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koi kogare utae R.I.P.
映画の原案と連動したお話だそうです。
原案から漫画にするにあたり構成しなおしているそうなので、やはりmiso先生色のある漫画でした。
私は普段、萌えやきゅんがあるハッピーな作品をレビューしている事が多いのですが
このお話はそういう部類の内容ではなかったです。
萌えやきゅんや癒しはありません。でも引き込まれました。
ラッパーKAIと、レイプされた高校教師の桐谷のお話です。
KAIの生きる環境が劣悪で、、、。
桐谷がレイプされたと知ったKAIが、その環境に桐谷を引き入れる事から始まっていきます。
そこは暴力や理不尽が蔓延するスラム街のような場所。
工業地帯だったり河川敷だったり治安の悪さだったり、若者にラップ文化が根付いていたり「この街ではヤクザになるかラッパーになるか」という言葉が出てきたり。多分モデルとする街はあるんだろうな。
こんな現実があったら辛すぎるけど、、、。
一人一人の命や存在が意味のないような世界で
先生だけが足掻いて「そんなことないよ」と言ってくれるような、ちゃんとした大人の人であり続けてくれた事だけが、読んでいて少し救われました。
難しいテーマのお話だと思うのですが
読み手に託しすぎることなく、理解ができるように心理描写やストーリー展開をしてくれていて、置いてきぼりにされずに着いていくことができました。
刹那的で狂った感じのKAIの、内面の繊細さや不器用さ、優しさも痛いほど伝わってきました。
映画公開前ですし、あまりネタバレはしない方が良いのかなと思い、詳しく内容は書いてません。
BLというか映画的なお話でした。
BLとしてというか、作品としてめっちゃ引き込まれてガツンと胸に響いたので、私はすごく好きです。
だけどきっと、好みは別れるのだろうな、とは思います。
まさにこれは歪な純愛。
愛し方も生き方も歪んだ方法しか知らなかっただけのKAIが、KAIなりの方法で傷ついた先生を愛そうとする話です。
ここから先は本編を読んでから進むことをおすすめします。構わない方はお付き合い下さい。
個人的に大好きだと感じた設定が、KAIの客であり町を仕切っていた男・間宮も元性犯罪被害者だった点です。
KAIの不幸を、そして先生の不幸を作りだした張本人の人物を悪役にしない世界観が本当に良かった。
きっと彼らにとってはままならない人生と、社会の闇こそが敵なのだと。
地を這う若者が自分達の幸せの為に必死で藻掻く姿が、BANANAFISHみたいな物語が好きな私には刺さりました。
ある意味救済ストーリーなんですよね。買ってよかった。
miso先生の作品は何作か読んでいますが、どの作品も絵柄、空気感、少し不思議で綺麗だという印象がありました。
前情報なくmiso先生の名前だけで購入しましたが、すごくひきこまれて一気に読みました。
巻末にコミカライズとは違い同じ原案から展開するパラレルワールドのような企画と記されていましたが、本作で味わった気持ち、感動を大事にして、映画は見なくてもいいと思っています。
優しくて穏やか、胸きゅん、萌える、性行為シーンより感情表現多め、が好みで、今作はその真逆、暴力、苦しみ、死、殺伐、ヒリヒリ、が多かったのですが、とても胸に響き、切なくなり、感動しました。
主人公のKAIはアンダーグラウンドの街のカリスマラッパー、同時に、街を仕切るヤクザの玩具、性被害者、愛人、でもあります。
KAIはラップを通して気持ちを表す、吐露していますが、同じく性被害者の先生に会い、過去の事情もあり、自分と同じように堕としてやろう、と宣言し、付きまとい、関わっていきます。
KAIの行動、言葉、やることなすこと、どんどん、自分自身を傷つけて行く様子が、いつも心身が傷だらけな様子が、とても切ないです。
もがいてももがいても抜け出せない、腐敗した泥沼にはまっているかのようなKAI。
そのKAIに引きずられかけたけれど、堕ちず、上昇を始め、自身も周りも少しづつ明るくしていった先生。
先生に惹かれて集まった子どもたちと、それを妬み嫉み、引きずり落そうとする、腐敗沼から出ようとする気力を失った者たち。
街を仕切る変態ヤクザとその側近。
そうした暴力や圧力による歪んだ部分に半分、目をつぶり、社会を受け入れている大人たち。
それぞれの立場の人たちが関わり、交わり、歪み、亀裂が起きる物語でした。
登場人物もエピソードもとても多いのに、1冊で見事に過不足なくまとまっているのはさすがmiso先生だと思いました。
ハッピーエンドにならない最後がとても悲しく、切なかったけれど、ラストの先生の回想と、KAIの最後の言葉と行為に涙腺崩壊、いろんな感情が噴き出して泣きました。
読了後、気持ちが整理しきれず、時間を置いて、何度も読み返して味わいたいと思いました。
素晴らしい作品です。
実写映画とのメディアミックス作品との事です。
という事は、コミックスの本作と映画を合わせて大きな一つの作品世界が構築されるという事なのだと思うけど、とりあえずコミックスのみの感想で。
一言で言うと、ちるちるの記事の通りノワール+ラップ。
しかし単に「ノワール」というカッコつけた設定ではなくて、救いようのない、逃れようのない、重苦しく痛々しい悲惨な世界の中で生きる子供たちが出てくる。
本当にこんな無法がまかり通る地区というものがあるのか?
