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hyousetsu no ouji to kami no sinzou
作家買い。
尾上作品の『花降る王子の婚礼』のスピンオフ。『花降る~』の受けちゃん・リディルのお兄ちゃん編。『花降る~』の続編の『雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2』に登場していてめっちゃドツボだった魔法国エウェストルムの第一王子・ロシェレディアが主人公のお話で、発売日を心待ちにしていました。
もちろんスピンオフものなので前作を読まれていた方がより面白く感じられると思いますが、前作未読でも問題なく読める造りになっているので、未読の方にもぜひとも手に取っていただきたい。今作もめっちゃ良かった…!
ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
魔法国エウェストルム。
王の子は魔力を受け継ぎこの世に生を受ける。武力を持たないこの国は、王女たちを他の国に嫁がせ、魔力を供給、その見返りとして他国からの侵略を防いでいる。つまり、王女の存在は、国交の道具もであり唯一の切り札でもある。
が、まれに強すぎる魔力を盛る大魔法使いが生まれてくることがある。それが、第一王子として生まれてきたロシェレディアだ。力が強すぎる王は魔力のコントロールが効かず、それ故にロシェレディアはその存在を「王女」というベールで隠してきた。が、王女ゆえに、ロシェレディアは国交の切り札としてすでに嫁ぎ先が決まっていた。
王子であることを隠すために塔に幽閉され自由がないロシェレディアは退屈な日々を過ごしていたが、ある日一人の少年が塔の外をよじ登ってくる。その少年は自身を帝国アイデースの第五皇子・イスハンだと名乗るが、それをきっかけに二人は心を交わすようになっていくー。
というお話。
ロシェレディアという男の子は王子であることを隠すために幽閉されていたり、自分の意にそわないところへ嫁がされる、という薄幸さを持ち合わせた少年です。さらに美しすぎるビジュアルを持ち合わせているためにすごく儚い男の子、に一見見える。見えるのですが、その入れ物を裏切る豪胆な中身の男の子です。一言でいうと、強くてカッコいい。
自分の意志とは無関係に嫁がされる、というのは王族ならでは。そのことを彼はきちんと受け入れている。
そんな彼に一石を投じるのが、アイデース国の第五皇子のイスハンです。
第五皇子、という中途半端な立場な彼の、それゆえの自由奔放さに惹かれていく。彼と想いを交わすことはできないことは理解しつつ。そしてそれはイスハンも同じ。彼もロシェレディアを想いつつ、お互いの身分に抗うことはできずに運命に翻弄されていく。
が、このお話の面白いところは、この二人が非常にガッツのある青年だという部分。自分の王子という宿命を理解しつつ、そして国を想う気持ちはだれにも負けないけれど、その波に翻弄されるだけの人物ではない。
そして、その二人の内面に華を添えるのが、「魔法国」「武強国」という国があること、魔力を持つ魔法使いがいること、という世界観。ロシェしかり、イスハンしかり、彼らは自分ではどうしようもないうねりに巻き込まれてしまう。それがこの作品の持つ世界観にぴったり合っていて、読んでいてあっという間に引き込まれてしまうし非常に面白い。
ただ、うーん、これは完全に好みの問題ですし、あとイスハンの立場を鑑みると仕方がないと思える部分も大きいのでなかなか難しいのですが、イスハンが他の女性との間に子を成すという描写があります。これがねえ、ちょっと地雷ででしてね。ちょっぴり萎え萎えな気分になったことは否めない。こういう展開(ほかの女性と子を成す)が苦手な方にはちょっと注意が必要かもです。
ただイスハンがロシェに負けず劣らずのカッコいい男なんですよ。
