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orokamono wa aka wo kirau
エロティシズム表現が美しい一冊。
死と言っても、別に作中の誰かが死ぬわけではないのでご安心を。
これを手に取るきっかけになったのは、中村明日美子さんの「薫りの継承」を読んで視覚的にうっとり出来るような作品を求める熱が復活したからなのですが、いざ読んでみるとテーマ自体もなかなか近しいものがありました。
闘牛を題材に描かれる「死」と「愛」と「性」と「生」。
この手のキーワードをベースにして描かれる作品は、読むとあぁやっぱり好きだなぁと思いますねぇ。
内容については、ひとつ前のsnowblackさんがすでに綺麗にまとめられていてそれ以上に敢えて書き足すこともないので、ぜひそちらを。
とりあえず私が声を大にして言い残しておきたいのは、以下の二点。
ラフィタ(闘牛士/受)が他の男とのセックスの最中にマウロ(闘牛の解体屋/攻)に電話を掛け、マウロの名を呼び愛を囁きながら高まっていく姿のなんとエロいことか…!
NTRが萌えのジャンルとして確立されるのなら、こういうのもまた1ジャンルとして一定数の支持者がいるはず。
そして、ラフィタの夢。
マウロを牛に重ねて殺す日もあれば、牛を自分に重ねてマウロに解体される日もある。
前者を愛したい願望、後者を愛されたい願望の現れだろうと解釈すれば、
「お前は俺を殺すか?」
「ああ殺すよ 闘牛士だから」
この愛の問答に萌えずにいられようか!
靴を題材にした短編も好き。
母親から貰ったハイヒールが履けなくなったことで、すでにもう子供ではいられなくなったことを自覚し、子供の自分と決別する訳ですが、では彼にとってのハイヒールとは何なのかと考えていくと、これって人が35歳を超えた辺りで再び取り戻す自分にとっての真理(=アイデンティティ)のようなものかもしれない。
その他、サッカーを題材にした短編と、バレエを題材にした短編が入っています。
詩と同じで、読む人、読む時が変わればきっと解釈も少しずつ違っていくであろう作品。
5年くらい経って読み返せば私の中での受け取り方もきっとまた少し違ったものになっている気がします。
※ 実際に読んだのは新装版なのだけれど、
http://www.chil-chil.net/goodsDetail/goods_id/36470/
誤ってこちらの旧版にレビューを上げてしまいました。
中身は殆ど変わらないようですが、ご了解下さいm(_ _)m
『Golondrina』へと繋がる、闘牛をテーマにした作品を表題とした短編集。
他に「靴」「サッカー」など、
えすとえむさんが好んで描かれる題材の作品が収められている。
画力と構成力に支えられた、雰囲気のある作品達。
まるで映画のように、時間と空間が編まれて
読み終わると溜め息をつきたいような世界。
性は常に死と結びついている。
きらびやかな衣装をまとって剣のみで命をかける闘牛は
まるでセックスのようだ。
恐れを知らぬカリスマ闘牛士のラフィタは、愛を知って死を恐れるようになる。
その相手マウロの生業は牛の解体、彼もまた牛を介して死と向かい合う者だ。
二人のセックスと牛の解体を重ね合わせてみせる場面は、
なんともエロチックで象徴的!
こういうところに作者の才能を感じずにはいられない。
解体されるのは牛なのか、ラフィタなのか……
物語は、死を越えたところに生まれる新たな愛を暗示する場面で終わる。
後書きは、洒落たイラスト旅行記になっていて楽しい。
クシュラルの時も思ったのだけれど、えすとえむ画のガイドブックが欲しいかも。
snowblackさま
そうだったんですか。
私はてっきり以前に買われていたのだと思ってました。逆に余計なコメントを入れてしまって、すみません<(_ _)>
多分ですが小学館のほうと収録作品は同じようですし、こちらのままで全く問題ないと思いますよ(^.^)
私はこの本でえすとえむさんにハマり、BLは全部持っているんですが、この版のものは持ってないんです。こちらも欲しくなってきました(*'ω'*)
yoshiakiさま、コメントありがとうございました。
自分のうかつさをここで白状致しますと、
新装版と両方あることを全然分かっておらず、
サクッと検索して出て来たこちらにレビューを書き込んだのですが、
コメント頂いて確認してみたところ、私が読んだのも小学館の新装版でした!
(あちらのレビューも拝見して参りました。)
こちらを消去してあちらに書き直そうか……とも思ったのですが、
基本的に表題作のことしか書いてないし
コメントで言い訳しているからいいかな……と思ったり……。
ダメかしら?
