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人魚×人間 悠久の時を生きる人魚の、稀有で一途な恋の御伽噺。 唯、いつ俺をお刺身にして食べてくれる?
kompeki ni polaris
漁師町に住む高校生・唯と、人魚の"くじら"の物語で、幼馴染みものです。
くじらの声は特殊な周波数をしていて、他の人魚にも人間にも誰にも聞こえない。
一人寂しく孤独に生きてきたくじらの声を、唯一聞き取ってくれたのが人間である唯だった。
唯に依存するくじらの存在を心地いいと思ってしまう反面、もっといろんな世界を知って欲しいとも思う唯。
一方唯だけしかいらないと思ってたはずなのに、本を読んでいろんなことに興味を持ち始めた自分に怯えるくじら。
人と人間、寿命が大きく違うからこそ悩んでしまう、迷ってしまう。そして出した二人の決断…。
性的な描写は皆無ですが、とても優しい物語でした。
続編でその後のえっちまで進んだ幸せな二人、そしてやがて寿命に苦悩する二人も見てみたいな。
独特なタッチの味のある線が好きです。
海だったり波だったり、水に関するものの描き方が素敵。
幼馴染が人魚ってどんなお話だろう?と気になって手に取ったのですが、うーん。
私にはちょっと難しかったというか、分かりにくさを感じるお話だったかもしれません。
長寿な人魚の設定は切なくて、その設定自体はすごく良かったんです。
思わず魅せられてしまうコマもたくさんありました。
全体的に余白とモノローグが多いので、これはこういうことかなとメインキャラクター達の心情を想像しながら読み進める作品なのかもしれないなと思います。
唯にしか聞こえないくじらの声だったり、まだ幼かった頃の出逢いから今に至るまでのエピソードの数々や、この先の未来への葛藤といった、お互いのことを特別に想っているからこそのままならなさはしっかりと伝わりました。
物静かでしっとりとした雰囲気はすごく良いです。
でも、私にはすぐには理解が出来ない描写が多く、若干混乱をしながら読んだというのが正直なところです。
おそらく、珍しい人魚が共存するこの世界の説明があまりされていなかったことや、引き算された画面から状況把握がし辛く感じたのが大きかったのかも。
自分だけのものでいてほしいけれど、それではだめだと共依存関係に悩む心理描写は良かったです。
ただ、まとまりが良いかというと否でした。
個人的にはもう少しだけ分かりやすかったらうれしかったなと思いつつ、あまり説明をしてもこの作品ならではの味が薄れる気もして悩ましく感じます。
最初に読んだ時は、よく分からない感じだったので、2度ほど読み返しました。
うーん、なんていうかやっぱり
話のまとまりとして弱いかな、と。
フラグがあちこちで立っていくのを
抱えて後からついて読んでいくわけですが
意味あり気に呟かれたり
気になる余韻を残されたりといったものばかりで
含みのある言い方が多いというのか
残念ながら、その点と点が線で繋がっていくような感じを受けませんでした。
作者様が意図が、多分裏設定のような気配で伝わってくる…見えそうでみえないみたいな。
印象的なシーンはいくつかあるのに
その繋ぎめがよく分からないで始まり終わる。
少し読んでいて、息継ぎが難しいかな…
一途な気持ち、
相手のことを大切にしたいという気持ちを
上手く伝えられなくて胸が苦しい、
みたいなところや
雰囲気は良かっただけに、
ファンタジー設定が浮いている印象で
少し残念でした。
すいません、辛口になりました。
執拗なまでの執着 哀れなほどの共依存 目を覆いたくなるような虐げ
自分の知るものとはどこか違う 痛々しく重い愛
苦痛 お好きですか? 好きなら読まなきゃ いとださん作品
正直 諸手を挙げて悦べるものでもないし 万人受けするとも思えないんだけど「狂おしい」をいろんな角度から魅せてくださるので必然的に次を見たくなる
不思議な危うさがね クセになるのかも
その声は彼以外には聴こえず 他の誰にも届かない
人魚につけられた名前がそうだからなのか出だし数ページで 世界で一番孤独なクジラ「52ヘルツのクジラ」の話を思い出した
こうなるといくら読みやすくとも 虐げや哀れ お得意の執着っていうベースに その【孤独】を上乗せして強く魅せてくれるんだろうなという期待が膨らむ
あぁぁん コレはね もぉね とにかく読んでッ! としかいっちゃイケないやつだと思う
誰にも届かない孤独 それ以外はなにも要らない そして極めつけが 人魚
もうこれだけ揃ったらねぇ 結末を大いに想像するじゃないですか 今までの作風からしたら
期待しましたよあたしは リンチ・凌辱・カニバリズム なんでも喰いますいただきます精神が出張って もうさもうね わかるでしょ??? ←いつもより鼻息荒め
がッ! とんでもなかったっッ ゴメンナサイ
んんん マイルドッ! しかも読みやす~い
今回ファンダジー色強めなお陰か今までとぜんっぜん違って こんな優しく真っ直ぐなお話もイケるのか と
キラキラしたものも キャッキャウフフもない
そのかわり今までみてきた蔑みや痛みってのもない
内に隠る欲に迷い 情に抗い 狡さに嘆き 身勝手な恋を満たそうとするふたりを淡々と読むのみ
なのだが かわいいッ!