文句なしのスパダリ!という感じではなく、「能ある鷹は爪を隠す」っていう感じ。悔しいくらいに、カッコいい。何をおいてもロシェファーストなイスハンが他の女性を抱き子を成さなければならなかった、ということを鑑みると、イスハンもまた葛藤を抱いていたのだとわかるので、まあ許してやっか!(という非常に上から目線な感想でごめんね)と思いつつ。何より、ロシェがイスハンの立場を重んじ理解しているので、外野が口をはさむことではないなあ、と。
ベースとしてはドシリアスな因子を持つ今作品ですが、ドシリアスに振り切った作品ではありません。かなり血なまぐさい描写もありますし、子を成すとか魔法使いに対する非道な扱いとか、胸糞な描写もあります。さらに最後のどんでん返しにちょっぴり切ない気持ちになる。が、そこにロシェとイスハンのコミカルなやり取りとか豪胆な性格がプラスされることでシリアス過ぎない。そのバランスが絶妙でした。
とにかく奥行きが深い1冊。
アレがこう来て、それがそこに繋がってるのか―!と思わず唸らされる。
前作『雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2』の裏側(ロシェ視点)のお話も読んでみたいし、まだまだ続いていって欲しいなと思います。今シリーズ、とっても好きな作品なのですが、今作品が一番好きかも。yocoさんの挿絵も文句なしの美しさで、めちゃめちゃ面白く、萌え、最後の最後まで息つかせぬ、そんな神作品でした。
前作で登場したアイデース組の馴れ初め話です。
ロシェの魔法使いとしての資質や本人の度量、イスハンの鷹揚さがとても魅力的で気になっていたので、続編でメインのお話が出てとても嬉しかったです。
二人共にキャラクターがとても魅力的で、二人のやり取りを見ているだけでとても楽しい。ここに魔法や呪いというファンタジー要素が絡むことでストーリーの流れもわくわくが止まりませんでした。
賛否両論の後宮の件だけちょっと吐き出させて頂きたい……!
政治的に難しく、更に男であるロシェを無理矢理力ずくで妃に迎えることの条件が、後宮を構え、数十人にも及ぶ子どもをつくることで、それを受け入れてでもロシェを欲したイスハンだとわかるので、それそのものについてはモヤついても受け入れたタイプです。
ただ、ロシェに相談も報告もなく結婚直後早々に後宮を構えた上に、ほぼ二年、ほったらかし(ロシェ以外を抱くイスハンの罪悪感諸々でしょうけども)、夫が何をしているかすべて承知して飲み込んで不快感に耐えるロシェの二年間を思えばかなりしんどかったです。
後宮にいる間のイスハン側の描写はありませんが、想像力たくましいタイプの私なので、
優しいイスハンだから後宮の女を抱く時に雑にするなんてないだろうから丁寧に抱いただろうな、などと考えてしまい、そんなイスハンにお役目以上の感情持たない女が100人いて1人もいないなんてことある???とか、
後宮に残った女はイスハンより我が子、っていうけど、イスハンと関係持った女と接し続けるロシェの心境とは????とか、
なんか色々考えてしまったので、後宮を持ったエピソードを入れた意味、子どもが数十人出来たことの意味を持った良い感じのエピソードが続編とかであれば嬉しいなぁと思います。続編!ありますよね!!?
気持ちの面では、お互いがお互いにただひたすら一途なので、それがすごく良かったです。
あーーーー、イスハンの初めてはロシェに捧げて欲しかったなぁぁぁぁぁぁ。
いきものがかりさん
いえいえ、お心遣いがめちゃくちゃ沁みました!ありがとうございます……!
続編出たら王太子含めお子らのあれこれそれが書かれるのか、個人的に気になるポイントです本当に。
展開的にロシェが扉を開いてしまうのは確定ですし、そっちメインのお話になりそうだなぁとは思いつつ、今回抱いたウグゥッ!!を良い感じに昇華したいです。
次巻も切なそうな雰囲気が今からむんむんですが、両手を上げた幸せ全開な二人が読みたい……!
既読でしたか。少しでもお気が晴れればと思ったのですが、蛇足でしたね、失礼しました。
いやあ、平民だしあの人数ですので作法通りだと思いますよ!
