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namete kande dakitsubushite
表紙からは獣人のようですが、違います。実は擬人化した野生のライオンとインパラの話です。自然界ではあり得ないだろう肉食獣×草食動物というカップリング。動物間でもオス同士は意外とあると聞いたことはありますが、さすがに種族は越えないでしょうし、何せ食うもの・食われるものの関係性。BLかと聞かれたら、ちょっと違う気もしますよね。男同士どころではない、種族の壁がそびえ立っているのですから。そこはもうファンタジーとして楽しむしかありません。
悲しい話も避けることなく描かれていました。おそらくこの2匹以外には何の関係もない世界観なのです。普通に野性動物の話。そこだけはリアルで、ファンタジーの中のリアルさに少し戸惑いました。
寿命の差が切ないといえば切ない。どうせなら死が2匹を別つところまで読みたかったですね。
↓ネタバレ含みます!
今作はファンタジー世界が舞台の獣人の話というわけではなく、サバンナで生きる弱肉強食世界の動物を擬人化した物語です。見た目こそケモミミで可愛さはありましたが、この設定ならではで初っ端から二人の背景が重かったです。けれど他で見ない設定で予想以上に面白く読み応えがありました。
ライオンのデュークとインパラのシルフ。先述の通り獣人ではなく動物の姿が真の姿、それが擬人化で描かれています。シルフの母親を殺して食べる所から始まる本作、野生動物としては当たり前の姿ですが擬人化でなければ描けない設定が斬新で衝撃的でした。
自分を育ててくれて好意を寄せていたら親の仇だったのも、気まぐれ?で助けたら何よりも大事な存在になったものの母親を殺したという重たい十字架を背負っているのもどちらも辛いです…。本当はお互いを愛していて何よりも大切なのに、二人とも相手を思うがゆえに離れる決断をするのは胸が苦しかった。
ハッピーエンドに向かった!と思った所でもう一つ衝撃の展開…。でもそれがあったからこそ他の何よりも二人で生きることを選んだんだなぁと強く思えました。このまま二人ができるだけ長く仲良く共に生きていられますようにと願わずにはいられません。
本編ラストシーンが動物姿で終わったのが、あくまでもその姿が真の姿だと実感できて良かったです。途中一人で湖を眺めていたデュークが、二人で寄り添いながら眺められるようになった対比が良かったです!さらにカバー下で擬人化版も見れて満足でした!
時折出てくる動物姿が可愛くてかっこいいです。オウムのおばあちゃんやハイエナ達も好き。厳しい世界だろうけどみんな強く長生きして欲しいな…。
擬人化ならではな重さのあるストーリーで読み応えがありました。途中苦しさはありつつ、二人で生きることを選んだ愛の強さが良かったです。思っていた以上に心にずっしりときて面白かったです!
初読み作家さまで表紙から勝手に獣人ものと誤解してました。
こちらの作品は獣人ものではなくて、動物を擬人化したお話になってますので私のように間違えないように注意申し上げます。
なので肉食動物と草食動物、また肉食動物同士の弱肉強食のお話もしっかりと入ってます。
動物のライオンが歩ってたと思うと擬人化したライオンとコマで入れ替わりますので、最初は頭がこんがらがってしまいました。
母親のインパラを食べた後に子どもを拾ったライオンがその子を育てるお話ですが、動物ですので1年で成人してたりしてます。
シルフを思ってデュークが突き放したり、デュークの為を思ってシルフが側を離れたりと、切ない展開もあるのですが、どちらかと言うと捕食されるシーンの印象の方が強くなっていました。
この難しい作品に挑戦した事を評価して萌としました。
初読み作家さんですが、ケモ耳に惹かれて手に取りました。ケモ耳というか擬人化で、食べられる種族と食べる種族の天敵を超えた…禁断の愛です。
物語は、母親を亡くしたインパラの子供(受け)を、ライオンが引き取って育てたことから始まります。そこから愛情が育って、親子のような関係から恋人になるのはお約束なのですが。
ですが、そもそもそうなったのは、母親をこのライオンが食べたからであって。おまけに、2人の仲が拗れてお世話になったインパラまでも美味しく食べられて、弱肉強食の世界なのは分かりますが、癒し目的で読んでいたので辛かったですね。
と言いつつも、攻めは受けのために大きな草食獣を食べずに瘦せ細ったり、食欲よりも愛情を取ったのはキュンとなるのです。加えて、お互いに相手を想って離れたり、相手のために身を挺して戦ったり。動物ならではの愛情表現に萌えました。
自然の厳しさと動物ならではの愛情深さとが混在して、複雑な気持ちになりながらも楽しめました。ハッピーエンド至上主義でしたが、こういう現実的な感じも新鮮で良かったです。