恋のはなし

koi no hanashi

恋のはなし
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神26
  • 萌×27
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

134

レビュー数
7
得点
179
評価数
41
平均
4.4 / 5
神率
63.4%
著者
斑目ヒロ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784592721420

あらすじ

「どうして律は、ぼくのものじゃないんだろう」美貌のバーテンでゲイのちひろは、誰からも本命扱いされないダメな恋ばかりを繰り返していた。そんなある日、かつて好きだと告白された高校時代の同級生・律と再会し、恋人との幸せそうな姿をうらやましく思うようになる。(もし彼と、あの時をやりなおせたら――)やがてちひろは、足しげく店に通ってくれる律に、ほの暗い執着を持ちはじめ――。初恋を忘れられない流され系リーマン×ダメな恋ばかりを繰り返す美貌のバーテンの、正しさだけでは進めない、苦くて甘い大人の再会愛。コミックス描き下ろし「たくさんの愛」に加え、電子限定で「ちひろのお願い」を描き下ろし!また、珠玉の短編「恋の分量」も収録。(このコミックスには花丸漫画Vol.15,50,51,78に掲載された「恋のはなし」「愛のはなし前編 後編」「コイアイ」、花丸漫画Vol.39に掲載された「恋の分量」を加筆修正して収録しています。)

表題作恋のはなし

律、会社員、ちひろの高校時代の同級生
ちひろ、バーテンダー

同時収録作品恋の分量

ミツ,大学生
トバリ,大学生

レビュー投稿数7

多くの方に知って欲しい作者さま

「かわいい悪魔」からファンになった斑目ヒロ先生ですが、たまに人間の業を扱ったヒリヒリするようなお話も描かれていて、それが妙に忘れられない作品となっていてとても好みでした。

こちらの作品もまさにそうで、最近の流行りの分かりやすい感情を描いた作品群とは一線を画したお話だと思いました。セックスシーンはあるにはあるのですが、こちらの作品は人の感情の機微がメインで実に読み応えがありました。

一見すると悪者に見えてしまうちひろですが、果たして誰がこの混沌とした人間関係を作り出してしまったかと言うと、律とて同罪ではないかと思ってしまいました。誰が悪いでもないタイミングと思い込みという、その時にはどうしようもないものが2人の間に横たわっていたんです。

最初から思い込みでちひろに接して来た律と、無くしてからその感情に気が付いて取り戻そうと足掻いて来たちひろ。そんなちひろの上を勝手な感情で通り過ぎて来た男たちに腹が立ちました。

どうかちひろの想いに早く気が付いてと祈りながら読み進めました。彼には幸せになって欲しい。

同時収録作の「恋の分量」もヒリつくような2人の関係がお見事としか言いようがありませんでした。

今流行りのお話でもないし、主流の絵柄でも有りませんが斑目ヒロ先生は唯一無二の作家さまだと思ってます。個人的にはもっと人気が出て欲しいし、もっと色んな方に読んで欲しいです。

4

恋のはなし

斑目ヒロ先生の新刊!
楽しみにしておりました。

まず表紙が素敵......
昨今のBL作品はタイトルで説明しすぎるところがありますが、「恋のはなし」というシンプルなタイトルも想像が膨らんで素敵です。

そして内容ですが、とてもとても素晴らしかったです。
こんなにじっくり"恋"について描いた作品って、最近では珍しい気がします。
どうしたって求めてしまう、抑えようのない気持ち。
好きで好きで仕方がないからこそ、愛にならない可能性が怖くて...
ラストに涙です。

同時収録は、一方通行な気持ちを実態さえ伴えば感情は要らないと割り切ってしまう泥沼のお話。
仄暗い雰囲気で表題作とは違ったテイストが楽しめます。

4

独りよがりじゃ恋はできない?

