悪の飼い犬

aku no kai inu

悪の飼い犬
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神24
  • 萌×217
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
15
得点
213
評価数
51
平均
4.2 / 5
神率
47.1%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
石田惠美 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784778135010

あらすじ

奴隷――主人である警官に絶対服従するようナノマシンによって制御された凶悪犯。警察内でも秘匿された存在だ。新人警官の日秋は父の仇であるテロリスト「アグレッサー」が捕まるのを目撃し、アグレッサー本人の希望で彼のマスターにされてしまう。なぜ指名されたのか分からず日秋は戸惑うが、アグレッサーは犬のように日秋に懐き、嬉々として戦い、日秋以外の者には牙を剝く。その忠誠と明らかな好意は、マシンのせいだけとは思えず……。

表題作悪の飼い犬

「アレグレッサー」と呼ばれる国際手配中の被疑者,20歳
新人の警察官,23歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数15

一冊でまとめるのはもったいない

面白かった!ただしあまりにも胸糞。メインカプがわりと最初からBLしてたおかげで嫌な気分を忘れられるシーンがあり、どうにか最後まで読めた。内容的には、一冊でまとめるのはもったいない気がした。

日秋はハッカーとして有名だったり、父の死の真相を探っていたり、付加要素多めな主人公。だが内面は平凡な印象で、標準的な倫理観を持ち、環境適応力も高くない。日秋が感情優先で物事を見るたびに、敵の醜悪さがより際立つようで、読んでいてしんどかった。心が疲れてるときに読んじゃダメなやつ。

烈はめちゃくちゃ犬だった。出会った瞬間から表情豊かで、日秋にだけ尻尾を振り、察し力が高い。愛情表現が直球なので、嫌な人ばかり出てくる中での癒やしになってくれて助かった。日秋への強すぎる執着には、日秋の父親の影響があるのかと思ったが、特に裏はなく純粋な一目惚れだったのは意外。

父親の死については、序盤からヒントがぽろぽろ。日秋は就職したばかりの新人なのに展開が早い。所属組織の上層部が実は、って定番だけど、この規模まで広げた話を解決まで一冊にまとめるのは驚いた。てっきり巻をまたぐパターンかと。

で、あれよあれよという間に敵のアジト?に場が移り、黒幕がぺらぺらと全貌を明かす。なんと親切な。正直、もう少し日秋視点で烈と一緒に真相に迫っていく描写とか読みたかった。

敵の悪事はどこまでも胸糞な内容で、精神的ダメージが大きく、再読できる気がしない。とはいえ続編はとても気になる。元スレイブたちのその後を知りたいし、烈の犬ぶりもまた見れると嬉しい。あとは協力して敵に挑む二人が見たい。次も楽しみ。

0

主従関係からバディに。

まず、美しい表紙絵に魅せられ手に取りました、
息をつく暇もなく、怒涛の展開、練り上げられたストーリーに頭が混乱し、惹きつけられて一気に読みました。

特に後半、ドキドキが止まらなかった。
烈がほんとにワンコで!!
床にひっくり返って地団駄を踏む子供のように、無防備に忠誠を見せる姿がかわいい。

後半になるにつれて、日秋が知りたい父の死の真相に迫る。
巨悪を打倒する正義の実行者が烈だった。
日秋を片手で抱き抱えて、戦う強い烈。
同時に、日秋のことを心配してポタポタと涙を流す烈が愛おしく感じられた。

裏切り、失望に心乱される日秋に対して、迷う事なく、冷静な判断ができる烈は、もはや日秋のスレイブではなく、頼りになるバディーだった。
頼りになる年下のワンコ攻めの烈がかっこよかったです!

