もう少しだけ、そばにいて

mousukoshi dake, sobani ite

もう少しだけ、そばにいて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神150
  • 萌×222
  • 萌6
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

39

レビュー数
30
得点
858
評価数
181
平均
4.8 / 5
神率
82.9%
著者
白野ほなみ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
クロフネコミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784799768495

あらすじ

「晴人と、一緒に生きていきたい」

小説家の晴人とサラリーマンの晃は、
大学時代からの恋人同士で同棲中。

数年前の事故以来、
晴人は車椅子生活になったけど、
大好きな人と一緒に暮らす毎日に
ささやかな幸せを感じていた。

でも、誰よりも晃のことを想うからこそ、
晴人には『小さな秘密』があって……

誰にでも起こりうる「人生の選択」を描いた、
ボーイズ・ラブストーリー!

表題作もう少しだけ、そばにいて

晴人の恋人,(大学生→)サラリーマン
晃の恋人,(大学生→)車椅子の小説家

その他の収録作品

  • 番外編①②
  • 描き下ろし:後日談
  • 描き下ろし:エピローグ
  • あとがき

レビュー投稿数30

絶対読んだ方がいい!と言いたい

下半身麻痺の方の生活描写が忠実。だから漫画自体がすごくリアルに感じます。車椅子生活なこと、同性が好きなこと。そんな生きづらさの中で愛し合って生きていこうとする彼らに胸がいっぱいになります。

0

No Title

事故で下半身付随になり車椅子生活になった場合の苦しみに、心がえぐられました。より一層、事故の加害者・被害者にならないように気を付けようと思いました。

綺麗事があまりない、丁寧な感情描写に惹き付けられました。自分だったらどうするだろうと考えながら拝読させて頂きました。

主人公に対する出会った方々の反応は良いほう。経済的に困っているような感じには見られませんでした。
沢山考えての結果だと思いますが、お守りとしてから最後と思える場面までの時間の中で、結論を変えることはできなかったのかな、と思いました。

0

タイトルが秀逸

試し読みを見て面白そうと思い購入しました、初めての作家さんです。
事故によって下半身付随になった小説家と、冒険家の夢を諦め会社員になった恋人の話。

車椅子での日常生活の解像度が高く晴人への感情移入がしやすく、だからこそエピローグが、幸せだねと思うと同時に第三者の目で見ると涙が止まりませんでした。

可哀想とかそういう気持ちではないと思います。あの付箋だらけの積み重ねられた"もう少し"があった事、そして多分このエピローグの先を想像すると、これから先も一緒なんだろうなと思うんですが、なんで止まらないんでしょうね。

晃を通して世の中の"あたりまえ"の理不尽さも見えて、また晴人の障害者だからといって逆に特別扱いされ"すぎる"のも抵抗があるという目線もリアルに感じ、BLの枠を超えて色んな方に読んで欲しいなと思える作品でした。

0

最後のページなんともいえない気持ちになった

初めての作家様です
実はちるちるで紹介されてたのを見て、読んでみたくなって購入しました。
ワンコ系おひさまみたいな性格の晃と性格が真逆な小説家超インドア派の晴人のお話なんですね
晴人は事故で半身不随?になってから一緒に暮らしてる二人
正直晃が献身的すぎて、良い人すぎて大丈夫かな?と思ったのですが、2人はお互い好きあっててでもそんな晃に晴人は負い目を感じてて
もう切なくて苦しくて痛いんですよね
でもあの事故がなければ、2人は一緒にいなかったあるいは、別れてた可能性もあったのかなと思ったり
でもそれは違うと思いたい!ただ好奇心で付き合った相手にあそこまで献身的にはなれないと思うんだよね
だから生き方は違っても一緒にはいたと思う
いくら旅好きだからといったって、いずれは就職するだろうし、お金にも限界がある
昔勤めてた会社の社長も世界中旅したとか言ってたの思い出した人生で良い経験になったと…そんなもんだよね一生旅しながら生きられるわけもなく
だから最後少しづつ前を向いて、一緒に旅行できるようになった2人には安堵しました
事故なんかで、半身不随になった方や体に障害のある方がどんなに辛いかとか大変な思いされてるとか考えたことなかったので、このコミックでそんな尊厳死を考えるほどなんだと思い知りました
誰でもそんなふうになる可能性がある世の中もっと優しい世の中になったらいいてすね
BLの枠を超えて色々と勉強になりました
BL的にも晃の愛情深さが光ってましたよ
お互い思いやる素敵なカップルです

0

なんてレビューしたらいいかわからないけど

めーーーちゃくちゃ良かったです。
出勤中に読んで、めちゃくちゃ泣いた。何回も読み返したくなる、そんな作品。

お話は同棲中の、コミュ強大型ワンコと事故で下半身不随になった小説家のお話。
BL作品という中で恋愛も入ってるけど、2人が自分のこと、相手のことをどう大切にしてどう生きていくかっていう人生のお話。

素晴らしすぎて、なんてレビューを書いたらいいかよくわからないですが、とにかく読んでみてくださいということだけ、広くお伝えしたい。
本当に良い作品に出会えてよかったです。

