孤独な煌帝の幸せの金糸雀

kodoku na koutei no shiawase no canary

孤独な煌帝の幸せの金糸雀
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神21
  • 萌×211
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
156
評価数
35
平均
4.5 / 5
神率
60%
著者
貫井ひつじ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
hagi 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784041134634

あらすじ

孤独な皇帝×涙が宝石になる青年の、中華後宮ファンタジー!

涙が宝石となる涙精族の怜優は、人買いに捕まり後宮の一角に囚われていた。脱走を試みるも途中で力尽きて若い男に保護されるが、男の正体は後宮の主である皇帝・煌牙であった。煌牙の庇護に置かれた怜優は“姫君”として身を潜めるが、ある夜、薬を盛られて苦しむ煌牙を見過ごせず、一族の秘密である涙玉の薬効によって彼を助ける。怜優を助けたのは「暇つぶし」だと嘯き、空を自由に飛ぶ金糸雀に怜優を喩える煌牙。全てが手に入る皇帝でありながら孤独な彼の優しさに惹かれ…?

表題作孤独な煌帝の幸せの金糸雀

煌国五代皇帝
18歳,涙精族の青年

レビュー投稿数7

健気攻めに涙

貫井先生の「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」からファンになり、他の著書も拝読しております。
貫井先生はとにかく人物の設定や特質がしっかりとしていて、それを軸にしたストーリー展開が素晴らしくて大好きです。
特に、受けも攻めも心に傷を持っていて、その傷の場所や互いの特質がぴったりと嵌まり、この2人だからこそ惹かれ合う、癒しあえる、愛してしまう、という性別を越えた唯一無二感が、これこれ!という感じでぶっ刺さります。

今作もまさに、これ!涙が宝石になる受けの怜優(某白書の雪◯さん思い出したのは私だけではないはず)、見た目の儚さを裏切り肝が据わっている怜優、なかなかの男前で一族の特性はあるものの普通の男の子な感じが良かったです。流す涙は感情に寄って色の違いがあり…と、それがまたストーリーの大事なピースになっていてすごい。

そして攻めの煌牙、生い立ちや環境のせいで皮肉屋で諦観を纏った淋しい人です。怜優に否応なしに惹かれ、でも自由にしてやる言った約束のために諦めなくてはならず…。
別離を前にしたささやかな頼み事、台詞、それ健気受けが言ってるの何回も見た!!皮肉屋の健気攻めか!好き!!
クライマックスの宝石を介した2人のやり取りが切なくて、「うぐぅ…!」とうめき声があがります。とてもとても良い!


注意点としては、煌牙の義理の母がおぞましいです。しかし物語のスパイスとして最高。

電子のおまけSSはみんな大好き?第3者目線です。わかるわーと頷く仕様となっています。

面白すぎて、読み終わってしまうのが勿体なくて、途中意味もなく本を閉じ(電子ですが)、掃除をしたりと1人焦らしプレイに興じてしまいました。ゆっくり浸れるように精神的にも時間にも余裕があるときに是非!

6

読む手が止まらないとはこのこと

オーマイガー…こんな魅力的なストーリーと設定とキャラクターを創り上げた作者さんに心から感謝したい!
めーーーっちゃ面白いです!全方位で最高です。

涙が珠になる特異体質のお話は、中華問わず読んだことがありませんが、この特殊な体質設定の威力がとにかくすごいです。(ド興奮)


涙が珠化する一族という理由で、誘拐・人身売買されて後宮で飼われていた怜優。胸くそ悪い境遇に胸を痛めながらも、ここから始まっていくシンデレラストーリーに期待を抱かずにはいられませんでした。
脱走時に助けてくれた煌国の皇帝・煌牙との恋物語は波乱に次ぐ波乱…。最後の最後まで見応えたっぷりのストーリーに浸る一冊です!



舞台は煌国の後宮。いわゆる中華風大奥のお話です。
皇帝・煌牙の義母が絶対権力を持つ異様で異質な宮で繰り広げられる女と女の色欲の争いは、思っていたより濃厚で濃密。昼ドラばりのドロドロねっとりの情欲に、ゾワッとしました。そこに女装姿で放り込まれた怜優。身を守るためとはいえ可哀想…。
煌牙の義母がとにかく気持ち悪くて、ヒールとしては申し分なし。この義母后との最終決戦は最高に面白かったです!超スカッとしますよ。


面白さいっぱいのこの作品ですが、楽しむポイントは涙玉です。
先にもちょっと触れましたが、涙精族である怜優の流す涙は珠化し、巷では希少価値ある宝石として取引されています。だから怜優は誘拐され無理やり涙を出すよう脅され監禁されていました。
(涙玉に備わった力と意味がめちゃ面白いです!)

