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tourou no ori
螳螂的牢笼
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
『蟷螂の檻』の5巻目にして完結編。
ドロッドロのドシリアスなシリーズで、これ、どういう完結を迎えるんだろう…、とヤキモキしながら追いかけてきましたが。いやはや、こうきたか…!甘々でほのぼのなお話を読みたいときには回れ右。最後の最後まで痛さも闇も途切れることなく描かれている。どこまでも人の心の闇を追いかけた、そんな1冊。
屋敷に火をつけた育郎。
会社を辞任し、さち子とも離縁し、典彦と共に火に飲み込まれそのまま…、というところにやってきたのは蘭蔵だった。
蘭蔵は、育郎の手を取り燃えさかる屋敷から逃げ出すが―。
というところで終わっていた4巻。5巻はその続きからスタートします。
国会議員の汚職事件を追うブンヤさんの飯田くん。
国会議員で、tnkに真珠の入った変態オジサンの本多を追いかけ、そしてそのつながりで育郎のもとに何かしらの手掛かりを求めてやってきた。その飯田に救われる形で兄弟そろって飯田くんのもとに身を寄せることになるけれど。
さち子と共に過ごすうちに少しずつ心が成長していった蘭蔵がとにかく可愛いの。
弟が可愛くって仕方がない。
弟を守りたい。
子どもの時から、蘭蔵は育郎のお兄ちゃんだったんだなあ、と。そんな彼の純朴さに心が洗われるのだけれど、それと相反するように彼の出生の秘密も描かれていてなんとも哀しい。
そして育郎。
今までどんなに過酷な目に遭おうとも人前で涙を見せることのなかった育郎が、憚ることなく泣き続ける。それは、典彦を喪ったからなのか。あれだけのことをされてなお典彦を求める育郎の姿は、賛否両論ありそうではあるが心揺さぶられる。
さち子。
飯田くん、そして西浦くん。
彼らは典彦と接点を持たなければこれほど哀しい目に遭うことはなかったのではないかと。典彦恐るべし。
で、今作品のキモと言えるんじゃなかろうか。
典彦の、坊ちゃんへの執着心は一体どこから来ているのか。
典彦はねぇ、なんて言うんですかね。哀れな人物でしたね。
彼は愛することも愛されることも、そして人との温かなやり取りも、何も知らない。だから人を信じることもないし、傷つけることにためらいがない。坊ちゃんもまた、典彦にとっては駒の一つでしかない。いや、なかった、といった方が正解か。
典彦が持ち続けていたナイフ。
あれは、彼にとっては坊ちゃんと自身を繋ぐ、最後で唯一の「もの」だったんじゃないかな。愛することを知らなかった男が、最後まで執着したもの。それは坊ちゃんだった。それを表現するツールとしてあのナイフが描かれていたのではないかと、そう思えて仕方ありませんでした。
『蟷螂の檻』。
タイトルがまた素晴らしい。
人はだれしも、自分を自分たらしめる何かを持っている。枷、という言い方でもいい。一般的な幸せが、自分にとっての幸せとイコールなのか。典彦にとっては育郎が、そして育郎にとっては典彦が、自分を繋ぎとめる存在だったのかなあ、と。
育郎は、まるでカマキリが餌を狙うように、喰い尽くすように、典彦に喰われた。けれど、それは育郎にとっては幸せだったんですね。幸せのカタチとは、人が図れるものではないんだなあとしみじみ思いました。
さち子さんは最後までカッコよかった。
BL作品で、これほどまでに心惹かれる強く逞しい女性って、そうそういない気がします。
典彦って、かなり外道な人物ではありますが、今作品の一番の悪は、蘭蔵と育郎の父ちゃんだよなあ…。彼があそこまでクソでクソな父親でなかったなら、彼ら兄弟の未来ももっと違ったものになったであろうと思うとなんか哀しい。
痛い描写も、無理やり描写も、流血シーンもてんこ盛りの今作品。
けれど、甘いだけではなく、人を愛するということの奥深さをきっちり描き切った衝撃作。読み手を選びそうではありますが、個人的に文句なしの神作品です。
これだけドシリアスな作品ですが、fromRedで電子限定で『蟷螂の檻の中の人』が始まるとのこと。これだけ温度差のある作品もなさそうですが、そちらも楽しみに待っていようと思います。
最高でした!!!とにかく余韻がすごいです。。。
色々と衝撃のあまりまだ感想を自分の中で纏められず、箇条書きになってしまいますが書き起こしてみます。
・さち子…!
