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Ai, Sei
【ディーン】
性的興奮と暴力が結びついているコトは、一生好きな人を作らずにいるつもりだった。けれど、密かに想いを寄せていたソノから告白されてしまう。ソノに暴力を振るわないように、コトはソノに抱かれることを選ぶが……
【クラスメイト】
いじめが性加害へ(救い無し)
【ハレの日】
ゲイの父親が息子もゲイであると気付く。父と息子の家族愛がメイン。
【アイ、セイ】
アプリで知り合ったアイと爛れた関係を続けるうちに本気になって……
人格を疑われそうですが、「クラスメイト」含め4作品全て私の性癖ストライクでした。
4作品共に世間一般的には”普通でない人”に焦点を当てた物語です。
読む人、読むタイミング等を選ぶと思いますが、この本に惹かれた方、気になる方は読んで損のない一冊だと思います。迷うなら是非、読んでいただきたいです。
収録順はディーン、クラスメイト、ハレの日、アイ、セイ、アイ、セイの描き下ろし、あとがき、で226ページあります。
読みやすかったのはタイトル作品のアイ、セイ、ディーン、ハレの日。ストーリーが暗すぎずあまり引きづられなかったです。
頭をガツンと殴られたような気になったのはページ数短いのですが、やはりクラスメイトです。
どの作品も朝田先生にしか描けないユニークなストーリー展開でよくこんなお話思いつくなぁと毎回発売される本に驚かされます。
4編全ての作品に於いて性的嗜好がテーマとして感じられるお話しに感じました
性的嗜好の前の性自認に立ち止まったり、自分や相手の性行為への思考の違いに悩んだり苦しんだり、、、
それぞれのお話しに出て来るキャラ達を通して読み手が「感じたり」「知ったり」していけるお話しが読める1冊だと思います
キャッキャウフフなBLではないですが、啓蒙書のような圧のあるテーマ性絶対重視~‼な作風でもありません
どのお話しにも色んな立場にたって自分なりの読み方が出来る、そんな読ませ方の誘い方が巧いっ!と思える1冊でした
商業を読んでいて「お約束で萌える~♡」だったり「こう来るか…!」という裏切りのワクワク感など様々な感情を覚えるのが本当に楽しいなと思うのですが、この1冊は各話読了後の感情もそのお話しそれぞれ全く角度が違い様々で。。。一言で表すのがとても難しい
だからこそ「感じる事」が出来ていたと思いますし、そういう考え方・生き方・捉え方があるのか、、、と「知る」事も出来る1冊だったな、とつくづく思い至ります
楽しい~!と言う感情が勿論皆無な訳ではないですが「それだけ」じゃない…!
どのお話しもほんとに印象的
さらに自分なりの読後感を味わった後にあとがきで先生の作品への振り返りを読む事でまた新たな感じ方が出来るのも奥深いです
私は普段読むBLではなかなか読む事の出来ない視点でのお話しが描かれた「ハレの日」が普遍の愛を感じられて切なくも温かく感じられて心に残りました
更に電子で購入したのですが巻末に店頭配布用の特典ペーパーが読めて、またこのお話しの良さを感じれて好きだな、と思えました
ギアチェンジをせずにフラットな状態で読むと1番表題作の「アイ、セイ」がもどかしさなども含めて、読みながら翻弄されつつ悶えるBLだったな、とBL的な素直な楽しみ方と哀愁を感じられた作品でした
始まりのお話しの「ディーン」、そして続く「クラスメイト」は完全に抗えない癖の解放と抑制の狭間での苦しみや救いの無さ、などが完全に”突き刺して来る”お話しで、この1冊に強烈な風を吹かしていました
冒頭からの2話での流れをココから始める構成に唸ってしまいつつも、ある意味読者想いだな、、、と読後に重く引き摺り過ぎない配慮にも感謝です(ღ˘͈︶˘͈ღ)
色んな視点からBL作品に触れたい、視座を変えて自分の捉え方を感じたい、視野を広げて可能性や感受性に新たな刺激を…!そんな時には読んでみて欲しいな、と思える読み応えのある1冊でした!
短編集。
作家さんの独特の線が好きで作者買いしています。
ディーン:
西部劇で保安官がズタボロになるところに欲情してしまう性癖のコト。人が苦しんでいることでしかイケない自分は死んだ方がましだと、誰とも付き合わず絶望している。
そんな彼と親しくしてくれる、警察官のソノ。実はずっと好きだったけど、性癖のせいで叶わぬ恋だとあきらめている。けれどその彼から告白してきて。。
明るく誠実なソノ。そんな彼の芯からの明るさに、優しさを初めて知ることが出来たコト。ラストじんわりくるお話でした。全4話の中編です。
クラスメイト:
まじめな委員長をめちゃめちゃにいじめる不良、ショーマ。ラストになんとなくヒントはあるものの、委員長が不憫すぎて萌えなかった。委員長が喜んでいるようすが一切なく救いがない。
ハレの日:
妻に逃げられた作家とその息子が、爽やかでイケメンのノンケ編集に恋をする話。これはよいお話でした。クローゼットだった自分と、若い息子。親子を通じて社会との関わり方、生き方のつれづれを語る作品。
イケメンがちゃんとイケメンな先生の絵が活きます。
アイ・セイ:
表題作。Hの相性バッチリなリーマンと大学生。ただそれだけだと思っていたのに。。
Hと愛とは別、という若者と、割り切っていたはずなのにせつないほどの孤独にさいなまれる36歳。
わかりやすいハッピーエンドではないけれど何か2人の関係性が発展することが期待される番外もあり。
萌えというかオススメ度でこの評価かな?
