人生はままならない

jinsei ha mamanaranai

人生はままならない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神21
  • 萌×217
  • 萌8
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

130

レビュー数
13
得点
200
評価数
50
平均
4.1 / 5
神率
42%
著者
伊達きよ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403525889

あらすじ

自分はα(アルファ)だと信じて生きてきたのに、本当はΩ(オメガ)だと発覚した伯爵家の息子・フィディ。従者のフレッドと共に僻地の屋敷に追放され、ふたりきりの軟禁生活が始まる。失意に暮れるフィディだったが、献身的に支えてくれるフレッドの存在に救われ、「主従の垣根を超えて同じベッドで眠ろう」と提案。しかしその意味を履き違えたフレッドに、熱烈に求められて……!? わんこ従者と鈍感主の性教育ライフが幕を開ける。

表題作人生はままならない

フレッド・ディルク・アヅナカルン,フィディの従者
フィディ・ミシュエル・ワイズバーン,ワイズバーン伯爵家の四男,17歳,

その他の収録作品

  • 続・人生はままならない
  • フィディの巣箱
  • あとがき

レビュー投稿数13

逸物まつり!!

読み終わってタイトルの言葉がすごく胸に刺さります。

表紙の体格差やポーズや構図がいいですね!

あらすじにある通りな始まりで…。
わりとお話がスイスイ進んでます。
番犬従者フレッドと主人のフィディの僻地で軟禁ライフ?

フィディがΩだとわかってプライドが崩れて行く様子は可哀想でしたが、軟禁ライフの中で色んな気付きがあったり前向きな考え方ができたり。
転んでもただでは起きないたくましさと聡明さが良かったです。

性的なことに驚くほど無知なフィディが発した言葉で、フレッドを舞い上がらせてしまいなんだかんだと性教育な日々へ。

なんかフィディが変わり者なのか情緒や心の機微に疎すぎるのか?
番犬に言質を取られ連日…。

でも出会った時からお互いが天使だったもんね!
恋を知ったフィディがヘレン・ケラーのウォーター!だよ(笑)これが恋?

お父さんもフィディが考えてたような鬼畜ではなかったというか、知らぬは本人ばかりなりだったんですね。

フレッドの従者っぷりと表情豊かなワンコっぷりが大満足です!全力でシッポふりふりとかショボンとかズルいよ(笑)

続・人生はままならない
本邸に戻って家族と再会して…。
家族や父の大きな愛にふるえます。αと思い込んだまま学校へ行かせたり、無言で軟禁の理由とか。みんなフィディのためだったんですね(泣)

こちらも盛り沢山で。人生はままならない、けどこんな人生も楽しい!
あのままではわからなかったアレコレ。

フィディの心も決まりようやく!
フレッドの過去ともフィディが男前にケリをつけて。

人生はままならないけど努力や自分次第なところありますよね。
諦めなければ、前を向けば、考えてみれば違う生き方だって悪くないかもしれない。

9

ままならない人生を幸せに(* ˊ꒳ˋ*)

伊達きよ先生にカワイチハル先生のイラスト、と知って、雑誌でもウキウキで読ませて頂いてました。
文庫になるのも楽しみに待ってましたよ(*^^*)

受け様は伯爵家の末っ子四男、フィディ。
攻め様はフィデイの従者、フレッド
家族から愛され、当たり前の教育を受け、結果を残してきたフィディは、当然自身がαであると信じてきた。
が、Ωであると結果がもたらされ、そのまま荒野の一軒家のような辺境の屋敷へフレッドのみを付けて送られてしまう。

最初こそ悲嘆にくれていたけど、それならΩの自分にしか出来ないことを、と頑張るフィディの姿がいい。
愛されて育った強さ、健やかさを感じました。

そしてフレッド!
まさにフィディの前ではいい子のフェディファースト大型犬。
敵と認識した相手には牙を剥く猟犬。
ステキ~ヽ(´▽`)/
最初のフィディからのベッドへのお誘いからのやり取り、何度読み返しても笑いが( ´艸`)
フレッドの感情の振り幅、ジェットコースター並だったよなぁ。

