きみの隣にいると、幸せが何かわかる気がした。

半分あげる

hanbun ageru

半分あげる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神170
  • 萌×276
  • 萌17
  • 中立9
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
28
得点
1214
評価数
278
平均
4.4 / 5
神率
61.2%
著者
有馬嵐 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リイド社
レーベル
SPコミックス mimosa
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784845859979

あらすじ

広島に住む平凡な高校生・黒川は、
いつもにこにこしているクラスメイトの白木に苦手意識をもっていた。
ある日の帰り道、黒川の目の前に血で汚れたYシャツを着た白木が現れる。
咄嗟に彼の手を引きその場から逃げ出した黒川は、
白木が生活のために身体を売り、客に怪我を負わせ逃げてきたことを知る。
「本当はしたくない」という白木の本音を聞き、
放っておくことができず「一緒に逃げよう」と彼を連れ出す黒川。
行き先も決めず飛び乗った電車、二人きりの逃避行は
「海が見たい」という白木のため海を目指すことに。
ただのクラスメイトだった黒川と白木は次第に心を通わせていくが、
その終わりはあっけなく訪れる。

つかの間の逃避行から数年後、横浜の中学校で教師として働く黒川は、
偶然立ち寄ったワインショップで白木と再会し――。

表題作半分あげる

高校生→ワイン店店員
高校生→中学校の国語教員

その他の収録作品

  • 描き下ろし/カバー下おまけマンガ

レビュー投稿数28

闇と光のコントラスト

有馬先生作品初読みです。
白木の背景が辛すぎますが、それに対比するような美しい絵と描写が光ります。
光の面はキラキラしがちだけど地に足着いた内容でよかったです。
黒川の白木のあの状況に遭遇し葛藤しながらも見捨てられないと決断する気持ちが伝わりますし、引き戻されてからの後悔や罪悪感もわかる。
家出中に手をつなぐのもキスする流れも自然でよかったです。ただその後までしちゃうのか〜とは思いましたが。

再会後、白木が自然に告白するのもよかったし、思い違いしていたという黒川もわかる。
黒川の気持ちの整理がつき白木に応えられた時、それまでずっと笑顔だった白木の涙にうるっとしました。
そして黒川の実家で白木が黒川がいいと思った理由を「朝日を一緒に見たいと思えたところ」で黒川が号泣するのにもぐっときました。ずっと抱えていた後悔や罪悪感が拭えた気がしますもんね。

シーモア限定特典の白木は「善悪事象全吸収男」に笑ってしまいました。白木が生きる術でそうなったんだけどユニークな表現だと思いまして。

0

好きになることは痛みも共有すること

黒川はどこにでもいる高校生で、同じクラスの白川のことが気になっています。白木は作り笑い、うさんくさそうに笑う高校生で、ともかく不自然なけがが多いのです。
 白木が突然高校に来なくなり、気になった黒川が調べていくと、白木の置かれている立場、家でやっていることが判明します。
 黒川は思わず白木の手を取って逃げますが、高校生のできることは限られていて、あっさりと帰って来るところは気の毒でした。
 良いことも悪いことも一緒になったら共有する、半分ずつ背負っていくのは確かにそうだと思いました。

1

暖かい作品

BLアワードにノミネートされていることから知り、試し読みとあらすじ、設定を読んで気になったので購入。1話からボロボロ泣きました………
腐女子人生を受け→攻めの救済BLで食いつないできている腐女子なので白木の再開後の部屋でのセリフがぶっ刺さりました。
逃避行を糧にして生きている白木と白木のことを救いきれなかったと後悔しながら生きている黒川の人間らしさとそれぞれの持つ違ったかっこよさがたまらなかったです…
続編心の底からお待ちしています…

0

半分もらって支え合う

アワードにノミネートされ今さらレビューを書いてなかったことに気づきの投稿です。

すごく好きで印象深いけどとても辛いから読み直すのに勇気がいる、そんな作品です。

高校生の無謀な逃避行はやっぱり失敗に終わってしまうけど、逃げていたその時間はあまりに青春で眩しくて幸せそうで、、そしてそんな時間が辛い現実に向き合い続けていた白木くんには宝物のような支えになり、一方黒川くんには助けられなかった罪悪感として残ってしまったというのがもうあまりに切なくて切なくて。

そうやって嬉しい思い出と辛い記憶を半分ずつ抱えて再会した2人が幸せになったことが本当に本当に嬉しくて感無量で涙が止まりませんでした。怒涛のような展開で最後にすごく救われる、そんな映画みたいな1冊です。

1

せつないけどあたたかい読後感

周りに子供と思われている時間にできることは限られていて、精一杯してみた事も相手のためになったと胸を張ることもできずそこから目をそらしながら大人になるしかなかった黒。
そんな黒を心の支えに強くしたたかに大人になった白木。
白木からの言葉である意味救われた黒。
ふたりならこれからもいろんなものを半分こしながら生きていくんだろうなと思える素敵なお話でした。