全部のお話が迫ってくるというか息を呑んで夢中で読みました。
タイトルのアイ、セイは最後のお話ですね。
「ディーン」
苦しくて苦しくて。死ぬしかないな主人公がもがき苦しむところがもう!
最後に乗り越えたのかな?どうかな?
こういう死ぬしかないなって人でも、自分を好きでいてくれる人がいるのが救われるような。
本当に朝田ねむいさんはすごいですよね。生きてる方がギリギリ辛い?なお話がお上手ですね。
「クラスメイト」
委員長はいったい何をしてこんな目に?胸糞悪すぎます。最後の主犯格の態度もなぜ?
「ハレの日」
良いお話だった〜!親目線で自分と重ね、わかっちゃうんだな、色々。でも子供は親を超えていく!ハレの日を迎えて。
「アイ、セイ」
複雑なセイの心境。俺だって愛されたい大切にされたい!でも性欲もほとばしる!
だんだん旅行の目的が変わってきてて笑えました。
この順番で良かったです!晴れやかな気持ちで読み終わりました。
ポップでキャッチーな表紙が最高〜〜なのに中身は朝田先生節が健在で、苦みのある作品ばかりなのがギャップを感じてまた良い...!
表題作『アイ、セイ』に惹かれて購入しましたが、その他のお話も難のある人間ばかりが出てきてとっても愛おしいです。
特に『クラスメイト』が好きでした。(朝田作品に登場する、愛し方が下手くそなキャラクターが大好きなので...)
巻末に収録されている先生の各作品へのコメントも良かったです。朝田先生への謎が深まりました。癖が強いなあ...
なぜこんなにも強く印象に残るお話が思いつくのだろうか?と、いつも思うのです。
独特の感性で描かれた、朝田先生の性癖と萌えが詰め込まれた中編〜短編作品集。
これは私の勝手な想像なのですが、読み手を選ぶ内容や設定でも関係なく、描き手側が描きたいものをNGなしで掲載している気がしてCannaコミックスさんが大好きなんですよね。
どの作品もガツンと来る読み応え。この短編集が読めてうれしい。
◯ディーン
今作の中で1番好みの作品でした。
幸せと恐怖の共存というのか、弾むような恋心と、自身の異常性癖に悩み苦しむ主人公・コトの脳内を覗き見ているような感覚になる1作。始まりから締めまでセンスの良さが光ります。
全編コト視点で進むものですから、何かを乗り越えた感でいっぱいになるのですが、動いているのはコトの世界だけ。ソノも「ディーン」も不変だったのが面白かったです。
◯クラスメイト
4作品の中でも好悪がはっきり分かれそうな作品だけれど、なぜか気になる作品。題材的にも、人によっては嫌なことを思い出してしまうかも。
重く歪んだ感情と執着の果てにある虚無感がなんとも言えない後味で、彼らの出会いがどういったものだったのか、そして攻めの背景を想像してしまいます。
◯ハレの日
タイトルの意味が分かるラストに晴々とする。
BLというより、家族愛のお話のように感じました。
コミカルな部分もありつつ、この短さの中でしっかり読ませる構成がすごい。ゲイであることを隠して生きてきた父親視点だからこその良さが効いている作品。
息子であるナツキがどんな思春期を過ごしたのかは分からないけれど、ラスト1ページが全てを物語っているのかもしれません。
◯アイ、セイ
セックスフレンドの関係性だけで良かったはずなのに、アイの大切な人の1人になりたいと願ってしまったセイ。
アイの言う愛と性の違いについての考えに理解出来る部分があるなあと思いつつ、やや頑なさも感じてちょっぴり疑問が浮かぶ。
セイがEDになって枯れてから〜とあとがきにありましたが、そこでアイのセクシャリティに気付いてなるほどと。アイはおそらくフレイセクシャルなのかな。
ならばセイの努力が実るか、もしくは枯れてからがハピエンにも納得。さあ果たしてどうなるのか。
その後の話はコミカルでかわいらしかったのですが、個人的には表題作のその後を想像したくなる終わり方のほうが好みでした。
良すぎて感想が書けなくなるタイプの1冊でした。良すぎて良いところを言葉で表現できない。そらそうだ、そういうことを漫画で表現しているんだもの。朝田先生大好きなのは大好きなんだけど、改めて好きだー!!!と思う1冊。
◾️ディーン
朝田ねむい先生の登場人物達それぞれの確固たる信念というか、ブレない部分が好きです。終わり方のドラチックさもいいんだよなぁ。映画の終わりとリンクする感じも。
◾️クラスメイト
BL界隈では割と擦られてる設定ながら、作家さんによって描き方が違う面白さ。短いのに強烈。
◾️ハレの日
と思えばこんな作品も描けてしまう朝田先生ってすごい。でも同じ作家が描いていることに納得感もあるんですよ。
◾️アイ、セイ
タイトルから好きです。「I say」の様な語感と、「愛、性」ととれる意味と、主役2人の名前と。性欲で生きている様な彼でも愛されたいと涙を流すのだという人間の多様性の肯定がたまらない。それでも勝てない愛しさと。あとがきで笑うまでがセット。