snowblackさま
私は小学館のほうの版で読んだのですが、snowblackさんはこちらの版で読まれたんですね。
この作品いいですよね。絵もすごく素敵。
えすとえむさんの絵の魅力をなかなか言葉で表現できずに、いつももどかし思いをしてしまいます。
「クシュラル」私も読みました。
えすとえむ画のガイドブック、いいですね♪ ぜひ出版していただきたいです。
えすとえむさんの作品は初めてで、思い切り表紙(ジャケ)買いでした。
でも、表紙への期待以上な作品で、型にハマっていないBLというか、
確実に読ませて引き込むストーリーが素晴らしかったです。
俄然、えすとえむさんの他の作品が読みたくなりました。
色々と感想が湧き上がってくるのですが、この想いを
文章化するのがなかなか難儀です。
とりあえず読んでみて欲しい。
えすとえむさんの作品は漫画読んだというよりも、映画を見たという感覚に近いと個人的に思っています。
この「愚か者は赤を嫌う」もそうですが、えすとえむさんの作品には漫画で多様されがちな「効果音」の表現がほぼありません。
また、同じくキャラクターの思考を説明するような文章もほぼ出てきません。
画で表情でシーンが進んでいくのが、読んでいてとても心地が良いです。
もちろんSEX描写も効果音なしの画だけの描写になっています。
闘牛士(マタドール)と、闘牛(のような傷と色盲持ちの男)とのやり取りには、死と香りとエロスが共存していて、とても素敵な作品でした。
何と表現したらいいのか、独特の世界観のえすとえむ作品ですが、これは雰囲気がすごく心地よくて、ショートムービーを見ているみたいなんですよ。
ストーリーが云々というより、二人の関係がどうあるか?みたいな、すんなりと自分に入ってくるから気分がいいのでしょうね。
表題は肉の解体業をやっているマウロと闘牛士のラフィタ。
マウロは色盲で背中に傷があるのが牛みたいだと自分でも言うのですが、愛が深くなるほどそれに囚われて今まで怖いと思った事のない闘牛に恐れを感じてしまう。
一目ぼれ同士の恋ですが、うまく闘牛を通して、二人の恋も闘牛になぞらえながら、進めていく心理描写が秀逸。
セリフはそんなになくても、シチュエーションだけでそれがダイレクトに伝わってくる技法は本当に素晴らしいです。
絵も、もちろん色気あふれていて、裸体がステキなのですが、闘牛の遠征先で他の男とSEXしながらマウロと電話して、マウロの名を呼びながら致すシーンなど、何とも深い愛情表現なのかと目から鱗でした。
あと、靴職人×作家の年下攻めと、フーリガンと警備員の恋未満の話、老人の昔語りを通してのカップルの話。
いずれも短編ながら無駄が削ぎ落されていて、綺麗な筋肉だけ見せている肉体のような作品郡です。
表紙が黒に赤の闘牛士と、目隠しをされた白っぽい男と、ダークな雰囲気で今一つぱっとしないですが、内容はとても優れているので、是非一読を。
絵、内容共に独特の世界観。
ストーリー的にはそれほど重たい話でもないのだけど、
何故か重厚感があります。
ニュアンスと言うか、行間にも色々ありそうな…。
絵的に1コマ1コマの完成度がとても高い感じ。
どのコマも額に入れて飾りたいような。
イラストとして見る分にはいいんだけど、1冊読むのはちょっとパワーがいりました。
闘牛士と闘牛牛の解体業者、と言うのは日本人にはなじみのない設定だけど
ありきたりじゃなくて面白い。
好みが分かれる作品だと思います。
mellow mellow COMICSよりえすとえむさんの「愚か者は赤を嫌う」です。
これって、新しく出来たレーベルですか?メロメロコミックスって名前がなんとも笑える。
えすとえむさんの作品はどう表現したらよいのか高坂自身正直よくわからないのだけれども、とにかくなんとも言えず大好きだ。
独特の絵柄のもつ雰囲気と独特の世界観。
長たらしい台詞は無くとも、その目が、表情が、仕草が多くの感情や気持ちを雄弁に物語っているところなど、イタリアを舞台にした男たちのラブストーリーを描くbassoさんとどこか共通する何かを強く感じる。
綺麗とはどこかかけ離れた絵柄は大きく好みが分かれるだろうけれども強烈な印象を残すには十分で、あまり人が目に付けないジャンルのストーリーはとても斬新で新鮮。
マタドールの出てくるお話は他にもありそうだけれども、マタドールが殺した牛を解体する解体作業者の出てくる話はそうはないだろう。
中でも特に、高坂がえすとえむさんの描かれるお話で好きなのは、プラトニックラブ的な秘めたる恋心を取り扱った作品。
どの話も派手さは無いが読み終わったあと、なんとも言えずもどかしくそして切ない。そんな余韻を残す作品が多い
オムニバス映画のよう、というレビューがありましたがまさに。加えて言うなら文芸モノの映画という気がします。
話の内容と絵柄がぴったりはまっていて、漫画ですから勿論モノクロですが、読んでいると赤や黒の色が見えるようです。どの話もちょっと不思議で独特なテイストで、じっくり読ませてくれました。
あとがきの「闘牛を観に行ってきました」もいい感じです。
この本、表紙に惹かれて買う人多そうだなと思ったのですが、読んでみると中身もとても良かったです。
ストーリー性はあまりないように感じたのですが、その絵柄と設定による雰囲気に浸って楽しめるのでそれもまた良しでしょうか。
漫画の絵というよりイラストのような雰囲気の個性的な絵柄、題材も闘牛士ということで、作品全体に独特の世界観がありました。
漫画を読んでいるというよりも、オムニバス映画を見ているときのような感覚でした。