あの短期間であの人数は、きっと顔も覚えてないんじゃないでしょうか。
でもそうなると子供たちがかわいそうですね。
ロシェが「子供たちを守らなければ」って言ってますが皇帝変わったら殺し合いになるってイスハン自ら言ってますからね。
私としてはそういうアイデースの後継問題についてもイスハンに一石を投じて欲しかったです。
そういうことも含めて、アイデースのその後が読みたいです。
そしてできればロシェが身体を取り戻してハッピーエンド希望です。
いきものがかりさん
こんにちは!コメントありがとうございます!
そちらの作品については、当方も履修しております……!素晴らしい作品ですよね。
そちらで書かれたような、義務です!!!て感じの挿れて出すだけ(言い方よ)のものであって欲しさが凄まじいです。
平民からも募っている後宮ですので、どこまでお作法なのかなぁとか考えてしまう辺りが想像力逞しいポイントです……
義務義務の義務で情の通わない子作りで産まれる子ども達というのも、イスハンの代の悲劇を思えばしんどいラインなので、こう、こう……!良い風に!解釈したい!です!
ポジティブに想像力を働かせたいものです……!
それはそれとして、続編楽しみですね!
横入り失礼します。
想像力たくましい箇所についてなんですが、「雪原の月影」というファンタジーBL小説に後宮について出てくるんですが、それによると後宮は完全に「子供を授かることに特化した場所」なので、閨にも作法がありまして。
ざっくり書くと、皇帝は単に寝転んでいるだけでOK。
×たせることから何から何まで侍従がやるそうです。
しかも、監視やらお付きの人が周りに十数人・・
ですので、甘い言葉は勿論愛撫やらもないと思うのでどちらも完全に「お役目」と割り切っている、というのはあり得ると思います。
だから私は飲み込めたんですが。
だからある意味ロシェとのことがイスハンにとってはじめて、かも?
・・長々と失礼しました。
これだけザワついているので本当に、続編で何か言及があるといいですね。
まりあ111さん
コメントありがとうございます。
ほんの数ページの描写ですけど、ダメージ食らうひとはとことん食らっちゃうポイントですよね。
本の封印がとけたら、好きなシーンの読み返しからでもゆっくり楽しんでくださいね……!
お互いに初恋、少年期の結婚、とくれば、お互いに初体験!!の流れ、見たかったですね……!!
男として完成したイスハンに置いていかれた疎外感と嫉妬心を抱いて怯むロシェに心臓ギュンッてなりました。
シリーズで一番好きだ~~!!と鼻息荒く、こちらに立ち寄ったところ、評価が分かれていて「お!?」とびっくりしましたが、なるほど、なるほど、あの問題でしたか…と納得しました。私は、こちらの”末っ子長男CP”が弟夫夫よりも好きすぎるので(氷>花でした)、あの問題はもちろんモヤっとしましたが、全体として素晴らしかったです。続き щ(゚Д゚щ)カモーン!!
そもそも私があんまりファンタジーファンではないので、、こちらのシリーズがめちゃくちゃ好きか?と問われたらそういうわけではなかったのですが(汗)、そんな非ファンタジーファンすら惹きつける尾上先生の端正な美しい一文一文からなる壮大なストーリー、その筆力に圧倒されっぱなしでした。小説読んでイメージを旅するってこんなにも楽しい!と、ウハウハしちゃいました。
今回、攻受の出会い、試練、エロ、日常、全部ツボでした。特に何度も繰り返し反芻される出会いの場面は、ボーイミーツボーイ史上最高(あくまで個人基準)の名場面と言ってもいいかな~と思えるくらい好きでした。
少年同士(つても片方は完璧に勘違いしてたんだけど)の友情(初恋?)から始まった流れが美しくて、だからこそ、やっぱりどこかしらいつまでも濃厚な友情の延長みたいな雰囲気に萌3。
七夕様みたいに年1くらいしか会えなくて、ときどき受に手紙で冒険譚を送る筆まめな攻とそれを繰り返し読んで外の世界への憧れを募らせる受、二人の交流が可愛いかったです。
そんな初心なふたりが、政変に巻き込まれ、否応なく大人になり、政略結婚をぶっ壊す秘密の共犯者になり、同志のような絆で結ばれながら、さらに誰よりも大切に想う愛情が上乗せされてる関係性に萌え転げました(なんなら忠実な家臣より…というのは、お互いがいない人生は意味がないという魂の共通認識なので、他人が影響しないレベルなんですね!)。やんちゃさは拮抗しつつ、体力お化けで前戯が長い攻と食いしん坊で快楽に素直な受っていう性質も好きすぎました。そしてエロの描写が最っ高にエモエモ!!
