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sayonara koibito, matakite tomodachi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
シリーズの最初から問題提起をしているyoha作品ですが、「宮内ユキについて」はとうとう5冊目になりました。決して厚くない冊子にあと何冊続くのだろうと遠い目になりますが、彼等の行く末を見届けたいのです。
こちらの作品は読めば読むほど何が正しいのか分からなくなって来ます。誰もが正しいようで誰もが間違っていて、物事には多面性があって然るべきだということだけが分かるんです。
もちろん宮内ユキだって最初は善人だと思えなかったし、あの外村にだって彼なりの正義がありました。
ただ、言えることは人は自分の正義でしか物事の善悪を語れないことでした。一筋縄では行かない作品です。故に好き嫌いがハッキリ分かれると思ってます。
ここで救いなのがルカのただただ純真な思いだと思いました。彼の純粋な好意だけがこの世の救いに思えて、周りの大人たちが間違えることなくルカが望む世界へと繋げて行って欲しいと思いました。
次巻では鳴海とユキのすれ違いが少しでも緩和されることを願います。あ〜焦ったい!
「善いと思って決めたらもう信じて祈るしかないんじゃないかな」
私はどうしたら最善なんだろうどうしようどうしようと悩む癖があって、考えたって分かるはずがない他人の立場視点でまで物事を考えて自分の中の気持ちもブレだし、他者を尊重して本当の気持ちに嘘をつくこともあります。
なので、苦悩するルカの気持ちがとても分かる。
一生懸命考えたって答えなんて分からない…延々と悩んでるとしまいに病んでくるので、早く決断しなければいけない。
でも、そのなんとか捻り出した答えが最善だったと思えるかは結果次第。
結果は神の領域だから、ユキの言う通りできることは祈りくらい。
頭では分かっているはずなのに、深刻に悩んでいるとこの「決めて祈る」がうまくできなくて。
決断する怖さと重圧のドツボにハマった時の後押しって、自分が間違っても受け入れてくれる人がいるかどうかだと常々思います。
例え世間的に間違っていたとしても、「あなたは正しい」と言ってくれる人の存在で救われるし心が軽くなる。
4巻のユキとルカの会話も、本作冒頭のこのユキの言葉も、鳴海さんの「君の判断は正しい」も、私が言われたわけではない言葉ですが、改めてそれを実感した導きの言葉でした。
「過去と未来」と書いて「不安と不安」と読むところもすごく共感。
yoha先生、ほんとこういうのどこで培われたんだろう。
苦しんでいる人に対する理解がすごいので、アンサーも的確というか。
だからこそ、つらいし重いストーリーだけど、読んでいて救われる作品となっているのだと思います。
散りばめられた言葉が煌めき(救い)です。
今巻は終盤に不幸のなり方しか手本がなかった道を踏み外して生きる子達が出てくるんですが、もうThe アングラって感じの地獄絵図で。
「外村はクズだけどいいところもあるクズ」っていう言葉が4巻でも出てきましたが、こういうところも当てはまるんだろうな。
悪いことだけど、見方を変えるとマシな道を用意してるのは否定しきれない……。
読みながら倫理感が混乱してくるけど、やっぱりそれは人助けではないと思う。
外村が自分は人助けをしてると心から思っているのは、彼も施設で育って誰にも助けられず生きてきたせいもあるのかな…。
…なんか言葉が出ないな。
救うって何なんだろう。
正しいって何なんだろう。
色々考えさせられます。
イチさんもいい人と言ってはいけない人種なのかもしれないんだけど、要所要所で大事な言葉をユキや鳴海さんに伝えてくれていて、2人のことを放っておけないのも滲み出ていて、結構キーマンだなって思います。
外村には惹かれないんだけど、イチさんにはなんだか惹かれてしまうんですよね。
鳴海さん、ほんとユキを抱いてやって………。
ユキを救えるのはあなただけだし、あなたを救おうとしてこんなに頑張ってくれるのはユキだけだよ。
描き下ろしの「自分とだって約束しましょう」の家政婦さんの言葉が本当に大事なお話で…私も小さい頃にこんなお話をしてくれる大人がいてくれたらなぁと思ってしまいました。
私はこの作品が大好きなので続くのは嬉しくもあるんですが、心配も生まれはじめています。
一体あと何冊出るんだろう?
少なくとも2冊は出る気がするので、もっと続くのかもしれない。
長引きすぎると好きが薄れていくこともあるので、この好きをなくしたくないから怖い。
次巻で出口が見えてくれると嬉しいな。
「さよなら恋人、またきて友だち ~宮内ユキについて~」の5巻目。
この作品を読むと、正義とか、愛とか、物事の正しさ、とか。いわゆる世間一般的には「良いこと」とされることの定義の曖昧さに自信がなくなります。
それは人によって、あるいは時と場合によって、形を変えるものだからかもしれません。だからこそ、前巻でルカが「みんなが笑顔になれること」を良しとしようと思うと決めたときに、ルカがそれを受け入れたシーンに胸が打たれました。自分のすべてを受け入れてくれる人がいることは、間違いなく幸せだと思うから。
春人にはエムがいて、エムには春人がいるように。
ぼちぼちみんな幸せに向かってもいいんじゃなかろうかと思いつつ手に取った今巻。前巻からの続きのナツメの出来事がどう動くのかとやきもきしながら手に取りましたが。
ルカという男の子は鬱々とした内容の今シリーズにおいて、まぎれもなく一筋の光です。彼の純真さ、という意味でもそうですし、事件解決の糸口になるのもまた、彼の存在あってこそ。ルカが出会ったナツメを介し、鳴海さんは少しずつ真相に近づいていく。
けれど、鳴海さんとユキの関係は?
すべてを、自分自身の身体さえ差し出し春人の行方を探そうと奮闘するユキと、無理をしているだろうと思いつつもユキの行動を制限しない鳴海さん。お互いに大切な人でありながら、いやだからこそか?気持ちがすれ違ったままの2人がなんとも切ない。
そして外村。
まー、外道ですけれども、彼は。でも、きっと彼には愛してくれる人も愛する人もいなかったんじゃなかろうか、と思うんです。それゆえに、ユキが彼のウィークポイントになるんじゃないのかな。始めは便利なコマだと思い使ってきたユキ。でも、外村にとって、ユキは代わりのいない、大切な人になり始めている。そんな風に思いました。
春人は逃げ出し、今はトラウマに悩まされつつエムと暮らしている。
けれど、だから良し、ではなく、捕らわれ搾取され続けているオメガも救って初めて鳴海さんとユキの贖罪の旅は終わるのかもしれません。途方もないことですが、少しずつ繋がっていく人の縁をきっかけに、大団円を迎えてほしいと願ってやみません。
読めば読むほど深いストーリーで、甘々エチエチなお話が読みたいときには正直お勧めできない作品ですが、「人」の奥深くまで描き切った良作。上っ面だけを繕ってはおらず、汚い部分も、見えない・見せない部分もしっかり描いています。
しんどい描写もありますが、彼らの行く末をしっかり見届けたいなと思います。