0

近未来の主従関係

宮緒葵先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
近未来 3
ワンコ 3
エロ 3
胸糞 2
な感じだと思います。

烈さん×日秋さんのカプです。

マスターである警官に絶対服従するようにナノマシンによって制御されたスレイブ。その正体は死刑相当の凶悪犯達だった。父親の仇であるテロリスト「アグレッサー」のマスターに指名されてしまった日秋さんは…。

今作はナノマシンの投与やデバイスを介してマスターに絶対服従するスレイブ、スレイブにつけた首輪型爆弾、人体強化、ハッキングなど、近未来設定です。

スレイブ、文字通りの奴隷やイヌ扱いをされていて、スレイブとなり日秋さんをマスターに指名した烈さんはまさにワンコ攻めですね。

しかし勝手に、ミステリアスで物静か、そこに秘めた物凄く執着心があるワンコ攻めかと思っていましたが、嬉しさを表に出して、日秋さんの名前を連呼したり、日秋さんに烈と名前を呼ばれた時は「おっしゃああああ!」っと喜びの雄叫びをあげていたり、かなりテンションが高いワンコ攻めでした。

烈さんと日秋さん以外のスレイブやマスター達、脇役キャラが登場しますが、スレイブに対する言動や扱いが使い捨ての駒だったり使えなくなったら処理したり、元々は凶悪犯ではありますが、扱いが酷いし、悪役の言動も胸糞です。

主従関係、事件の真相、警察内部の闇や思惑、ハラハラするサスペンス要素や烈さんと日秋さんのドキドキで濃厚で濃密な絡みや執着心など、引き込まれる近未来ものなので、是非とも読んでほしいです。

1

しっかりストーリーがあって読みやすい

SFと警察ミステリーの良さがたくさん詰まっていました。
文章は難しすぎず軽すぎず。話のスピードもちょうど良かったです。「スレイブ」という独自の設定も分かりやすく楽しく読みました。

謎が多くハラハラするストーリーの中で、かいしれつ、海市烈が、しもつきはるあき、霜月日秋を狂ったように好きで執着しているというのが凄く好きなところです。

主人公の日秋にとって誰が敵で何を信じたら良いのかラストまで全く分からないのですが、烈の絶対に変わらない感情に安心しながら読み進めることが出来ました。
脇キャラも一人一人、魅力があり映像化されたら更に楽しめると思いました。

2

宮緒先生らしさ200%!! ”マスター”を愛してやまない狂犬攻め

面白かった〜!!宮緒先生ならではの濃密な”犬”ワールドがこれでもか!というぐらい味わえる作品。

警察もの、ハラハラするサスペンスなど大好き!な自分にはもう興奮要素しかなかったです。

口絵の二人がえちえちで、何度見てもドキドキする…噛み跡だらけの日秋(受)の体がもう、すごいです(語彙力…)。

人体実験によって改造された”マシン”の一体である烈(攻)。
なんといっても、彼の犬っぷりがもうすんばらしかった…!!宮緒先生ありがとうございます。

リアルわんこのように甘えてお腹を見せて(へそ天?)おねだりしたり、興奮して身体中舐めたくったり。”マスター(ご主人様)”である日秋から、逆らったら自分を殺すことになる特殊首輪をつけられて恍惚とした表情を浮かべたり…
見えない尻尾がブンブン振られているのが見えるよう。リアル犬も犬攻めも大好き〜!!!

えちも濃厚かつえちえち。自分の精◯まみれになったシャツを日秋に着せてそのままえち…とか、ひょえええとなるえちち展開でした。大・満・足!
入ってはいけない奥の奥まで攻める攻め様に感謝です。

ストーリー的には、スレイブたちは解放され、警察内部の秘密ミッション部隊も解散となったわけですが。
アムリタ社は完全に潰れたわけではなく、まだ不穏分子は残ったまま。

こちら、続刊も一緒に購入したのでこれから読むのが楽しみすぎます◎
果たして日秋と烈は、アムリタ社を潰すことができるのか!?しかと見届けたいと思います(*゜∀゜)=3!

