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yuuhi ga ochitemo issho ni iruyo
とても面白かった。
家庭環境最悪な父子家庭で育った受けと、幼馴染で裕福な家庭で育った攻め。生きる環境が違った二人だけど大人になっても縁は切れずに親友として過ごしていた。失踪した父親との区切りをつけるためにも失踪宣告の手続きをしたことをきっかけに受けと攻めは過去と向き合うことに…というお話。
幼少期のエピソードや、お互いに救い救われてきた関係性、お互いを大切に思いあっている気持ちの強さに涙。最後はもう憂いのない状態で二人が再出発できそうなエンドだったのも良かった。
母を亡くし、兄は出て行ってしまった。
ろくでなしの父からの暴力を受けていた小学生時代、幼馴染とすごす時間だけが心の支えだった。
父が失踪し、恐怖から解放された主人公を支えてくれたのは幼馴染。今でも正義感が強く、検事となった今も大切にしてくれている。
そんな中、ずっと行方がわからなかった兄が接触してくるようになった。お前のせいだ、と金を要求されるようになったが。
メリバ、といえばそうなのかもしれないけど、それよりなにより
「煮付けBL」
という作者さんの一言で膝をぽんと叩きました。
そうだ、これだと。
作中ずっと薄暗いんですよ。
夕方日が落ちて、真っ暗になる前のちょっとだけの時間訪れるあの薄暗さ。
それでも確かにエンドマークがついて、二人の生活は続いていく。
読後感がいいか、といえば首を横に振るしかないんだけど
なんといえばいいんだろう、身震いがするほど
「いい本読んだ……!」って思える良作でした。
できれば午後に読んで欲しいけど、夜中は落ち込みそうですね。
今回は地方検事と介護施設職員のお話です。
受様が父の失踪宣告をだした事で父の死を真相をしり
攻様の手を取るまで。
受様の父は男で1人で受様兄弟を育ててくれますが
思うように生きられない父の暴力に晒される
理不尽な暮らしを強いられます。
そんな受様にとって支えとなっていたのは
同級生の攻様の存在でした。
裁判官を父に持つ攻様はクラスのリーダー的存在で
常に寄り添ってくれ、力強く道を差し示してくれますが
高校からは別の高校に進みます。
三つ上の兄が高校卒業と同時にアパートをでると
父が受様に執着する生活となり
就職したら1人暮らしをするつもりでしたが
父に自立すると伝えると「オレを捨てるのか」と
胸倉を掴まれて激しくなぐられ続けてることになります。
受様は確実に死を覚悟しますが気が付いた時に父はおらず
その日以降、父が戻ってくることはありませんでした。
受様はグループホームの介護職員として働き
父が帰ってくるかもと部屋に住み続けますが
地方検事となった攻様のすすめで「失踪宣言申し立て」の
手続きをします。
それによって父の死亡が確定し
疎遠になっていた兄に連絡をするのですが
求職中だと言う兄は受様に金の無心をするようになるのです。
父のように受様を搾取しようとする兄から
受様が逃れる術はあるのか!?
厳しい父を中心とする家庭で育った攻様と
暴力を振るいつつ子に執着する父の元で育った受様の
恋物語になります。
同居していた時に受様を庇った事を盾に
金を搾取しようとする兄の存在によって
受様と攻様の関係が少しづつ変わっていきます。
現代社会でも起こりうる両親との関係性、
家族の在り方について問いかけるような物語で
問題が深すぎて胸にいたい物語でした。
中原先生の後書きに「煮つけBL」とあって
どんな分野!? と検索したらちるちるでも特集してました。
恋人への想いが強すぎるあまり
相手を助けるために人の道さえ外して罪を犯すという
分野だそうでなかなかに重い分野でした。
物語は受視点から始まりますが
攻視点も挟まって進んでいく事で
読者は攻様の想いと受様の知らない展開をも知っていく為
物語の未来はある程度見えています。
そうならないでほしいと思う展開に進んでいく物語に
真実を知った受様はどんな行動をするのか
攻様が犯した罪が赦される未来は来るのか
2人が選ぶのはどんな未来はなのか
選ばなかった未来を悔いないのか
読み終えるまで
ハラハラ&ドキドキが止まりませんでした。
人は必ずとも正しい選択ができないのかもしれません。
それでも選んだ道を悔いることなく生きることで
望む未来へと歩いて行けると信じたい幕引きでした。
先生買い。文章は好きで、ミドリノエバ先生の挿絵も好きなんだけど、どうしてもダメだったところがあったので中立にしました。久しぶりに自分の地雷を認識した一冊。本編260頁ほど+あとがき。
あれこれトライしてみても割合上手く続かない父親から暴力を振るわれる事が多かったアキ。父親が失踪したあとは、幼馴染の流星と良い関係を続けてきたのですが…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
受の父、兄、攻の両親ぐらいかな…?