タイトルにひかれて覗いてみればご無沙汰しておりました

数年前ひょんなことから【覆面係長】に手をだし そこから【理想の恋人】【…誘惑】と遡り最後が【覆面係長リターンズ】で4冊しか読んでないんですが
ここであったが百年目とばかりに衝動買いするほどタイトルが開けてびっくり!玉手箱だと思いもせず
確かに「恋のはなし」ではあったけどキレイなものなんてなにもない あるのは再会に湧きあがった羨望・執着・欲望


他人のもの欲しがる悪いクセでもあるのか 浮気ダメ・絶対 な方にはあり得ない状況の
出だしなんだけど こちらから見れば邪で不埒ではりますがどっかは純粋なんだと思うんですよ

手を伸ばすことすらしなかったのに一人じゃ満たされない欲にのまれ 彼だから 彼じゃなきゃ
この彼だけに囚われたところにまじりっけない直向きさがあるっていうか
ただの横恋慕には違いないんだけど 恋の意味もわからないまま求めることだけを知っちゃった哀しさとか 手にしたことで気づく違和感とか そこを見ちゃうとどぉにも

堕ちたところから伸ばす手と堕ちたくないのに伸ばす手

想いを必死にこらえようとする律が鳥肌がたつくらい痛々しくて 向い合わせでならなおさら痛みは伝わったはず


恋を知って 知ってしまった痛みに怖じ気づいて近づけなくて それでも側にいたくて離れたくなくて でも 一緒にはいられない

んんんん 綺麗事じゃないはずなんだけどキレイなんだよな お話自体は
なんて言えばいいんだろ くすんでない? どす黒いものもドロドロとしたものがないんですよ
誰のなかにもほんとに 純粋に人を好きになっただけなので
※ ドロッとしたものは同時収録のお話でお楽しみくださいだった♪


いやぁ難しいです 不実なものはあるけど略奪じゃないし
確かに二股だったけど 世の中そんなに甘いもんじゃないってのもあった
独りよがりで互いが勝手に傷ついてもいて 彼に関するすべてに臆病になって
万人受けはしなくとも すんごいおすすめしづらくても 誰かにすすめたいイイネがあるのよ

最大の問題は 攻めが若干ウジウジ系 ←超難関じゃね?


叶わない恋に溺れ それでも揺るがない愛が欲しくて
諦めようと空回りしても それでも君が欲しくて

ハァァァ 重ねた身体に知ってしまった熱
出来るならこのまま夢から覚めたくない でも 恋はひとりでするもんじゃない ってお話お探しの方
またはほろ苦い ホイホイいかない恋をお求めの方 ほんとまぢでどっかにいませんかーーーッ ←え

なんだかね 毎度のことながらまとめ方がわからないんだけど
簡単に愛だ恋だ言えない 好意すら素直に受け止められない そんなもどかしいものが腹いっぱい詰まってるお話なんだよな

2

ゴリゴリに切なかった

斑目先生の作品って、清々しいようでどこか心が痛い、切ない話が多かったように思うのですが、
今作はもう、ゴリゴリに切なかったです。

学生時代の淡い思い出を引きずる二人。
振った人の後悔と振られた人の呪縛が
大人になって再会した時にぶつかり合う。

実は両想いだったんだ、めでたしめでたしのはずが、
時間が経って大人になった分、全く噛み合わない。

お互いを傷つけ、後悔して離れて、
何度も同じことを繰り返す。

それでも純粋さだけをむしり取った時に
残ったのはお互いへの恋心だった。

心情で読み込ませる良作でした。

4

祝・コミック化!

まさか、あの単話が一冊にまとまるとは思っていませんでした。

2017年発売の単話「恋のはなし 」を初めて読んだ時は、うわああ、この後どーなるの?!どーなったの?!続きほしいぃぃ!!と心の中で絶叫した記憶があります。
で、2021年に出た続きの「愛のはなし -恋のはなし2- 前編&後編」がこれまた最高で。
(単話のレビューは当然神にしたはず!と見返したら、まさかの萌止まりでびっくり自分、アホなの自分!)

一冊にまとまったのは嬉しい一方で、長年この単話を繰り返し楽しんできた私の納得がいく着地点ってどこなんだろう?と不安になったりもして。

というのも、ちひろはいわゆる泥棒猫。
仲睦まじいカプの間に、割り込んできた存在なんです。
おまけに律(攻め)の恋人は、いい人なんですよ。
だからこそ、正直ちひろの恋を全力で応援しずらいというか。

お話は、いわゆる高校時代の再会ものです。
振られた側と振った側が再会するんですね。
で、振られた男・律には仲睦まじい恋人がいて幸せが溢れんばかり。
その一方で振った側のちひろは、まともな恋愛はしてこなかった。
というのも、いつも本命にしてもらえずポイ捨てされてばかりなんです。