何せこども時代のふたりが愛らしすぎて その出会いに 見つけた最初で最後の光に くるだろ くるだろ 絶対くるだろ と
胸の辺でわいたものが喉の奥につまって窒息させるように深い闇へ堕とされていく あれ! を期待したがそれもなく
ほんと期待を いい意味で 全部裏切ってくださった マイリマシタ
正直 唯とくじら このふたりの好きや想いの寄せ方の違いを存分に見せつけていただけたせいで ここを重ねるのがちょっと強引だったかな…
いやまぁ 呑みこまれたものが思念体だったのか若干引っかかりはしたし どっか物足りなさは残るけど 男は船女は港 みたいな
いつか訪れる別れの時まで 光も陰も全部持っていてでも迷わず見つけ歩いていける 必ず帰る場所 ってのを
あああ もぉだからさ あたしなんかにゴチャゴチャ言わせるより読んだ方が早いって まぢで
人魚と人間の幼なじみBL。
現代ファンタジーですが、キラキラとした雰囲気というより、なんだか懐かしい気持ちにさせられるような、なんとも不思議な世界観です。出てくるシニアたちも可愛い(笑)設定はややこしくなく、すんなり理解できました。
先の展開が読めない構成やカッコいいモノローグ、エロなしでこの満足度。いとだ先生の作品は最高だなと改めて。BLに触れたことがない人にもバンバン勧めたくなります。
こんなストーリーの発想はどこから……と先生の作品を読むたび思うわけですが、あとがきを見て「なるほど……」となりました。いやあ……すごい。(語彙力)
くじら×唯
いとだ旬太先生の作品、2ヶ月で2冊も出版された。
先月と今回の作品のトーンがまったく異なることに驚いた。
この作品は、現実とファンタジーの境界線での純愛で、
小さな漁師町に住む高校生の唯と、
彼の幼馴染である人魚のくじらのお話。
穏やかな日常が恋でほんのり揺れる感じがすごく好き。
高校生の2人が一緒に成長しながら、
2人だけの世界で不器用な関係の、
恋心を募らせていく様子、
「ただ好き」という純粋さ、
未熟な感情をどう扱えばいいのかわからない葛藤、
人間と人魚という異種間の恋の苦しみ、
愛情の切なさと幸せな気持ち、全部を
繊細な心の動きやその表情で見事に表現されて、
甘酸っぱくて痺れそうになる。
読み進むにつれて感動で心が波打ち、
最高に心地よい読後感があって、素晴らしい作品でした。
子供の時にくじらを発見して以来、
彼と一緒に暮らしている唯が、
自分に依存しているくじらに
恋のような気持ちもあるけど、
くじらが外の世界を知ってほしいという悩みも生じている。
くじらが人魚だけど、
見た目や心は普通の高校生。
唯の前ではやんちゃで可愛い。
彼にとって唯は全てで、
唯以外のことを知らなくてもいいという頑固な信念を持っている。
くじらが自立してほしい唯と、
唯に絶対離したくないくじらが、
すれ違っている心がグチャグチャにな絡み合っているのが胸を痛める。
くじらの声が特殊な周波数で、唯以外の人間には聞こえない。
その2人だけの秘密の絆が感じがいい。
名前のない人魚は、声がその名前、
自分の存在を証明する手段になっている。
くじらはただずっと自分の声を誰かに聞いてほしいからかな?
そして、唯が現れて、彼がある種の欲望が芽生え始めて、
くじらが唯への強大な想いは、
世の中でただ唯だけが大切ということの証明だと思う。
それに、くじらの寿命が千年単位だ、
人間とは全く異なる存在で、
2人の間に流れる時間の違いがなんとも切ない。
だから、
「唯、いつ俺をお刺身にして食べてくれる?」
唯との関係でどういう立ち位置にすればいいかという
くじらの不安定さが感じられるけど、
彼が唯をどれだけ大事に思っているのがしっかり伝わってくる。
自分より唯が大事。
自分の全てを唯に捧げる準備ができて、
自分が食べられて、
唯が長生できて、
それでずっと唯と一緒にいられるならそれでいい。
自分を犠牲にしてもいいほどの愛なのよね。
エッチシーンがはっきりしてないけど、
純情で清らかな感じが可愛らしい。
お互いがお互いしか見つからないという不思議な絆が最高で、
お互いを思いやる関係、まさしく真実なる愛情!
温厚な愛情が滲むセリフや目線、
2人に共感してしまい、
海の中を漂っているかのようで、波に揺れるような感覚に陥っていました。