そんな調子で、素直な天然のフェディに振り回されてるフレッドが、とても可愛くて不憫でにまにまでした(*^^*)

ままならない人生。
それでも生きていくし、その先には違う幸せがあるかもしれない。
そんな、頑張ってみるか、なんて思わせてくれたお話でした。

カワイチハル先生の、雑誌に載っていたおチビさんな2人のイラストがコミカルで大好きだったので、文庫にも入ってて嬉しい。
そうそう、あの時のフレッド、こんなだよねꉂꉂ(>ᗜ<*)

7

とびきり甘い萌えのミルフィーユ

皆さん、大変です。
最高ににやにやしながら読めるBLがここにあります。
最初から最後まで甘く楽しく萌えられる、萌えが詰まりに詰まったまるまる1冊デザートのような作品でした。
これはかわいすぎます…2023年も終わりに近付く中、萌え成分で滅多刺しにされるとんでもなくかわいらしいお話に出会えてほかほかしています。も、も、萌えた〜…!!

フィディが圧倒的信頼を置くフレッドをその曇りなきまなこで真っ直ぐに見つめながら、超絶無自覚なまま殺し文句の数々を口にし、フレッドがノックダウン寸前でどうにか持ち堪える図を目にする度に、私の心の中に住む某楽◯カードマンがクーーーッ!!!と萌えを噛み締めて暴れ出すかのようでした。
強く逞しい肉体を持ち、闘技場の伝説とも言われた元剣奴でもあるフレッドが唯一敵わないのは、何の武器も持たない丸腰で無防備なフィディだけなんですよ…無垢というのは時に何ものよりも強いのかもしれません。

自身の第2性がαだと思っていた者が、想像とは異なる性別判定に苦悩するお話はそこまで珍しくないと思うのです。
そこからどう主人公が動いていくのか?どんな展開のお話になるのか?といったところが見どころになるのかなと。
いやあ、ノンストレスでとても楽しく読めました。
自身がΩ性であることを知り、さらには父に辺境の地に向かわされ一時的にぽっかりと穴が空いたようなフィディでしたが、きちんと自分の中で現実を噛み砕いて未来へ向けて前向きな姿勢に切り替えられる非常に魅力的な人物像なのが気持ち良くって!
そんな彼に共するのは、フィディが幼い頃に闘技場で見初めて従者となった美しい金髪を持つフレッドただ1人。
元々信頼関係が強固な2人ですから、お互いがいれば大丈夫な安心感がありますし、悲壮感もあまりありません。
無垢がゆえの天然殺し文句でフレッドを振り回すフィディと、理性との戦いに8割くらいの確率で負けながらもフィディに徹底的に尽くす、文字通り尻尾を振り回す大型犬っぽさのあるフレッドが織りなす、とろけるような甘さたっぷりの軟禁ライフと恋模様がテンポ良く進んでいきます。
果たして一体何度萌え転がったのか分かりません。

息子を辺境へ従者とたった2人で向かわせた父親に序盤で疑問がわきましたが、その辺りも納得のいく理由で明かされていきますし、何よりフレッド視点で綴られるフィディへ強い想いを抱くに至った理由というのがすごく良くてですね。
あんなに強い攻めの瞳から、希望と幸せにあふれる涙を流させることが出来るのはきっとフィディだけなんじゃないかな。
メイン2人だけではなく、多方面からの愛情がいっぱいで多幸感に包まれる読み心地の良さでした。
なんというか、すごく前向きで素敵なお話なのです。
人生はままならない。きっと多くの人がそうでしょう。
けれども、そんな人生になったとしても少しずつ歩み進めてみるのもまた良きかなと思える結びでこれまた素敵。
なんだか愛着がわいてしまって、読み終えたばかりだというのに彼らの未来の姿が読みたくて仕方がありません。
甘く楽しく前向きなお話を読んであたたまりたい方はぜひ!

