騎士団長のお抱え料理人

kishidanchou no okakae ryourinin

騎士団長のお抱え料理人
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×28
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

108

レビュー数
6
得点
48
評価数
13
平均
3.8 / 5
神率
15.4%
著者
稲月しん 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
夏乃あゆみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199011399

あらすじ

将来は自分の店を持って、食べた人を笑顔にする料理人になりたい――!! 王宮にある騎士団の食堂で修行中のアイル。故郷を救ってくれた戦争の英雄で、憧れの騎士団長に手料理を食べてほしい――けれど就任以来、姿を見た者はいないらしい。そんなある夜、一人で練習していた厨房に不審者が現れた!? 伸びきった前髪に無精髭の男はゼスと名乗り、アイルの料理を求めて夜な夜な訪ねてきて!?

表題作騎士団長のお抱え料理人

シャルゼス・グライアー、戦争の英雄と呼ばれる第三騎士団団長
アイル、第三騎士団寮厨房で働く料理人、22歳

レビュー投稿数6

美味しそうな料理とサブキャラ達が魅力的

騎士団の厨房で働く新米料理人のお話なので、美味しそうな料理が沢山でてきてお腹が減りました。
卵のパテとか、エッグサンドの卵サラダみたいな感じなんだろうか。是非とも食べてみたい!

憧れの人とは露知らず、夜な夜な現れる不審者(髪の毛モサモサ・髭ボーボー)と仲良くなり、料理を振る舞っていく内に恋心が芽生え……と、2人の出会い〜恋人に至るまでの様子が丁寧に描かれていて、アイルの心情に癒されたり、切なくなったり、ドキドキしたりと楽しい一冊でした◎

心理描写が丁寧な分、ラブの進展がゆっくりなので、どちらかといえば〝お仕事要素〟の方が強いかも?
主人公の料理に対する想いや情熱がしっかり描かれていて、料理人として成長していく姿を自然と応援していました。

また、怪我で剣を捨てた厭世的な攻めのギャップが凄かったです!
傷心のダウナー系かと思いきや、復活してからは積極的にめちゃくちゃグイグイ迫ってきます。
俺様要素が少し入った、強めの陽キャで驚きました笑
公衆の面前での大告白→全員に祝福される展開はディ●ニー映画のようで、思わずニンマリ◎
独占欲も強いようで、終盤2回も攻め●ェラがあって大満足!

そして、個性的なサブキャラ達も魅力的でした♡
特に、隣国の騎士ベッズィが気になります!
優しい大型犬タイプの褐色男子が大好物なので、続編があるなら今後のアイルとの絡みに期待大ですね!!

