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話題の新星、バタフライ・バースで登場!
hachimitsu to chou
初読みの作家さま。
小山田さんの描かれた表紙に興味を惹かれ、あらすじを拝見してみたところ何やら非常に面白そうなストーリーとバックボーンにそのままお買い上げしました。
「バタフライバース」という世界観を軸に描かれた作品ですが、バタフライバースって何だっけ?という。どこかで聞いたことがあるような…?という世界観でしたが、メジャーな設定なんですかね。オメガバースが一般的になったと思ったら「ケーキバース」とか、いろいろな萌え設定があるんだなあ…、とじみじみ。
ワタクシのように「バタフライバース」とは何ぞや?という方に向けてちょびっと補足を。
普通の人間の中に混ざって、「蝶」、「蛾」、「蜘蛛」そして「蜂」に分類される性を持つ人がいる。
「蝶」は人離れした美貌を持ちその美貌で周囲の人を圧倒するが、蜘蛛に食べられてしまう。
「蛾」は、蝶のように美しい美貌を持つが、蜘蛛に食べられないように毒を持つ。
「蜘蛛」は蝶を食べたいという欲求を生理的に持つ。蛾も食べるが、毒を持つ蛾を食べると死んでしまう。そして、蜂に卵を産み付けられ苗床にされることがあり、卵を産み付けられると死んでしまう。
「蜂」は蜘蛛に卵を産み付ける。つまり、蜘蛛がいないと繁殖できない。
フムフム、なるほど。
これまた独創的な世界観ですなあ…、と思いつつ読破しました。
ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は孤児院で育った十花。「シーファ」と読む。
孤児院で、自分たち子どもを大切に育ててくれていた、と信じていた先生たちの裏の顔を知った十花は、そのまま孤児院を脱走。が、糧を得る手段もない十花にとって、外の世界は厳しかった。
そんな十花を拾ったのがチャイニーズマフィア・悪蜂会の構成員。
美しい容貌を持つ十花を、オークションで競売にかけるか、あるいは娼館に売るか…、と思い連れていくが、十花を見た悪蜂会の双子のドンである睡蓮(シェイリン)と芙蓉(フーロン)は、そのまま十花を自分たちの番にすると宣言してしまい…?
というお話。
十花は「蝶」、そして睡蓮と芙蓉は「蜂」のバース性をもっていてー。
孤児院で、その施設の大人たちに喰いものにされそうになった薄幸青年・十花を、周囲の人たちから「悪食の双峰」という悪名で呼ばれ畏れられているドンである睡蓮と芙蓉に愛でられ愛され、幸せになるお話かな?
そんな風に思いながら読み始めましたが。
いや。
いやいやいや。
めっちゃハードな世界観のお話でした。
そもそも蜘蛛は蝶を食べる、とか。
蜂は蜘蛛を苗床にして卵を産み付けてしまう、とか。
ちょっと、なんていうんでしょうか、血なまぐさいっていうんでしょうか。ハードな設定なんですね、バラフライバースというのは。そこに、チャイニーズマフィアとか、裏社会とか、あるいは孤児院の子どもたちを喰いものにしている大人たち、とか。どこまで行ってもハードでダークなお話なんです。
で。
蝶である十花に、蜂の睡蓮と芙蓉が執着し「番」と言い切ってしまう。
蜂は蜘蛛に卵を産み付ける性をもっているので、なぜ蝶の十花に固執するのか、序盤全く分からないんです。が、その理由が少しずつ見えてくる。というか序盤からきちんと伏線が張られてるんです。十花という青年が抱えている、その秘密に関して。
いやー、こうきたかー。という感じ。
面白いです。「バタフライバース」という設定がきちんと生きている展開になっていて、二転三転していくストーリー展開にぐっと引き込まれてしまう。
が、とにかく流血がすごい。
流血、という生易しい言葉ではすまなくて、まさに人の生き死にがガッツリ書かれています。そして、「蜘蛛」が人を食らうという描写も。人によっては苦手な方もいるかもです。かくいう私も、ちょっぴり斜め読みしてしまった部分は否めない。怖い、というか、グロ?っていう感じ。
そして、その「血」に関しても複雑なバックボーンが込められているところがすごい。「血の繋がり」っていったい何なんだろうなあ、と思いました。2組の兄弟、兄妹、という関係を持つ人物が書かれていますが、「同じ血が流れている」という部分を上手に使ってギミックを仕掛ける手腕がすごい。
十花、睡蓮そして芙蓉。
彼らの名前の読み方とか、あるいは着ている服装、そして九龍城が舞台として描かれていたりするので、舞台は某国をイメージしながら読み進めましたが、これがまた良い。異国情緒、っていうんでしょうか、ダークな世界観がより一層リアルな重みをもって読者に迫ってくる感じがします。