6

ままならない人生。だからこその運命

オメガバースの解釈・物語構成・展開が本当に好みど真ん中。オメガバースの嫌な部分に触れつつも、悲壮感を感じさせない前向きなストーリーがスッキリとした読後感に繋げてくれます。

まず、文章が抜群に読みやすい。このレーベルさんの作品にしてはボリュームあるページ数ですが、サラサラと内容が入ってくる文字運びと飽きのこないストーリーの流れ、テンポの良さ、そしてセンスの良いコミカル楽しい会話が、読む手を休ませません。
そんでもって、キャラクター性もすごく魅力にあふれています。

αだと思って生きてきた伯爵家の末っ子・フィディがΩ認定を受け、遠い辺境地に追いやられてしまう冒頭。普通なら心が折れて不憫街道まっしぐら〜…となりそうなところ、フィディはそんなことに屈しません。Ωの自分でも出来ることを探し、社会に貢献できることを考え実行しようとする気概の強さがカッコいいー
そしてそんなフィディを慕う従者のフレッドもこれまた素敵なキャラクターで、金髪キラキラなワンコぶりが可愛いのに恐ろしく腕の立つ猛者。フィディへの献身が深いイケメンαです。

2人だけの遠く離れた地での隔離生活をキッカケに恋が始まるのは、何となく予想がつくもの。この恋愛過程がすっごく面白くってニヤニヤ必至なんですよ〜!特にフレッドによる性教育のお勉強(しかも実践付き)のシーンは最高…(〃ω〃)
先の展開への期待とワクワクが止まらず、フィディの可愛い無知さに溺れました。2人の絶妙に噛み合わない会話は必見ですので、ぜひ実際に読んでその面白さを感じて欲しいです。


前半はコミカルさを含んだ甘さ・溺愛が引き立つ内容で、後半は家族関係に触れたちょっと深い内容です。
前半部は、やたら展開早いし、肝心なことがサラッと流されたりで粗さがあるなぁって印象をでしたが、それは後半でしっかり補完されます。
オメガバースどうこうってよりは、家族の関係だったり自分の人生そのものだったりを考えさせる意味の強いストーリーだったと思いました。

人生観や仕事観、恋愛観や家族観といったものは自分の置かれた環境によって変わるし、環境や状況は不変のものではないんだよと。作者さんからの問題提起をされたようなそんな気持ちにもなっちゃいました。
"人生ままならない"はそこに繋がっていくんですよね。

フィディもΩになったことで、先の目標を切り拓くことができたし、フレッドも波瀾万丈な生き様だったけどフィディと出会うことが出来た。それは人生がままならなかったから導かれた運命なんだと思います。


そんな運命に導かれた2人の物語は最初から楽しくて多幸感に満たされました。
前向きになれる作品は大好物なので購入して良かったです。おススメの作品です。

5

マジで、ニヤニヤが止まらなくなります

出先で読むのは危険です……!
尋常じゃないほどニヤけます。
もう、誰もがニヤけてしまうこと、間違いなしです。

〝主人を敬愛してやまない従順ワンコ(ムッツリ)×性知識に疎いぽやぽや純情坊ちゃま〟の主従BL♡
【元剣奴の現従者】って設定が既に萌ですよ!
もう、この2人が可愛くて仕方ないのです。

序盤での「僕と寝ないか」の一連の流れなんて、頬が緩んで堪らんでしょ……!