1

なんだか心が温かくなる作品

すごく綺麗な表紙に惹かれて買いましたが、当たりでした。

表紙左の黒川は少し世話焼きだけど優しい少年。
黒川は、クラスメイトの白木(表紙右)になんとなく苦手意識を持っていました。
ある日、黒川は白木が半裸でボロい家から出てくるところを目撃します。白木の「体を売っておじさんにお金をもらっている。もうしたくない。」という言葉を聞いて放っておけないと感じた黒川は、白木と一緒に家出をします。

作画も最後までとても綺麗でした。
切ない心理描写もありましたが、それも含めてとても愛おしい、心が温かくなる作品でした。

2

切なくて愛おしい、ふたりだけの逃避行。

胸がぎゅーっと締め付けられ、苦しかった。

たとえ数日だったとしても、たとえ一瞬だったとしても、いつかは元に戻らざるを得ない運命だったとしても、あの逃避行の時間は白木にとって文字通りかけがえのないものだったんじゃないのかなぁ、と彼の心情を想像しながら読み進めました。

逆に連れ出した黒川には罪悪感が未だに残っていて……黒川の気持ちもよく分かる。でもできることやれること(行動範囲や金銭問題)が限られている中でも、黒川が白木を連れて行動を起こしたことは、やっぱり間違いだとは私は思えませんでした。黒川の真っ直ぐな思いが根底にあったからこそ、白木も黒川のことを憎んだり嫌ったりせず、かけがえのない思い出として静かに胸に秘めていたんじゃないでしょうか。

半分あげる、というタイトルも意味が分かるとじんと染みてきます。

願わくば、白木が、黒川が、この二人がずっと笑っていられる、永遠に幸福な未来を送ってほしい。
もっと二人のことを見ていたかったです。すごくよかった。ありがとうございました。

2

タイトル「半分あげる」にすべて込められている

読んだ人がみなさんおススメされているので思わず購入しました。
はじめはただのクラスメイトだった黒川くんと白木くんが、突然白木くんの抱えている家庭の事情を黒川くんが知ることとなり、一緒に逃げることを提案するところから物語が始まるので、読み始めからすぐに夢中になって読んでしまいました。
二人の逃避行がスタートし、一緒に過ごす時間の中で家族のことを話したり対話を重ねゆっくり心を通わせていく描写が読んでいてじわじわキュンとします。
そんな二人が初めて体を重ねるシーンは、お互いを気遣う二人の優しさやピュアさがすごく伝わってきてかなり尊いです。
社会人になって二人が再会し、また一緒にご飯を食べたり出かけたり、高校生の時とは違ってお互い自立して自由に一緒の時間を過ごすシーンは危うい逃避行の時と反してとてもほっこりしました。
途中、白木くんのツライ過去の描写があってしんどい気持ちになりますが、あの過酷な過去があるから白木くんは悲しいくらい強くて優しくて、そして黒川くんの優しさに心底救われ惹かれていったんだなと納得できました。
短い逃避行の末、手を離してしまったと後悔していた黒川くんと、その出来事から好きに生きる道を進めるようになった白木くんが、お互い相手に思っていた気持ちを伝えあう最終話は涙なしでは読めませんでした。
二人の会話から半分あげるというタイトルを完全回収してなるほどー!と思い、表紙の絵を見てさらに尊い気持ちになりました。
あの時叶えられなかった朝日を見るという約束を大人になってから果たすってエモすぎます・・・。
素敵な作品を生み出してくださった有馬嵐先生に大感謝です。
読んだことない人には是非読んでいただきたいですし、同じように読み終わったあとまた表紙とタイトルに思いを馳せて欲しいです。

2

多分これからもっと好きんなる

この短さ、たった一巻で!衝撃の一話からこんなに幸せになるなんて思ってなかった!作者様に大感謝申し上げたいです、白木くんをちゃんと幸せにしてくれてありがとう!!!!

一話を試し読んで、怖いもの見たさで買いました。スーパー光属性なのであのままENDやメリバは基本受け入れられず、、でもこんなダークな雰囲気で、、まさか一巻はダークなまま幕を閉じ、続編が出るまで白木くんは不幸なままなんじゃ??と心配しましたが、杞憂でした!

黒川の弱さ、幼さもものすごーく理解できる!白木くんがちょっと大人びすぎてる?かも?とも思いましたが、あの親じゃ、そうなるよなあ、、。

本当に、良いENDでした。末長くお幸せに!

3

そこまで重く感じなかった

扱われている題材から、重めの話だと思っていたのですが...
その部分自体は描写も少なく、あっという間に時間経過してしまうため、そこまで暗くならず重さも感じませんでした。

再会後の攻め自体があっさりとしていて、過去を振り返ることも少なかったので、すぐにその印象も薄れてしまいます。
そこは拍子抜けしてしまいました。

けれど2人の感情のやりとり自体は丁寧で、お互いに持つ感情の違いを焦点にして擦り合わせていく点は読みごたえがあります。
過去がなければこの攻めはできあがらないので、必要な要素だったとは思います。
ウリがメインの話ではなく、それを踏まえた2人の心のやりとりが主軸でした。

もっと長めにしっかりと読めたなら、より素晴らしいお話になっていたのではと思ってしまいました。

3

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