オメガバもありますが、バース性を意図的にいじるという部分もあったりして近未来的な設定があるかと思えば、九龍城を舞台にちょっとレトロな雰囲気も醸し出されていて、それがこの作品の舞台となった地の情緒あふれる異国の空気感もミックスされていて、1冊で何度もおいしい、そんな作品でした。
流血とか人を殺めるとか、あるいは食べちゃう(BLで「食べる」という表現があったら、それは性的に喰っちゃうぞ、っていう意味だと思うじゃないですか)といった痛い描写もてんこ盛りなので、そういった展開が苦手な方には正直お勧めしづらい作品ではあると思います。
が、睡蓮と芙蓉、そして十花の間に育っていく愛情は本物で、しかも十花がカッコいいんですよ。ただ単に守られるだけの受けちゃんでないところがめっちゃ良い。
ストーリーとしても非常に練られていて、二転三転する展開は読みごたえがあります。初めて読んだ作家さまでしたが次回作も楽しみに待っていようと思います。
小山田さんの描かれた挿絵は今回も神。
睡蓮と芙蓉、そして十花の持つ、壮絶なまでの色香と美貌に圧倒されました。小山田さんホイホイされましたが、とっても読み応えのある作品に出会えたことに感謝です。
評価でちょびっと悩みましたが、1冊の作品として読んだときの面白さ、という点で、☆5つです。
初めてのバタフライバース!
ハンニバル大好きマンな私は、大満足。
むしろ。もっといっちゃっても全然OK、なくらいグロ描写控えめかしら、と思いました。
バイオレーンス!ですが瞬間的暴力なので、長々と拷問描写されより、読んでいて痛くないです。そのあたりは、商業だし気を遣ってくれている?
血、肉、苦手な人は無理な世界です。
でも。好きな人はすごく好き。
噛む、飲む、吸う、喰べる、等にエロスを感じる同志達、寄っといで〜って手招きしたい。
読み進めるにつれ、攻め双子(蜂)と受け美人(蝶)の過去や基本バース+αに絡む闇が明かされ、えーーー!ってなります。
終盤、これはメリバパターン?とソワソワするが、ちゃんとハピエン。…ハピエンだよね?ハピエンで良いんだよね!?な感じ。
ん、堪らん。
吸血ものとは違う雰囲気。食べちゃうからね!
食べちゃうシーンも良いのよ〜。一番好きなシーン、あげるなら私はそこをあげるわ。煮込んだスペアリブみたいに綺麗に食べる。(骨付き肉って美味しいからね)
決して万人受けはしないジャンルでしょう。近親ものと同じ禁忌の香り、むんむんですし。
しかし。可能性は無限大!
サスペンスでバディものとか。運命感じた2人が蜘蛛×蛾とか。妄想ふくらむわ〜
小山田あみ先生の美麗イラストも手伝って、ちゃんとエロい。受けちゃんの入れ墨、最高よ。
ラスト一文、私はすごく好き。ニヤリしちゃう。
はー…いやはや、すごく面白かった!
作品の世界観だけで言うのなら、退廃的でダークな雰囲気が漂うハードな中華ものなんですよね。
サクサクと当たり前のように人が死にますし、倫理観が問われる描写や、バイオレンス・グロテスクな描写が少しでも苦手な方はにはまずおすすめ出来ません。
だというのに、読後の後味はとびきり優しくてとろりと甘やかな3人だけの箱庭…もとい、蜂蜜たっぷりの蜂の巣といった印象が強いのです。
とっても甘い溺愛系のお話かなと個人的には思います。
自分たちだけの小さな世界・依存系のお話がお好きな方はぜひ。
今作の主人公である十花は、とある孤児院育ちの訳あり青年。
平穏だと思っていた孤児院の実態を知り逃げ出すも、外の世界はそんなに甘いものではなく…開始数ページで命のやり取りがあまりにも簡単に行われている場に巻き込まれてしまいます。
が、ここからが面白いところでして。
その場に訪れていた悪蜂会の首領である双子の睡蓮と芙蓉に気に入られ、あれよあれよと囲われていくではないですか。
十花に執着し溺愛する双子と、双子の執着を徐々に受け入れて愛情を深める十花の図はどこからどう見ても溺愛もの。
でも、彼らの周囲では常にバイオレンスな出来事が起きていて、人の生死やハードな物事が当たり前にある日常の中で描かれる共依存系の幸せはアンバランスであるはずなのに、なぜか非常に心地良く感じられたのが不思議で仕方がありません。
痛いはずなのにどこか気持ちが良い。そんな感覚になれます。
バタフライバースとはなんぞや?というところから始まり、分からないことだらけの設定だったのですけれど、読み始めてみれば特に混乱もせずすぐに夢中にさせられてしまう吸引力がありました。
読み進めれば自然と理解が出来る親切仕様になっています。
バース設定だけを見れば、こちらの作品は基本の設定に少々独自の味付けがされているのかなーなんて思いましたが、これがまた良いアレンジになっていて後からじわじわ効いてくるんです。上手いなあ!