というわけで、最後にモヤる問題について、作品世界を構成する要素の一部としてうやむやにしなかった先生の胆力に敬意を表す意味でも”神”です。
賛否が分かれる作品だとつい『賛』の気持ちをお伝えしたくレビューを書きたくなってしまいます
後宮の件ですが
イスハンがたったひとつ叶えたかった願いはロシェとともにあること
そのためには自らが皇帝になるしか道はなく彼はその過酷すぎる使命をロシェのために受け入れる覚悟を決めたのだと思っています
国と民を守ること、皇室の血を残すことは彼の義務。前々皇帝の兄弟もほかの皇子たちも全て殺され自分以外に血を継ぐものがいない中で、ロシェを心から愛しているのにそれ以外の選択肢がなかった彼の心中は察するにあまりあります
そしてもしも先にロシェを抱いてしまったら多分子どもは作れなかっただろうと想像に難くありません
その辺りの苦悩をイスハン視点で読みたかったというのはありますし、書いてくださっていたら『否』の評価は少し減ったかもと思わなくはありませんがBLとしては蛇足になってしまうかもしれないので難しいですね
私はこのシリーズの世界観、歴史や呪い、魔法などの設定の緻密さや描写の美しさ、魅力的なキャラクターなどBLの枠におさめてしまうのがもったいないと思うくらい大好きで、何度も読み返してます
今作を読んでまたリディルの方を読みたくなりましたし、ロシェが身体を失うに至った過程を知りたいと思っているので続編が出たらいいなと心から願ってます
先生買い、シリーズ3作目。どうしてもステラディアースのお話も読みたいので、皆様ぜひぜひこちらを読んでください。売れたらきっといつかステラディアースのお話も読めると信じてます。だから神にしよう。本編350P、あーとーがーきーがなー------い。
生まれつきの大魔法使いで、あふれる魔力を制御するべく塔に幽閉されるように暮らすロシェレディア。10歳の時、大陸で一番大きな帝国アイデースから使節団が来た夜、少年が塔の外壁をよじ登ってきて「匿ってくれ」と言い・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
マルゴー(受け側仕え)、ジョレス、オリガ、アデリナ、タチアナ、イゴール(攻め側近)、ゲルダ(攻めに懐いている銀狼)。あとエウェストルム(ロシェの故国)、ガルイエト(アイデースと揉めてる国)、イル・ジャーナ(ロシェが本来嫁ぐ予定だった国)が関係してきます。
++好きだったところ
攻め受けともにキャラが好きだし、このシリーズの世界観が大好き。
攻めは陽キャ。国を思うし、人から好かれるタイプで皇帝になるべくしてなった方。受けに一目ぼれで、生まれた時から願い事が1つ叶うと言われてきたらしいですが、願ったのは「ロシェが欲しい」。第五王子だし、国王となった長兄は頭ぶっとんでて、ひたすら弟王子たちを殺しにかかっているのに、国を思い、いつか国王の目が覚めると思うような方。踏ん切りがいいというか決断力があるというか。とにかく良いのです。
ロシェがこれまた良くって。幼い頃から崇められて、でもほぼ幽閉されて育ったからか、恋心というものがわからず、おぼこいところもある。大魔法使いだから頭よくって、多少の呪いなんかへっちゃら、毒呑まされても口の中で水分と毒をより分けちゃう(かっけー----)。かっこいいのですよ。そして一人称が「吾(あ)」。もうかっこいいってば!