2

BLの世界に留めておくのがもったいない世界観

SFチックな話は得意じゃないけど、あまりの濃密なストーリーに驚きました。
近未来的ポリスミステリーとでも言いましょうか。設定がとにかくすごくて映画のようでした。
キャラクター設定、物語展開、ストーリーの構築は言うまでもなく、それに加えて犯人はまさかの…のラスボス登場。最後の最後までハラハラドキドキ、そしてヒヤヒヤのオンパレードに、物語から目が離せません。

ちょっと歩けば新たな展開、ちょっと歩けば驚きな情報。…うーん、困りました。こんなに脳内処理が難しい濃密作品はなかなかお目にかかれません。こんな複雑な設定をたくさん盛り込みながら、でもごちゃつかず整然とストーリーまでの道筋はきっちりとしていて、読むことにストレスを感じることがなかったです。

それにそれに、"イヌ"の登場ですよ。
マスターである日秋に付き従い慕うのは、"イヌ"です。
このイヌがねー、まぁなんとも頼もしくて格好良くて、一途で愚直。日秋のことをこよなく愛する男です。彼の日秋に対する愛し方はとてもねちっこくてド執着。けど、この執着があるからこの物語が成立するといっても良いでしょう。

彼はアグレッサーという凶悪犯罪者でありながら、日秋とともに事件を解決するスレイブ。
んー…と。この辺りの説明は難しいのですが、警察の極秘事項として犯罪者を使役するシステムがありまして、マスターとスレイブという絶対服従の関係の下、犯罪事件を解決していきます。スレイブには犯罪者をあてがい、犯罪者を犯罪事件解決に関わらせるというしくみではありますが、それは建前。その裏では実はとんでもない事実が隠されています。

この事実はとても悲しく辛い現実でした。組織ぐるみの黒い実態や黒い感情は、非常に利己的な思想に侵された身勝手で恐ろしい人たちによって引き起こされましたが、この結末は本当に予想外で驚きです。心臓に悪くて、胸クソ悪い真実が解き明かされましたが、それ以上に悪をぶちのめしたスカッと感が味わえました。


マスターとイヌとのBLも合間に入れながら、大いにストーリーが盛り上がりました。
マスターである日秋にしつこく身体をねだるイヌの烈。烈の喜びは全て日秋絡みなので、二人のやりとりは時にコミカルで面白く楽しいのですが、烈がひとたび雄の顔を覗かせるときには獰猛な獣です。
マーキングがすごくてですね、セックスシーンも9割が変態です。ここまでやっちゃうのも、ある意味清々しくもありますね。宮緒先生の描く"イヌ"はこうでなくては(笑)


続刊も読むのが楽しみです。
新たに巻き起こる事件に2人がどう立ち向かうのか期待しています。

2

読み応えあり!

警察官の父を早くに亡くし、同僚の養父に育てられた日秋。
そんな日秋の初登庁の時に、出会った烈。
二人はマスターとスレイブの関係に…

SFとSMと、そして警察、ハッキング、という設定に負けないストーリー設定で、骨格にある日秋の父親の殉職の謎を探るというところはとても楽しく読めました。やはり一番の黒幕は…
そうよね、そこだよね!
と(笑)
最後にはお父さんにも会えた?ので日秋的にもトラウマからは開放されて、一区切り付いたんじゃないかな。

脇に出てくるイヌ達もそれぞれいい奴らだったし、烈がホントにイヌなので!萌え要素もちゃんとありました。
ただ、惜しむらくは、烈と日秋の気持ちの高まりようというか、お互いの近づき方がもう少し詳しかったら嬉しかったかも。とはいえ、神作品です!!

1

今回もやっぱり優秀で凶悪な大型犬。


新人警察官の日秋(受け)は赴任早々、凶悪犯に対してマスターに絶対服従するようナノマシンによって制御される奴隷(スレイブ)烈のマスターになってしまいます。
烈本人からの熱望でマスターになった日秋ですが、烈がなぜ自分をマスターに指名したのかわからないまま、驚異的な運動能力で日秋の望む結果を出してきます。
ただ、スレイブを使い捨てのモノのように扱う他のマスターたちや、上司と相いれない日々。
そんななか、父の死に関する調査する中、警察内部に不信感を持つようになるのです。



警察官だった父を烈が起こしたテロで亡くした日秋は、父の友人で父亡き後養父となってくれた北浦の勧めもあって警察官なります。
内勤だった父が現場に出てテロに巻き込まれたことに不信感を持っている日秋はあちこちをハッキングしながら警察のサーバー内にも侵入し探っている最中です。あと少しで核心に迫れるところまで来ています。
早々に、父の仇であるはずの烈による指名でマスターになってしまい、その際このシステムを考えたのが父だと知り、父がそんな非人道的なものを作ったことが信じられません。
父はなぜそんなものを作ったのか、烈が日秋を愛し日秋の言うことだけを聞く犬になったのはなぜか、烈が本当に父を殺したテロ犯なのか、違うのであれば真犯人は誰か。