▶︎フィディ「僕と寝ないか(フレッドも疲れてるだろうし、一緒のベッドで寝て良いよ)」
▶︎フレッド「(フィディ様の伽役を)謹んでお受けいたします(!!!!!)」

こんな感じで、盛大な勘違いから始まる関係性。コント並みのすれ違いに、めちゃくちゃ笑いました。
自分の勘違いだと分かり、盛大に落ち込むフレッドが気の毒だけど微笑ましく、そんなフレッドを心配する天然すぎるフィディ様……
もう、こんなのニヤニヤが止まらないよ……ッ

そして始まる〝性教育〟
無垢なフィディがフレッドにより、あれよあれよと開発されていく様子は、お見事すぎて拍手喝采!
もう、無自覚に煽りまくるフィディのせいでフレッドの理性は崩壊寸前…と言うか、爆発して思わず「そんな可愛いことばかり言わないでくれっ」とタメ口になる姿に激しく悶えました。

そして、「僕はαに違いない!」と信じてやまないフィディと、「あの子はΩに違いない」と心配する周囲のギャップも笑えますw
努力家でしっかり者なのに、何処かポワッとしたフィディが本当に可愛くて最高のキャラクターでした♡

αだと信じていたのに、実はΩだったフィディ。
全てに絶望し、厭世的に生きていた剣奴のフレッド。
意志とは関係なく進む〝運命の歯車〟に翻弄される2人の人生は、ままならない。
ままならないけれど、お互いが出会えた人生はきっと素晴らしい物に違いない!
2人の明るい未来に、やっぱり頬が緩んでしまう最高の一冊でした♡

5

攻めを無自覚に煽る受け

伊達きよ先生が初めてディアプラスから本を出すと知って楽しみにしていました!
ボリュームが嬉しい全332ページです。

α従者×Ω主のオメガバースものです。

まず、攻めと受けの容姿の描写が素晴らしい。
攻めはエメラルドグリーンの瞳、長年剣を使っているから手のひらが硬い、体中傷跡だらけ…という偉丈夫。
受けは栗色の髪、碧色の瞳、桜色の頬…と個人的に攻め受けともに理想の容姿でした。


伊達先生の書かれる受けは「幸せになりたいオメガ、騎士に嫁ぐ」もそうなんですが、すごく前向きな性格で応援したくなるタイプなんですよね。
攻めは「幸せになりたい〜」が質実剛健で寡黙なタイプで、こちらは穏やかな大型犬に見せかけた狼タイプ。
オメガバースものだけど、全然違った作品なのでどちらもおすすめです。


前半は受け視点で、後半に攻め視点。
性に疎い受けに手取り足取り腰取り性知識を教えこむ攻め。
後ろをほぐすシーンが丁寧に書かれていて、攻めのむっつり加減を楽しむことができます笑

後半の攻め視点で従者になるまでの経緯が書かれていますが、幼少期の受けがめちゃくちゃ可愛くて天使。そりゃあ一生守り抜くって決意しますよね。

あらすじだけ読むと、Ωだと知って打ちのめされるけど、前向きに自分に出来る事を探す健気な受けのお話だと思いきや、受けに出会うまで波乱万丈な人生だった攻めが自分の居場所を見つけたお話でもありました。

他の方のレビューにもありましたが、基本的に丁寧な言葉遣いな攻めが、理性が限界な時に受けを呼び捨てにしたり敬語が取れたりするのがめちゃくちゃ萌えました……

伊達先生の分かりやすい文章と、素敵な挿絵もすごく良い。ページをめくるのがもったいなくなるほど、楽しい幸せな一冊でした。

ただ、同時収録の続編は本編に比べて登場人物が増えるので、二人のラブラブ度がちょっと足りないなぁと思ってしまいました…。
もしかしたら続きを書かれるかも、ということなので次はもっとラブラブな二人が見たいです!