0

2人なりの幸せ

ほんとにほんとに辛いけど暖かくて、どんな辛いことがある人たちもみんなこうなれたらいいのにねって思いました。


ここからは超超ネタバレなんですが、、、
自分は今のところ四肢満足で大きな怪我もしたことがないですが、時々死を考えます。
ハルトのようになった場合、同じことを考えるだろうなと思いました。
どれだけ好きな人がいて、好きな人が自分のことを考えてくれても重荷にはなりたくない。早く自分から解放されてほしいと願ってしまいます。
尊厳死の書類がお守りなのはとても納得。
最後にハルトが認知症を自覚した状態でエッセイ完結も諦めたことを明言してスイスに行った描写があったのは、尊厳ある死を選びに行った(お別れする)という描写なのでしょうか。
晃も一緒に死ぬのか。または看取る約束をしたのか。
2人の別れが確定した演出はとても辛いですが、あの年まで2人が幸せに添い遂げられたのは嬉しかったです。2人の一生を見せてくれてありがとうございました。

2

丁寧なお話でした

とても良かった。
とあるカップルに訪れた人生の大事件とそれから。小説家の晴人(下半身不随)と会社員のあきらは大学時代からの恋人で、晴人の事故をきっかけに一緒に暮らし始めて二年。二人が一緒に暮らす上でお互いが自分で出来ることは自分でやる、困った時は頼る(ちょっとしたことでもあきらからも晴人を頼るのがとても大事だと思った)そうやって気遣いながら暮らす二人の様子が良い。

しかし晴人は大学時代とは様変わりしてしまった攻めの人生への罪悪感を消し去ることが出来なくてというお話。大学時代の変哲もない若者カップルな二人のエピソードを読むとやるせなさがある。攻めは自由奔放で旅好きで、 そのせいで留年したりしているタイプの若者だったのに、今は定時で直帰してくる会社員で週末に街に出かけるのも一苦労な自分に付き合ってくれている。そう思うと罪悪感を感じずにはいられないよね。

あきらが久しぶりに一人で旅行した時に、ここは車椅子が通れるか、あの段差はいけるか無意識に考えちゃって、結局旅先で見た綺麗なものを晴人と一緒に見たいと思っちゃうシーンが好きだった。

その他晴人の暮らし、日常の描写もとても印象的だった。排泄の手間暇、後遺症の神経痛、外出時の手間暇など丁寧に描写されていた。

映画が好きな晴人にとっての映画館。昔は特別感が好きだったカーペットの床も今は車椅子が動かしにくくて一苦労。車椅子席だってシアターによって位置が違うし、最前列の場合が多くて見にくい。そういう事を考慮しながら映画を選ばなくてはならないし、外食するにも事前の問い合わせや目的地までの動線の確認とやることは多い。下半身が動かないことに付随して日常に膨大なタスクが増える。だただ歩けないだけではない、他者からは見えにくい不便さにハッとさせられる。

パートナーであるあきら側についてもフォローされていたのも良かった。付き添い人ではなくパートナーとして一緒に生きていくことについての言葉が印象的だった。

あきらがくれたド派手な蛍光カラフルカラーなマジックハンドを「スゲー色だな…」と思いつつ使い続て愛着が湧いているのも可愛かった。

最後も良かった。

0

胸の奥の奥、深いところに響きました

ちるちるのランキング上位だったので購入しました。

表紙の絵柄とタイトルから抱いた印象とは全く違うお話でした。

生きること、と、愛すること、この2つの大切なことがらを、とても感情豊かに、リアルに描いた作品でした。

事故により下半身不随、車いす生活になった小説家の晴人。
事故で人生激変の影響を受けますが、不安定な職業ではあるけれど、小説家、なので、自分で収入を得続けることはできます。

恋人の晃は大学時代は世界を旅してまわり、将来も世界を回りたいと公言していましたが、晴人の事故をきっかけに、考えを変えて就職し、晴人を誘って同棲を始めます。

愛があるから障害を乗り越えられる、というような、感動の物語ではなく、2人それぞれ、起こる問題、抱える問題、などに、遭遇し、ひとつひとつ、対応したり、しないでやり過ごしたり、乗り越えたり、日々、選択しながら、そして相手を想いながら過ごして良く様がとても丁寧に描かれていて、考えさせられました。

晴人の日常生活の困難、苦労、体調不良など、とても細かくリアルに描かれています。限られたページ数での中で、こうしたエピソードを丁寧に描いているところが、この物語の軸にもなっていたと思います。

晴人の想い、覚悟、決意。そして、晃の想い、覚悟、決意。
お互いが大切だからこそのそれぞれの気持ちがとても、切なく、温かく、胸に響きました。

そして彼ら2人をよく理解しており、かつ、2人のどちらの立ち位置、考えとも異なる先輩がいることで、見えてくる、気づくものがありました。
それぞれが持つ愛情、行動、言葉、想い、丁寧に綴られていて、とても素敵でした。

描きおろしで、2人が高齢になってからの姿、やりとりを読むことができたのも、とてもよかったです。めでたし、めでたし、ではない、その先の2人の姿に触れることができ、感動とともに、本編終了からこの姿に至るまでの2人のあれやこれや、楽しいこと、苦しいこと、苦労したこと、乗り越えたこと、などに想いを馳せました。