律と恋人の仲睦まじい様子を見たちひろは、あの時、振っていなければこんな風に愛されていたのは自分だったはずなのに……と思ってしまい……。

「(恋人を)愛してるから」と臆面もなく言う律と、「高校の時 僕のことも愛してた?」と尋ねるちひろのやり取りが何度読んでもたまらんです。
いい男になった(でも高校の時もいい男だったと思う)律に、あんなこと言われたら……!!
久しぶりに読んで、自分がちひろの立場だったら、豆腐の角に頭ぶつけて死にたくなるなーって思いました。
そして絡め取っていくちひろの様子とか、さすが斑目ヒロさんだなーって読むたび思います。

そしてあの笑顔の美しさ。
神々しい。

そのせいか3話の「コイアイ」のちひろの佇まいときたら、もはや飛鳥時代の仏像のよう……すらりとしてて、美しくて、謎めいていて…
でもいくらなんでも仏像っておかしくないか?!
昨夜、学習漫画・日本の歴史3(飛鳥時代)を読んだばかりなので、その影響なのか??と狼狽えてしまいましたが……

そうか!ちひろの笑顔は、アルカイックスマイルなんだ!!!

と、そこに気付いた時、あぁ、ちひろの本当に笑った顔が見たいなー!!って思いましたね。
だから、書き下ろし読んで、ほんとーーーに良かったって思いました。
ちひろの幸せを素直に喜んでいる自分がおりました。

というのも、律の恋人・優哉さんが、幸せそうだったから。→ここ重要。
ここが一番の懸念点で、この人が幸せになれないと、律&ちひろを推せないのでほんとによかった。
この人が一番表情豊かで、素敵な人だと改めて思いました。

そして律が電子書き下ろしではもはやアホな攻めになってて、嬉しかったです。

「恋の分量」は単話で既読。
これも斑目ヒロさんらしい作品で、覆面係長に収録されている「略奪のルール」とか好きな方でしたらたまらんと思います。

9

焦れったさに涙がこみ上げ、胸が痛むほど感動する

表題作
 『恋のはなし』『愛のはなし前編 後編』『コイアイ』+描き下ろし『たくさんの愛』:

律×ちひろ

『恋のはなし』で終わり、狂おしい余韻を残してもいい。
『愛のはなし』で焦れっても安心感のある結末を迎えてもいい。
『コイアイ』で律の視点から綺麗に仕上げていい。
さらに『たくさんの愛』で温かさがじわじわ広がって素晴らしい。

2017年から2024年にかけて、
絵柄の変化が気にならない程度で斑目ヒロ先生がすごい。


高校時代の初恋、
再会してからの大人の時間が切れた恋が、
繊細でほろ苦い。切なく、虚しくて、エモーショナルな展開に、
焦れったさに涙がこみ上げ、胸がジンジンと痛むほど感動する。


本気で恋していないゲイバーテンのちひろが、
ゲイバーで再会したのは、
高校時代に震えながら告白してきた同級生の律。
しかし、ちひろの目の前にいるのは、
幸せそうに男の恋人と一緒にいる律の姿だ。という始まり。

律を「振った」 、
恋に飢えて、陰鬱な執着に苛まれていくちひろ。

ちひろのことが「好きだった」、
何度も再会に巡って、ちひろに初恋してしまう律。

時間が過ぎ去った感情に縋る2人。

ちひろが律を「振った」理由は明確に描かれていないが、
おそらくちひろの臆病だった。律が初恋だったのだろう。

自分のことを好きだった律が、
既に他の男と恋をしているという事実に直面したちひろ、
「どうして律は、ぼくのものじゃないんだろう」と、
もしあの時違う選択をしていたら・・・という
一気に滲み出てくる未練と後悔に胸が締め付けられる。

そんなちひろが、
淡い期待を抱きつつも、
律と彼の恋人が割り込んできて、
その期待は虚しい体の関係だけに。本当に虚しい・・・。

「ダメになった現在」に陥落し、
「過去のあの時」との狭間で揺れ動く2人が、
焦れば焦るほど、
「現在」の気持ちを見失ってしまう。
現実逃避の一環として続く無理やりの関係は辛くなるばかり。
傷つき、同時に傷つけ、傷つけられる。律の恋人までも。

