朝が来たら、ふたりは

asa ga kitara futari ha

朝が来たら、ふたりは
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神108
  • 萌×235
  • 萌10
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
22
得点
712
評価数
156
平均
4.6 / 5
神率
69.2%
著者
81 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
MUGENUP
レーベル
エクレアコミック
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784434324345

あらすじ

営業課で働く藤井隼人(ふじいはやと)は隠れゲイで、自分の性的思考のことはひた隠しにして平穏に過ごしていた。
ある日、同期の部下であるシステム課の甲斐悠介(かいゆうすけ)から、バーで自分が男とキスしている写真を見せられる。
「僕と一回だけ、どうかなって」
写真を消す代わりに1回だけ自分と寝てくれと提案された藤井は、渋々承諾してしまう。
そんな甲斐は自分がゲイであることを採用試験の時から堂々と公言しており社内では有名だったのだが、強引だった割に、行為中はどこか初々しさが残る様子で、その姿になんとなく違和感を覚える藤井だが…?

性格も境遇も異なるふたりが紡ぐ、甘く切ないオフィスラブストーリー。

表題作朝が来たら、ふたりは

営業課リーマン,29歳
IT本部システム課リーマン,25歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし 1LDK

レビュー投稿数22

恋を諦めない男。恋愛を諦めた男。

とうとう単行本化に!(やったー)
ラスト。……さいっこう!です。


セフレから始まる物語で、身体だけの関係から気持ちが揺れ動いていく。…と、まぁよく見かける話かなとは思うのですが、主人公2人の心理描写が心に響く作品です。
塩顔系でシンプルな絵柄と、日常を切り取ったような決して派手さはないストーリーの動きが非常に合っていて、私の好みド真ん中です。


"一回で良いから寝てみない"
と、1話目から大胆にも藤井との一夜を誘うシーンは、甲斐が積極的でビッチ的な属性を匂わせるものですが、これ以後。甲斐の純粋な恋心と健気な姿に切ない気持ちから離れることが出来ませんでした。

攻めの藤井の視点からも受けの甲斐の視点からも話が進む構成なので、お互いの心理がとても分かりやすいです。甲斐の苦しい気持ち、藤井の戸惑いと変化から目が離せません。
セフレから始まるとは言っても、身体だけの関係だと完全に割り切っていない、割り切ることができない複雑な想いが2人の間に流れていて、セフレの域を超えて発展していくであろう彼らの未来に期待でいっぱい。
私の方がずっとドキドキしていました。


甲斐の藤井への恋心…つまり下心からスタートしたこのストーリーは、始まりでありながら既に終わりを意識しています。一晩だけでも……と思い行動に移した甲斐の秘めた想いがグッときます。
藤井の方は当然甲斐の深い想いなど知る由もなく、「なんだ、コイツ」って感じ。同じ相手とは2度寝ないポリシーを崩すくらい、甲斐のことで頭がいっぱいになっていく藤井にムフフ♡となりました。


甲斐はゲイであることをオープンにしていますが、藤井は隠しています。
その背景には2人の過去が大きく影響しており、どちらもあまり良い内容とは言えません。でも藤井と甲斐の考え方や生き方は全く逆で、甲斐はマイナスな経験から前向きに生きることを、藤井は隠して生きることを選択しています。

親と縁を切ることになっても、社内で面白半分に下衆な揶揄いを受けることがあっても、自分に正直に生きることを選択した甲斐はとても強い。見た目は線が細くて優しい雰囲気なのに、芯がしっかりしているところは推せます。
藤井が周りにオープンしていない理由は、とてもリアル。閉ざされた学校という社会の中で自分自身を守るためには仕方のないことだったと思います。


性的指向に対して違う生き方を選んだ2人でも、トラウマや罪悪感が心を縛っているのは同じなんですよね。藤井はかつて好きだった友人に、甲斐はカミングアウトした家族に。

これを払拭しない限りは前に進めない大きな壁を2人はどう乗り越えていくのか、すんごく気になるところです。そして彼らの気持ちが重なっていく過程は最大の注目ポイント!
恋愛を諦めてきた藤井と、諦めなかった甲斐の恋を見届けて下さいね。


「朝が来たら、ふたりは」…の後ろに続く言葉には、離れていく寂しさを予感させがちですが、エンディングの彼らには「朝が来ても、ふたりは」…の空気感でいっぱい。
大人のしっとりとした恋愛模様が素敵な作品でした^ ^

10

丁寧で強く、そして温かいです

初めての先生作品です

キャラクターから伝わるメッセージ性のあるお話しだったと思いました
カミングアウト問題は時代と共に認識がする方もされる方も変わって来たと思います
だからこそこの変わり行く現時点で読み、どう思うか?という機会にもなっているように感じました