そんな二人が運命の翻弄されながら、でも二人の運命をお互いにしっかり掴み取るというお話でした。ほんとうっとりなのです。ファンタジー、国の興亡話が好きな方でしたら絶対面白いと思うはず。ぜひぜひ。
面白かったとしか言いようがないです。そして流石の文章力でした。尾上与一先生流石です。
読む前に他の方のレビューを読んでしまったので、後宮問題に自分がどんな気持ちを抱いてしまうのかと心配になりながら読み始めました。
やはり嫌な気分にはなりましたがイスハンもロシェレディアも王族なので、2人だけの気持ちだけではどうにもならない事を覚悟していたから乗り換えられたのだと思いました。
多分ですが受け付けられない方は、どうしても「花降る王子の婚礼」のグシオンとリディルのカップルの場合と比べてしまうからじゃないでしょうか?
あちらはそもそも国の規模もお国事情も違うのと、時間も少し後のお話なのです。
何より子作りのお勤めから開放されたイスハンの喜びが全てを物語っていると思いました。
イスハンは何よりも誰よりも、ロシェレディアを求めているんです。
そしてそれは神の心臓を手に入れた時の、イスハンの喜びの理由が証拠だと思うのです。
イスハンもロシェレディアのキャラもとても魅力に溢れていて、このシリーズが更に大好きになりました。
交わることの無かった2人の奇跡の出会いからの急展開、イスハンの側近の裏切りも含めて凄く面白かったんです。簡単に物事が運ばない所に読み応えがありました。
まだまだ若い2人がお互いに愛し合って、支え合っているのが好感が持てました。
これ、まだ続きますか?出来ればロシェレディアとリディルが再会するまでのお話を書いていただきたいです。よろしくお願いいたします!
凍りつくようなアイデースの地に嫁いだロシェと皇帝イスハンの冷たい大地での熱く情熱的な二人のお話。
出会いから嫁ぐまでのロマンチックな逢瀬、数々の困難を共に戦い乗り越え手にした幸福に感動
何があろうとこの二人は決して諦めずずっと一緒に…と願う。
特にまだ幼いロシェの可愛いこと忍び込んできたイスハンと過ごす束の間の逢瀬が可愛くってキュンキュン
この作品の前二作を読んでるのでロシェとイスハンのこの後を知っているのだが、それ故に結びつきの強さ、お互いへの強い思いが書かれた今作が読めてとても良かった。
イスハンの後宮の話の評価が分かれているようだが個人的には全く気にならず。
特に後宮でのイスハンの詳細な様子や特定のお相手の登場などとということもなく、サラッと書かれているという印象でしかなかった。
全体的に見れば後宮の話は無くてもいいかな…と思うが、あったからと言ってこの作品に対する評価には影響はない。
この終わり方だとまだ続きがありそうなので期待したい。
ステラ兄様のお話も絶対読みたいので期待!!!
前作から是非兄上ご夫夫のお話が読みたいと思っておりました。
発行の知らせから指折り数えて待っていました。
二人の出会いから夫夫となって試練を乗り越えて、前作の国が氷に閉ざされるより以前までのお話でした。
周囲の国との不穏な空気を残しつつ、まずはひと段落つくまでを堪能させていただきました。
大満足です!