2人の恋はこれから!と言うところで終わるので、是非とも続編が読みたいです◎

0

料理に込められた思いと癒し

今回は第三騎士団団長と騎士団寮の料理人のお話です。

平民の料理人だった受様が攻様との関わりで
治癒士の道を目指すまで。

ラール王国と隣国カサンダは5年も戦争をしていますが
将軍の補佐となった公爵家次男の攻様の活躍により
終戦を迎えます。

受様の故郷は戦場近くの町で
多くの町民が逃げ出し、治安が悪くなっていきましたが
目を光らせた司令部を実質的指導者の攻様のお陰であり

受様は両親の営む食堂で馴染みになった団員の誘いで
王都に戻る第三騎士団寮の厨房で働く事になります。

第三騎士団は戦争のために作られた騎士団で
身分を問わず、曲者揃いでもあり
戦争が終わると特権階級者の集う第一、第二騎士団からの
風当たりが強くなっていきます。

そして第三騎士団長が退任すると新団長の人選が揉め
戦争の怪我が元で第一線を退いた攻様が
団長に指名される事となります。

受様は英雄である攻様に料理を作る機会があるかもと
団員達同様躍らせますが、攻様は就任して2カ月たっても
団員達と食事をする事はありませんでした。

それでも受様は料理を作る機会のためにと
仕事後の時間に貴族の料理を練習していました。

そんなある夜、
眠れなくて歩いていたという顔が隠れるほどの
長い前髪と無精髭の騎士に料理を振舞うことになり・・・

戦いでの功績で英雄と呼ばれる攻様と
戦地に近くの町が故郷の受様の恋物語になります♪

この不審な騎士が攻様なのです。
攻様は戦争の怪我が元で剣が握れなくなっていて
自分の価値を見失っていたのです。

受様は攻様が戦いによって負った怪我だけでなく
敵も味方も問わず死を招いた事により抱いた
トラウマをも癒していく展開です。

実は受様には癒しの力があり
受様が騎士団寮の厨房に誘われたのも
受様の料理が兵士達の怪我の回復に貢献しているのでは
と思われたからだったのです。

王城の中央の厨房で働いていたらしいと噂される料理長
太陽と月の双子神を祀る神殿の神殿長
原因不明の熱病の後遺症で苦しむ国から来た使者達

自分の作る料理で人々を笑顔にしたいと望む受様が
料理を通して攻様の怪我を癒していく事で
秘められていた力が明らかになり

それにより受様を狙う輩も現れて・・・と
ほのぼのな雰囲気から不穏な状況になっていく上に

身分を隠した攻様の良かれと思っての行動が
けっこう裏目に出ていてハラハラさせられ
こんな攻様でいいの!? と思わなくもなかったですが

最後はがっつり受様への独占欲を見せてくれて
楽しく読了させて頂きました♪

両想いになったのに離れ離れな幕引きで
受様とともに隣国の神殿に移るほどの神官様の暗躍や
攻様との鞘当てなんかを期待して続編が読みたいです。

3

おいしい料理の持つ力。夜の厨房から始まる恋

なんだかとてもほわっと心が温かくなる、夜の厨房から始まる恋のお話でした。

人助けしたいという夢のために恋人から離れるか、夢を諦めて恋人と共にいることを選ぶか。
ラブもあるけれど、主人公・アイル(受け)の悩みと成長にフォーカスされた一作、ワクワクしながら読みました◎

主人公は、王宮騎士団の厨房で修行中のアイル(受)。
いつか、国の戦争の英雄で憧れでもある騎士団長・シャルゼスに自分の作った料理を食べてもらいたい、そんな夢を抱きながら日々修行に励んでいます。

一人黙々と料理の練習をしていたある夜、突然厨房を訪ねてきた不審な男・ゼス(攻)に成り行きで料理を食べさせることになるのですが、それ以来ゼスは夜な夜なアイルのもとを訪れるようになります。

交流が深まるにつれてゼスに惹かれていくアイルですが、ある時、アイルにある不思議な力があることが分かりー

と続きます。


この「ある力」が、なぜアイルに宿っているのか。
そしてこの力を利用して、具体的にどうやって隣国を救うのか、その顛末、そういった知りたかったことが書かれていないのは少し残念だったかな;

その先を知りたいのにな、、というところでスパッとお話が終わっている感じはしたかもです。

そして当初、攻めのゼスがすんなりアイルの隣国行きを認めず、「ここにいろ」と自分のそばにいることを求めたのにちょっとビックリしました。
「辛いけど行ってこい」的な展開になるのかな、と思っていたので(最終的にはそうなるんですが)…

でも、そんなふうに”離れたくない・離したくない”って恋人を引き止めるたり、最終的に「一年」という期限付きで”行ってこい!”と言えるゼスの人間らしい部分がいいな、魅力的だな〜と思いました◎

アイルも身分差のある恋や自分の行く末について色々悩んだり迷ったりするんですが、守られるだけでなく自ら胸を張って恋人の隣に立てるようになりたい、と頑張る姿が好感度大。
頑張る受け君、応援したくなる!

アイル、ピンチ!というシリアス展開もあるんですが、全体としてはほのぼの、二人の恋を見守りながらアイルの成長をじっくり味わうことができる物語。楽しい読書時間でした✨

3

料理人

しん先生好きなので購入。面白かった!覚えている気がするので萌2にしました。サブキャラが良いんですよ(笑)楽しい♡一生懸命料理人さんとつよーい騎士団長さんとの恋話、本編270頁ほど+あとがき。これ、続きますよね?当然ですよね?ね?→出版社さま

第三騎士団の厨房で料理人(まだまだ半人前)のアイル。お料理大好きで日々勉強、実践に勤しんでいます。ある日の夜遅く、厨房で牌料理の研究、練習をしていると、ヒゲぼうぼうのおっかない様子の男ゼスに出会い、練習していた料理を食べさせることになり…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ウェイン(キレイな神殿長(笑))、料理長、厨房仲間、受け両親+兄、隣国の使者ぐらいかな。ウェイン最高っす。

++攻め受けについて

受けは料理修行中の、料理しか頭にないタイプの方。
頑張って修行してたら、「君の料理には治癒力が籠もっている」なんて言われて、戸惑い満点。ただ好きな料理作って美味しいって言ってもらいたいだけなのに…と悩んじゃうんです。人を助ける力があるんなら生かしたほうがいいのか?とぐるぐる。等身大に感じられて良かったです。

攻めはつよーい騎士団長さん。受けの料理を食べさせてもらって、久しぶりに「美味しい」と人の気持ちを取り戻し…ってパターンです。潔いんですよ。強くて潔くて受けを大事にしそうで、好きなタイプ。人前で告るのもナイス♡

もう一人好きだったのが神殿長。キレイな穏やかな人格者っぽく振る舞ってます(笑)楽しい。クセモノが好きな方はちょっと楽しみにしていただいても良いかも♡私は大好き♡

攻め受けともまあまあ好きだったしサブキャラが楽しいし、続き読みたいと思える楽しい一冊でした!続きーーー!