涙玉の色は感情によって変わります。例えば、哀しいときは白。怒りは黒。喜びは黄色。楽しいときは緑…と言った感じです。そしてその玉を服用すれば病を癒す効能だったり、命を落とす猛毒だったりもします。

この様々な意味と効能を持った涙玉が、ストーリーのここぞ!ってところで良い働きをします。
作者さんの涙玉の使い方が非常に上手い。
この涙玉1つで物語に締まりが出るし、深みと奥行きもプラスされます。
ドラマチックな演出にも欠かせない大きな存在感。もはやただの「小物」じゃありません。


見どころが多くてどのシーンもパーフェクトに楽しめました。
キモい後宮、アマゾネスな義母、不思議な涙玉、独りぼっちの皇帝…これら要素がミックスされて最上級に面白かったです。
煌牙の悲しい過去に触れ、またその人柄を知って恋をした怜優の想いから出た涙玉の色…これが何色か想像できますか?^ ^

感情がそのままに反映される魔法のような珠は、怜優からのメッセージです。
言葉にしなくても涙玉の色で想いが伝わるなんて、なんて最高のラブレターなんでしょ。

白と黒の涙玉しか出さなかった怜優が、黄色や緑、それに今まで見たことのない色の涙玉を出すようになってきたことが何を表しているのか……勘のいい方なら分かるかも?

そして幸せに満たされた極上の涙玉の色は…?
それはぜひ作品を読んで確認して下さいね♪


いつか怜優が引き離された家族に再会できると良いなと思っています。そして煌牙を家族に紹介できる日が来ればいいな。
幸せいっぱいで満足度大の超超オススメ作品です!

5

囚われの金糸雀のために

今回は煌の五代皇帝と涙精族の青年のお話です。 

後宮に囚われた受様が攻様の妃となるまで。

受様の一族は流した涙が珠となる特性を持つ事から
広い国中を移動して暮らしています。

彼らの涙は涙玉という宝石して高値で取引されるため
近年一族を狙う人買いの襲撃は激しさを増し
とうとう大規模な襲撃にあい、受様は幼い弟妹を庇うため
自らが囮となって捕まります。

受様は攫われて荷物のように運ばれ
気が付けば狭い部屋の中に閉じ込められていました。
簡単な食事は与えられるものの動物のように扱われ
泣くことを強要されます。

受様は床板の下の土をかすめ取った食器で掘り返し
半年かけて"外"に逃げ出しますが
どこかも判らない場所では出口の見当もつきません。

さらに思ったよりも体力も落ちていて
草むらを足を踏み出したところで倒れかけ、
攻様に助けられます♪

攻様は男子禁制の皇宮後宮"玉兎殿"に
唯一入る事の出来る皇帝だったのです。

後宮は独身の攻様に代わって義母の皇后が仕切っており
攻様は愛玩動物の逃走に乗じて
今夜の姫の部屋から退出していたのです。

攻様は受様に機を見て逃がしてやると言い
受様を女と偽り後宮に匿ってくれるのです。

受様を逃がすという攻様の意図とは!?
受様は後宮から無事に逃れることはできるのか!?

没落貴族出の母に持つ攻様と涙精族の受様の
中華風ファンタジーになります♪

人身売買は三代皇帝が禁じますが今や形骸無形でした。
よりによって玉兎殿で証拠が挙がったことに憤り
禁止令を出しますが、

受様は信頼できる女官を付けるものの
受様に近寄るつもりはなかったのですが

後宮の姫に精力剤を盛られ際に
受様の部屋に逃げた事で受様によって助けられ
受様の事情を知ってしまいます。

それは攻様の母を彷彿とさせるもので
攻様は受様を気に掛けるようになるのです。

しかしそれによって皇后に目を付けられることになり
受様は攻様を巡る後宮の争いに巻き込まれます。

政に長けるも好色で飽き性だった前帝
政略結婚で前帝に嫁ぐも子のいない皇后
皇位を狙って画策する画策する攻様の異母弟
皇后に取り入り皇妃の座を狙う名家の姫

後宮という閉鎖された世界の中で
人々の因縁と執着と妄執が複雑に絡み合う中、
受様という存在を知った攻様が動き出した事で

攻様を巡る世界があるべき姿に戻っていく様子に
ハラハラ&ワクワク&ドキドキで
とっても楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

受様の切なさや優しさが涙玉の色になったり
それぞれが毒や薬になったりする設定が
キーポイントとしてとても秀逸でした。

5

面白かった!

凄く面白かったです。涙精族の設定が興味深くて、いつでも前向きで強い怜優が男前でした。

反対に攻めの煌牙が優し過ぎて不甲斐なく感じました。怜優が現れる前にだって行動を起こす事が出来たんじゃないのかと思ってしまいました。献身的ですが情けないと思ってしまいました。ここは読み手によってかなり印象は変わると思います。

ですが、きっと諦観に満ちた煌牙が怜優に出会う事で、煌帝として変わって行く様子が書きたかったんですよね。
最後の煌帝として悪物一同を断罪するシーンはお見事でした。欲に塗れた人間の狂気が不気味で、上手く描写されていました。こういうの読みたかったんです。

そして中華風にありがちな名前の漢字問題ですが、ルビもありましたが何と言っても覚え易く呼び易い読みになってたので頭にスッと入って来ました。

貫井ひつじ先生の次の新刊が、大好きな「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」の続巻なので楽しみにしております!