律も苦しんでいる。
大事な恋人と、
「恋」の相手であるちひろの間で葛藤する中、
露わになる弱さ・・・見ているだけ喉がつまるほど苦しい。

そんな不器用な男が、
逃避に逃避を重ねる選択を繰り返す。
自分勝手でちひろの気持ちを無視する。

ちひろもちひろで、
そんな律に徒然なまま本心を言わない。
それでも、やっぱり好きなんだね。

苦渋の想いが一層深まる中、
たどたどしい2人がすれ違うばかり。

焦らずに「現在」の大切な気持ちに向き合うためには、
やっぱり時間を置くことが必要だ。
胸を押しつぶすほど愛おしいラストが教えてくれる。

巡り巡って、忘れられない初恋が再び始まる時の
2人の気持ちを様々な形で丁寧に描いて、
2人が抱える感情に浸って最後まで目が離せませんでした。



同時収録『恋の分量』単話:

ミツ×トバリ

人付き合いが苦手な陰気大学生トバリが、
大学の入学式で出会った同級生の恋人のミツがいる。

人気者のミツが遠ざかると感じてしまうトバリが、
ミツがの優しさに触れるたびに、
何かが足りないという不安に襲われる。
自信のなさのゆえに露われる独占欲に痛いほど共感できる。

虎変したミツの愛情表現の強引さにゾッとした震えが走る。

心が欲しがるトバリを
純粋な愛を超えた体で満足してあげていくミツ。
「好き」という感情があまりにも強い2人。
「恋の分量」はどっちも過剰で、
欲望が膨らんで危うくなっていく
共依存の関係が最高にエモくて心に突き刺さります。

4

切なく苦い三角関係の末に

美麗な表紙に一目惚れし、とらのあなさんで購入。表題作のほか、もう一編が収録されています。

この”もう一編”の方が、思いがけず仄暗い共依存ものでインパクト大でした……正直、読後の印象深さはこの「恋の分量」の方が上かも。

ハピエン好きとしては、なんとも後味の悪いラスト…!!
受け君が幸せなら…と思うのですが、どう見てもトバリ(受)、幸せそうな顔してない。触れ合いたいトバリと、「気持ちさえ通じ合えれば触れ合いはいらない」と言う攻め・ミツとの大きな大きな隔たり。

機械的な作業として行われるセッッに戸惑い、喪失感を抱くトバリと、そんなトバリを絶対に手放さないミツ。「抱いてあげたじゃない」っていうミツの言葉の残酷さが突き刺さる。

この二人の行き着く先に”幸せ”はあるのか、、?と、なんとも苦く苦しい気持ちになるお話でした。好き・嫌いの好みはあれど、とても印象に残る一作なのでは。

で、表題作の方。高校時代の同級生との再会・ 誘い受け・三角関係もの。
ゲイでバーテンダーのちひろ(受)が主人公です。
途中、攻め目線のエピも。

ダメ恋を繰り返しているちひろの元に、懐かしい高校時代のクラスメイト・律が偶然来店。孤独を抱えるちひろは、かつて律から告白されたことを思い出し、律とパートナーが幸せそうにしている姿を羨ましく思います。
もしあの時、自分が告白を受け入れていたら、今頃律と幸せになれていたかもしれないのにーという思いから、律を自宅に誘ってー

と進むお話。

手を出してしまいズルズルとちひろとの関係を続ける律が思い悩み、「あいつ(パートナー)のこと傷つけてるんだ」と言ってちひろの部屋を去るシーン。
ちひろの零した「僕だって傷ついてるのに」のセリフが切なくて悲しくて胸をギュッと掴まれた気持ちに。

律からもらった車型の食玩を、「あれどうした?」と聞かれ「捨てちゃったよ」なんて言いながら、実はーー
というシーンがもうじーんとし過ぎて、数秒ページを開いたまま、見つめたまま止まってしまいました。体の付き合いだけ楽しんでいるように見せて、本当は律に愛して欲しくてたまらないちひろの孤独と飢えが切なくて、、( ; ; )

律の背中をどん!と押してくれるパートナーの優哉が男らしくて潔くてカッコ良すぎました。新しいパートナーと、メインカプ以上に幸せになって欲しい。

ラストページのちひろの心からの笑顔に(その直前の「恋の分量」を読んでやられていた分)救われ、甘さを噛み締めました。

4

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