3

エエェェ!

稲月しんさん、新作を楽しみにしてましたよ!

料理人のアイル視点です。
必死で目の前の料理のことしか考えて来なかったアイル。しかし彼には治癒の力があり、願いながら作ると食べた人達を癒して…。

素敵な設定なんですがね。
なのになんでかな〜?1冊ほとんどアイルが悩んで悩んでの繰り返しだったような…。料理や身分差やゼスの行動に。

知らずに知り合い料理を振る舞っていた第三騎士団団長のゼス。彼を癒したことで話が大きく変わっていき…。

なんで?戦後の傷ついた多くの人達を癒した方が良いのはわかるけど。なんでそうなっちゃうの〜?
アイルが良い子なのにつけ込んで、色んな思惑に巻き込まれ。

おいおいゼスさんよぉ、好きな人に嘘までついてその力を神殿に認めさせた結果がこれだよ!?何やってんの?せっかく両想いがこれからって時に。
読んでる方も肩すかしですよ。
ウェインさんが意外と面白そうなお方でした。

まあ王宮もアイルのことを知っててって方が直接の原因なのはわかるんですけど…。
いいの?本当に?

3

新しいヒーロー像

料理で人々の傷を癒す。
そんなパワーのある料理を作る青年と、憧れの英雄とのお話です。
料理が結んだ2人の恋はほのぼのほっこり。アイルの作った料理が縁で育まれていく2人の関係は朗らかな気持ちにさせてくれました^ ^


"騎士団"とか、"戦争の英雄"だとか、"戦争の傷"だとか、物語背景は戦争と隣り合わせの世情が不安定な世界観です。そうした世界では、敵を討ち取り勝利に結びつける者こそが主役で、攻めのシャルゼスはまさにそう呼ばれる国の英雄です。
しかし、この作品では武勲を立てた"英雄"が主役ではありません。
この物語は、傷付いた身体を癒す料理人が主役。裏方で料理に励む一人の青年が"英雄"なのです。

本来なら料理人が英雄なんて……って感じですが、戦争に赴く騎士たちの胃袋を支える料理人だって共に戦う仲間です。あまり当たることのない日陰の存在の料理人にスポットを当てているのが面白かったです。
確かに武勲を立てる者が英雄ではありますが、その英雄の身体を支える食事だって勝利に貢献する大事な要素だと思います。であれば、料理人だって"英雄"の称号を授けられたって全然おかしくないですよね。

戦争が終わっても戦いが続く人たちがいる。戦争で負った身体の傷だったり、心の傷の苦しみなんかはまさにそう。物理的な傷であれ、心の傷であれ、傷を負った者はずっと痛みや恐怖と闘い続けることになります。
アイルの料理は、傷付いた身体を回復させ、病気を治癒する不思議な力があるけど、でもそれだけじゃない。皆が、心から明るく元気になります。
アイルはただ純粋に美味しい料理を食べてもらいたい気持ちだけで作ってるので、その思いがきっと食べた人に伝わってるんでしょう。美味しいだけじゃないプラスアルファの部分で、たくさんの人たちを幸せに導く彼の能力はすごい。

新しい角度からのヒーロー像にとてもワクワクしました!
剣をふるうとか腕が立つとかの派手さはなく、どちらかというと地味な存在だけど、かえってそれがいい。料理を心から愛する青年が、その気持ちだけで癒しを与えるってなんて素敵なことなんだろう( ´▽`)
私にしたって、すんごく美味しい食事をしたらその日1日は元気でいられるし、料理人ってほんとすごいなって感じることは日常にあるので、アイルの癒しの力は他人事に思えなかったところがこの作品の素敵ポイントでした。


アイルの料理の力を利用したいと思う者が出てきて一波乱あったりもしますが、世の中は戦争よりも癒しを求めてることの証拠のようなものでした。じゃあ戦争やめれば……というわけにもいかないから、なんとも複雑ですね。
せっかくシャルゼスと恋人になったのに遠距離恋愛なんて可哀想ですが、仕事に誇りを持つ者同士お似合いなので素敵なエンディングだったと思います。

アイルに甘くて溺愛キャラなことを十分に見せつけてくれたシャルゼスとのラブロマンスが、そこまでボリューム多くなかったのがちょい残念でした。
そんなわけで作者さま、その後のストーリーをぜひ。
遠距離恋愛明けのシャルゼスの喜びようを拝ませて欲しいです^ ^

3

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