でも、正義感を振りかざすような強いメッセージではなくて受け手側次第に委ねられているような優しさと強さが共存するような作品でした
すごく自分に取っては響くし刺さる作品でしたし2人から勇気を貰えるようなお話しでした

甲斐も最初から強かった訳ではないけれど「変わりたい」と思い行動していく事で周りに影響を及ぼす事が出来る程の「自分でいる強さ」を手に入れています
そんな甲斐だからこそ藤井には眩しく映り、彼もまた甲斐と並んで歩いて行きたいと思えたし、一歩を踏み出せたんだと思います
「強さ」は後から付いてくる
きっと強くなりたいって思う事以上に行動する事こそが強さなんだと思いました

すごく響く話でした

なんで[1]なんでしょうか?
そこだけ気になります
すごく素敵にまとまった1冊です

10

切なくも甘い、強くも繊細なリーマンの恋模様

藤井×甲斐


タイトルにはなぜか「1」がついているけど、
コミック本体にはついていない一冊で完結もの。

先生の初コミック、本当に素晴らしい。

優しい筆致で描かれる

必死な片想いから強引に始まる関係。
ゲイの2人の葛藤と痛みが、
胸が締め付けられるほど切ない。
読み進むにつれて、
切なさがだんだんと薄れていて、
最後に向かうのは、安心感に包まれた甘いラスト。
読後感がとっても心地よかった。


ゲイであることを隠してきた29歳のリーマン、藤井が、
同期の部下の25歳の甲斐にその秘密をバレてしまって、
彼に脅かされる形で関係が始まる。
2人はその後も何となく体だけの関係を続けてしまう。

実は甲斐の秘めた片想いの手段だったりして、

2人の曖昧な関係の中で、
距離が次第に縮まっていくけど、
甲斐が離れようとする一方で、
藤井は甲斐の強さにどんどん惹かれてしまう。
という展開。

藤井が、
高校時代に好きな同級生を裏切ってから、
本気に恋しないようになった。
ある日、偶然その同級生と再会して、
逃げ続けてきた感情が一気に蘇る上に、
甲斐にふれることで、
本当の自分に向き合う。
その同級生を含まれて、
彼らのゲイとしての痛切さが倍増している。

甲斐は強いけど、
ゲイであることを公然する自由奔放の見た目の裏には、
誰にも見せない弱い繊細な一面もある。
藤井への隠された恋心と、
初めてなのに
必死にゆるゆるな振る舞いの狭間で揺れる健気な姿や、
せめて体だけでもいいという欲、
イった後、藤井のキスが寸前止めされたりの悲しさ・・・、
全部が、心に迫ってきてズキズキと痛む。
さらに、ゲイだから、
家庭の絶縁を背負って、
妹を傷つけるの自分の中の摩擦も・・・。

2人のエッチは、
派手ではなく、
リアルでまあまあエロい。
甲斐の初々しさの中でも、
すぐ感じてしまう超敏感な体や、
涙目で恋の赤面にギュンとする。
藤井のベッドの上での
傲慢さとドSっぷりが最高たまらない!
最後には優しくなるのが残念くらい!

全体的に
一番心を掴まれたのは、
甲斐の意志の境界線。
遊び人のような振る舞いで、
誘う勇気はあるのに、
普通に告白する勇気がないのは、
拒まれることが怖いのよね。
ちょっとずるい方法で藤井の体だけでもを手に入れようとするという
片想いの尊さが圧倒的だ。
だんだん仲良くなってきても、
気持ちを伝えない上に逃げる理由は、
藤井を傷つけないため?それとも、
自分が傷つかないため?
また胸が痛くなる。

恋の知らなかった藤井。
恋に臆病な甲斐。
2人の悩みを丁寧に描いていて、
強さも弱さもお互いに影響し合って、
脆い心をを乗り越えて、
愛を信じることができるという
切なくも甘い恋模様に心がぽかぽかしてきました。

9

”丁度良い”程好さが最高の心地良さをくれる1冊でした!とても良い作品‼

初めての作家さまです
あらすじと試し読みが良かったのでそのまま購入させてもらいました(о´∀`о)

惹かれた点は、あらすじで書かれている隠れゲイとカムアウトしてる攻め受けが予想と違ったギャップに先ず「あ。いいかも⁉」って思えた事
そして「画の感じ」です!