読む前は、かわいらしく甘いお話なのだと予想していたのですが、読了後に、改めてタイトルを見て、そういうことか、とはっとして、改めて感動しました。


3

生きにくい世の中で、大切な人と居られること

ちるちるのランキングでお見かけし、購入しました
あらすじも読まずに買ってしまったのですが、表紙のアットホームな感じもありつつ、障害を持ちながら生きていくことの辛さ、生きにくさを感じました
BL、というだけでは表しきれない作品ですね

私自身、看護師として働いていて事故により下半身が動かず生活を制限されている方を沢山知っています
そんな方々の生活について、色々考えて退院に向け支援をしていますが、やはり細かいところでの生きにくさは残るのだなと
特に晴人くんのように、この若さで障害を背負うことは本当に辛いとおもいます
晃くんの献身、サポートにもありがたいと感じつつ、彼の人生に影響している事への後ろめたさ、、、
本当に考えさせられますね

特に2人は男性同士の恋人
いくら多様性に理解が増えてきた昨今でも、なかなか受け入れにくい部分がありますよね

そんな中でも、もう少しだけ、もう少しだけ、今を一緒に過ごしたいという2人の姿に泣いてしまいました


キスのみでエロはありません
本当に良い作品だと思います
ぜひ、色んな人に見ていただきたいです


2

もう少し、もう少し、と

会社員の晃には学生時代から付き合っている恋人がいます。
恋人の晴人は数年前に事故に遭い、後遺症から車椅子生活に。
それでも二人で支え、支えられ、穏やかな日々を送っていましたが…。

一見すると、これは障害を乗り越えて愛し合う温かな二人の物語。
けれど、読み進めていくと深みに嵌る。

本作では決して優しいだけではない、
愛だけではどうにもならない現実が描かれています。

事故後の晴人が向き合うことになる“現実”は
正直はじめて読んだときにはショックを受けました。
事故の後遺症として半身不随になった晴人は自然な排泄ができない。
暑くても汗をかくこともできないし、眠る前には神経痛に襲われる。
ささいなことがきっかけで感染症にかかり、入院することも少なくない。

健常者として生きていればまず知らない現実。
ただ、生きているだけなのにこんなにもしんどいものか。
BL作品でここまでリアル描いてしまうのか、と
著者が本作に込めた熱を感じました。

これだけでも結構な衝撃だったのに、
作中で明かされる晴人の“秘密”には打ちのめされてしまいました。

晴人にとって晃といることが幸せであると同時に、
生きることはそれほどに苦しいことだったのだ、と。

いつもは淡々としている晴人が抱える生きることへの辛さ、
それを晃にだけは伝えられなかった優しさなど色んな感情が渦巻き、
涙が出てきてしまう。

ただ日々を過ごすことも、
晴人にとってはこんなにもままならないことだらけ。
健常者にとっては何のこともないことでも、
晴人にとってはこの世界はこんなにも生き難いのだ。

だけど、そんなしんどい日々も晃の存在に救われる。
晴人の身体が自由を失ったとしても、あくまで自然体で、
恋人として晴人と一緒にいようとする晃。

今の晴人を受け容れ、ただ一緒にいられれば、と
いつも柔らかく笑って傍にいてくれる彼の温かさに癒されながらも、
彼がいなければ今頃、晴人は…とぞっとする。

晃なしには晴人は生きてこられなかっただろう。
だけど、同時にそんな晃の優しさが晴人を苦しめもする。

自分がいなければ晃は自分の夢を諦めることはなかった。
そんな葛藤に苛まれ、晃に別れを決心する晴人ですが、
愛しているからこそ晃に別れを告げずにはいられなかった
晴人の気持ちが切ない。

愛が重たくて、優しくて、それがとても苦しい。
愛し合っているからこそ、どうしようもなくなってしまった二人。

だからこそ、そんな二人を誰よりも理解して、
傍で見守ってくれる先輩の気楽さがありがたかった。
二人だけではきっと壊れてしまっていたかもしれない。
二人の糸を繋げて、修復してくれた先輩。
本作において彼は脇役などではなく、間違いなく大切な主要人物なのでした。

結果として、晴人は“秘密”を捨てきることはできませんでした。
晃にははじめからバレていたのだから実際は秘密でもなんでもないのだけれど。
それでも晴人にとって、“秘密”が希望になるというのなら
彼から“秘密”を奪うことは晃だってできないはずだ。

晴人にとっての辛い現実はこれからもなくなることはなく、
晴人が毎日を乗り越えていくためには“秘密”が必要なのだ。
でも、それでもいい。
それを持ち続けることで晴人が少しでも長く
「もう少しだけ」とほんの少し先の未来に想いを馳せてくれるなら。

願わくば「もう少しだけ」がずっと続きますように。

描き下ろしでは二人の後年が描かれ、救われた。
だけど、老いた晴人の独白に悲しいのと切ないのと、幸せと
色んな感情がないまぜになって涙が溢れて止まりませんでした。

7

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