家族って大切な存在にもなり、ツライ存在にもなるんですね。
++より内容に触れる感想
攻、受は、お互いがお互いを大切に思っていて、思いやり合っていて、よい関係に思うのです。穏やかな人生をおくれた可能性があったと思うんです。だからこそ、すごく残念で。
攻が受を思うあまり?若さゆえ?やらかしてしまうんです。なんでそうなってしまったの…と無念でならない。頭良くて、検事目指すような攻なのに、なんで???と、どうしても受け入れられなかったでした。読んでいて辛かった。
設定が現代日本そのままと思うので、余計に「あー…これはしんどい、無いと思いたい」と感じたのだと思います。ファンタジーなどで「異能持つ攻にやられた」等だとこんな風にしんどくはならないんですけどねえ。
もう少し違う対応を取り、2人穏やかに過ごせると良かったのに…と悔しくなってしまった一冊でした。
好きな人のためなら、大切な人のためならなんでもする。
彼を守るためなら、今すぐに全てを捨ててどんなことでも出来てしまう気がする。
夕陽が落ちるまでの数時間が2人だけの特別な時間だったあの頃。
割れたビスケットを無邪気に分けあって食べた子供時代から大人へと成長する中で、じっくりと時間をかけて大きく育った共依存めいた関係性にどうしようもなくしびれます。
なんだかものすごくわくわくしてしまって、夢中になってページをめくり、読めば読むほどツボを突かれた1冊でした。
毎日のように大小さまざまな報道がされている世の中。
たとえ法律や倫理的にはあってはならないことだったとしても、常識を取っ払って多方面から見てよくよく考えてみると、これは罪に問うのは酷だと感じる出来事も少なくはないなと思うのです。
作中の2人の状況はまさにそうなのではないかな。
流星の想いもアキの想いも痛いほど理解ができるもので、お互いに心から愛しているからこその手段と結果を責める気持ちにはなれず、むしろホッと安心してしまった自分がいました。
幼少期から続いた呪縛のような辛いエピソードが心苦しいのだけれど、合間合間に両視点で語られる、唯一無二の多幸感で満ちた2人だけの時間がとっても良かった。
お互いがお互いの光だったんだろうなあ。
そして、流星の容姿を「神様が気まぐれに時間をかけて作ってみた」と表現する中原先生のセンスがとても好きです。
ややほの暗さを好む個人としては、このまま誰にも見つからずに2人だけの世界で暮らしてほしい気持ちがなかったと言えば嘘になりますが…
すっきりと晴れやかにとまではいかずとも、また2人で共に未来を歩むためにはこれが最良の結びだったのかもしれませんね。
これを愛と呼ばずになんと言おうか。
ぐいぐいと読ませてくれる素敵なお話でした。
先生がXで「幼馴染モノの煮付けBL」だと仰っていたので、三度の飯より幼馴染BLが好きな人間としては必読だと悟りまして、すごくすごく楽しみにしておりました。
そして拝読したのですが、ただただ圧倒的な読後感に暫く放心状態でした。
「煮付けBL」というジャンルを知らなかったので調べてから拝読したのですが、初めての煮付けBLがこちらの作品だと今後どんな煮付けBL作品を読んでも比較してしまいそうです。
また、近年の社会課題にも切り込んでいて、社会派の小説としての側面も素晴らしいと思いました。
BL小説なのでストーリーの過程で語られる以上の深掘りはしませんが、考えるきっかけになるのではと思います。
法で裁かれない"悪"もあるのです...