影の主役といっても過言ではない、いやむしろ光の主役(メインカプ二人を闇として)。
気高さに惚れる…!深山典彦を最後まで捨てられなかった坊ちゃんに対して、ちゃんと怒りを抱いているところにも人間力を感じる。素敵。
・ぼっちゃん
4巻までは光の主人公だと思っていたのに…もう手遅れだったのね。4巻ラストで死を受け入れた時からなのか、典彦を失ったと思った時なのか。。。
メリバ?!メリバなのか??!
・蘭蔵
両親…まさかのおおおお
だし、障害は先天性じゃなかったのか…。
お兄ちゃんしたかったんだね、このキャラは最初から最後まで天使だったな…。
・のりぴっぴ
こいつにだけは絶対近寄りたくない
最終的に思惑通りになってきっと幸せだったね
でも健一には謝れえええ
そしてこいつの父親もまさかのあの人!!!!
もしかしたら典彦と蘭蔵は実の兄弟かもしれなくて…さらに腹違いの弟・典彦を愛さずにはいられない遺伝子なのだなあ(愛情の方向はだいぶ違うけど)
・健一
結構好きでした。
蘭蔵とお幸せにね!
続編、首を長くしてお待ちしています!!!
・飯田
君も幸せになってくれ…!!!イケメンだいすき!!!
萌えたかどうかと言われるとうーん…というところですが、
とにかく世界観に圧倒され、すごいものを読んだ…という気持ちです。
キャラクターみんながそれぞれの幸せの形を迎えられたのかな…。すっきり納得のいくエンドでした。
スピンオフの中の人ネタはまた別で楽しめますし、
本当はみんな演技、と思えば闇BLも痛みがやわらぐ気がします。
8年間もの連載、お疲れ様でした。
素晴らしい作品を読ませていただきました。
彩景先生をはじめとする制作チームの皆様に感謝です!!
めちゃくちゃ期待していたましたが、期待をはるかに超えてきました。連載を追わず(すみません・・)ずっともやもやしていたのですごくスッキリしたというか大満足です。興奮が覚めやらない。見事な完結の仕方。愛の形を見事に表現した傑作。なんだかすごいもの読んだ、静かにスタンディングオベーションしたい気持ちです。BL作品を読みだして間もない頃に先生の作品を読んであまりのエロスに固まってから、BL作品におけるエロスの原点といえば彩景先生でした。本作最初は市川崑の映画のようだ・・と度肝を抜かれて読み出しましたが、最終巻はシャーロットランプリングの「愛の嵐」を見たときのような衝撃でした。こういう独特な二人だけの愛の世界って難しくて単細胞の私にはよくわからん・・となることが多いのですが難しいようでいて結局わかりやすかった。登場人物が多くてストーリーが骨太で話にのめりこめました。最終巻は愛がプラトーに達した後の残火のような感じがじわじわきた、最高でした。どのキャラクターに関しても納得できた。漫画として面白い、最高に美しい。私のような読者がレビューを書くのも憚られますがすごく面白かったです。先生ありがとうございます。
本当に心を鷲掴みにされました。
よこいぬに続き蟷螂も終わってしまいonBLUEすっかり光属性ですね…!笑
飯田くんはいい奴だから飯田っていうのを先生がどこかで仰っていて本当にその通りだったなぁと。
彼の発言があったからこそ育郎は典彦への想いを更に募らせた。
典彦と再会した時の育郎の笑顔印象的でした。
典彦は思ってもいない結果に驚き、改心しているようにも思えました。
てっきり誰か死ぬだろうと思っていたので、まさかの結末…!
でも典彦の過去編読んだらやっぱり憎めなくて拗れたの納得しかなかったです。
ふたりで一緒に生きていくと決めてそのあとがあまり描かれなかったのもなんだか良いなと思いました。同人誌とか番外編で読みたくなっちゃうやつ。
蘭蔵がお兄ちゃんしたかったんだなっていうのもうるうるしちゃいました。
それぞれが幸せになってほしい。
さち子の強さはあっぱれですね。
飯田が未練タラタラだったのでさち子の潔さが際立ちました。
万人受けするかと聞かれたらそうじゃないんだろうけど絶対一部の人たちには響きまくる作品。こういう作品はなかなか出会えない。。読めて嬉しかったです。
私の好きな長期連載作品が去年から立て続けに
最終回を迎えています。
どの作品もとても良いラストでした。
蟷螂の檻、どんな最後なのか想像もつかないけど、
5巻の刊行を楽しみに発売日に手にしました。
復習も兼ねて4巻から読み返し5巻に突入。
さち子好きなんですよね、私。
でもBLだから育郎とさち子がうまくいく未来なんて来ないのはわかってるんですよ?