3

この先のお話が知りたいのです

読みながら既視感があるので初出を見たらやはり雑誌掲載作でした。こちらの表題作は以前読んでいてとても面白かったのを覚えていました。「続」の方は未読ですので、その後の2人を楽しむことが出来ました。

フィディの誤解させるような言動にクスッとして、それにフレッドが煽られる度にニヤニヤしていました。フィディの貴族故の言葉づかいに爆笑したのは私だけではないと思います。www

フレッドが護衛兼従者として優秀なので表題作はほぼ2人の世界です。そして「続」でワイズバーン伯爵家の本邸に戻ってからも父親と兄達以外との関わり合いが書いてないので、登場人物は極端に少ないです。

家族が囲い込むように溺愛して来たので自分を客観的に見ることや性には疎いですが、アルファだと思って生きて来たのでちゃんと自分を持ってることに好感を持てました。特に婚約パーティーでのフレッド兄をやり込めるフィディは素敵でした。

なので結婚してからのフィディの活躍やフレッドの兄の末路などをもっと詳しく知りたかったです。
それと今作ではフィディが異常にモテてましたが、フレッドも間違いなくモテると思うんですよね。フィディしか見えてないフレッドですが、きっと勘違いして寄ってくる輩がいると思うので嫉妬するフィディとか歯牙にも掛けないフレッドの様子が読みたいです。

書き下ろしの「フィディの巣箱」凄く良かったです。

2

可愛いお話

「人生はままならない」第二性がある世界で自分はαだと信じて生きてきたフィディだけど、検査結果はΩ。それまでの生活にさよならして、元剣奴で従者のフレッドと領地の端の荒地で暮らす事に。
これだけ聞くと悲惨だしフィディの落胆が大きいのは当然。なんだけど、フィディの持ち前の明るさや前向きに頑張る姿は微笑ましいし、フレッドの献身には感心する。何より恋心を自覚してからが可愛くて、フレッドはある意味大変だなぁと笑ってしまった。
フィディは壁に当たる度に悩むんだけど、フレッド始め家族みんなが応援してるのが心強いし、自分で道を切り拓く強さが素敵。
フレッドの境遇もしんどいけど、フィディって天使に出会って献身的に尽くしたからこそ得られた幸せだと思う。
いわゆる運命の番だと思うけど、それ以上の絆で結ばれた2人に心温まりました。面白かった!

0

めっちゃ可愛い!

作家買い。
アルファだと思い込んでいたが、実はオメガだった伯爵家の子息。
オメガゆえに、伯爵である父から屋敷から追い出され僻地へと追いやられることになりー?

というあらすじを拝見して、これは薄幸受けちゃんのお話では?と思いつつ手に取った今巻。読後の感想はこの一言に尽きる。

最高。

めっちゃ面白かったー!




ワイズバーン伯爵家の四男・フィディ(17歳)が主人公。
伯爵家の子息という高貴な身分、そして見目麗しいご尊顔。そして有能な頭脳。
フィディは、自分はアルファで、成人した暁には父や兄たちを助けながら家を盛り立てていきたい。そんなビジョンを思い描きながら日々生活している。

が、学内に併設された機関での調査結果は、オメガだった。
由緒正しきワイズバーン家の子息がオメガ(兄たちはみんなアルファ)。これはもう、父親から捨てられるだろう。

そんな彼の予想通り、フィディは家族の誰とも顔を合わせないまま、ワイズバース家の領地の端の端の荒地にある屋敷へと追い出されてしまった。彼と一緒についてきてくれたのは、フィディが子どもの時から世話をしてくれているフレッドという名の従者だけだったー。

と、出だしはこんな調子。
あら。
あらあら。これは薄幸受けちゃんのお話なのでは?と思いつつ読み始めましたが。

早い段階で、めっちゃ爆笑。
なにこれ。
面白すぎるんですけど。

フィディという男の子はですね、箱入り息子なんですね。いろいろな意味で。伊達先生の言葉のチョイスが絶妙で、くすっとしてしまうシーンが多いんです。

フレッドの…
すごく、大きくて張りがあって、…
硬いんだな

何の描写だと思います?正解は腕。tnkではありません。
いやもう、もう…!腹筋崩壊。終始こんな感じで物語は進んでいくんです。

フレッドの方も、フィディの従者という立場ではありますが、彼には彼で過酷な過去がある。でも彼は、全身全霊で、フィディを愛し、守ろうとします。そして、その能力も持ち合わせている。どんなピンチもフレッドが助けに来てくれるという安心感。まさに印籠です。彼の存在が。