中原一也先生の新作。本当に楽しみに楽しみに待っていました。
読み終わったばかりの今、指先が震えてる……
何も考えられず、ちょっとぼうっとしています。
以下、内容に触れながらのネタバレありの感想となります。ご注意ください↓
どんな話なのか、サラッとあらすじを読んだ時にはまさかこんな展開になるとは予想していなくて、なんなら父親失踪の真実は別のところにあるのでは、なんて思ってました。
だからこそ、明らかになった真相、そしてさらに罪を重ねて堕ちていく攻め・流星の姿に驚愕し、痛々しくて胸が苦しくて、途中ちょっと呼吸困難になりそうだった……
先生があとがきで書かれているように、まさに、これぞ「究極の愛」だよね、と。
それ以外言いようがない…
この先にあるものが破滅しかないと分かっていても、その道に進まざるを得ない状況というものが存在するのだなと実感し、胸が痛んでしかたありませんでした。
善人か悪人か、で言ったら、間違いなく受け・アキの父親と兄は「悪人」になり、流星は善人と言えるだろうに、法律の上では重大な罪を犯した流星が「罪人」になってしまう。
善と悪の区分とは?犯しても仕方ないと言える殺人、許される罪というのもあるのでは…?など、本当に色々な考えや感情が、読書中も読後の今も頭の中をわーーっと駆け巡っています。
二人が愛を確かめ合い、抱き合うシーンが”一瞬の喜びの儚さ”を象徴しているようで、甘い場面のはずなのに胸に何かが突き刺さるような気がしました。
どこまでも重く、痛々しく、そして切ない「究極の愛」の物語。
読み返せるか、読み返したいか、と言われたら、あまりに痛々しくて(精神的に)ちょっと自分は躊躇してしまうけれど、間違いなくそこに最大限の愛があり、素晴らしい物語だと言えると思います。
文句なし!の「神」評価です。
すごかった……深い愛はまるで凶器。
一本の映画を観終わったような読後感に包まれました。
"愛のためならなんでもする二人"のことを「煮つけBL」というらしいです。(作者さまあとがきより)
過去に読んだ作品には、煮つけBLなるものはいくつかあったと思いますが、名称がついていたとは知りませんでした。作者さん、教えてくれてありがとうございます^ ^
もーーーー……このストーリーは大変に重く、マジで苦しかったです。親による虐待に絡んだ社会派な部分もあり、昨今問題に上がる歪んだ家族の関係性や虐待、ヤングケアラーなど、精神的に重くのしかかるシーンが多いこと。読んでてこちらまで精神が病みそうですが、でもその劣悪な家庭環境があってこそこの物語の意義があります。
父親からは肉体的な暴力を、兄からは精神的な暴力を。生きてる限り、血縁の家族の呪縛から逃れられないアキの人生は想像を絶します。
そんなアキの心の拠り所となるのが親友の流星。家族の愛に飢えていても、流星がいたからアキはまともに生きてこれたと言っても過言ではありません。そしてそれは流星にもいえることで、アキがいたから流星は、"流星"として存在することができたのです。
お互いがお互いを必要とし、強い絆で結ばれている2人。彼らのこうした相互救済的関係が、物語の大きな核の部分となり、煮つけBLとカテゴライズされる所以となっていきます。
それはあまりにも激しい愛情で、ここまでしちゃうのかよと。……第三者から見ると、理解できない選択を流星は犯してしまったと思うかもしれませんが、八方塞がりの彼らの状況を見れば、こうするしかなかったのだと理解できると思います。
愛するアキを守るため、自分の地位を捨てることも厭わない流星の想いの強さに胸が熱くなり、涙が止まりませんでした。
ああすれば良かった、こうすれば良かった…など悩めるほどの選択肢がなく、家族の呪いがどこまでもどこまでもアキと流星に襲いかかるこの状況を打破するには、この方法しかないのだと。その状況がとても辛く残酷だと感じざるを得ませんでした。