育郎の中の典彦の存在感はちょっとやそっとじゃどうにもならん位、幼少期から刷り込まれてるんだもん。
5巻読み終わって1巻から読み返してるんだけど、
1巻で既に典彦は育郎に対して何を求めてるのか書いてあったんですよ。うっかり読み流してた。でりこ先生物語の初めからラスト想定してたのかなー。
5巻読み終わってから読み返すとうわぁーーーー!って思うシーンが沢山です。
あの時のあれは、こうだったのね的な。
蘭蔵さんって元々障がいがある子だと思ってたら違うじゃない!育郎の母、美都枝に首絞められたからやないの。典彦、育郎の性癖って結局幼少期の生育環境がとても影響してる。
色んなことの悲劇の元凶は、育郎の父政蔵だわー。
この人のせいで、どれだけの人が人生狂わされてるか。
なんか、典彦と育郎良かったねとも思えないし、さち子も飯田も育郎に心を囚われたままでなんだか可哀想だし、唯一よかったねと思えたのは健一と蘭蔵かな。
描き下ろし部分、典彦と育郎が淫靡な雰囲気で寄り添っているところを少年達が覗き見してて、性のトラウマ連鎖していく様にゾクッとさせられました。
でりこ先生の描くちびっ子育郎と蘭蔵可愛かったです。あんな、純粋な可愛い子を壊したやつら、けしからんな。何という性癖だよ。
えっろえろな同人誌も、のりぴっぴのアホギャグ同人誌も紙の本で持ってますが、電子配信されているので皆さん読みやすく買いやすくなったので、未読の方は是非読んでみてほしい。
中の人の話も面白いのでまとめて単行本になるといいな。
メリバですよね?
求めていた愛を手に入れられなかった人たちが拠り所を欲した為に、相手や周りの人を傷つけて自分まで苦しむ辛いお話でした。共依存の末路です。
それぞれのキャラクターたちは幸せに終わったと思いますが、読んでいる方はスッキリしないかもしれません。「真っ当な幸せ」ではありません。
それでも、納得の終わり方だったと思います。
過去の親世代の話が明るみになったり、子どもたち世代がしてきた後片付けなどもあったり、最終巻らしいまとまりがありました。
時代物らしい暗さと官能、そしていろいろな感情がむきだしになっているのがたまらない作品でした。
白いブリーフや靴下ガーターやはだける着物。エロいです。
言葉遣いや時代背景、異質の生きにくさなどとても丁寧に描かれています。
でりこ先生の作品は舌が濃厚でエロいです。口や舌の表現がとてつもなくエロいです。
登場人物はみんな美しくなまめかしい表情と身体つきをしています。
1巻の初めの頃に「この子の壊れるところが見たい」と攻めの典彦は思います。
でも結局、壊れたのは誰だったのか…
カマキリに喰われたのは誰だったのか…
檻に閉じ込められたのは誰だったのか…
育郎が典彦に再会した時の笑顔と典彦の呆けた表情を見たら、それだけでよかったと思えます。
最終巻を読み終えたら、もう一度最初からじっくりと読み直したくなります。
エロサスペンス。最後までどうなるのかわからず面白く読めました。
唯一の良き女性キャラのさち子さんもとても素敵で魅力的な人でした。みんなの憧れであり、たぶん、彼女が一番強くてよくできた人間ですね。
5巻完結おめでとうございます。
最近長期連載完結ラッシュが来ていると思ってましたが、蟷螂の檻お前もかという気持ちでいっぱいです。
闇BLはそんなに好きじゃないんですが、画力とストーリーで殴りかかるようなこの作品、とても引き付けられました。
普段闇BLは読まないので、メリバを久しぶりに読みました。もやもやする!