キャラ設定が結構思っていたのと違うギャップがあって先を読みたくなりました!
そして画が、何て表現したらいいか分からないのですが細すぎないタッチだし、シンプルなのに繊細さがあって柔らかさを感じる筆致なのが作風のほんのり感じる優しさとその裏に潜む何かがあるかのかも…⁈と思わせる不安定さに合っている感じで「好きだなぁ~」って思いました
(これは完全に主観なので全くソレ違う!って思う方もいるかも知れませんが私的には暮田マキネ先生や絵鼓子先生の画を見ている時のような安心感みたいなものを感じてとっても見心地と読み心地が良かったです♪)

お話しもすごくすごく丁寧な心象表現で進む感じが「読ませてくれる」のでページを進めるのが止まらないです
そして2人が同じ会社に勤める部署違いの会社員なので、お仕事部分も必要な量で現実的な描かれ方なのも2人の心象表現に説得力を持たせてくれています
しっかりその世界で2人が生活している29歳の藤井(攻め)と25歳の甲斐(受け)である事をとても自然に読み手に感じさせてくれて、身近に感じさせてくれるようです

身近に感じるからこそ説得力もあり、そして愛情が湧く2人のお話しです
綺麗事じゃない事をキレイにまとめている所もあるのですがそのまとめ方に都合の良さを強く感じさせない不思議な魅力があります
きっとこの2人に愛着が湧いてしまっている分幸せにしてあげたいフィルターが生まれてしまっていたのかも知れないですねw

抉られるような切り込んだお話しを求める方にはもしかしたらそんなにうまい事いくなんて…って思わせてしまう展開かもしれません
でも、私にはじんわり心が温まる願っていた展開で心底ホッとしながら読めて、読後は嬉しくなるお話しでした

藤井も甲斐も彼らを囲む人も、みんなが紡ぐ前向きな言葉のひとつひとつがとても素敵でした

ありふれた言葉やBLではよく目にする言葉でもあります
でも彼らの口から紡がれるとその言葉の持つ本来の重みを感じられるような気がしました
「堂々とする」って強いだけでもなく弱いだけの人でもない「その人でいる」って事なんだなぁ~と彼らが発する空気感が教えてくれた気がします

すごく「いいお話し」でした!

そしてこんなにいいお話しだけどちゃんとえっちも程好くあって♡
しかも藤井の「えっちの時はSっ気キャラ」っていうのがまた最高で(〃∇〃)
このお話しでこのえっちが見れるなら過不足無しの大満足でした~

いい人ばかりでも悪いヤツばかりでもなく、いい事ばかりでも悪い事ばかりでもない、そしてピュアなだけでもなく大人の時間もある
全ての要素が非常に丁度良く用意された心地の良い高品質な1冊でした!

今後の作品にもとても期待したい作家さまの作品でした
夜明け属性さんには特に強めにおススメしたいです (ღˇ◡ˇ*)♡

神に限りなく近い萌2ですが初めての作家さまでしたので今回の評価は神にしました♪

9

甘くて切ないオフィスラブ

営業課の藤井とシステム課の甲斐の甘くて切ないオフィスラブです。

ゲイだということを隠す藤井と隠さない甲斐の過去がしっかりと描かれていて物語に説得力があり、一気に読んでしまいました。

オフィスラブではありますが、会社でセックスをしないので好感が持てました。
最後は会社の人に付き合っていることをカミングアウトし幸せになった二人が見れて感無量です!!

ebookjapanは白抜き修正でした。
ビッチを装って藤井を誘う甲斐の健気さに心を打たれました…!
Sっ気のある藤井が優しく甲斐を抱くのも最高でしたし、描き下ろしで毎日抱かれても平気だと証明する甲斐がえっちでした!!

寝室は一緒になったのか別々になったのかが気になるので是非同棲編を出して頂きたいです!!続編希望です!!

8

「強い時ばっかじゃないってことも知ってる」

凄く好みな作品でした。とっても良かったです。
自分の性指向を隠して生きてきた藤井。
なのにゲイを公表して入社した同じ会社の後輩の甲斐に男とキスしている写真を撮られてしまい、それを交渉材料にされ1晩過ごすことに。
甲斐が自分を隠さずに生きている理由も、藤井さんが隠して生きてきた理由もどちらも葛藤があって。
強いだけのやつも、弱いだけのやつもいない。強い時ばかりじゃないから一緒に。
これがまた凄くいいラストですごく良かったです。

7

心に刺さる1冊

単話で最終話まで読んでいたのですが、単行本を購入したのでレビューです。

初のBL本の先生のようですが、何度読んでも私は泣いちゃいます。
ストーリーとしてはクローズドゲイの藤井さんに会社の後輩甲斐くん(オープン)が一晩の関係を迫るところから物語が始まります。
藤井さんがクローズドなのにも、甲斐くんがオープンなことにもそれぞれ深い事情があって、その辺の回収もきちんとしてくれるものだから読んでるこちらは静かな涙が何度も流れました。
甲斐くんは藤井さんのことが元々好きなのですが、本当に健気なんですよね。
心理描写、ストーリーと本当に丁寧で後半タイトル回収されますが泣けます。
温かくてじんわり染みる1冊です。

藤井さんがエッチの時はSっぽくて甲斐くんがMなのもすごくよかった!普段はそうでもないのにその時だけっていいですよねー
甲斐くんがエッチの時、ちょいちょい涙ぐむのが可愛い〜!
絵はシンプルな感じなのですが、慣れるとそれもよかったです。ドエロイ感じには絵柄的にならないのですが、ちゃんとエッチ。

また読みたい先生に出会えましたー!

