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jinphyou to moujuu tsukai
沙槻先生の「江戸川乱歩」パスティーシュ作品の一作。
…ていうのは知らずに獣人さんの金色の瞳に魅入られて手に取ったんだけど、主人公の名前が「江川蘭伍」だもんね。
そして、本作は乱歩の「人間豹」という作品から着想を得たそうです。
時は戦前昭和初期。主人公・蘭伍はサーカスの猛獣使い。
終演後セクハラに遭っている所に突然現れた豹の獣人に助けられ、「豹さん」が蘭伍の用心棒兼サーカスの手伝いになって…
…と始まります。
豹さんの優しさを知るにつけ惹かれていく蘭伍。
そこはピアスレーベルですから、ほのかな片想いなどではなくガッツリHになるわけですが。
さて、豹さんには秘密があるようで…
豹さんが「親父」と呼ぶ博士。オヤジと言っても若い美形ですが。
彼が獣人を創り支配している?そして豹さんには危険な「弟」がいて…
…という展開に移っていくわけですが、この弟の黒豹獣人が怖い。
兄豹のものを何でも欲しがる。だから蘭伍も欲しがる。
蘭伍は弟の黒豹に思いっきり犯られ、その間豹さん本人は麻酔で動けなくさせられ。
しかし、蘭伍はヤられて壊れるような人物ではなかった!
ここが良かったですね〜。
カラダは快楽を追い、「心は屈しない!」と機をうかがう蘭伍です。
その後もパトロンに名乗り出る議員(博士の元恋人)や明智らしき人などの登場、そして戦争のキナ臭さから身を隠すために蘭伍と豹さんがどこかに消えてしまう…というラストまで。
非常に余韻がありますが、詰め込みすぎで消化不良なのが残念。
沙槻先生の江戸川乱歩シリーズ、他の作品も読んでみよう。
沙槻先生の本は宅配業者と縄師のスーパーどちゃシコ本『男の縛り方、教えます。』に次いで2冊目です。今作もどちゃシコ展開を期待して購入。
こちらは江戸川乱歩の作品のオマージュ?のようです。恥ずかしながらその辺りの文学作品を全く読んでいないのでどの辺りが江戸川乱歩なのかは全然わからず_(:3 」∠)_
人外と美しい猛獣使いの戯れをただただ楽しみました笑。
通常CPとは別に受ちゃんが攻くんの兄弟に蹂躙されるシーンがあるのでNTRが地雷な方にはおすすめできません。そこが問題なければぜひ読んでいただきたいです。
2020年に発売された読み切りアンソロジー「June ADULT2 人外特集」で、本作の第1話を読みました。
あの続きが描かれていたことを、今回コミックスになるまで知りませんでした。
昭和初期の帝都、サーカス団が舞台です。猛獣使いの少年と半人半獣(人豹)の流れ者のCP。
既読の第1話では、エッチな要素はありつつも純愛だったので、その路線だとばかり思っていたら、結構なエロ先行でした(笑)
受けの蘭伍(猛獣使い)が思っていたよりセックスしたがりで、豹の方が理性的。豹がお預けするからもっと欲しくなっていきます。
サーカスのテントで、団員が寝泊まりする狭いところで、声を抑えるでもなくAVまがいの言葉を叫んでやりまくるのはどうなんだろうと思ってしまいましたが、「おまえら」くらいしか抗議されず、公認の仲なのもおおらかな感じでした。
帝都から名古屋に移ったあたりで、豹の弟に蘭伍が連れ去られ、やられまくり、よがりまくりでして、私は何を読んでいるんだろうと我に返るなどしまして。豹が麻薬(あれ、麻薬?麻酔じゃない?)をうたれて檻に入れられている間のことなので、蘭吾がピンチに陥っている設定なのですが、それなのに蘭伍がいやだと言いながらも弟相手に気持ち良さそうだったりしているのがちょっと私の好みではなく、その後再会しても特段葛藤のようなものは一切描かれなかったりしているのもちょっと好みではなく、第1話が結構気に入っていただけに残念でした。
サーカス団のスターである蘭吾が拉致されていた間に不可抗力とはいえ迷惑をかけていたのに、二人があっさりサーカス団をやめていくのでちょっと驚きました。
半人半獣については詳しく語られていないので、どうしてそういう改造人間?を生み出しているのか(退化すると人間に戻るとか?)説明が欲しかったです。
目次の次のページに、作者による御挨拶、作品の裏話があります。レイアウト的には前に配置していますが、内容はあとがきでした。少しのネタバレもいやな方は先に読んでしまわないように御注意ください。