それと同時に、"家族"といえども、ただの生物学的な繋がりによって成り立つ集合体なのだなと思うしかないところも、実に嫌な感覚として残りました。
愛する人のためなら何でもする…というのはまさに究極の愛。血の繋がりなどなくても、自分の人生を最大限に投げ打てるほど、誰かを愛せることが奇跡としか言いようがありません。キレイゴトで済まされない世界があるのだということを踏まえれば、流星とアキの結末としてはベストだったと私は思います。
アキの家族があんなんじゃなければ違う方向で2人は結ばれたのかも…いや、そもそも惹かれ合うこと自体がなかったでしょう。とすれば、この結末からは逃れられなかった運命だったのかもしれません。
BLの部分だけじゃない、物語全体の事件性が高いところも見応えとして十分でした。
狂おしいほどの重くて激しい愛に、ずっと心が掻き乱されています。
中原作品はお久しぶりでした。
タイトルとあらすじでビビビっと来まして楽しみにしてました。
きっと中原さんのひりつく社会派なお話ではと期待してましたら…。
辛い。親は選べない、人生終わった、生きてるのが不思議なほどの生き地獄な毎日。
流星とアキ、お互いが生きる希望の光だった…。
ほぼ胸が苦しくなる中で二人の触れ合いが幸せで。でも常に破滅の予感に読んでる方も襲われ続け…。いつまでこの幸せが続くのか、破滅へのカウントダウンかとハラハラしてましたら。
もっと余裕があれば、もっと時間と知恵と勇気があれば(泣)あんな家庭に生まれなければ…。でも二人が出会えたことは宝物だし(泣)
これで良かったのか?本当に最良だったのか?でも二人にとっては良かったかな。
余韻が残るお話でした。
読みながら、中原さんの過去作にも似た設定のお話があったなあと考えてしまいました。
今は煮付けBLというカテゴライズなんですね。
二人の純愛に泣けるのですが、お互いを守ろうとするところも。自分のためか相手のためか。ただ幸せになってほしい。考えさせられます。
流星×アキ
重い!心に深く響く黄昏系。
幼馴染の2人、
お互いを救い合って依存し合うのが両想いで、
共に罪に染まって・・・
激しく求め合う姿・・・が切なくもうっとりとする!
お互いのために犠牲を払うほどの重愛に震えるほどの衝撃が押し寄せる。
終わりに向かって、涙が止まらなくて、ティッシュをたくさん使ってしまった。
中原一也先生の今までの作品の中で最高の感動作だと思う。
暴力的な父親から毎日殴られていたアキを
支えてくれたのは同級生で幼馴染の流星。
アキの父親が突然失踪して、それから7年経った
25歳になったアキをずっと守り続けているのがもちろん流星。
介護職に就いたアキと、
地方検事になった流星。
小学校や中学校でのエピソードを通して、
2人の絆や、
不憫なアキが流星に大切にされる姿に加えて、
重圧を抱えた優秀な流星がアキに救われる姿や、
成長とともに、友情を超えた感情が芽生えていく2人の様子が心を打つもの。
その父親が突然失踪した原因が、
あらすじを読んだ瞬間でもうわかったとは言え、
ミステリー要素として、
次第に明らかになる一つ一つのセリフに緊張感がすごい!
見どころはその後の
不安定しながらも愛が溢れる展開だ。
事実が知られてしまったアキの兄が、
何度も金を無心し、悪意の脅迫行為を行うという混沌状態が突きつけられる。
自首しようとする流星、
それを止めるアキ。
隠されたアキの献身的な決意や、
その前の甘々な時間・・・
終始身を捧げる流星。
驚くべきラスト・・・
センチメンタルな光景が次から次へと訪れる。
エモいストーリーが、
ミドリノエバ先生の繊細で独特な絵とマッチしていて、
本当に素晴らしい作品に仕上がっている。
2人の重量級愛情がとにかく尊い!
特別な関係性を巧みに描き出して、
『夕陽が落ちても一緒にいるよ』というタイトルにぴったりの内容で、
深刻な感動とスリルが各細胞に直撃して、心臓まで突き刺さりました!