1

〝不憫攻め〟って最高だな

めちゃくちゃ好きなお話でした!
何でもっと早く読まなかったんだ……!と、長らく積んでいた事を大後悔。

表紙から「儚い系の受かな〜」と思いきや、意外にも行動派で〝守られるより、守る〟タイプの漢前な受でした。
涙が真珠になる特異体質の一族で、仲間を救う為に自ら囮になるような優しい性格なのも好感が待てますし、考え方にも共感できて「うんうん」と頷きながら物語に没入する事ができました◎

一方、飄々としていて掴みどころが無く、皮肉屋でヘラヘラしてるのに目が笑ってない…と言う〝何考えてるのか分からない〟タイプの攻め様
「こう言う、露悪的に振る舞いつつも闇抱えてる男に弱いんだよな〜〜〜!!!!」と悶えながら、2人の関係変化をニヤニヤ堪能しました。

突飛な言動で怜優を翻弄していた登場初期から、意識が朦朧としながらも怜優から貰った涙玉を必死に握りしめる、この姿…誰が想像できたでしょうか。
もう、掴みどころのない男がたった1人だけを愛する変化に拍手が止まりません……!
実はとっても優しい男で、怜優の事を愛しているからこそ自由にしてやりたい…と葛藤する健気さにもキュンですよ。

と言うか、攻の方が圧倒的に不憫で「不憫攻めって、切なくて最高だな…」と新たな扉が開きました。
この攻のギャップ、本当に素晴らしい。

ストーリー面でも、後宮の女同士のドロドロはレディコミっぽい雰囲気で読んでて疲れましたが、ラストの見事な勧善懲悪にスカッとする事、間違いなしです。

もう、全てのエピソードが最高すぎてもっと語りたい所ですが、ネタバレしか無いのでこの辺りで終わりたいと思います。
飄々とした露悪的なキャラがお好きな方に是非!

0

優しい自己犠牲同士の恋

面白かったー!
買って間違いのない作家さまのひとりです…!

涙が宝石になる種族の子と、孤独な皇帝。中華後宮ファンタジーです。
家族の為に囮になり、人買いに捕まった怜優。涙が宝石になる事から、後宮の姫の愛玩動物と称して閉じ込められていました。怜優は、しっかりした男の子らしい男の子。飼われる趣味はないんです!と、囚われた状態から強気に逃げ出しますが、失敗し皇帝に助けられます。皇帝である煌牙は、怜優を助けたのは暇潰しと称したものの、怜優を心配したり気遣ったり、悪い噂より賢明で優しい皇帝です。2人のいる後宮は、皇帝の義母を初め、皇帝にとっても安心できない嫌な場所。そんな場所から怜優を逃す日まで、2人は交流していき…というお話。

2人とも優しい人達です。皇帝の怜優を心の拠り所にする様子に胸がきゅっとしました。後宮での皇帝を取り巻く環境、怜優達一族の涙の秘密や境遇、2人のゆっくり惹かれ合う様子がとても素敵でした!

4

貫井先生なので購入。いいんですけど、さらっと読み終えてしまったので萌にしました。いいんだけど何かとても残るものがあるかと聞かれると?でした。本編230P超+あとがき。「孤独なひねくれもの傾向あり頑張り屋攻め」や、「男前だけど健気受け」がお好きな方だったら嬉しいんだろうと思います。

涙精族に生まれ家族や一族と仲良く暮らしていた怜優。ある日襲われ一族を守るために囮となり捉えられます。半年後、捉えられていた部屋からなんとか脱出したものの、体力がすっかり落ちていたため、ついにある男の目の前で気を失ってしまい・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻めの義母、異母弟、瞭明、慈雨(攻めの側仕え)、受けの側仕え、後宮の姫君ぐらいかな。側仕えたちは皆さんok!他は皆さん気がおかしい。

++

攻めさんはイケメン皇帝なんだけど、実母からのお願いがあるため嫁なんか要らねーって方。皇帝なのにあかんやん…政治的に有能って分かるようなところや、剣術バッチリ!ってな特性は見いだせす、やる気あんのか?と少し感じる方でした。理由あるからなんですけどね。無事受けをGETしたこの後は、国を良くするために頑張ったはずです(エピローグによると)

受けさんは健気さんかと思いきや、男前という印象のほうが強いです。我が身を呈して家族を守るとか、皇帝が一人ぼっちなので置いていくのは忍びないと思うと、一緒に行こう?と言ってみたりとか。おいおい皇帝がおらんようになったらあかんやろ(笑)と思ってたら、ちゃんと攻めのそばに戻りましたね。偉い偉い。

攻めの側近の二人も攻めを思って、受けに側にいてほしいと頼むんてす、ここ好きてした。主人を思う側近って好きなんですよね。

あちこち好きになりそうな要素はありましたが、如何せん悪党が気持ち悪すぎて、ちょっと♡部分が減っちゃったかもな…と思った一冊でした。

3

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