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sayonara koibito matakite tomodachi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
この本はすごい。
辛いこと苦しいことトラウマ役割義務使命を抱えたキャラクターが苦しみながらも前に進み続けている姿に、読んでいるこちらが勇気をもらえます。
yoha先生はとても頭のいい方だと思います。
感受性の申し子というか。
漫画以外の専門知識も沢山吸収されていて、それらを吸収することが好きな方なのだろうとも伝わってくる。
誰かが誰かに語る言葉が、私にも気づきをくれる。
私も地獄の渦中でもがいている人です。
春人くんのフラッシュバックの仕方、実況中継はとても共感できるし、鳴海さんの睡眠障害も過呼吸の苦しさも知ってる。
それでも人を救いたい心理も知ってる。
ユキくんの、自分は気持ちいいや幸せを得ていい存在ではないと遠ざける癖や苦悩も知ってる。
でも、全部を遠ざけれもしない葛藤も知ってる。
ルカくんの年齢にそぐわない精神年齢の高さや行動が、至って普通なこと、役に立ちたい気持ちも知ってる。
彼らと私は違うので、知ってると言っても私とは違うのは分かっています。
でも、同じ状況を体験したから、彼らの辛さと頑張りが痛いほど伝わってくる。
あの描写や考え方は、経験者、もしくはよく勉強された方でないと書けません。
恐ろしいほどリアルです。
私も心理学、哲学書は何冊か読みましたが、どれより優しくて分かりやすい伝え方でキャラが語ってくれているんです。
感動します。
私の中で、こんなに深いBLはありません。
また続きが読めるのが幸せです。
カバー下の春人くんの小説も楽しかった。
彼はこの時からハッピーエンドしか書かなかったのだと思います。
確かに強引なハッピーエンドもある。
でも、ハッピーエンドでした。
その中に2作だけ終わり方が異色な作品があるんですが、特に幸せの国は考えさせられます。
あのお話は何回も読み返して、今も悩んでいるので、他の読者様と語りたい気分になります。
どのお話が幸せに感じましたか?
私は石の御殿が好きです。
幸せの国は、この幸せの得方が真の意味でできれば最強な人生だろうと思いました。
考え方の力はすごい。
こんな話を書く子供の春人くんの価値観に唸りました。
素敵な書き下ろしでした。
『さよなら恋人、またきて友だち』のユキ編。
4巻目に突入しましたが、まだまだ終わりが見えません。今巻も突き抜けたシリアス度を魅せる巻でした。
前巻で鳴海の行方不明になっていた弟・春人が見つかりました。
春人を見つけたのは、ルカ。
春人を探し続けてきた鳴海とユキの苦悩を知っているルカは、春人に鳴海に会って欲しいと懇願するが春人には彼なりの理由があって再会を拒む。
春人の思いを汲んだルカが、春人自ら鳴海に会いたいと思えるように、と考え付いた方法は―。
と、4巻は始まります。
今シリーズを読んでいて一貫して感じるのは、正義とは何ぞや、ということ。
正しいと思うことは人それぞれで、それが正解なのか分からない。
けれど、愛する人たちに笑っていて欲しいと願うことは間違いではない。
凄く壮大なストーリーで、正義と悪、正と負、そういったものは表裏一体なんだなあ、と。
ユキは春人を見つけ出すために自らの身体を犠牲にして情報を集めてきましたが、その一環で出会った外村、そしてイチという二人の男たち。彼らは間違いなく裏社会の男たちですが、ユキを想う気持ちに嘘偽りはない。
が、その一方で鳴海は。
弁護士で、人身売買の被害に遭った弟を探し続け、そして、その流れで他の不幸な子どもたちを救いたいと奮闘するナイスガイ。ではあるが。
ユキが鳴海のために身体を売っていることを知りながら、それでなお、彼はユキを情報集めの手段として扱っていることに、違いはなく。
春人の現状が見えてきて、今現在は彼は過酷な状況下にいなことは見えてきましたが、その一方で新たな犠牲者の存在も見え隠れする。yoha先生の逃げ場のない、畳みかけるようにして紡がれていくこのしんどさに、ドロップアウトしてしまう腐姐さまもいらっしゃるかもしれません。
個人的にこのドロドロさがとてもツボで、彼らの行く末をずっと追いかけたいと思っていますが、今作品は読み手を選びます。
