星詠みと海賊の嘘

hoshiyomi to kaizoku no uso

星詠みと海賊の嘘
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

95

レビュー数
3
得点
26
評価数
6
平均
4.3 / 5
神率
50%
著者
一条珠綾 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784041152362

あらすじ

第24回角川ルビー小説大賞 読者賞受賞作家のデビュー作!

黄金の髪と瞳をもつ美しい青年のハシュナは、異国の血を引くその見た目から閉鎖的なナジュム国で迫害されて生きてきた。その過酷な環境は彼を嘘の道に誘い、ハシュナに建国神の伴侶・ツェツェグの生まれ変わりを騙らせる。そうして王子であるテムジンの婚約者として王宮に召し上げられ星詠みとして国を支えてきたハシュナだったが、結婚目前に自らがついてきた嘘をテムジンに告白したところ、偽物と拒絶され追い出されてしまう。己の罪を悔いて海に身を投げたハシュナは大海賊のガルディに命を助けられ、彼との旅路のなかで自分の人生に付き纏う孤独と罪悪感と向き合う強さを手に入れていく。やがてハシュナとガルディは運命に導かれるように強烈に惹かれあっていくが――ガルディも、その身に大きな秘密を抱えていた。

表題作星詠みと海賊の嘘

ガルディ、27歳、世界を股にかける大海賊
ハシュナ、20歳、神の伴侶の生まれ変わりの星詠みを騙った青年

同時収録作品星詠みと海賊の嘘

テムジン、ナジェム国の王子
ハシュナ、星詠を騙る王子の婚約者

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

嘘から始まった人生であっても…

”星詠み”というなんとも幻想的でロマンチックなワードと、カワイチハル先生の美麗な表紙に惹かれて手に取ったこちら。

なんと、読者賞受賞作&作者様のデビュー作なのですね。おめでとうございます✨

ハラハラドキドキのストーリー展開、細かく散りばめられた気になる伏線の数々にページをめくる手が止まらず、一気読みしてしまいました。

甘さがないわけではないけれど、シリアスめなストーリー。
※以下、大きなネタバレを含みますので未読の方はご注意ください↓



傲岸不遜な逞しい海賊 × 王子の婚約者となる”星詠み”を騙り、追われる身となった者。

黄金の髪と瞳を持つ、施設育ちの美しいハシュナ(受け)。
異国の血を持つ者として迫害され、他国へ売られそうになった時、自らの肩に伝承の「星詠み」の痕をつけ、決死の嘘で王子・テムジンの婚約者となります。
そうして王子の婚約者&偽の星詠みとして国を支えてきたハシュナでしたが、結婚目前、自らがついてきた嘘をテムジンに告白したところ、偽物と拒絶され追い出されてしまいます。
失意のまま海に身を投げたハシュナですが、そこを大海賊のガルディに拾われ命を助けられ、彼と共に航海をする中で、次第に惹かれていくようになり――

と続くファンタジーです。


タイトルにもあるように、生き抜くためについた「嘘」と、嘘をついた人生を肯定できるようになるまで、がテーマになっている今作品。

ものすごく後ろ向きというわけではないけれど、諦念に囚われている主人公・ハシュナが自らを許し、肯定し、自分自身を認められるようになるまでの過程、逞しく成長していく姿が眩しく、心沸き立ちました。

攻め受けともに秘密を抱えた身であること、そして攻めのガルディのついている”嘘”の裏に隠された王家の闇など、細かな設定も面白い。

王家を抜け出した王子が海賊になって大活躍…なんて聞くとちょっと突拍子もない気もするんですが、設定とストーリーの深さゆえか、そんなに違和感を感じることはなかったです。

欲を言うなら、執着と独占欲を見せるガルディの恋心のきっかけがもう少しインパクトのあるものだったらな、、と。

”サバサバした女が好き”と自分で語るようなノンケ男が、美人とはいえハシュナという男性を追いかけ、婚約者から奪ってしまおうと思うほど執着心を募らせる理由、その過程が見たかった。ラブ面、萌えという面でもう一押し欲しかったなあと。

…なんて言いつつも、読むのが止まらなくなるほど間違いなくストーリーとして面白い今作品。
電子版の特典SSもとても良くて(これ、本編に欲しかった…!)、やっぱりそうだったのね、と嬉しくなる内容でした◎
楽しく胸踊る読書時間となりました✨

0

この星の下に素敵な作品がまた1つ

お……お……おんもしろーーーい!!(=´∀`)人(´∀`=)

さすがは小説大賞読者賞。賞をとるだけのことはあります。
幻想的でロマンチックな伝説をベースに展開されていくストーリーが素晴らしい。またまた注目の作家さんが増えてニンマリしました^ ^