7

タイトルの意味を想う

Pixivで創作BLをされていた頃からシンプルだけど丁寧に描かれた絵柄と切なさと優しさの溢れた81さんの作品の大ファンです。
待ちに待った商業デビュー。そして舞台が日本のサラリーマンBL。
身体からはじまる大人同士のお話の為かエッチが少し多めですが、今まで読んでいた81さんらしさの溢れた作品でした。

物語は、会社の同僚の隠れゲイの藤井がオープンゲイの甲斐に男とキスをしているのがバレて、ふたりが初めて寝た朝からはじまります。
脅されるように甲斐とセフレの関係になる藤井は、最初の朝に見た涙のようになにか秘密があるような甲斐にだんだんと惹かれていきます。オープンのように見せている甲斐の秘密を知っていくにつれて切なく、そしてふたりを応援したくなってきます。

初めてなのにビッチなふりをしたり、好きなのにその気のないフリをしたり、恋愛に臆病になったりしているふたりを見ていると、素直になればいいのにと思います。
でも、それぞれ同性が好きと言うことで好きだった同級生との辛い過去や家族と疎遠になった理由など、生き辛さは隠れていてもオープンにしていても同じようにあるんだろうなと感じました。
それでもふたりが少しずつ解決していく様子が丁寧に描かれています。その過程でまた相手のことがどんなに特別なのかわかっていきます。

両想いになってからの藤井の溺愛ぶりがとってもいいです。「お前なー!あんなこと言ってたのに!」とツッコミを入れてくなりますが、甲斐がとっても幸せそうでなによりです。

林さんを含めふたりの同僚や先輩たち、みんないい人がたくさん出てきます。甲斐がこの会社を選んだ理由など知って、こんな素敵な職場がたくさんあるといいなと思えました。甲斐の妹夫婦もとても素敵でした。これからもぜひふたりを優しく見守ってほしいと願っています。

タイトルやさりげなく描かれた絵に意味が込められていたりします。ぜひ、じっくり読んでタイトルの意味を噛みしめつつ、隅々にある隠れ○○を探してみてください。
時々出てくるミニキャラも羊のメ~太もほんわかさせてくれてとてもかわいいですよ。

6

素晴らしい作品

とても丁寧に心理描写が描かれ物語に没頭しました。デビュー作とは思えないほどの完成度の高い作品でした。あえて一言、言わせていただけるのならば主人公二人の顔の描き分けがはっきりあれば良かったと思います。二人の顔、髪形がかなり似ていて髪のトーンで違いを確認していた所があり、コメディ感が出た時の省略された顔はどっちか見分けがつかなかったです。作品終了後も著者のXで沢山その後の二人など短い漫画を載せていただいているので嬉しかったです。

6

涙の意味が変わる時

お話しの展開は「体から始まる系」ではあるのですがこの作品のカラーはこの始まりにある訳では無いのがとても良かったです
体先行ものも大好きで読みますがなんとなく絆されていくパターンなども読めてもしまうし期待もしてしまいがちな私にとって、この2人のお話しは「ほだされていく訳ではない」のが伝わるのがとても新鮮で良かったです

新鮮でもあるけれどある意味この流れの方が実は現実的な流れなのでは?と思えるすごく受け入れやすいお話しでした

会社の中の人間関係や家族のお話し、更には過去の後悔など、、、彼らを語り知るためのエピソードも多くてとっても読み応えもありました

ひとつひとつのエピソードを越えて行く毎に2人が大好きになって行くのを感じながら読めます
なので甲斐君の涙が回収されたあのベッドの上の2人には幸せが溢れていて…甲斐君の笑顔で私が涙しちゃいましたw

後半、出番が減ってしまった藤井さんの部下の高田君、何だかあの彼の感じを見て藤井さんが上司としても人としてもイイヤツなんだなって思えました
甲斐君も兄妹はあんなにいい子達なんだかから、きっといつかご両親とも会える日が来るといいなって思います
願わくは藤井さんが好きなビールを甲斐君の実家の温泉で満喫出来る!そんな未来が来ますように(﹡´◡`﹡ )

3

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