4巻は既出のキャラクターたちの番外編を描いた描き下ろしのページ数がそこそこ占めていて、本編としての展開はちょっと少なめ。ここで「続く」になるとか…。yoha先生、焦らし上手!とか思いつつ。
シリアス一辺倒のユキ編の中で、ルカの存在は間違いなく正義です。
エエ子や…、と思うのですが、んー、彼が無理してないと良いな、とも思うのです。
どこまでも人の闇を描いた今作品。
あっさり、はい、大団円!だと興ざめ。
最後の最後まで、どんなにしんどくても、どこまでもついていきます。
次巻が今から楽しみです。
2巻辺りから凄く面白くなって来て、徐々に謎が明らかになって来ています。
それ故にルカの思いとは逆に、遅々として進まぬ鳴海と弟の春人の再会に悲しくなり絶望感さえ抱いてしまいました。
とは言え春人が鳴海に会えない事情に納得すると共に、春人とエムが語る内容が気になって仕方がありませんでした。
人身売買組織の外村に近付き過ぎてるユキ、そして組織の全容を掴む為にユキの協力を更に仰ぐ鳴海、良い子でありたいと願う為に全てを話せないルカと、3人の思いは同じなのに噛み合って無い感がすざまじいのです。
もう、早くこの3人を楽にして笑顔にしてあげたくてしょうがありません。
決して楽しい内容ではないので読み手をかなり選ぶ作品ですが、一度でも嵌ると彼等の行く末を見届けたくてしょうがないと思うこと間違いなしです。
個人的にはカバー下のオメガバのお伽噺的なのが凄く面白かったです。
次巻では少しは良い方向に向かっていますように!
幼ないルカが我慢して泣くまいと我慢してるのに。この良い子過ぎるルカは、皆んなをただ笑顔にしたいというその一念だけで、奔走する。まだあどけなく、こんなにも幼ないのに。
彼は、この世にただひとり。天使の様な存在だ。
実は前巻からあまり話は進んでいない、と思う。鳴海さんが今、幸せでいるなら会ってもいいとルカに約束したハルは、やはり鳴海さんには会わないと言う。約束の反故。
こんなに近くに居るのに。鳴海さんは知らずにただ弟のハルを探して、探して、そして沈鬱に苦しんでいる。ルカはハルとの約束があるので、鳴海さんに伝えられない。
ユキもまたハルの消息を知る為に身体を張って調べている。危険な事をしている。
そして。そんな自分を忌み嫌っている。少しも自分を大切にしない様に生きているユキが不憫だ。
後半の、ルカとユキの、ひととときの問答は禅の様でもあり。
そういえば私は、この物語がスタートした際、これは「ルカによる福音書」だとレビューしたものだが、ルカの苦しみは。「善きソマリア人」の教えの様なのだ。
ユキにとって善いことは「ルカの幸せ」だと言う。ルカもユキと鳴海さんの幸せを願っている。これ以上良い子はいないだろうと思うのに。ルカはひたすら「良い子でありたい。」と必死なのだ。そして何が正しくて善であるのかを悩み、考え続ける事をやめない。
後半でハルがどうして鳴海さんと会わない決心をしているかが明かされる。
並行して、ルカが前巻でキャンプに行った際、行きがかりで友達になった子供が人身売買の餌食になりかけている事を知る。鳴海さんは、ハルの消息を追う途中で、組織的な児童売買の犯行に近付いてもいる。全てが明るみに出るのはもう直ぐなのか。
行き着いた先に、鳴海さんの、ユキの、ハルの、魂の救済はあるのか。
とても。難しいかも知れないけれど。全ての人々に愛と救済が与えられるラストで有ります様に。
おまけには、ちょこっとオウギやカナエ、宵越やツル等。オウギの同級生メンバーのその後が描かれている。オウギとカナエはまだ、結婚式を挙げていないようだ。季が業界No.1のシェアを誇る下着メーカーの子息というのが面白い。ハヤトとゆうちゃんは相変わらず。
誰もが知る「幸せの国の話」は、此処では架空の国の話として描かれているが、現実の話と呼応していてゾッとする。最近彼の国の真実が報道されているのを観て、作者も思うところがあったのだろう。
善とは、幸せとは。何が正しくて、何がそうでは無いのか。
物事は一筋縄では行かないことを。人とは、行いとは、多面的である事を。
作者は突き付けて来るのだが。作者のメッセージとは、何処へ落ち着くのか。
固唾を飲んで見守りたい。何処へ落ち着いてもきっと。納得させられてしまうんだろう。この物語そのものが、多面的であって。受け取り手次第でいくつもの答えを導き出してしまうのだから。
評価はラストまで取っておきたいのだが、一旦は神の手前としておく。