海賊と星詠みのお話で、これがまた素敵な物語展開なんですよ〜♪
星詠みっていうのは星の動きや空の様子を観て、自然現象を予測する人のこと。今でいう気象予報士みたいな感じです。
星詠みであるハシュナが大海賊のガルディに助けられたことをきっかけに、愛を育んでいくパイレーツBL。ハシュナの芯の強さ、ガルディの豪胆さ……見た目は対照的ですが、根っこのところで非常によく似た2人が惹かれ合っていく恋の道すじにニヤニヤしました。

星を詠むのはすごいけど、自分の恋愛を読むのは苦手なハシュナが可愛い…^ ^
儚げで弱々しい感じのイメージだけど、結構肝が据わってて大胆なことをするギャップが面白い美人さんです。
星詠みになったのもハシュナの大胆な行動からですが、でもそれは嘘によって得た立場。偽りの立場でも、星詠みとしての知識や能力を生かして民の生活に寄り添う姿は偽りではなく間違いなくホンモノです。
そんな彼が偽りを告白し海に身投げしようとしたところをガルディに助けられてからが、ストーリーが爆速で面白くなっていきますよ〜!

なんかもう海賊と星詠みっていう組み合わせがロマンチックで設定からして最高でした…(´∀`*)
ぶっきらぼうでテキトーなガルディだけど、読んでいくとハシュナへの愛が深いことにドッキュンニヤニヤです。ハシュナは気付かないけど、ガルディの言葉の端々、行動の1つ1つに好きが溢れてるのがた…たまんねぇ〜
こういう、なんとも思ってないですよー風にしといて、心ん中では執着溺愛バッチバチな攻めに私は弱いんです( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾


ハシュナもワケアリの生き方をしてきたけど、ガルディの方もワケアリな生い立ちと生き方をしてきてるもので、その隠された真実に触れたとき思わずスゲッ!ってなりました。真相のカラクリがすごくて、全部が線になって繋がっていくときのワクワク感はハンパなかったです。
一番の見どころであるガルディとハシュナのイチャイチャとラブラブももちろん宜しくて、仲間に隠れてこっそり(しっかりバレてる 笑)船の中でエッチなことをしてる2人の逢瀬にムフフ…(〃ω〃)
ガルディの独占欲が素敵なパンチ力でした。


2人が結ばれたとて、邪魔が入るお約束展開にハラハラしながらも、最後の最後までしっかり魅せてくれるストーリー展開と興奮のエンディングに大・感・動!ストーリーもキャラも世界観もめっちゃ好きな作品。最後まで読む手が止まりませんでした。
勘違いあり、不器用ありの2人のぎこちないラブストーリーに酔いしれました。
この星の下に素敵なBL小説がまた一冊増えました^ ^

3

星の形をした嘘

異国生まれの孤独な少年が生き延びるためにはそうするしかなかった。
彼がひっそりと抱え続ける、星の形をしたひとつの嘘とずっしりと重たい罪悪感。
ページをめくってハシュナの旅を追いかけるたびに、点と点をつなぐように隠れていた全体像が少しずつ見えてくる構成が印象的でした。

主人公・ハシュナが暮らすナジュム国に古くから伝わる、何度生まれ変わっても連れ添い続ける大陸神たちの非常にロマンティックな神話。
右肩に特殊な痣が現れた者と王子は、彼らの生まれ変わりとして今でも婚姻関係に…と、神話が真実だと信じられている国が舞台となる物語。
まず、ハシュナの星詠みという役割が素敵です。
人々の暮らしがより良いものになるよう星を詠み、その予言で皆を救う。
星の形の嘘を右肩に背負いながら、嘘を本当にしようと懸命に努力をしたハシュナの精一杯の償いなのでしょうね。
そして、この嘘が物語を大きく動かしていくことになります。

さて、タイトルにもある「星詠みと海賊」ははたしてどう交わるのか?
外の世界をほとんど知らなかったハシュナがひょんなことから義賊めいた海賊船に乗船し、仲間たちと共にその目で広い世界を見て、やがて己の人生を肯定できるようになっていく。
作中のあちこちにそっとヒントが置かれているので、もしかしてこうなるのかなと想像をしながら、どう歩んでゴールにたどり着くのかを見守るように読み進められるかと思います。

ただ、長編はあまり書かれてこなかったとあとがきで言及されていて、やはりページ数に対して少々詰め込み気味に感じられたり、恋愛関係に発展するまでがやや唐突に思える部分もありました。
なるほどこうなるのかと、嘘の数と国の真実は意外性があっておもしろかったですし、主人公の心の成長が感じられる結びも素敵でしたので、1番の山場がどこなのかが分かりやすいときっともっと盛り上がれたのではないかな。
読者賞を受賞した新人作家さんとのことで、今後の作品も楽しみにしています。
期待を込めてこちらの評価になりました。

それにしても、一見粗野な言動をしているというのに、1度懐に入れた者には愛情深そうな香りが滲み出ている海賊船の船長っていいですよね。
ふとした時の所作が綺麗なのもツボでした。

1

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