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ryuuou no konin
はーーー……読み切ったぞ。という達成感がすごい( ´∀`)
壮大にしてかつ緻密な物語の世界に没入です。
上巻からタスキを繋いだ下巻の流れも、はわわわ…。ドドド最高でした。
書籍の厚みもさることながら、内容も超ヘビー級。怒涛の回収劇は呼吸を忘れるほどの見応えで、あまりにも凄すぎて震えました。
四大国全てを巻き込んだ陰謀と、この世界に起きている奇怪な病症現象の謎が下巻では紐解かれていきます。これまでに起こった個々別の事象は全て複雑に絡み合い、点と点が線となって繋がっていく頃には物語は佳境を迎えていて、後半戦の勢いは恐ろしいほどのエグ味を増していきます。
たくさん泣きました。
たくさんの感動をもらいました。
確かにこれはBL作品で、深い愛、情に満ちた愛を思いっきり堪能しましたが、それを超える次元でのヒューマンドラマだったり、己や他との戦いの物語だったり、見せてくれる景色は1つ2つではありません。
欲深き愚かさや醜さが世界を混乱に陥れ、世界の縮図を変えていくことに繋がる一連の流れは破滅の道か未来への道か……。
竜王を神格化し、その傍らに侍る者たちの穢れある心根が神の逆鱗に触れた。不浄を不浄で重ね、更に穢れていく特権階級の者たちへの呪いと制裁は、誰の手で裁かれることなくこの世界の理からの自然淘汰であったところが、見事な終焉だったと思います。
竜王の婚配者争奪戦だけの側面のみにあらず、その背後に隠された神山の秘密を暴くことが主線となり、世界を、神を、大事な者を救うための大きな戦いへと動いていくストーリーは、まさに"壮大"というワードがぴったり。BLがメインなのか、この荒れた世界情勢に立ち向かう戦いがメインなのか分からなくなってきます。
もちろんメインの関心事はBLですが(笑)、それを盛り上げるだけの物語設定と背景描写の細やかさが、この作品がただモンじゃないことを証明してくれているのは間違いありません。
セナを愛する2人の男たちは、この壮大な世界観にも負けないくらいの圧倒的存在感です。
命をかけて守り愛し抜く男・イザク。
人を愛する感情をセナに教えてもらいました。
セナを想いながら、幸せをただ願い続ける男・アリオス。
初めて恋を覚え、夢中でセナを愛しました。
2人の男に愛されて、そして愛したセナ。
それぞれのセックスシーンもあるし、この人とだけ永遠に…っていうわけじゃないけど、それでもこの3人の関係を納得して受け入れることが出来るだけのストーリーがあります。
というも。アリオスはセナの妊娠時に酷いことを言い、冷たい扱いをしてきた引け目があるので、イザクとの関係に物申す資格がないんですよね。ちょっとした攻めザマァな感じでもありますが、これは非常にナイーブなトコなんで実際に読まれて複雑な三角関係を感じて欲しいです。
全細胞が活性化し、あらゆる感情が毛穴から吹き出す肌感覚で興奮気味に楽しみました。喜び、怒り、哀しみ、楽しみに加え、慈しみ、愛し愛されることの尊さも同時に味わいました。
主役たちだけじゃない、セナを支える個性的な登場人物たちも本当に素晴らしかったです。これだけの演者をまとめあげた作者さん、すごいです。
一度読み始めたら最後。突き抜けて下さい。
後戻りはできませんので、じっくり時間をとってこの世界を堪能して欲しいなと思います^ ^