双子はもちろん、十花のキャラクターが私はすごく好きです。有能で頼りになる受けに惹かれてしまう…
溺愛する双子攻め・ただ溺愛されるだけの受けでは終わらない展開と設定が面白く、最後まで読み応えのある作品でした。
3人ともそれぞれ人間的には歪だったり欠けた部分があるけれど、欠けた部分をくっつけてみたらぴったりはまった。
そんな彼らの甘い巣の形が魅力的な1冊です。
バタフライバース自体、初めて読むお話でした。中華風の街、マフィアの闇社会、双子の首領から愛される3P、、バース設定以外にも世界の作り込みが要素が多くとても楽しめました。
蝶、蛾、蜘蛛、蜂、それぞれに特性があり、ただ、このお話は、そこに更に捻りが入っていて、そのバース設定の謎の解明されていく事が、お話のキモになっています。
小山田あみ先生の絵がとても素晴らしく、中華の衣装、そして長髪をなびかせる双子の睡蓮と芙蓉、読みながら挿絵が入る場面はとてもテンションが上がりました。
恋愛の話としては、主人公の十花が双子に溺愛されて、絆されていく、、という感じでしたが、そこも、隠された3人の秘密が、愛し合う事に直感的に繋がっていて、バタフライバースのなんとも複雑な設定が生きていたと思います。好きなのに、食べたいって…本当に3人だけが共有している秘密の関係。そしてひたすらに2人に甘やかされる十花ですが、彼はただ愛されるだけでなく、彼本来の、頭の良さや、特殊能力を発揮して、睡蓮と芙蓉を助けるようと、行動を始める所は、とてもかっこよかったです。
少し気になった所は、ラストの戦闘シーンがあっさり決着がついた所(BLなんだから問題無いのですが、十花の再生能力を生かすならこの場面だったのではないかな?などと期待していました)と、施設の子供達を皆殺しにする事、そういう尊い犠牲を自分達の都合で行うならある程度の贖罪を背負うべきだと、私は変な正義感を持ってしまう人なので、その辺が少しモヤモヤしました。世界観が好きなので、ハードル高くなってしまってすみません。
しかし、一巻では収まりきれない位の濃い内容の本でしたのでとても楽しめました。
初バタフライバース
その設定の異常性から、どんな地獄が待ち受けているのかワクワクしながら拝読しましたが、【裏社会×バタフライバース】の掛け合わせが最高に合っていたと思います!
*美しいが蜘蛛に食べられる運命にある「蝶」
*蝶と見分けがつかないが猛毒の「蛾」
*蝶及び蛾を食べる「蜘蛛」
*捕食者である蜘蛛に種付けできる「蜂」
この4種類の人間が存在するバタフライバース。
「食べる」と言っても、性的に美味しく頂くんでしょ?なんて思っていましたが、とんでもない。
想像以上にカニバリズムのオンパレードで、文字通りムシャムシャ食べていました。
理不尽と暴力が溢れる血みどろの世界。
常軌を逸する美しい双子に、ドロドロに愛されて支配されて雁字搦めになっていく……
美しい「蜂」の巣に、迷い込んでしまった一匹の「蝶」が妖艶な蜂達に翻弄される物語かと思いきや、美しい蝶に惹きつけられた蜂達が気づけば大きな蜘蛛の巣で雁字搦めになっていた共依存BLでした!
普通の日常を手に入れる為に施設から抜け出した十花ですが、彼の美しさの裏に潜む異常性が明かされていく様子は耽美的で非常に艶やか。
最終的には「まともな奴が居ない」状態になり、次々と明かされていく秘密に驚きながら楽しめました◎
ただ、台詞に「♡」が多様されていて(♡喘ぎはありません)、ディープでシリアスな世界観に反してライトな印象に……
チャイニーズマフィアと言いつつ九龍城砦が登場したり、設定の甘さも気になってしまい物語に没入できなくて少し残念。
バリバリのカニバリズム表現があるので、グロ耐性が無い方はご注意ください!
暴力と悲鳴溢れる治安の悪い作品が読みたくて手にとりましたが、治安の悪さはお墨付きです。
▶︎挿絵…8P