大人がみんながみんなヤクザの顔色を伺い、子供はヤクザの毒牙にかかる。学校も警察も見て見ぬふり。そんな……
主人公は天才的ラッパー、同時にヤクザ相手の個人男娼⁉︎のKAI。
この相手ヤクザ・間宮はそこら中で子供や男をレイプしまくってて、今回の被害者・桐谷(教師)も。大人の男なのにレイプ。
本作はKAIと桐谷の両視点的な展開。
桐谷を知っているらしいKAIが、桐谷をより苦しめようとする前半。
それは自分が堕ちた地獄に桐谷も落ちてきて欲しかったから。
つまりはやっぱり自分に気づいて欲しかったから。助けて欲しかったから。
一方平穏な世界から転げ落ちてしまったが、必死に生きて地域を正そうとする桐谷。
とにかく間宮というヤクザと、何もできない周囲の社会の胸糞。
その上、仲間の一人の少年(子ども)が下らない理由で殺される。KAIは壊れてしまう。
後半になるこのあたりから、ストーリーは痛く深く沈んでいく。
そして……
はっきり言ってショッキングな結末でした。
こんなふうにしかなれなかったの?KAI…
これで本当にそのまま生きていけるの?桐谷…
多分、この後完成するであろう映画と絡み合わせた上で「本当の結末」というものがあるのでしょうが、コミックスだけの結末としてはあまりにも痛々しい。
また、ラップについてなんだけど…これはどう効果的なのか判断できないです。
少なくともリズムとか空気感はあまり伝わってこなかったと思いました。
地獄の中で見た一筋の光、泥から咲く蓮…のようなお話ですよね。
救済のお話は好きだし、タイトルにR.I.Pとあるので死エンドにショックはなかったですが。
でもしっくりこないなぁというのが正直なところです。理解力低くてすみません。
KAIはシェルターのためにずっと犠牲になっていた。
桐谷を庇って死んだ。
最期に桐谷と恋が実って報われた。
桐谷を庇うことが本望なのかもしれない。
でも桐谷はそれでいいのか。
逆に重い十字架を背負ってしまったと思ったんですが。それはそれで一生KAIと共に生きていくということでしょうか。
間宮がいなくなってシェルターは平和になったのかな。
野原で子どもたちと桐谷が歌うラストシーンでしたが。
間宮がいなくなって無法地帯になって大丈夫なのかなと心配してしまって。
キャラクター裏話で、KAIの言動が不明な点を無自覚な二面性、不安定な精神状態と解釈していて、そうなりますよねぇと思いました。
miso先生は痛々しい物語を描くのが得意ですね。映画化ありきで作られた漫画というのも珍しく、一体どんな話なんだろうと気になっていました。ヤクザの息のかかった警察の権力が及ばないスラムのような街。そんな街でも子供達は無邪気で、ラップバトルを楽しむ余裕はある。正直、街の現実味は薄かったです。主人公であるKAIがなぜここまで堕ちなければならなかったか、もう少し経緯が詳しく知りたかった。
ただ、教職に就いていた仁の、どん底からの再生の物語としては読み応えがありました。警察を頼れないなら自力で悪人を片付ける度胸も、それに自分でけじめをつける覚悟も気に入りました。KAIの選択も、周りにどうこう言えるものでもないのかなと。こういうアングラな世界で生きてきた人間達には、きっと彼らにしか分からない考え方や生き方、価値観があると思うんです。仁は完全に溶け込むことはできなかったけれど、限りなく近づき、一瞬でもKAIと仁の人生は交わっていた。そういう風に解釈しています。
今更感ありますが読破。この作者さんの世界観がめっちゃ好き。いいよね、この泥汚い世界。
最近専ら表紙買いしてたからこの漫画は読んでなかったけど、人気みたいで購入。
ラップの漫画って少ないよね。珍しい。
読んでくごとに漫画の中の状況が悪化していくのでハッピーエンドを求めている方には不向き。めっちゃ後味悪いです。
個人的にキャラクターが死んでくのは構わないけど、死ぬ事でハッピーエンドは望めないわけで。
なんか受けが結構夢見がち?理想論かまして成功しちゃった特異例なので受けの性格は無理。
それでいて攻めもハナからの完璧君で鼻につく←
多分それなら映画見た方がいいのかもしれない。見てないけど。←
共依存の果てにハッピーエンドもクソもないけど、夢は夢のままであるべきだよな。