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gokudou ha kodoku na oni wo yoruni kuu
神楽坂組高遠会の高遠壱は、組に破門を申し出ます。それは、田舎の母を思ってのことでしたが、組長から額に角のある鬼を処分すれば破門を認めると交換条件を出されます。
額に角のある鬼は、名を九十九といい、いったんは高遠の家で引き取ります。高遠は、人間同様に九十九の世話をしますが、九十九はこれまで異質なものとして扱われていたため、高遠との生活で当たり前であるはずの生活をはじめて経験します。
相良に刺された高遠を守りたい気持ち、ずっと一緒に居たい気持ちが、九十九を鬼でないものにしたのかも知れません。
芥さんの大人気オメガバシリーズ「シークレットノート」「ハイドランジア ケージ」が私的神作で
(シリーズ最新作「イノセント ベル」は未読です。みなさんのレビュー待ってます!)
さらに「出世の花道」と「“ご休憩”しませんか?お隣さん」も良かったので、本作もずっと気になってました。
大好きな恋煩シビトさんの神作「邪神の甘噛み」は一見、鬼のような「邪神xヤクザ」でしたが、本作はいわばその逆「ヤクザx鬼」。
足を洗いたいヤクザが、条件として組長から鬼の処分を頼まれ、一緒に暮らしていくうちに可愛い鬼にほだされていく、というスパダリ溺愛。
ちょっと今までに見ないタイプの、意外な解決法でしたね(ネタバレなしでどうぞ)。
特筆すべきは、攻めがっ・・・!超絶カッコいいです・・・!
さらに冒頭からイケオジ組長も出てきます!色気パネェ!
てか相撲ww かわええw
しかしですね・・・ちょっと内容が薄いです・・・
結局なぜ鬼がヤクザに殺されないといけないのか、薬研の職業は何なのか(探偵?)、なぜ攻めはヤクザを辞めたいのか(おそらく母親に顔向けできるように?)がハッキリ明言されてなかったのでモヤりました。
そこがOKな方ならぜひ。
とにかく攻めのカッコよさを愛でる作品。個人的には満足です。
芥さんは受けが攻めを抱きしめる描写がかなりお好きのようで、本作も大いに該当しますのでそこが見どころですよ。
極道の世界から足を洗うべく組長のもとに破門を直談判しに訪れると、それを許可することと引き換えに"あるモノ"の処分を任された高遠。
そして連れてこられた額から角を生やした異型の人間・九十九(つくも)を引き取り、「処分」をするまでのふたりの日々が描かれていました。
角が生えているというところ以外は顔も身体のつくりも人間とほとんど変わらない九十九。
どうやって生まれたのか、自分が何者なのか。そういう部分は彼自身もわかっていなくて、そしてこれまで人間に虐げられることが当たり前だったことですべてを諦めてしまっている様子がすごく悲しかったです。
高遠はヤクザの道に進んだけれど元々は家族思いの優しい人なので、そんな九十九を処分なんてできるはずもなく…
知れば知るほどに放っておけなくて、自分を慕う九十九が可愛くて。
胸に切なさを抱える者同士、惹かれ合うのは自然の流れだったかなと思いました。
ふたりの恋は逃げ道を塞がれた状態から始まったので、「誰も傷付かずに幸せになる」ということができず…高遠が刺されてしまった時はどうなることかとハラハラ。
でも鬼の象徴とも言える角が落ちてしまうほど高遠を想う九十九の気持ちがその状況を救ってくれて、ふたり一緒に居られる結末になり本当に良かったなと思いました。
組長は妥協せず甘い顔も見せないのでずっとピリついた雰囲気のままお話は進んでいきましたが、
だからこそふたりの愛の強さがより際立って見ることができた作品でした。
新刊はチェックしている作家様です
個人的に人外が得意ではないのでどうなの…と思ったけど!角が生えているだけで、人として接することのできる相手だから読めました。
組を抜けようとする高遠×少年のような見た目の鬼・九十九。高遠は組を抜けるために九十九の処分を命じられます。
九十九の処分方法が不明なため、一度自宅に持ち帰り、調べながら一緒に生活していくうちに、九十九に対して情が芽生えていきます。
強気?傲慢?な攻めと不憫な受け、芥先生の得意分野なのでしょうか、『ハイドランジア ケージ』が思い出されました。
九十九が心を持っていく変化がよかったです。そして九十九が高遠に寄り添おうとする様子に成長を見て感動しました。
鬼の処分はどのような方法なのかも、なるほどと思いました。
ただ薬研の解釈も上手く収めているけど、メリバ(になるのかな)のエンドを見たかったな…と思ってしまったり。