もう典彦と育郎にはこれしかないんだろうと思っているので、もやもやしながらも納得です。
他の登場人物のその後も描かれていて、あの2人に巻き込まれてどす黒い世界に足を突っ込んだ人たちが、穏やかな日常を取り戻しているのを見て、何とも言えない気持ちになりました。
さち子には幸せになって欲しいです。
発売前から待ち切れず、蟷螂の檻の中の人に手を出してしまいました。
そして、このもやもやをぶつけるために、わたしの坊ちゃんがかわいすぎるとか、艶屋敷とかポチってきました。暫く蟷螂の檻にどっぷり浸かります。
これまたBL史上に残る名作が誕生してしまいました…ガクガク(震撼)。2巻まで読んでいて完結待ちしていましたが、結末を見届けることができて本当に幸運です!
作者様が描きたいとされる世界観が読者にバッチリ伝わってくるところは、才能と鍛錬とキャリアの成せる技ですよね。
まず、作品のコンセプトを具現化したタイトルがお見事!耽美ストーリーとしても完璧だし、エロスしかないメイン二人のへヴィーな関係性はいかにもBLらしい。闇に蝕まれた當間家をなんとか軌道修正させようと脇キャラたちがもがく姿にチラリチラリと希望の光を託す、その見せ方にも非の打ち所がない。
そしてここにきてようやっと、典彦の欲望が暴走し過激化していく裏付け——彼のサイコパス的な要素が出自や生育背景に仄めかされる重要なコマが登場します。その愛に届かぬ執念の権化がもたらした鬱エンドに至る今巻の流れは、納得以外のなにものでもありませんでした。BLとしてはハッピーなのかもしれないけど、通常ならばミステリアスに余韻を残したいところでしょうから…。
個人的にBLに萌えを求めている読者としては、正直萌えは感じられませんでした。ここまできてしまうと本作はもう、文芸作品としか読めなかったからです。
絵柄も好みだったらよかったのにな〜と、そこだけはどうしようもできず残念…。子供の頃の蘭蔵と育郎は可愛いんだけれど、典彦の顔が好きになれなくてお話にどっぷりと入りきれなかったのが悔やまれます。
わたしには蘭蔵の存在が救いでした。そう感じせてくれる技術も引くほど上手すぎると思います笑
満足。
4巻が出たタイミングで読んで当時は続きがすっごく気になっていたんです。
たしか単話売りがなかったので連載は追いかけてなかったんですよね。
4巻まで読み返すのがしんどいのでとりあえず5巻のみ読後すぐの感想を。
なかなか見れない横溝と谷崎のハイブリッドのような作品。読んでいると愛のバラードが聴こえてきますw
結末も納得。全方向に攻めた作品でございました。
第三者目線のさち子が良い仕事してまして、彼女のセリフはどれも本当に素晴らしいと思う。
育朗の笑顔も良かった。あれがなければ萌2にしたかもw
という訳で神評価。
心中エンドしかないと思ってたら!!?の4巻からの最終巻!!!見事な闇BL!闇!闇鍋!!このドロドロごった煮、何が何だか分からないけど手を出さずにはいられないところがまさに闇鍋!!と闇鍋と言い表してるのお見かけして大共感したわけですが、蟷螂は誰だったのか、檻は何だったのか、最後まで読んでみて感じたずっしり感。蟷螂も最後は雌が雄をバリバリ食べるもんね。典彦さん、とんでもない人を育て上げたものです。
それでも育郎の根底は心の安らぎを与えてくれた典彦をただただひたすらに渇望する純粋な気持ちだったと思う。再会した時の笑顔といったら!!何が正しいかなんて、本人にしか決められない。飯田の気持ちも幸子も真っ当だけど、育郎にとってはハピエンだなって終わり方でした!育郎の中のものがいろいろ吹っ切れてく坊ちゃん成長記としても奥深い!
典彦にとってはどうなんでしょう。育郎と再会して「渇いたまま」と言っていたけど…足りなくて足りなくて、でも殺して丸ごと自分のものにしてしまうことはできなくて…蟷螂に寄生したハリガネムシは共生する道しかないそのもの。と思うとなんだか苦しいけれど、坊ちゃんが愛おしすぎて、坊ちゃんの伸びしろ凄すぎて、どんだけでも欲しくなるという欲深さ、愛情ゆえの「足りない」であり、それを理解し何でも受け入れ悦びに昇華してく育郎という関係を思うと完全なるハピエンですね!!!
坊ちゃん大好きのりピッピのアホエロ同人誌とさちこの気丈さがなければ乗り切れない面も多々あり、でりこ先生の振り幅に感服のシリーズでした!!!