シリアス、かと思いきやコミカル、かと思いきや、純愛の萌えあり、家族愛あり、何でもてんこ盛りのごった煮なのに、これがまた絶妙なバランスでミックスされている。さすが伊達先生です。

序盤だけ読むと、オメガゆえに捨てられた少年、のお話なのに、結末はこう来るかー、という二転三転する展開でめっちゃ面白かった。ストーリーとしては王道といえる展開ではありますが、良い意味の王道さを孕んだ作品です。

挿絵はカワイさん。
カワイさんの描かれる優しい絵柄と、この作品の持つ世界観がぴったり合っていてそこも非常に良かったです。

フィディはオメガで、溺愛されている少年ですが、それでも彼は単に守られるだけの受けちゃんではありません。彼の賢さとか、芯の強さとか、そういったものでオメガという性に立ち向かっていく強さがある。箱入り息子ゆえに、いろいろ天然ちゃんではありますが、そこがまた彼の魅力の一つになっているところも良い。

色々な深い愛情に満ちた今作品。
読後心がほっこりと温かくなります。
面白さと萌えが詰まった良作でした。

8

ままならなくても希望は捨てない人生を

今回は元人気剣隷の侍従と伯爵家の四男のお話です。

受様が侍従だった攻様と婚約するまでと
2人が番となるまでの続編と幕間的な短編を収録。

この世界には男女の性とは別に
アルファ、ベータ、オメガの第二の性があります。

アルファは人口の一割も占めませんが
皇帝をはじめとする貴族達、軍人や文官の上層部など
世界を廻す要職はすべからくアルファです。

その手足となるのが人口の九割を占めるベータで
稀に優秀な者も生まてもアルファに敵わない一般人です。

オメガは
アルファの遺伝子を残しやすいという意味では優秀ですが
発情によりベータのように普通に生きる事もかないません。

由緒正しい伯爵家四男として生まれた受様は
自分も父や兄達同様アルファだと疑いもせず
良家の指定の通う帝都の学園に通っていましたが
成人である17に行う第二性の診断でオメガと診断されます。

受様に付き従う従者の腕の中で涙にくれた後
数週間後の卒業式も待たずに実家に強制送還され
翌朝には伯爵家領地の最西端の地区の屋敷に移送され
受様は父が自分の存在自体をなくしたいのだと悟ります。

果たして受様は辺境の地で朽ち果てていく運命なのか!?

雑誌掲載作2話に書き下ろし短編をつけての文庫化で
受様の侍従の攻様とオメガ故に隔離された受様の
身分差オメガバースのラブコメディになります♪

受様につけられた従者こそが今回の攻様になります。
攻様は闘技場で戦わされていた剣奴で
幼い受様が泣いて強請って買い上げた奴隷使用人です。

攻様は元剣奴をしていた猛者らしく対たくましい体格で
能力面でも優秀で受様に尽くす様は従順な大型犬のようです。

受様は攻様と2人きりで過ごすようになって
自分がオメガの特性を備えていた事を自覚するとともに
1人で全てを取り仕切らざるを得ない攻様に
無理をさせ過ぎているのではないか思うようになります。

その結果、毎夜受様を寝かしつけて自室で就寝する攻様に
「僕(の寝台で朝まで)と寝ないか」と提案するのですが
攻様にはそれを夜のお誘いと受け取って
受様との房事が始まるのです♡

受様の勘違いと攻様の誤解によって
身体が結ばれてしまった2人の想いはズレにズレまくり
なかなか修正されません。

受様の裏の無さ過ぎる言動が攻様の理性を崩壊させて
読者をニマニマ&ワクワクさせるコミカルな展開で
受様が攻様を伴侶とするまで楽しく読ませて頂きました。

カワイ先生のちびキャラの一コマ絵が
受様の可愛さと攻様の苦悩を端的に描いていて
素晴らしかったです ヾ(≧▽≦)ノ

5

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