあるし、
愛や家族の形は多様であるべき。
確かに将来性という言葉は残酷だけど、
それは2人の努力次第で切り開けるものではないでしょうか。
「普通」や「幸せ」の定義は、他人が決めるものではなく、
2人が共に感じるものが本当の「幸せ」だと切に思う。
パートナーシップ制度というまだ社会の枠組みに囚われている同性婚や、
カミングアウトして家族に認めてもらう難しさの中、
2人の「一緒に時を刻みたい」という想いが、
ただ一緒にいるだけでなく、
日常が特別な時間へと変わりながら、
共に未来を築こうとする姿勢が本当に尊くて、
読んで、胸がいっぱいになりました。
ここのところ、パートナーシップ制度を取り上げたBL作品が増えてきたように思います。
BLはファンタジーだと言われるけど、パートナーシップ制度のような現実世界に限りなく近いテーマを取り扱うことで、BL作品の世界観をよりリアルに感じます。普通の男女間の婚姻と比べると限定的な"結婚"ではありますが、同性カップルが"伴侶"と"伴侶"として永遠の愛を多くの人に誓い、そして認めてもらえる手段とあってはこれ以上のものはありません。
多様性の認識が世の中に浸透しつつある今の時代、パートナーシップ制度のワードもシステムも珍しいものではなくなってきていることは、同性カップルからすると喜ばしいですよね^ ^
好きな相手と未来永劫一緒にいる根拠が欲しいと思うのは男女間カップルも同性間カップルも同じこと。それ故に家族や周囲の人たちにカミングアウトすることも含めハードルが高い部分があるのは否めませんが、ボーダーのない社会への理解が進めばいいなと思います。
これまで澤根と新見の恋愛を見届けてきた私からすると、彼らがパートナーシップ制度を利用することは容易に予想出来ていたことでした。
高校生の時点でも、彼らの関係は刹那的なものでも一過性のものでもないことはすごく伝わっていましたし、彼らがパートナーシップ制度で一緒になる決心をしても、特別に驚くこともなかったです。それだけ彼らが一緒にいることは当たり前で自然でしたから、この時を迎えられて心から祝福しました!
それもあってか。この完結巻を手にしたとき、2人の結婚の招待状を受け取ったような気持ちでいっぱい。私も招待客の1人になった気持ちでお祝いをさせてもらいました( ´∀`)
パートナーシップ制度で一緒になると決めてから、皆に祝福されるまでの過程の2人のやりとりや思い、家族とのこと……たくさんのドラマに胸がキュッと熱くなりました。温かい気持ちもあれば切ない気持ちだってある…彼らの選択した未来に対する家族の反応を始めとして、色々と考えさせられた作品でした。
家庭を持つ、子供を持つ…何をもって幸せかは人それぞれの価値観だけど、2人で一緒にいることを最大の幸福価値として選択した澤根と新見の今もこれからも私は応援していきたいです(*´꒳`*)
品のあるストーリー運びと筆の息遣い、繊細な心理描写が終始素晴らしい作品でした。今後も大事に読み返していこうと思います。