近未来の警察。
治安維持のために投入されたスレイブにより、警察の威信は取り戻しつつあります。
が、なんとも胸糞の悪い組織です。
あまりに被人道的なので世間一般には隠されている存在しない組織、公安5課。

たとえ死刑囚だとしても、死刑が刑である限りはそれがその犯罪者の刑であるはずなのに、死刑囚だから奴隷にして使い潰していいという考えがクソすぎる。
そして、露見しないように、5課が出張った事件では犯罪者及び被害者は殺してもいいというクソ仕様。
大事の前の小事という建前の前に、守るべき市民の命も雑に扱うこの組織がこのまま存在しつづけるのかと思うと読んでいて腹がたってきます。

烈の日秋への愛は狂愛といっても過言ではなく、スレイブの首輪によってマスターを傷つけたと判断されたら電撃食らうのに、全く気にせずパチパチさせながら日秋を抱く姿は読んでいて痛い、扉絵の日秋も痛々しい。

結構なピンチや裏切りにハラハラしますが、死んでも日秋を守ったお父さんの愛に心打たれました。

それにしても、10歳にもなってない頃からテロリストやってた烈すげーってなりました。
これからの活躍も読みたいと思う話でした。

0

SF要素入りBL 

★下書きのままだった(@_@)

とても面白かった。科学の発達に伴う倫理への警鐘要素入り。
「chain」とは、日秋の父が開発した、生体にカプセルを埋めて洗脳使役する技術。
・・頭部に電極を埋め込む人工補助脳が開発中なので、実際に起きそう。

宮緒先生のお約束・・一旦官能場面になると濃厚で長い。
結末部の伏線回収は一気にまくるどんでん返し。
--
日秋:技術系の父;機密技術の開発者;が勤務中に殉職。

アングレッサー/烈:日秋を一目観て自ら主従関係を希望。日秋には切ないほど従順。日秋の父を殺害した当事者と目されている。

日秋:謎(全部父の置き土産)が多い。
霜月=「イレブン」凄腕ハッカーとなり、父の死の謎をずっと調べている。

1

犬犬しい攻め

個人的に久しぶりの「達幸」以外の犬犬しい攻めの登場に心躍りました。

宮緒葵先生の犬攻めが受けに一途なところが凄く好きなんです。
それは時に狂気や強い執着を産むのですが、超人的な才能でもって受けを守る姿にどうしようもなくワクワクしてしまいます。

今回の作品は近未来のお話でしたが医療系ナノマシンとかとても興味深くて、思わず世界観にのめり込む自分がいました。(私もナノマシン入れたい!)

「アグレッサー」がどうして日秋をマスターに指名したのかとか、日秋が父親が亡くなったテロ事件を追いかけるのと同時に深まる謎に夢中になっていました。

もうね、黒幕の想像は大体ついて行くんですよ。でも、その黒幕が最後まで絞れきれないところが面白いんです。

日秋が配属された公安部の第五課の面々とそのスレイブたち、日秋が配属された事によって起こる思わぬことなど…あらゆる所に伏線が張り巡らされてて、まるで読者に与えられた推理戦なんです。
ちょっと読むつもりが徹夜でした。www

黒幕との最終決戦には「アグレッサー」の活躍に胸躍りました。また日秋と父親の親子愛にもじんわりすること間違いなしです。

最後に「アグレッサー」こと烈の年齢と日秋との接点が明らかになります。
そして元スレイブ達のこれからが気になってしょうがありませんでした。

あとがきに宮緒先生が本編後の想像をサラッと書いてくれてたんですが、是非とも続編として書いて頂きたいと思いました。

並はずれた身体能力を持つ烈と、「イレブン」としてこれまた他を寄せ付けない実力を持つ日秋、新たなヒーローの登場だと思うんです。

大好きなお恵渡のシリーズが終わってしまうので、新たなシリーズを是非お願いいたします!

4

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