本当に予想以上に天然な夫夫でした。
レディルと違う風味の天然ぷりのロシェは殿上人もかくやなお育ちの上比類なき大魔法使い。
対する夫イスハンもある意味とても天然。
とても優しく細やかな心遣いができるのに基本的に大胆でとても魅力的です。
色んな障害を吹っ飛ばしてロシェを嫁にもらい断固たる意志で守り通すところも痺れます。
個人的には手紙という名の旅行記を送る件が大好きで、血筋か…とわかったところは爆笑しました。
若い夫婦の長い新婚時期を読んでいる気持ちになります。
まあイスハンの後宮の1年間は…兄を打ち簒奪者の汚名を負っても守った国です。仕方ない…と心を石にして乗り越えました。
ただ前作でアイデースと夫夫に起きている条件は今回起きていません。と言うことは続きあるんですかーーーー!と期待でいっぱいです。
好き嫌いが別れる作品のようだけど、
例えば「碧のかたみ 」のように、先の結末が分かり切った悲運でも、
波乱の合間に咲く恋花を描くのが尾上先生は上手いです。
⓶花降る王子の婚礼1 リディルがイル・ジャーナに嫁ぐ
③雪降る王妃と春のめざめ 2 リディルがアイデース国に行く
①氷雪の王子と神の心臓 3 ロシェレディアがアイデース国に嫁いで、リディル誕生
物語の時系列で行くと、上記のようになるので、今作を読んだ後、
先の二巻を再読すると、なるほど・・と物語の世界観が広がります。
リディルが普通に育ち、幸せな結婚を掴めたのは、
ロシェで経験した母の悲しみがあったからだと分かる今作。
リディの大きすぎる魔力を、背中に石を埋め込んで封じる母。
第一王子の大魔法使いのロシェレディアは、
魔力が強すぎて 生まれてすぐから隔離、幽閉されて育つ。
人の温もりを知らないロシェ。 母は、ずっとロシェが不憫で泣いていた。
偽装「略奪婚」で相愛のイスハンと結婚できても、波乱続きで苦労の連続。
課せられた厳しい運命、何度も死を覚悟しても、ロシェは諦めない。
最善を尽くして必死で生きる。
動乱の中で、二人が信頼と愛を育んでいく純愛物語、素敵だと思ったけどな。
中途半端な所で終わっているので、続編の用意があるのじゃないかと。期待。
表紙のロシェに寄り添う夫王が、スゴイ悪人顔。
顔が良くない夫王は、常に説明不足。ロシェを溺愛して意地悪じゃない。
王権と王の呪いを継承した心労で、ギリギリの顔なんだと思う。
ロシェは伏し目、
夫王の呪いの解除を祈っているのだと思う。二人を囲う氷。
今作も、yoco先生の表紙イラストは、内容を示すダイジェストだった。
覚えにくい名前の「ロシェレディア」って、どういう意味なんだろう?
前作『花降る王子の婚礼2』で登場したリディルの兄カップルのお話、読んでみたいなぁ、と切に願っていたので、発売をそれはそれは楽しみにしてました(≧∇≦)
受け様は、魔法王国エウェストルムの第一王子であり大魔法使いのロシェレディア。
国のため、イル・ジャーナへ嫁ぐ第一王女として育てられていた。
攻め様は帝国アイデースの第五皇子イスハン。
使節団としてエウェストルムを訪れたイスハンは、そこで美しいロシェレディアと知り合う。
お互い、どうにもならない国の運命を背負っている2人は、有り得ない未来を夢想して親しくなっていく。
短い逢瀬を楽しみにしていた2人の姿は、いじらしくて切なくて(´ノω;`)
案外早い段階で動き出していて、イスハンの元へ嫁ぎ、アイデースの皇妃となったロシェ。
ここまでも結構過酷な運命だったのに、こっから更にどんな苦難が待ち受けるのかしら。
なんて、ドキドキしながら読み進めましたよ。
帝国アイデースが、超大国となる確かな力を得て大帝国となるまでの道のりの壮大なファンタジー。
ロシェとイスハンの、強い絆と愛情。
ハラハラドキドキきゅんで、めっちゃ面白かったですヽ(*^^*)ノ
特にロシェのイスハンへの一途な愛情や、絶対護るという強い気持ちが素敵でした。
強く愛情深く、可愛らしいロシェ。
国の為、民の為に良き王であろうとし、それでもロシェだけは欲しかった、というイスハンもいい。
こんなに愛し合ってる半身の2人なのに、いずれロシェは身体を失ってしまうなんて……。
未来を思うと悲しいです(;ω;)
イラストは引き続きyoco先生。
今回も素敵な挿絵をありがとうございます(*^^*)